
当社、事業開発室所属の社員として、2025年10月6日(月)〜9日(木)に開催されるIBM TechXchange2025のセッション...
ペーパーレス化の推進には、業務アプリ開発ツールやビジネスチャット、Web会議システムなどの活用がおすすめです。システムを上手く用いてペーパーレス化を推進すれば、業務効率化と生産性の向上やコスト削減、多様な働き方の実現など、さまざまなメリットを得られるでしょう。
本記事では、ペーパーレス化の概要やおすすめツール・システム11選、成功させる3つのポイントについて詳しく解説します。ペーパーレス化を実現するおすすめツール・システムを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
ペーパーレス化とは、ビジネスで活用している紙媒体を電子データにして書面をなくすことです。例えば以下が対象文書として挙げられます。
ここからは以下の事項について解説します。
ペーパーレス化を進める方法には以下の2つがあります。
順に解説します。
既存の紙媒体をAI OCRやOCRを活用してデータ化する方法です。OCRとは、手書き文字などをカメラやスキャナを用いてデータとして取り込み、文字認識してパソコンなどのコンピューターが利用できるテキストデータに変換する技術のことです。アンケートやメモなど、手書きの書類を自動でデータ化できます。
また、スキャニングや文字入力代行サービスを行っている企業も存在します。
データを活用することにより、そもそも紙媒体を使わない方法です。例えば、PDFファイルを活用して印刷せずにそのまま送受信や活用、保管を行います。システムや電子FAXを導入することで、紙の活用自体を減らしている企業も少なくありません。
すでに多くの企業がペーパーレス化に取り組んでいます。以下は、株式会社デージーネットが、2025年5月30日のJapan IT Week(名古屋)で実施した「ペーパーレス化の取り組み」に関するアンケート結果です。
出典:『ペーパーレス化』に関するアンケートの統計結果を公表 ~既に『紙データの電子化』に取り組んでいる企業は75.6%~|株式会社デージーネット
上記アンケート結果によれば、ペーパーレス化に向けた実施事項で最も多く取り組まれているものは「紙データの電子化」で75.6%の企業が行っています。次いで「WEB会議システムの導入」(60.2%)「ワークフローシステムの導入」(43.2%)となっています。今後も、ペーパーレス化に関する取り組みを実施する企業は増加するでしょう。
続いて、ペーパーレス化を推進する以下6つのメリットについて解説します。
ペーパーレス化を推進することで、業務効率化と生産性の向上につながります。データであれば、情報を検索でき容易に目的とする情報にアクセス可能です。また、共有や共同編集もでき業務効率が高まるでしょう。
データの有効活用もペーパーレス化によるメリットです。近年は、データを用いた課題の分析や将来予測、経営判断が行われています。ただ、紙媒体の場合、一部の情報を参考にはできますが企業内の膨大な情報を多角的に分析することは困難です。
ペーパーレス化の推進はコスト削減にも効果的です。具体的には以下のコストを削減可能です。
また、業務効率化できれば人件費の削減も期待できます。
ペーパーレス化はガバナンス強化にも有効です。データであれば閲覧・編集権限の設定や暗号化などができ、不正なアクセスや持ち出しを防止可能です。また、閲覧・編集に関するログデータも確認できるため、トラブル発生時の原因究明に役立つでしょう。
ペーパーレス化の推進はスペースの有効活用にもつながります。紙媒体と異なり、データであれば物理的な保管スペースを確保する必要がありません。オフィススペースの有効活用や、保管倉庫の解約によるコスト削減が期待できます。
多様な働き方の実現もペーパーレス化によるメリットです。データをクラウドストレージなどに保存しておけば、場所や時間を問わずアクセスでき、テレワークであっても仕事を実施可能です。また、ワークフローを電子化すれば申請や押印のために出社する必要はありません。
ペーパーレス化に有効なおすすめツール・システム11選は以下の通りです。
順に解説します。
業務アプリ開発ツールは、業務処理を効率化するさまざまなアプリを自社で作成できるツールです。近年は、専門知識やスキルがなくてもアプリ開発ができるノーコードツールが多数提供されています。特定の業務処理に特化した機能があるわけではありませんが、多彩なシーンで活用可能なため高いコストパフォーマンスを期待できます。
具体的なツール例は以下の通りです。
ビジネスチャットは、社内外のコミュニケーションをオンラインでできるツールです。メールと比較して気軽に利用可能なため、コミュニケーションの活性化が期待できます。また、ファイルやタスク共有できる機能が実装されているものも存在します。
具体的なツール例は以下の通りです。
