ウェルビーイングとは?実現に必要な5つの要素や実践方法をご紹介

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ウェルビーイング

ウェルビーイング(Well-being)とは、単に健康やフィットネスだけではなく、心の健康や生活の満足度も包括する概念です。近年、このウェルビーイングの実践が、個人だけでなく企業や社会全体にとっても重要視されています。

この記事では、ウェルビーイングの本質を理解し、実践するための具体的な要素をご紹介します。

ウェルビーイングとは

ウェルビーイングとは

ウェルビーイングは単なる健康状態を超え、個人の心理的満足感や社会的つながりを重んじた人生を生きるための能力を表す概念です。
まずは、ウェルビーイングの定義について解説します。

WHOによる健康の定義

ウェルビーイング(well-being)とは、その語源から健康や幸福、福祉などを意味します。
世界保健機関(WHO)の憲章では健康について、「単に病気や不健康がない状態というわけではなく、肉体的、精神的、そして社会的に完全に満たされた状態(well-being)である」と定義しています。

つまり、単に身体的健康だけでなく、幸福感を感じたり、社会的なつながりの維持も指しています。
具体的には、家族や友人、職場の同僚と良好な関係性をイメージするとわかりやすいでしょう。

ウェルビーイングと幸福の違い

ウェルビーイングと似た意味合いで使われやすい、「幸福(Happiness)」との違いは何なのでしょうか。
幸福は一時的な感情の状態を指し、特定の瞬間や状況での満足や喜びを表現します。
一方、ウェルビーイングはより持続的で包括的な概念であり、身体的、精神的、社会的な健康がバランスよく整った状態を指します。

つまり、幸福は主に心理的な満足感や喜びに焦点を当てており、ウェルビーイングは包括的な「生活の質の高さ」を意味しています。

ウェルビーイングを実現する5つの要素

ウェルビーイングを実現する5つの要素

ウェルビーイングの概念として有名な「PERMA」は、ポジティブ心理学の枠組みで提唱された指標です。
この理論はマーティン・セリグマンによって展開され、人が幸せで満足感を得るために必要な要素を以下の5つに分類しました。

ここでは、それぞれの要素を詳しくご紹介します。

1.ポジティブ(Positive Emotion)

ポジティブな感情には、「歓喜」「愛」「笑い」「感謝」などがあり、個々の幸福度や心の健康に大きく貢献します。
たとえば、「笑い」はユーモアや面白さから生じる感情で、笑いがもたらす喜びや効果は精神的なストレスを軽減し、ポジティブな気持ちにさせてくれます。

2.没頭(Engagement)

没頭や没入とは、時間を忘れて完全に物事に集中し、その活動に夢中になる状態を指します。
一般的には「ゾーン」と呼ばれ、特にスポーツ選手やクリエイティブな作業をする人々が経験することが多いです。
たとえば、スポーツ選手が試合中に「ゾーンに入る」と表現するのは、その瞬間に全ての注意が試合に向けられ、状況や時間の感覚を忘れ、最高のパフォーマンスを発揮できる状態を意味します。

3.良好な人間関係(Relationship)

ウェルビーイングにおいて、社会的な人間関係が与える影響は非常に大きいです。
具体的には、パートナー、家族、友人、仲間などとの良好な関係が人生に幸福をもたらします。良好な人間関係は、個人の社会的支援ネットワークを形成し、孤独感を軽減します。特に、信頼できるパートナーや親しい友人との絆が強ければ、心の安定や幸福感が得られる方は多いでしょう。

また、自己を超えて他者に貢献することは、精神的な充足感や満足感をもたらします。

4.生きる意義と目的(Meaning and Purpose)

人生の意味や意義は、個々人が持つ価値観や人生の目的に関連する領域を指し、自己の存在理由や生きる意味を考える上で重要な概念です。
自分にとって何が重要であり、何に価値を見出すのかを明確にすると、判断や選択の際に役立ちます。
自分の価値観に従えば、自身の行動に一貫性が持たされ、充足感が得られやすくなるでしょう。

