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サンドボックスとは?概要やメリット・デメリットをわかりやすく解説
サンドボックスとは、コンピューター内に隔離された仮想環境を作り出すセキュリティシステムのことです。未知のマルウェアや標的型攻撃に有効であるため、利用する企業が少なくありません。ただ、検出できないマルウェアがあるなどのデメリットも存在します。
本記事では、サンドボックスの概要や利用するメリット・デメリット、併用して実施すべきセキュリティ対策について詳しく解説します。サンドボックスについて知りたい方、セキュリティを強化したい方は、ぜひ参考にしてください。
サンドボックスとは
サンドボックスとは、ソフトウェアにより作り出されたコンピューター内における仮想空間のことです。実際のコンピュータとほぼ同様の仮想空間を作り出します。
サンドボックス内では、実際のコンピューター環境と同じように、アプリケーションなどの実行が可能です。万が一、悪意のあるプログラムだった場合でも、仮想環境であれば実際のシステムに影響が及ぶことはありません。
ここからは、サンドボックスの由来と仕組みについて詳しく解説します。
サンドボックスの由来
サンドボックスを直訳すると公園の「砂場」です。安全で自由に遊べる以下の特徴を有した公園の砂場に由来し「攻撃されても問題ない仮想環境」を意味します。
- 外部から仕切られている
- 保護者の目が届く場所に設置されている
- 砂を利用しなにかを作ったり、人形を持ち込んだりすることで、リアルな「ゴッコ遊び」ができる
サンドボックスの仕組み
サンドボックスは、特定のプログラムを実環境で動かす前に、隔離された仮想環境で実行し検証する役割があります。迷惑プログラムやウイルス感染していないかを検証し、問題がなければ実際のコンピューターで動かす仕組みになっています。
万が一、不審な動きを検知した場合はブロックするため、マルウェア感染などを防止可能です。マルウェアとは、コンピューターやその利用者への被害を目的とした、悪意のあるソフトウェアのことです。
サンドボックスを構成する主な機能
サンドボックスは、主に以下の機能で成り立っています。
- 仮想環境を再現する
- 脅威を検知する
- レポートを生成する
ここからは、上記それぞれの機能について詳しく解説します。
仮想環境を再現する
サンドボックスは、パソコンやシステムを真似た仮想環境を作り出します。不審なファイルやプログラムを、仮想環境で実行すればリスクを抑えられます。マルウェアだった場合は、その影響におけるシミュレーションを行い、攻撃の手法や目的を分析し、対策を検討することが可能です。
脅威を検知する
プログラム・ファイルを実行した後の状況を監視し、不審な行動や異常な挙動があれば検知します。すでに知られている攻撃パターンを、事前に登録する必要はありません。脅威を検知しなければ、実環境へ移行します。
レポートを生成する
サンドボックス内で実行されたファイルや、プログラムに関するレポート生成機能も実装されています。マルウェアの動作や攻撃内容、影響などに関するレポートがシステム管理者に提出されるため、セキュリティ対策の検討に役立ちます。セキュリティ対策をする上で、攻撃手法やその影響を把握することは重要です。
サンドボックスのメリット
サンドボックスを利用する主なメリットは以下の通りです。
- 未知のマルウェアに有効である
- 標的型攻撃に有効
- 導入しやすい
順に解説します。
未知のマルウェアに有効である
サンドボックスは、以下に代表されるマルウェアに有効なセキュリティ対策です。
手法 | 概要 |
---|---|
Emotet | 悪意のある攻撃者によって送られる不正なメールです。 |
ランサムウェア | データを不正に暗号化し、復元と引き換えに身代金を要求します。 |
ウイルス | プログラムの一部を書き換え、自己増殖していくものです。 |
トロイの木馬 | 無害なプログラムやソフトに偽装してPC内に侵入し、悪意のある動作を行うものです。 |
スパイウェア | コンピューターに不正侵入するとともに、個人情報や行動を監視して、外部に情報を送るものです。 |
上記だけでなく、近年は毎日100万以上の新たなマルウェアが生み出されているといわれており、手口が高度化・巧妙化しています。これまで利用された手口との共通点を検知し、対策するシグネチャモデルでは、対応できません。
サンドボックスは仮想環境で危機を察知するため、未知のマルウェアにも対応することが可能です。
標的型攻撃に有効
サンドボックスは、セキュリティ上とくに防御が難しいといわれている「標的型攻撃(APT攻撃)」に有効です。標的型攻撃とは、無差別に攻撃を行うものではなく、特定の組織や個人の情報を狙うサイバー攻撃のことです。
代表的な手口のEmotetでは、ターゲットに関係機関や取引先、顧客などを装って、マルウェアが添付されたメールを送ります。ファイルを開きマルウェアに感染すれば、以下の被害を被ります。
- パソコン内のデータ破壊や改ざん
- 個人データや機密情報の流出
- システムやサーバーのダウン
- アカウントの乗っ取り
メール送信後に電話もするなど、さまざまな手法で行われる標的型攻撃を防止することは簡単ではありません。ただ、サンドボックス内でプログラムを実行・分析すれば、不審な動きを発見し攻撃を防止できます。
導入しやすい
サンドボックスは、新たなシステムやインフラの導入とそれにともなう複雑な設定・調整が必要ありません。専用機器の設置やネットワークの設定、ソフトウェアのインストールで導入ができ、既存の環境にも統合しやすい特徴があります。
他のセキュリティ対策製品と比べ運用も簡単です。また、Windowsサンドボックスなど無料で利用できるツールも存在します。
サンドボックスのデメリットや弱点
メリットがある一方で、サンドボックスには以下のデメリットや弱点があります。
