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チャットボットとは、ユーザーが入力したテキストや音声に基づき、自動回答を行う会話システムのことです。利用すれば、社内外からの問い合わせ対応業務を効率化・自動化可能です。また、回答レベル・品質の標準化や顧客満足度の向上にも役立ちます。
本記事では、チャットボットの概要やメリット・デメリット、おすすめツール18選について詳しく解説します。チャットボットについて知りたい方、導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
チャットボット(chatbot)とは、ユーザーからの質問に対して自動で返答するプログラムのことで、チャット(chat)とボット(bot)を組み合わせた造語です。
ここからは、チャットボットに関する以下の項目について解説します。
チャットボットの起源は、1966年にマサチューセッツ工科大のジョセフ・ワイゼンバウム氏により開発された「ELIZA(エライザ)」だといわれています。ELIZAは、キーワードに対して複数の回答パターンが登録されており、人間らしい思考や感情は持ち合わせていなかったものの、人間らしい会話が多いとして多数の人に感銘を与えました。
その後、ELIZAに触発されて開発された「A.L.I.C.E(アリス)」やMicrosoft office製品のアシスタントツールである「カイル」が登場しました。2011年ごろには、 IBMの「Watson」や Appleの「Siri」が登場して、チャットボットの本格的な運用が開始されています。
チャットボットは、以下3つのステップで動作する仕組みが取られています。
チャットボットの主な機能は以下の通りです。
順に解説します。
事前に質問やキーワードを設定しておき、その情報に基づき回答を行う機能です。自動応答機能により、ユーザーを待たせることなく迅速に不明点を解決できます。
オペレーターに対応を切り替える機能です。チャットボットでは、全ての質問に対応できるわけではありません。回答できない質問があった際に、オペレーターにつなぐことでユーザーの疑問を解決します。
FAQが記載されたWebサイトをユーザーに提示する機能です。適切なFAQページにユーザーを誘導することにより、自己解決率を向上させる役割を担います。
ユーザーとの会話を分析して、回答精度を高める機能です。チャットボットを運用しながら蓄積したデータを学習させることにより、スムーズな会話や高度な質問への対応を実現できます。
ユーザーの行動データをCRMやSNS、ECサイトに連携・活用する機能です。例えば、ECサイトと連携させる場合、過去のユーザー行動や購買履歴を踏まえたおすすめ商品の提示が可能になります。
チャットボットは、大きく以下の2種類に分かれます。
ここからは、上記それぞれの種類について解説します。
質問に対する回答を事前に登録しておくタイプで、以下の種類に分類されます。
順に解説します。
会話データを蓄積して、その情報を利用し質問に対する適切な回答を提示するタイプです。ユーザーは自由に文章の入力が可能です。ユーザーとの会話を蓄積し続けるため、利用頻度が高いほど回答精度が向上します。多くのユーザー利用が想定されるケースで用いられています。
チャットボットが提示した選択肢の中から、ユーザーが該当するものを選ぶタイプです。質問がある程度パターン化されている場合に向いています。一方、さまざまな質問が寄せられるケースでは、選択肢を用意しきれない恐れがあります。
キーワードとそのキーワードに対応する回答を、事前に登録しておくタイプです。ユーザーが入力したテキストを解析して、登録した情報を基に回答を生成します。キーワードで質問内容を見極められるケースに有効です。
選択肢型と辞書型を組み合わせたタイプです。選択肢の提示とキーワードに基づく回答の双方が可能で、ユーザーの利便性が向上します。ただ、チャットボットの導入に多くのコストと手間がかかります。
ユーザーの問いかけに対して、相槌を打ったり簡単な返答を行ったりするタイプです。聞き役を担うチャットボットであるため、ユーザーに寄り添いたいシーンでの活用に最適です。
事前に学習したデータを基にAIが継続的な学習を行うことで、回答の精度を高めるタイプです。ルールベース型と比較して柔軟性が高く、多彩な質問に対応できます。一方で、開発には多くのコストと手間がかかります。また、回答精度を担保するには膨大な学習データが必要です。
チャットボットの導入形態は以下の2つに分かれます。
順に解説します。
