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クラウドネイティブなシステム運用環境。でも、運用は人間頼り?
クラウドサービスの普及が促進され、そのポテンシャルを最大限生かすべくクラウドネイティブな環境構築がシステム運用現場では活用されるようになってきました。クラウドサービスの持つ柔軟性と機敏性を活かした環境は、DevOpsとも相性がよく、システム開発や運用の現場ではその必要性は日に日に高まっています。
一方で、クラウドネイティブな環境を構築するにあたり、システム運用者の負荷は上がってしまってはいないでしょうか?従来のオンプレミス環境と比べると、設定のポイントなどには変化が起きています。そこにヒューマンリソースを割かないためには、出来る限りの自動化の適用が必要ではないでしょうか。
目次
クラウドサービスの普及
総務省の「令和2年通信利用動向調査」によると、2019年では国内企業の68.7%が一部または全面的にクラウドサービスの利用を行っています。このクラウドサービスの利用については、2015年の44.6%から毎年増加しており、普及が進んでいることがデータからわかります。
参考:総務省「令和2年通信利用動向調査」
クラウドサービス利用のメリット
改めて、クラウドサービスの利用メリットを確認しておきましょう。なお、パブリッククラウド、プライベートクラウドで差異があり、本文ではパブリッククラウドサービスの利用をベースに記載しています。
クラウドの活用がシステム運用現場に与えた影響
それでは、クラウドの普及、活用はシステム運用の現場にどのような良い影響を与えたのでしょうか。あるいは悪い影響ももたらしたのでしょうか。
クラウドは上記の表で挙げた通り多くのメリットを持つため、システムやアプリケーション稼働のための環境構築において第一の選択肢となったといえるでしょう。いわゆるクラウドファーストという考え方です。場合によってはオンプレミスの方がメリットがあることもありますが、まずはクラウドの利用から考え始めるように変わってきているのです。
また、システム運用のための環境のクラウドへの移行が進んだことにより、その利便性を享受するために伴うクラウドならではの対応が必要となってきています。例えばクラウドベンダーはサービスに対してセキュリティ対策を行いますが、その環境内の設定およびIDの管理等はユーザが行わなくてはなりません。また、情報漏洩時にはインターネットに広く情報が拡散されやすいため、厳格な利用ポリシーの設定が必要となり、これもユーザ側で行う対策となります。
参考:AWS「責任共有モデル」
クラウドネイティブとDevOps
クラウドネイティブとは
システム開発・運用にクラウドの利用が浸透してきたことは先に述べた通りです。この浸透は、クラウドでの利用を前提とした環境構造の変化をもたらし、システム開発環境、稼働環境にも大きな影響を与えています。
そこで生まれたものの一つが、クラウドネイティブと呼ばれるクラウドのメリットを最大限引き出す環境を作るという考え方です。
クラウドネイティブはLinux FoundationのサブファウンデーションであるCNCF(Cloud Native Computing Foundation)によって定義されています。また、Cloud Native Trail Mapによってその構築のロードマップが示されており、クラウドネイティブな環境を構築する際のまさに道標となるものです。
DevOpsとは
クラウドネイティブと非常に相性の良いシステム開発手法にDevOpsがあります。
DevOpsとは開発(Development)とシステム運用(Operations)を繋げた言葉で、開発担当者とシステム運用者が連携して協力する開発手法です。場合によっては、その境目をなくし、よりスピーディな開発、利用者の声が届く開発、一体化したシステム運用を実現することを主眼とします。特に継続的なサービスの運営と改善を行うような環境にはメリットの大きな手法となります。
DevOpsでは迅速で柔軟な環境の提供が必要となります。この「迅速で柔軟な環境の提供」という点は、クラウドのメリットと合致するため、DevOpsはクラウドネイティブとの相性が非常に高いです。今日ではDevOpsを検討する際にはクラウドネイティブは対となる考え方と言えるでしょう。
クラウド環境に最適化したシステム運用とは
クラウド化がもたらしたシステム運用への課題
クラウド環境はユーザからすれば、利用者として登録されていれば、どこからでもどんな機器からも、アクセスでき利用できる環境となります。このクラウド環境をシステム運用環境に適用する場合には、ユーザのガバナンス(統制)を効かせる必要も発生します。またクラウドベンダーごとに、利用方法や設定項目も違うため、最適化したルール、仕組み作りを行わなくてはなりません。
また、クラウドのメリットであるアジリティ(機敏性)、スケーラビリティを最大限に活かすことを考えると、クラウドネイティブな環境構築の必要性にたどり着きます。さらに、DevOpsも継続的なシステムの運用、サービスの拡大には無くてはならないものです。
クラウドネイティブについてCNCFのTRAIL MAPを参照していくと、コンテナ、IaC、コンテナオーケストレーションなどの技術要素、考え方なども必要とされてきます。そして、このクラウドネイティブな環境を構築するには、それぞれの組織の必要とするクラウド環境の形を模索する必要があります。この模索には繰り返しの環境のスクラップ&ビルドを伴います。
しかし、環境の頻繁な構築はシステム運用メンバーやエンジニアの負荷になってしまわないでしょうか。人的リソースに頼ってしまうのであれば、それは本末転倒でしょう。繰り返し行われることであれば、それこそIaCを徹底して効率の良い環境構築手順を作り上げ、自動化することが不可欠です。
自動化でお悩みの際は
SMSデータテックでは業務における自動化に関して、コンサルティングからツールの導入、運用・保守サービスまでを提供しています。組織にあったクラウドネイティブの形を模索し、その環境構築、利用のための自動化をご検討されている場合は、まずはご相談からどうぞ。
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