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Active Directoryとは?機能やメリット・デメリットを解説
Windowsサーバーに実装されているActive Directoryをご存知でしょうか?Active Directoryとは、パソコンやサーバーなどネットワークに接続されたリソースを一元管理できるもののことです。
この記事では、Active Directoryの概要や利用するメリット・デメリット、運用する際の注意点について詳しく解説します。Active Directoryについて知りたい方、効率化とセキュリティ対策を行いたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
Active Directory(アクティブディレクトリ)とは?
Active Directoryは、Windowsサーバーにデフォルトで搭載されているディレクトリサービスです。ディレクトリサービスとは、ネットワークに接続したリソースを統一管理できるサービスです。Active Directoryの活用により、パソコンやサーバー、アプリケーションなどの情報を収集して、一元管理できます。
Active Directoryが必要な理由
Active Directoryが必要になった背景には、大規模なデータベースが求められていることなどがあります。以前は、ユーザー・グループを1つのドメインにまとめて管理する「NTドメイン」が利用されていました。ただ、NTドメインは、ドメインの階層構造を作成できず、データベースの保存容量が少ないなどの課題がありました。Active DirectoryはNTドメインにおける課題を解決したもので、制限のない利用が可能です。
Active Directoryに関連する用語
Active Directoryの理解には、以下の用語理解が重要です。
- ドメイン・ドメインコントローラー
- ドメインツリー
- フォレスト
- シングルサインオン
- フェデレーション
順に解説します。
ドメイン・ドメインコントローラー
ドメイン・ドメインコントローラーとは、ドメイン内で管理者が各種制御を行うサーバーのことです。アカウントやグループポリシー、コンピューターのアカウントなどの認証・セキュリティ・ポリシー設定を管理します。
ドメインツリー
ドメインツリーとは、ドメイン名の階層構造に従い構成された複数ドメインにおける連なりのことです。Active Directoryでは、ネットワークのさまざまな構成要素を「ドメイン」として管理します。
フォレスト
フォレストとは、複数のドメインツリーから成り立つネットワーク構造のことです。フォレスト内における各ドメインツリーは、信頼関係を構築しリソースの共有やアクセス権限の管理ができます。
シングルサインオン
シングルサインオン(SSO)とは、一回の認証によりそのユーザー認証に紐づく複数のシステムやサービスが利用可能になる機能のことです。 複数回の認証やログインが必要なく、利便性が向上します。
フェデレーション
フェデレーションとは、複数の異なるシステムやサービスを相互に運用することで、一般的にはアカウント認証の連携を指します。シングルサインオンを実現する方法の一つがフェデレーションです。
Active Directoryの機能
Active Directoryの主な機能は以下の4つです。
- ID・パスワードの効率的な管理
- ユーザーのアクセス制御や権限の最適化
- OSアップデートやセキュリティソフト更新の一括管理
- ログの閲覧と管理
一つずつ解説します。
ID・パスワードの効率的な管理
Active Directoryの利用により、組織内ドメインのIDとパスワードなどの認証情報を一元管理できます。通常は、利用するサービスやシステムごとにID・パスワードの設定が必要です。Active Directoryのフェデレーションサービスを利用でシングルサインオンが可能になり、一つのID・パスワードで複数のサービスにログインできます。認証情報の個別管理をなくせば、情報が流出するリスクを抑えられるため、セキュリティ対策にも有効です。
ユーザーのアクセス制御や権限の最適化
ユーザーごとのアクセス制御もActive Directoryの機能です。閲覧や編集などの権限を、ユーザーもしくはグループごとに設定可能です。アクセス制御で権限の最適化を行えば、社内外における機密情報の漏洩リスクを低減できます。
OSアップデートやセキュリティソフト更新の一括管理
Active Directoryでは、OSアップデートやセキュリティソフト更新の一括管理もでき、システム管理者の業務効率化に役立ちます。また、一括更新ができるため一部のパソコンのみ更新をし忘れるなども防止可能です。管理できる機器はパソコンのみならず、以下の幅広いものに対応している点も魅力です。
- プリンター
- USBメモリ
- アプリケーション
- パソコンやメディア内のファイル・フォルダ
ログの閲覧と管理
Active Directoryの機能には、操作ログの保存・閲覧・管理も存在します。万が一、アカウントの悪用やサイバー攻撃を受けた場合は、ログの確認により原因の究明がしやすくなるでしょう。
Active Directoryと連携可能なクラウドサービス
Active Directoryは基本的に、オンプレミスでの利用を想定して開発されたサービスです。オンプレミスとは、システムの稼働やインフラ構築に必要なサーバー・ネットワーク機器・ソフトウェアなどを、自社で保有・運用するシステムの利用形態のことです。
ただ、近年はオンプレミスではなくクラウドサービスの利用が拡大しており、Active Directoryとの連携ができるものも存在します。具体的には、Microsoft Entra ID(旧Azure AD)やAWS Directory Serviceが挙げられます。
Active Directoryを利用するメリット
Active Directoryの利用には多くのメリットがあります。ここからは、以下におけるメリットについて解説します。
- 利用者
- 管理者