クラウドサービスとして、チャットボットを利用する形態です。サーバーやハードウェアの準備が不要なため、導入の手間やコストを抑えられます。また、サーバー設置の場所を確保する必要もありません。ただ、オンプレ型と比較すると毎月のランニングコストが高くなる傾向があります。
自社でサーバーやハードウェアを準備して導入する形態です。ランニングコストが安い傾向があり、長期的に利用する場合、クラウド型よりも低コストで利用できます。ただ、初期費用はクラウド型よりも高額です。また、サーバーの設置が必要となるため場所の確保や手間の増加、導入までに時間がかかるなどのデメリットがあります。
チャットボットを活用した場合、以下のメリットを得られます。
ここからは、上記の各メリットについて解説します。
チャットボットを活用すれば、24時間365日顧客対応が可能です。自動でユーザーからの質問に対して回答を行ってくれるため、人を配置する必要がありません。とくに、夜間や休日は人の確保が難しく人件費も上がるため、チャットボットは有効なツールとして注目を集めています。
問い合わせ対応業務の効率化やコスト削減も、チャットボット活用によるメリットです。チャットボットを導入すれば、本来オペレーターが対応していた質問への回答を効率化・自動化できます。簡易な質問はチャットボットが担当して、複雑なものや高度な質問はオペレーターに引き継ぐ体制を取っている企業も多く存在します。オペレーターの負担を軽減できるとともに、人件費の削減が可能です。
チャットボットの活用は、顧客満足度の向上にも有効です。ユーザーは迅速に不明点を解決したいと考えており、電話がつながりにくかったり返信が遅かったりすれば不満を抱きます。チャットボットであれば、迅速にユーザーの疑問を解消できるでしょう。
問い合わせしやすい体制の整備にも、チャットボットは効果的です。ユーザーのなかには、電話が苦手だったりメールでの問い合わせを負担に感じたりする人も存在します。また、電話での問い合わせ対応の場合、営業時間が設けられていれば仕事などの都合で利用しにくいユーザーもいるでしょう。チャットボットであれば、いつでも気軽に利用可能です。
チャットボットは、回答レベル・品質の標準化にも役立ちます。オペレーターがユーザーからの質問に対応する場合、マニュアルを参照してもベテランと新人では品質に差が出ます。また、人により回答内容にバラツキが出るケースもあるでしょう。
チャットボットは事前に登録した内容に基づいた回答を行うため、一定の品質を担保できます。また、回答内容にバラツキがあるなどのトラブルも防止可能です。
便利なチャットボットですが、以下のデメリットも存在します。
順に解説します。
チャットボットの導入には、初期費用やランニングコストなどの費用がかかります。また、正しい応答をするにはデータの登録や学習が必要で、手間と時間がかかるでしょう。とくに、多くの質問や高度な応対を行うチャットボットは、多くのコストと手間がかかる傾向があります。
チャットボットは万能ではありません。機能的な限界があることも、チャットボットのデメリットです。例えば、長文の質問や文脈が複雑な質問には対応できない可能性があります。利用シーンによっては、完全な自動化ができずオペレーターが必要な場合も存在します。
続いて、チャットボットの以下活用事例を紹介します。
チャットボットは、以下の顧客対応に活用されています。
問い合わせ対応が一般的ですが、ユーザーのニーズ調査や商品検索でも利用できます。
社内では、以下のシーンでチャットボットが活躍しています。
社用車や会議室の予約で、チャットボットを活用している企業も存在します。
チャットボットは観光施設や自治体でも利用されています。具体的な活用例は以下の通りです。
チャットボットのなかには、日本語だけでなく外国語に対応するものも存在します。多数の外国人が訪れる施設で利用すれば、多くの観光客に対応可能です。
続いて、おすすめの以下チャットボット18選を紹介します。
Chat Plusは、5,000を超える機能が実装されているチャットボットです。6つの料金プランが用意されているため、自社に合うものを選択できます。
Zendeskは、世界で10万社以上が利用しているチャットボットです。導入初日から問い合わせ対応の自動化・効率化が可能です。
PecoChatは、日本語だけでなく英語や中国語、スペイン語など50ヵ国語以上に対応しているチャットボットです。外国人の利用も想定されるケースで最適です。
FirstContactは、Excelのインポートのみで容易にシナリオを作成できるチャットボットです。最短即日導入が可能なため、スピーディーにチャットボットを導入・利用できるでしょう。