ナレッジ共有ツールは、従業員の保有するノウハウの蓄積や共有ができるツールです。ナレッジマネジメントの実現に役立ち、人材・組織力の強化や人材育成の最適化、属人化の防止などのメリットを得られます。
具体的なツール例は以下の通りです。
なお、ナレッジマネジメントの詳細は以下をご覧ください。
⇒ナレッジマネジメントとは?実施するメリットや導入フロー、成功させるポイントを解説
オンラインストレージ・文書管理システムは、WordやExcel、PDFファイルなどのデータをインターネット上で保管するサービスです。社外からもアクセスでき、必要な情報をいつでもどこからでも入手可能です。また、社内のデータを一元管理でき検索機能も優れているため、目的の情報を迅速に見つけられるでしょう。
具体的なツール例は以下の通りです。
Web会議システムは、パソコンやスマートフォンなどのデバイスを活用してオンラインで面談・打ち合わせを行うツールです。物理的に会う必要がないため、移動の時間やコストを削減できます。新型コロナウイルス感染症やテレワークの普及により、社内だけでなく社外の打ち合わせ・商談でも活用されています。
具体的なツール例は以下の通りです。
勤怠管理システムは、従業員の出退勤時間や労働時間の登録・管理を行うツールです。残業時間や有給取得状況などもリアルタイムで把握できるため、法令順守にも役立ちます。
具体的なツール例は以下の通りです。
電子契約システムは、インターネットを活用して契約の締結や管理を行うツールです。電子ファイルに対して、電子署名やタイムスタンプなどの電子データを付与することで契約を締結させます。契約書の押印をするために出社する必要はなく、迅速な契約締結が期待できます。
具体的なツール例は以下の通りです。
請求書発行・受領システムは、請求書の発行・受領はもちろん、仕訳や支払いデータの作成も可能なツールです。紙媒体を見ながら人がデータ登録する必要はありません。業務効率化とヒューマンエラーの防止が可能です。
具体的なツール例は以下の通りです。
ワークフローシステムは、申請や承認を書面ではなく電子で行うツールです。必須・任意を指定するなど入力項目の制御も可能で、ヒューマンエラーを防止できます。また、ログも確認できるためコンプライアンス強化にも有効です。
具体的なツール例は以下の通りです。
ServiceNowの詳細は以下をご覧ください。
⇒ServiceNowとは?特徴や導入効果とメリット、機能を解説
経費精算システムは、交通費や物品購入に関する経費の申請・承認を行うツールです。経費申請・処理に関する業務の効率化やヒューマンエラーの防止に役立ちます。
具体的なツール例は以下の通りです。
労務管理システムは、従業員の給与や勤怠、福利厚生などを管理するツールです。従業員や勤怠情報の管理、給与計算などを実施でき、人事・総務部の業務効率化につながります。
具体的なツール例は以下の通りです。
最後に、ペーパーレス化を成功させる以下3つのポイントを紹介します。
ペーパーレス化を推進する際には、目的や課題を明確にしましょう。「ペーパーレス化を推進する6つのメリット」の章で解説した通り、ペーパーレス化を行えばさまざまなメリットを得られます。ただ、最適なシステムや手段が異なるため、適切なものを選択しなければ期待する成果を得られません。
目的が明確にならなければ、本来手段であるツールの導入が目的になってしまう恐れもあります。また、推進時にメリットを伝えなければ従業員の理解を得られず、進まない可能性も存在します。
自社に合うツールの見極めも欠かせません。ペーパーレス化に役立つツールは複数存在しますが、ツールごとに機能や特徴、操作性などが異なります。どんなに高機能なものであっても、使いこなせなければ効果を発揮できません。トライアル期間なども上手く活用して、使い勝手も比較すると良いでしょう。
また、複数のツールを一度に導入することは困難です。企業や組織における問題点の棚卸しを行い、導入するツールの優先順位付けを行いましょう。
小さく始め徐々に拡大することも重要です。ペーパーレス化を導入すれば、業務処理方法などが変わるため従業員に負担やストレスがかかります。一度に広範囲の導入を行った場合、混乱が起こるリスクもあるでしょう。
まずは、小さく始めることで従業員の負担を軽減可能です。また、ペーパーレス化が最初から上手くいくとは限りません。ワークフローなど一つの分野に絞り導入して、慣れてきたら他の分野に広げると良いでしょう。
ペーパーレス化とは、ビジネスで活用している紙媒体を電子データにして書面をなくすことです。ペーパーレス化の推進方法には、紙をデータ化する方法とそもそも紙を使わない方法の2種類があり、システムを活用すると効果的です。具体的には、業務アプリ開発ツールやビジネスチャット、Web会議システムなどを活用すると良いでしょう。
特に、業務アプリ開発ツールはさまざまなシーンで活用できるアプリを複数作成可能です。コストパフォーマンスが高く、多彩な業務のペーパーレス化で役立つでしょう。