- 企業
利用者のメリット
利用者におけるActive Directoryのメリットは、シングルサインオンによりログインが簡単にできることです。一つの認証情報で、多数のアプリやサービスにログイン可能で、複数の認証情報を管理する手間もありません。また、ソフトウェアの更新なども一括で行ってもらえるため、自分で実施する手間は不要です。
管理者のメリット
システム管理者におけるActive Directoryのメリットは、管理の手間を大幅に軽減できることです。従業員が利用する電子機器やソフトウェアなどを個別に設定・更新する必要がありません。シングルサインオンによりユーザーが必要とするパスワードが減るため、忘れた際の問い合わせ対応も減らせます。
企業のメリット
企業におけるActive Directoryのメリットは、業務効率化です。ITツールの管理を効率化でき、一部の作業は自動化可能です。業務を効率化できれば、人件費の削減や他の業務に時間を使うことによる利益の増加が期待できるでしょう。また、Active Directoryはセキュリティ対策にもつながります。個人情報や機密情報が流出すれば、経営にも影響を与えるリスクがあります。
近年は、サイバー攻撃が高度化・巧妙化しており、対策をしても100%防ぐことは困難です。漏洩した際に、すぐ気づき対策できるようにする必要があります。情報漏洩監視ツール「ダークウェブアイ」を利用すれば、情報の漏洩状況を一元管理できます。
Active Directoryを利用するデメリット
Active Directoryの利用には、メリットがある一方で以下のデメリットが存在します。
- 専門知識が必要
- 初期設定と運用に手間・コストがかかる
- 業務が煩雑化する恐れがある
- サーバーがダウンすれば業務が止まる
- 社外クラウドサービスの利用時にリスクがある
ここからは、上記について解説します。
専門知識が必要
Active Directoryの初期設定・運用には専門知識が必要です。知識やスキルを保有する人材が自社にいない場合は、利用が難しいでしょう。万が一、セキュリティ設定でミスがあれば大きなリスクとなります。
初期設定と運用に手間・コストがかかる
Active Directoryを導入する際には以下が必要で、サーバーやソフトウェアの購入費もかかります。
- 初期設定
- サーバーの構築
- ネットワークの設定
- 情報セキュリティポリシーの定義
また、導入後も定期的なメンテナンスやバックアップとアップロード、セキュリティ管理が求められます。
業務が煩雑化する恐れがある
認証情報やアクセス権において、細かな設定をしすぎると業務が複雑化する恐れがあるため、注意が必要です。例えば、多くの制限をかければ情報アクセスのために都度権限の要求を行う必要があるでしょう。権限を要求する側も承認する側も、業務が増加します。
サーバーがダウンすれば業務が止まる
サーバーがダウンすればログインやアクセスができなくなります。ユーザーが必要なシステムやファイルを利用できなければ、業務が行えないでしょう。近年は、業務妨害を目的に行われるサイバー攻撃も少なくありません。
社外クラウドサービスの利用時にリスクがある
オンプレミスを前提に開発されたActive Directoryで、クラウドサービスの利用にはリスクがあります。Active Directoryを利用できないわけではありませんが、クラウドサービスとの連携は保証されていません。データの同期やアクセス時にセキュリティリスクが存在します。
Active Directoryを運用する際の注意点
Active Directoryの運用には、以下の注意点があります。
- 運用ルールを徹底する
- バージョンアップをこまめに行う
- Windowsの更新を忘れない
- サーバーを多重化する
- 適切なOUを設計する
- 非常用のバックアップ電源を用意する
順に解説します。
運用ルールを徹底する
Active Directoryを運用する際は、ルールの徹底が重要です。セキュリティ対策を行っても、従業員の操作ミスなどから、サイバー攻撃を受ける可能性があります。
バージョンアップをこまめに行う
Active Directoryには定期的なアップデートが必要です。アップデートしなければ、ソフトウェアにおける互換性の問題や、認証ができないなどが発生するリスクがあります。
Windowsの更新を忘れない
Windowsの更新を忘れないことも重要です。複数のバージョンが混在すれば、バージョンごとに設定や機能の相違点が発生します。バージョン更新を行った際には、問題なく動作するか確認しましょう。
サーバーを多重化する
サーバーを多重化すれば、サーバー障害が起きた際にも他のサーバーが代替するため、大規模な業務停止を避けられます。複数のドメインコントローラー設定は必ず行いましょう。
適切なOUを設計する
Active Directoryを利用する際には、OUによるアクセス設定が一般的です。OUの作成は、サーバー用やクライアント様など、ユーザータイプごとに行うのがおすすめです。組織図と同じOU設定をするケースもありますが、その場合組織図の変更が行われるたびに再設定が求められます。
非常用のバックアップ電源を用意する
非常用のバックアップ電源も用意すると良いでしょう。無停電電源装置(UPS)などの非常用電源があれば、停電や災害時にもActive Directoryを利用できます。
まとめ
Active Directoryとは、パソコンやサーバーなどネットワークに接続されたリソースを一元管理できるもののことです。Active Directoryを利用すれば、認証や情報管理を効率化するとともに、サイバー攻撃のリスクを抑えられます。
ただ、近年のサイバー攻撃は高度化しており、完全に防ぐことはできません。万が一、情報漏洩が起こった際にいかに早く察知し、適切な対応を取れるかが重要です。情報漏洩監視ツール「ダークウェブアイ」は、会社のドメイン情報を入れるだけで「いつ」「どこから」「どんな情報が」漏れてしまったのか、一瞬で分かります。
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