PKSHA Chatbotは、金融系を中心に導入企業数100社以上の実績を持つチャットボットです。ビッグデータを活用した辞書データが搭載されており、高度な日本語精度を実現しています。
MOBI BOTは、申請・手続きの自動受付にも利用できるチャットボットです。例えば、住所変更や書類申請、申込み手続きをチャットボットで自動受付可能です。導入前から充実したサポートも受けられます。
Tebotは、初期費用がかからず月額費用も業界最安水準で利用可能なチャットボットです。シンプルな画面となっているため、専門的な知識がなくても直感的に設定できます。
VOC.AIは、回答正解率が95%以上であるチャットボットです。AIがユーザーのメッセージを要約・意図を理解することで、人と変わらない自然な対応を実現しています。
DECA カスタマーサポートは、企業が保有するデータとChatGPTを組み合わせて顧客対応を自動化するチャットボットです。質問への自動対応だけでなく、FAQ作成機能も実装されており業務効率化に役立ちます。
KARAKURIは、業務の効率化と顧客体験の向上をサポートするチャットボットです。AIチャットボットと有人チャットをスムーズに連携でき、誤送信防止や一定期間の送信取り消し機能も実装されています。
OfficeBotは、有給休暇や就業規則などの社内問い合わせ対応を効率化可能なチャットボットです。社内の情報をアップロードするだけで利用可能です。
出典:PEP公式Webサイト
PEPは、ドラッグ&ドロップで直感的に設定可能なチャットボットです。学習支援機能が実装されており、会話データをわずか3クリックで学習してくれます。
社内問い合わせさくらさんは、問い合わせ対応だけでなく資料作成なども行うチャットボットです。社内研修やロープレでも活用でき、従業員の教育も効率化可能です。
sincloは、800社以上の豊富な導入実績を持つチャットボットです。シンプルでわかりやすい管理画面が採用されており、ノーコードであるため高度な知識やスキルがなくても運用可能です。
GENIEE CHATは、マーケティングとカスタマーサポート強化を同時に実現できるチャット型Web接客プラットフォームです。ユーザーの求める情報を先回りして出すことで、顧客体験の向上に貢献します。
HiTTOは、100万以上のデータを学習済みで、必要な回答を登録するだけで利用できる社内の問い合わせ対応チャットボットです。LINE WORKSやMicrosoft Teams、Slackなどコミュニケーションとの連携も可能です。
Service Cloudは、高度なカスタマーサービスを実現するためのCRMプラットフォームです。CRMでありながらチャットボット機能が実装されており、顧客満足度の向上を実現できます。
GoQSmileは、プログラミング不要の簡単設定で導入できるチャットボットです。利用ユーザー数やメッセージ数、応答正答率の推移などを一目で確認できるダッシュボード機能が実装されており、分析と改善に役立ちます。
最後に、チャットボットを比較する際の以下ポイントについて解説します。
「チャットボットの種類」の章で解説した通り、チャットボットには複数の種類が存在して、それぞれ特徴が異なります。利用目的やシーンに応じて最適なチャットボットが異なるため、合うものを見極めましょう。オーバースペックのチャットボットを導入すれば、無駄な手間やコストが発生し、足りなければ期待する成果が出ません。
導入・運用の負担を確認することも重要です。知識やスキルを有している人材が社内にいない場合、高度なチャットボットを導入しても使いこなせない恐れがあります。自社の人材におけるスキルも踏まえて、利用しやすいものの導入がおすすめです。
コストパフォーマンスが高いかも確認すると良いでしょう。便利なチャットボットですが、価格が高すぎるとオペレーターを雇ったり、カスタマーサポートを外注したりした方が良い可能性があります。長期的に利用した場合、どの程度コストを削減できるかも算出して、チャットボットの導入・利用料と比較すると良いでしょう。
ベンダーのフォロー体制も、チャットボットを比較する際のポイントです。ベンダーのサポートが充実していれば、安心して利用できます。
チャットボットとは、ユーザーからの質問に対して自動で返答するプログラムのことです。社内外からの質問を、オペレーターに代わり返信してくれるため、業務の効率化や自動化に役立つでしょう。また、チャットボットの利用で、回答レベル・品質の標準化や顧客満足度の向上も期待できます。
ビジネス環境の激化や人手不足、消費者ニーズの多様化など、近年企業は多くの課題を抱えています。限られたリソースを最大限活用しなければ、企業の継続・発展が困難です。チャットボットなどのツールを活用して、業務改善を行い生産性を高めましょう。