株式会社トランザクション・メディア・ネットワークス様
多様な決済ソリューションでキャッシュレス社会を支えるトランザクション・メディア・ネットワークス様では、電子決済用のインフラとなるサーバ群の運用・保守のコストに課題をお持ちでした。その改善に向けて、当社SMSデータテック(以下、SDT)は運用自動化の独自ツール開発をご提案。複雑な監視要件、既存製品で対応できず人手に頼らざるを得なかった運用の自動化を独自ツールにて実現し、運用コストの改善に貢献させていただくことができました。
目次
導入の背景・課題
決済システムを支えるインフラの運用・保守負担が課題に
株式会社トランザクション・メディア・ネットワークス様(以下、TMN社)は、安全で便利・快適なキャッシュレス社会の実現に向けて、クレジット、電子マネー、ハウスプリペイド、QRコードなど各種決済システムに加え、CRMなど多様なサービスをワンストップで提供する「TMNゲートウェイ」など、豊富な決済ソリューションを小売業向けに展開しておられます。
これら決済サービスを支える運用基盤について、その運用を担うシステム運用部の部長、長澤賢範氏にお伺いしました。
「当社は多種多様な決済システムを提供するため、多くのサーバを管理しています。これらは、当社の顧客である小売業の皆様、さらには消費者の皆様が安心してキャッシュレス決済をご利用いただくための重要な社会インフラであり、その管理には万全を期す責任があります。」
とはいえ、膨大なサーバの運用・保守には多大な負担がかかるのも事実。「パッケージの監視ツールを導入しているものの、ツールだけでは管理できない処理もあり、外部に委託せざるを得ませんでした。このため毎月費用が掛かっており、いかに効率化するかが課題となっていました。」(長澤氏)
ソリューション内容
独自の自動化ツールを短期間で開発し、システム監視の運用負荷を大幅に削減
「こうした課題を、決済システムのオペレータとして運用委託していたSDT様に相談したところ、『独自の自動化ツール開発で解決できます』とご提案がありました。」と語るのは、システム運用部の設計改善グループでGMを務める菊地氏。「当社の複雑なシステム監視業務を本当に自動化できるのか、はじめは半信半疑でしたが、実際に打合せを重ねるうちに、これならお任せできると感じました」。
「以前にも運用監視の自動化・内製化を検討したことはありましたが、ネックとなっていたのがバッチ処理の管理でした。一般的に、サーバの監視ツールは膨大なデータ処理を見守り、エラー処理などのインシデントが生じた場合に検知・報告するものですが、決済システムの場合、日常的なデータ処理の裏側で、締め支払いの変更などイレギュラーなバッチ処理が頻繁に行われます。こうしたバッチ処理が予定通り正常に行われたかどうかを把握するには、人手でチェックする必要があり、自動化のハードルとなっていました。」
この難題を解決すべく、SDTはバッチ処理のログを計測し、あらかじめ設定したデータと付け合わせることで、予定通りかどうかを判定する機能を実現。既存の監視ツールとも連携しながら、システム監視の品質と効率を同時に向上させる自動化ツールを開発しました。
導入の経緯
スピーディーな開発で、1カ月半という短納期を実現
「独自の自動化ツール開発にあたり、機能はもちろん、SDT様のスピードに驚かされました」と語るのは、SDTとの連携の窓口を担った、システム運用部設計改善グループの後藤氏。「システム監視の外部委託には、月単位で費用が発生するので、自動化ツールは少しでも早い導入が望まれました。発注に際し1カ月半という納期を希望したところ、無理を承知の依頼だったにも関わらず、実現いただけました。以前からオペレータとして当社決済システムに関わっていたとはいえ、技術と経験が豊富なSDT様だからできたことと、感謝しています。」(菊地氏)
後藤氏もSDTの技術力を評価します。「今回の自動化ツール開発では、既存の監視ツールとの互換性を持たせるためWindowsとLinuxを共存させる必要がありましたが、SDT様は、それぞれ専任のエンジニアをアサインいただけるなど開発面での総合力が際立ちました。おかげで短納期にも関わらず、期待以上の環境を実現いただけました。」
導入の成果
大幅なコストダウンを実現するとともに、社内での可用性が向上
こうして導入された自動監視ツールは、期待通りにシステム監視の負荷を低減。運用の内製化が可能になり、外部委託コストを削減できたことで、ツールの開発費用は約半年で回収できたと言います。
自動監視ツールのメリットはそれだけではありません。「従来のパッケージツールは内部がブラックボックスでしたので、監視条件の変更やチューニングも外部委託先で対応いただくほかなく、時間やコストがかかっていました。その点、SDT様のツールでは、処理内容とプロセスが可視化されており、社内で容易に変更・チューニングできます。従来3~4日かかっていた作業が数時間で済みますので、非常にありがたいですね。」(後藤氏)
「可用性に加えて監視品質も向上しています。導入後、約1カ月のテスト期間中に、SDT様のエンジニアが細かな設定・チューニングを施してくださり、おかげで人手では検知しきれなかった細かなインシデントも正確に拾えるようになりました。これも現場目線の、きめ細かなサポートがあったおかげです」と菊池氏が語るように、SDTの自動化ソリューションは導入効果の面でも高いご評価をいただいております。)
SMSデータテック(SDT)への評価
最後に、今回のプロジェクトを通したSDTへの評価を、皆様にお聞かせいただきました。
「SDT様と打合せを重ねるなかで感じたことは、スタッフ間のチームワークの良さ。
エンジニアやプログラマ、オペレータと、各段階を担うスタッフに参加いただきましたが、全員が積極的に発言しておられました。プロジェクトメンバーのプロ意識とチームとしての一体感が監視ツールの確かな品質につながっているのだと思います」(菊池氏)。
「今回のプロジェクトを通じて得た気付きは、SDT様のようなパートナーとのコミュニケーションの重要性です。事前に、自社の課題や目標などを明確にし、SDT様としっかり共有できたからこそ、高機能・高品質な自動化ツール開発を短納期で実現できたと思っています。もちろん、こちらの声に真摯に耳を傾けてくれるSDT様の姿勢があってのことです」(後藤氏)。
「運用自動化を依頼しようとしても、開発要件などが明確になっておらず、業者に頼みづらいという声を聞くことがあります。SDT様であれば、ふわっとした内容の相談であっても、そこから真意をつかんで具体的な要件まで導いてくれるコンサルティング力があります。システム運用の自動化に悩みを抱えているのであれば、ぜひ、SDT様に相談することをお勧めします」(長澤氏)。
今回、トランザクション・メディア・ネットワークス様より賜ったご評価に恥じぬよう、私たちSMSデータテックはお客様の課題に寄り添い、現場目線に立ったソリューション提案に努めます。
インタビューにご協力いただいたお客様
- システム運用部 部長 長澤 賢範 様
- システム運用部 設計改善グループ GM 菊地 美知宏 様
- システム運用部 設計改善グループ 後藤 竜也 様
会社概要
会社名 | 株式会社トランザクション・メディア・ネットワークス |
住所 | 〒103-0027 東京都中央区日本橋2-11-2 太陽生命日本橋ビル18階 |
設立 | 2008年3月 |
資本金 | 3,053,415,000円 |
従業員数 | 255名(2020年9月1日現在) |
事業内容 | 電子決済に関連する決済インフラの提供 |
代表者 | 代表取締役 大高敦 |
ホームページ | https://www.tm-nets.com/ |