5.達成(Achievement / Accomplish)

自分が設定した目標や計画を達成することで得られる喜びや満足感は、ポジティブな感情を高めます。
なぜなら、目標達成は自己実現感を高め、自己効力感や自信を増強させる効果があるからです。結果として、今後の目標設定や挑戦に対する積極性や意欲向上につながるケースが多いです。

ウェルビーイングが注目される理由

ウェルビーイングが注目される理由

ウェルビーイングが注目される理由は多岐に渡りますが、近年、個々の生活の質や幸福度を重視する声が増えていることが主な要因です。
ここでは、ウェルビーイングが注目される具体的な理由を4つ紹介します。

SDGsの目標のひとつであること

ウェルビーイングが注目される理由の一つは、持続可能な開発目標(SDGs)の中で明確に位置づけられているからです。
SDGsは、2030年までに世界の持続可能な発展を達成するための国際的な取り組みであり、その中で「全ての人々が健康で充実した生活を送ることを促進する」という目標があります(SDG3)。
このように、ウェルビーイングの推進は、国際的にも重要なテーマとなっています。

働き方や価値観の多様化

近年、働き方や価値観の多様化が進む中で、単なる経済的成功だけでなく、個々の幸福や満足度も重視されています。

日本でも従来の経済成長や収益性だけでなく、働き方の改革やワークライフバランスの向上が求められ、これがウェルビーイングの重要性をさらに浮き彫りにしています。そのため、個人だけでなく企業も従業員の幸福度や働きがいを向上させるために、働き方の制度を整備・検討しなければなりません。

日本の世界幸福度ランキングの低さ

2023年、日本は世界幸福度ランキングで47位です。決して高くはないこの順位も、ウェルビーイングが注目される理由の一つです。
このランキングの低さは、経済的成功や物質的な豊かさとは異なる幸福さの不足を示唆していると考えられます。
つまり、日本では社会全体でウェルビーイングの向上が求められているのです。

新型コロナウィルスの影響

2020年に広がった新型コロナウイルス感染症は、私たちの社会や働き方に大きな影響を与えました。

コロナ禍を通じて、自身や家族の幸福について改めて考える機会を得た方は多いのではないでしょうか。たとえば、急速に普及したテレワークは業務効率を向上させる一方で、新たな問題やストレスも引き起こしました。
このような状況から、個人だけでなく企業が主体となり、従業員やその家族の健康と働きがいを支援するウェルビーイングへの関心が高まっているといえます。

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ウェルビーイングに取り組むメリット

ウェルビーイングに取り組むメリット

ウェルビーイングは単なるトレンドではなく、企業にとって「真に価値ある投資」と考える方は多いです。
続いては、ウェルビーイングがもたらす3つのメリットをご紹介します。

1.健康経営

ウェルビーイングの推進は、持続可能な健康経営につながります。たとえば、定期的な健康診断やエンゲージメントサーベイ、ストレスケアなどの健康支援が代表的です。
このような取り組みは、従業員の健康状態の改善だけでなく、生産性の向上にも寄与します。

2.離職率の低下

ウェルビーイングを重視する企業は、従業員が働きやすい環境を整備する取り組みを積極的に実施しています。
働き方の選択肢が増えれば、離職率を低下させる効果も期待できます。結果的に従業員の長期的なキャリア構築に寄与するでしょう。

3.生産性の向上

従業員の健康と幸福感が高い状態であれば、彼らの生産性も向上します。心身の健康が保たれた従業員は、集中力があり、業務の効率化や売上拡大に貢献することが期待できます。

【個人編】ウェルビーイング実現のためにできること

【個人編】ウェルビーイング実現のためにできること

ウェルビーイングを日常生活に取り入れる方法について紹介します。
できることから実践してみましょう。

マインドフルネス瞑想

日々の忙しさやストレスから一時的に離れ、深い呼吸と共に自己観察を行うことで、精神的な安定とストレスの軽減が期待できます。
瞑想は短時間でも効果があるため、ぜひ一度生活の中に取り入れてみてください。

