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ワークインライフ?概要や導入メリット、実践する企業事例を解説
近年注目されている「ワークインライフ」という言葉をご存知でしょうか?ワークインライフとは、働くことは人生を充実させる手段と捉える考え方のことです。テレワークの導入など、ワークインライフを実現する取り組みを行えば、従業員のモチベーション・生産性の向上や離職率の低下、社会課題の解決などが実現します。
この記事では、ワークインライフの概要や導入するメリットと企業事例、実現に向けた課題について詳しく解説します。ワークインライフについて知りたい方、従業員の満足度を高めたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ワークインライフとは
ワークインライフとは子育てや趣味などと同様に、働くことは人生の一部であるという考え方で、オフィス家具メーカーの株式会社オカムラが提唱した概念です。
仕事を生活と分離するのではなく、一体となり相乗効果を生むものと捉え、働くことが人生を充実・豊かにさせると考える点が特徴です。ワークインライフでは仕事が中心でなく、自分の理想を実現する生き方の手段における一つになります。働く場所や時間に柔軟性を持たせ、自身のライフスタイルや価値観に応じた働き方の実現が重要です。
ここからは、ワークインライフが注目されたきっかけと求められる背景について詳しく解説します。
ワークインライフが注目されたきっかけ
ワークインライフが注目されたきっかけの一つは、2022年に開催されたカタールでのワールドカップです。
ワールドカップを観戦していた男性が「上司へ、2週間の休暇をありがとう!」と書いた紙を掲げており、それを国際サッカー連盟FIFAのX(旧Twitter)公式アカウントが投稿しました。FIFAが投稿した2日後には、NTT東日本が「休暇とW杯を楽しんでください。上司より」とXで返答し、話題となりました。
ワークインライフが求められる背景
ワークインライフが求められている背景には、働き方に対する考え方の変化があります。以前は、仕事を中心にする考え方が一般的でしたが、近年は人生における目標達成の手段が仕事であるとする考え方が広まっています。
仕事に対する考え方への変化が生まれた一つの要因が、新型コロナウイルス感染症です。以下は、LINEが調査・発表したデータです。
出典:【LINEリサーチ】コロナ禍での働き方への意識、10代では6割超が「変わった」と回答 今後したい働き方は「週休3日制」「在宅勤務」が上位に|PR TIMES
上記によれば、コロナ禍で働き方に対する意識が「とても変わった」「やや変わった」と回答した方の合計割合は、全体の約48%となっています。
同社が併せて発表した、仕事とプライベートのどちらが大切かの回答データが以下です。
出典:【LINEリサーチ】コロナ禍での働き方への意識、10代では6割超が「変わった」と回答 今後したい働き方は「週休3日制」「在宅勤務」が上位に|PR TIMES
上記によれば、「プライベートの方が大切」「どちらかというとプライベートの方が大切」と回答した方の合計割合は、全体の約82%を占めています。新型コロナウイルス感染症によりテレワークなど、新たな働き方が取り入れられ、働き方そのものに対する意識も変わった方が多いでしょう。
近年は、仕事を中心とする人生ではなく、人生を主軸とした働き方のワークインライフを重視する考え方に変化しています。
ワークインライフとワークライフバランスの違い
ワークインライフにおいて、仕事はあくまで人生の一部であると考えるのに対し、ワークライフバランスでは、仕事と人生の調和を目指します。内閣府のWebサイトにおける、ワークライフバランスの定義は以下の通りです。
「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会」
引用:仕事と生活の調和とは(定義)|内閣府
ワークライフバランスが唱えられた背景には、以下の課題がありました。
- 長期間労働が理由で引き起こされる心身の不健康
- ライフステージや一人ひとりの価値観に合わせた働き方のニーズ
- 従業員満足度の向上や離職率低下による働き手の確保
ワークライフバランスの場合、仕事とプライベートにトレードオフの関係が成り立ちます。仕事の比重が高ければプライベートの比重が下がり、プライベートの比重が高ければ仕事の比重が下がるからです。一方、ワークインライフは、人生の中で仕事を含めさまざまな行動を調和させる考え方です。
ワークインライフを導入するメリット
ワークインライフを企業に導入すれば、以下のメリットを得られます。
- 従業員の働きがい・やる気・幸福度の向上
- 生産性や企業の競争力が向上
- 採用の強化と離職率の低下
- 少子高齢化や地域の衰退など、社会課題の解決に貢献
ここからは、上記それぞれのメリットについて詳しく解説します。
従業員の働きがい・やる気・幸福度の向上
ワークインライフの導入は、従業員の働きがいや、やる気・幸福度の向上につながる効果があります。これまでは、仕事のために人生を犠牲にする部分もあったため、仕事は辛くストレスがかかるものと捉える方もいました。
ワークインライフでは、理想の人生を過ごす手段として仕事に取り組むため、仕事に対する取り組み姿勢が異なります。また、趣味や家族との時間など、プライベートに対して十分な時間を割くことにより、幸福度が向上し自己肯定感も高まるでしょう。
生産性や企業の競争力が向上
ワークインライフの導入による従業員のモチベーション向上は、生産性が高まる要因となります。また、十分な休養を取った従業員は、仕事でも高い集中力を発揮可能で、創造力の向上や成果の創出が期待できるでしょう。従業員一人ひとりの生産性における高まりは、結果として企業の競争力向上につながります。