- マルウェアを検出できないケースもある
- タイムラグがある
- 導入・運用コストが高額
ここからは、上記それぞれのデメリットや弱点について詳しく解説します。
マルウェアを検出できないケースもある
メリットで未知のマルウェアにも有効だと解説しましたが、検出できないものも存在します。サンドボックスは、20年以上前に確立されたセキュリティ対策であるため、攻撃者にも認知され対策の研究が行われています。
最近はサンドボックス内で実行されたかを検知し、チェックを回避するソフトが開発されました。例えば、暗号化型ランサムウェアLockyはサンドボックスを回避するマルウェアで、2016年から2017年頃に日本を含め世界で被害が報告されています。
タイムラグがある
サンドボックス内で危険がないかを分析するには、一定の時間が必要です。一瞬で完了するわけではなく、リアルタイムでの解析は困難です。受信したメールの検査を行ってもタイムラグがあるため、マルウェアを検出した段階ではすでに受信者にメールが届いているケースも存在します。
実際に、特定の時間にプログラムが実行されるマルウェアも存在します。実行スケジュールがサンドボックス内にないタイミングの場合、突破されるでしょう。
サイバー攻撃の手法が多様化している現代では、情報の漏洩を100%防ぐことは不可能です。漏洩した際に、すぐ気づき対策ができるようにする必要があります。情報漏洩監視ツール「ダークウェブアイ」を利用すれば、以下の機能により情報の漏洩状況を一元管理できます。
- ダークウェブからの情報探索
- 会社メール・ID・PW漏洩の即時アラート
- 対策状況の管理
- 各社員や各サイト・アプリにおける情報漏洩の閲覧
- 漏洩情報キーワードの探索
情報漏洩の早期発見による迅速な対応で、リスクを最小化することが可能です。
導入・運用コストが高額
複雑な設定などが要らず導入しやすいサンドボックスですが、多くの初期費用やランニングコストがかかります。中には、初期費用だけで数百万から1,000万円以上するものも存在します。具体的なコストはツールにより異なりますが、安くはありません。
また、サンドボックスで多くのファイルやプログラムを分析するためには、大量のCPUパワーやメモリ、ストレージ容量などのリソースが必要です。リソースが足りなければ、効果が低下し適切な分析ができないケースもありますが、リソースの活用にはコストがかかります。
サンドボックスと併用して実施すべきセキュリティ対策
サンドボックスで全てのマルウェアを検出できないケースがあるため、以下セキュリティ対策との併用がおすすめです。
- OSアップデートとセキュリティパッチ適用
- 社員に対するセキュリティリテラシー教育の実施
- ファイアウォールやIDS/IPSの導入
- アンチウイルスやEDRなどエンドポイントセキュリティの導入
それぞれについて順に解説します。
OSアップデートとセキュリティパッチ適用
セキュリティ強化には、OSのアップデートが重要です。OSのバージョンが古いままでは、セキュリティプログラムも更新されず、システム上に弱点が残っています。OSはこまめにアップデートしましょう。
また、公開済みのOSやソフトウェア、アプリで発見された、脆弱性・問題点などを修正するためのプログラムであるセキュリティパッチ適用も重要です。適用すればセキュリティが強化されます。
社員に対するセキュリティリテラシー教育の実施
セキュリティ対策ツールを導入しても、利用者の知識不足や誤操作があれば、リスクはなくなりません。社員に以下内容のセキュリティリテラシー教育を実施し、意識を高めることも大切です。
- 不審なメールや添付ファイルを開かない
- 情報は目的の範囲内でのみ利用し、範囲外の利用は行わない
- 情報漏洩をしない
- IDやパスワードは責任を持って管理する
- サイバー攻撃の手法
- 不審なメールの見分け方と対応方法
社内におけるルールを明確にし、定期的な研修を実施しましょう。
ファイアウォールやIDS/IPSの導入
サンドボックスと併せて、ファイアウォールやIDS/IPSの導入も効果的です。
ファイアウォール
ファイアウォールとは、インターネットを通して外部から社内ネットワークに侵入する不正アクセスや、社内ネットワークから外部への許可されていない通信から守るシステムです。近年は、企業内ネットワークをインターネットに接続するケースが多く、インターネット経由で社内ネットワークに侵入される可能性が増加しています。
IDS/IPS
IDSはネットワーク上の通信を監視して、不正なアクセスを検知・システム管理者に通知するシステムで、IPSはネットワーク上の通信を監視して、不正なアクセスをブロックするシステムです。
アンチウイルスやEDRなどエンドポイントセキュリティの導入
パソコンやタブレット、スマートフォンなどの端末や、それらに保存している情報を、サイバー攻撃から守るエンドポイントセキュリティの導入も有効です。デメリットで解説した通り、サンドボックスで全てのサイバー攻撃を防止できるわけではありません。
セキュリティ強化をするためには、アンチウイルスやデバイスの不審な挙動を感知するEDRの導入が必要です。情報漏洩監視ツール「ダークウェブアイ」を利用すれば、迅速に情報漏洩を感知し対策することが可能です。
まとめ
サンドボックスとは、コンピューター内に隔離された仮想環境を作り出すセキュリティシステムのことです。導入すれば、未知のマルウェアや標的型攻撃に対するリスクを抑えられます。
ただ、攻撃者もサンドボックスへの対策を研究しており、検出できないマルウェアも存在します。サンドボックスの導入と併せて、OSのアップデートや社員に対するセキュリティリテラシー教育の実施も必要でしょう。
近年のサイバー攻撃は高度化しており、完全に防ぐことは不可能です。情報漏洩をいかに早く察知し、適切な対応を取れるかが重要です。
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