定期的な運動

運動は体力を増強するだけでなく、心身の健康を促進するための重要な手段です。
たとえば、有酸素運動や筋力トレーニングを組み合わせることで、血流が改善され、ストレスホルモンの分泌が抑制される効果があります。定期的に運動を行うことで、体調全般が改善され、日常生活の活動量も増えるでしょう。

休息の確保

忙しい日々の中で、質の高い休息の確保は心身の健康維持に不可欠です。
睡眠時間の確保は特に重要で、十分な睡眠は体の回復を促進し、翌日の活動における集中力やパフォーマンスを向上させます。
また、ストレス解消のための趣味や気分転換も大切です。心の余裕が保たれ、日常生活におけるストレスへの対処もしやすくなります。

会社以外の人間関係構築

仕事以外の社会的なつながりを築くことは、心の健康を保つために重要です。家族や友人との時間を楽しむことで、孤独感を軽減し、生活全般における幸福感が増します。また、新たなコミュニティで得られる発見や出会いによって、さらなる自己成長も期待できるでしょう。

自己肯定感を持つ

自己肯定感を高められれば、精神的に安定し、ポジティブな気持ちになれます。自分の強みや成果を認めることで、自己価値感が向上し、困難な状況にも前向きに対応する力が身につきます。
たとえば、達成感を感じられる小さな目標を設定し、それに向かって行動し、成功体験を蓄積するのがおすすめです。

周囲に感謝の気持ちを持つ

日常生活の中で、自分が持つ恵まれているものへの感謝は、心の豊かさを育むために重要です。
感謝の気持ちを持つことで、ポジティブな気持ちが増幅され、人間関係や仕事の成果に対する満足度が向上します。些細なことでも周囲の人々や環境に感謝の気持ちを持ち続けましょう。より豊かで充実した生活を送れるはずです。

【企業編】ウェルビーイング実現のためにできること

【企業編】ウェルビーイング実現のためにできること

従業員が心身ともに健康で充実した生活を送ることは、生産性の向上や組織全体の幸福度を高める重要な要素です。
最後に、企業の取り組みとして、従業員の健康促進やストレス軽減に効果のあるものについて紹介します。

心身ともに健康で働ける環境の提供

従業員が最良のパフォーマンスを発揮できるよう、健康促進のための環境整備が重要です。職場内に健康管理支援の仕組みを導入し、定期的な健康診断やストレス管理プログラムの提供により、従業員の健康管理を支援します。
たとえば、味の素では「味の素グループで働いていると、自然に健康になる!!」というテーマを掲げ、健康に関する情報専用ポータル「My Health」を提供しています。

組織を超えたコミュニティの形成

従業員同士が支え合い、相互のつながりを深めることで、組織全体のコミュニティ感を醸成します。
具体例として、楽天では英語版のラジオ体操やフィットネス、ウェルビーイングに関するセミナーを開催し、社員間のつながり強化に取り組んでいます。

キャリアやワークライフバランス実現への支援

従業員が仕事とプライベートの両方を充実させるための支援を行う企業も増えてきています。
たとえば、三菱地所レジデンス株式会社では3日連続で利用できるフレックスホリデーやリフレッシュ休暇も導入し、柔軟な働き方を促進しています。
また、短時間フレックスタイム勤務や各種休暇により、仕事と育児・介護・看護と仕事の両立を支援するなど、個々のニーズに応じたサポート体制を整備する動きも活発です。

まとめ

まとめ

ウェルビーイングを実現するには、企業は職場環境や従業員のモチベーションなど多岐にわたる要素を考慮する必要があります。
同様に、従業員ひとりひとりも、自分にとって幸福な状態が何かを理解しなければなりません。

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