採用の強化と離職率の低下
従業員の採用強化と離職率の低下が期待できる点も、ワークインライフ導入によるメリットです。近年は、総人口の減少とともに労働人口も減っており、人手の確保が困難です。十分な人手を確保できなければ、企業の競争力を維持できず、倒産につながるリスクもあります。以下は、帝国データバンクが発表した、従業員の退職や採用難、人件費の高騰などに起因する「人手不足倒産」の件数推移です。
出典:人手不足倒産の動向調査(2023 年度)|帝国データバンク
上記データによれば、2023年度の人手不足に起因した倒産件数は313件で、前年度比の約2.1倍、過去最高を記録しています。業種別にみると建設業が30%、従業員別では10未満が74.1%です。
ワークインライフの導入は、企業に対する従業員の信頼度合いや貢献意欲などを示すエンゲージメントを高め、離職率を低下させる効果もあります。
少子高齢化や地域の衰退など、社会課題の解決に貢献
ワークインライフ導入におけるメリットは、企業に対するものだけではありません。少子高齢化や地域の衰退など、社会課題の解決に貢献する効果も期待されています。テレワークやフレックスタイム制など、時間や場所を問わない働き方により、地方への移住や出産・子育てなどのライフイベントがあっても働ける体制が構築されます。
フレックスタイム制とは、一定の期間において事前に決められた総労働時間の範囲内で、日々の始業・終業時刻や働く時間を各従業員が自由に決定できる制度のことです。
ワークインライフを導入している企業事例
ワークインライフはすでに多くの企業で導入されています。ここからは、ワークインライフを導入している以下の企業事例について詳しく解説します。
- ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス
- NTTグループ
- CTCエスピー株式会社
ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス
ユニリーバ・ジャパン・ホールディングスは「Be Yourself:キャリアも、働き方も、自分らしく」をテーマに掲げています。2016年には、社員が働く場所や時間を自由に決められる人事制度「WAA(Work from Anywhere and Anytime)」を導入しました。WAAにより、社員は会社だけでなく自宅やカフェでも仕事ができ、勤務時間も5時〜22時の間で選択可能です。
WAAなど制度導入後の社員アンケートでは、以下のポジティブな意見を得られました。
- 生産性が上がった:75%
- 新しい働き方が始まってから生活が良くなった:67%
- 幸福度が上がった:33%
NTTグループ
NTTグループでは、2013年から「時間と場所にとらわれない働き方」を推進しています。2021年9月には、澤田前社長が「リモートワークを推進し、ワーク・イン・ライフを実現していく」と宣言しました。テレワークを基本とするリモートワークスタンダード制度を2022年7月に導入して、その後以下のさまざまな働き方を取り入れています。
- フレックスタイム制
- 変形労働時間制
- 裁量労働制
- 分断勤務
CTCエスピー株式会社
CTCエスピー株式会社では、ワークインライフという言葉が誕生する前から取り組みを行っています。仕事とプライベートは対立せず、どちらも人生の充実に大切な要素と考え、双方を統合し人生の質を高める「ワークライフインテグレーション」という考えのもと、人事制度と調整しました。働く場所・時間と、仕事のやりがい・生産性の関係性に着目し、コロナ禍以前からテレワークを導入しています。
ワークインライフ実現に向けた課題
ワークインライフの実現には、以下の課題が存在します。
- コミュニケーションが取りにくい
- マネジメントがしにくい
ここからは、上記それぞれの課題について詳しく解説します。
コミュニケーションが取りにくい
ワークインライフの導入により、コミュニケーションが取りにくくなる可能性があります。例えば、テレワークが導入されれば、出社が少なくなるため面と向かってコミュニケーションを取る機会が減少します。コミュニケーションが取りにくく、意思決定が遅れることを理由に、イーロンマスク氏がテスラ社員に最低週40時間の出社を義務づけた発言が話題を呼びました。
マネジメントがしにくい
マネジメントがしにくくなる点も、ワークインライフ実現に向けた課題です。場所と時間を自由に決められる働き方が実現すれば、上司と部下が顔を会わせる機会が減少します。部下の仕事ぶりや、進捗状況の把握がしにくくなるでしょう。また、部下から上司に対する相談タイミングの減少にもつながります。
コミュニケーションやマネジメントの課題解決は、DXの推進が重要です。近年は、ZOOMやMicrosoft Teams、Chatworkなどコミュニケーションツールが豊富に提供されています。ツールを上手く活用することで、問題を解消し、ワークインライフ実現ができるでしょう。
まとめ
ワークインライフとは、働くことは人生を充実させる手段と捉える考え方のことです。新型コロナウイルス感染症の蔓延など、働き方に対する考え方の変化により、ワークインライフが求められるようになりました。テレワークの導入など、ワークインライフを実現する取り組みを行えば、従業員のモチベーション・生産性の向上や離職率の低下、社会課題の解決などが実現します。
ただ、ワークインライフの実現にはコミュニケーションやマネジメントがしにくくなる課題も存在します。デジタルツールを上手に活用して、場所や時間を問わない働き方ができる体制の構築が重要です。
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