ServiceNowのSPM(旧ITBM)とは?できることやメリット、主な機能を解説

コラム

ServiceNowのSPM(旧ITBM)とは、企業・組織内のプロジェクトやリソースを一元管理して、企業戦略の推進をサポートする機能群のことです。利用することで、優先順位に沿ったタスク割り当てやプロジェクト・リソース管理の統合、問題解決の迅速化などが可能です。

本記事では、ServiceNowにおけるSPM(旧ITBM)の概要やできることとメリット、主な機能について詳しく解説します。SPM(旧ITBM)について知りたい方、導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

ServiceNowのSPM(旧ITBM)とは

出典:SPM(旧ITBM)公式Webサイト

ServiceNowのSPM(旧ITBM)とは、ServiceNowにおける戦略的ポートフォリオ管理に関する機能群のことです。企業・組織の目標とリソースを可視化してつなぎ、最適化を実現します。部門やプロジェクトごとに管理していた情報を一元管理できるため、情報の迅速な把握や意思決定に役立つでしょう。

ここからは以下の事項について解説します。

  • ServiceNowの概要
  • 現代ビジネスにおける代表的な課題

ServiceNowの概要

そもそもServiceNowとは、業務プロセスを自動化・効率化するクラウド型プラットフォームのことです。以下の特徴を有しており、業種・業界を問わず多くの国内企業でも用いられています。

  • さまざまな企業・組織や業務に対応
  • デジタルワークフローによる業務の最適化
  • 複数システムとの連携とデータの統合
  • 高いカスタマイズ性

ServiceNowの詳細は以下をご覧ください。
⇒ServiceNowとは?特徴や導入効果とメリット、機能を解説

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現代ビジネスにおける代表的な課題

ServiceNowのSPM(旧ITBM)は、現代ビジネスにおける代表的な以下の課題解決に役立つツールとして注目を集めています。

  • プロジェクト管理が煩雑化している
  • リソースを最適化しにくい
  • 迅速な意思決定が求められる
  • リスク管理の複雑化している

ここからは、上記の各課題について詳しく解説します。

プロジェクト管理が煩雑化している

近年は、多くの企業が新規ビジネスの創出やDXの推進など複数のプロジェクトを同時に行っています。プロジェクトごとに、目標やスケジュールが異なり、管理が属人的で複雑化しているでしょう。
企業のリソースは限られているため、適切な優先順位付けを行わなければ全て中途半端になってしまいます。プロジェクトの推進には、適切な意思決定が不可欠ですが情報が分散している場合判断が困難です。

リソースを最適化しにくい

リソースが最適化しにくいことも問題として挙げられます。前述の通り、限られたリソースの中で複数のプロジェクトを成功させることは容易ではありません。また、そもそも従業員は日常の業務を行うのに加えてプロジェクトを推進しなければなりません。
まずは、プロジェクトを推進する余裕があるか現状のリソースを把握する必要があります。また、高度な専門知識やスキルが求められるタスクもあるでしょう。高い専門性が求められるタスクを、現状の従業員が実行できるかの確認も必要です。通常の企業活動に加えて、プロジェクト推進などを実施するためのリソース管理と最適化が求められます。

迅速な意思決定が求められる

現代は顧客のニーズが多様化しており、変化スピードも早い特徴があります。また、政治や震災などの突発的で事業活動に多大な影響を及ぼす事項が発生するケースも少なくありません。迅速な意思決定をしなければ、企業が衰退するリスクがあるでしょう。
ただ、意思決定には正確な情報が必要です。勘に頼った意思決定では、判断を間違える恐れがあるでしょう。企業内部はもちろん、外部のニーズも収集して総合的に判断する必要があります。

リスク管理の複雑化している

リスク管理が複雑化していることも、現代ビジネスにおける代表的な課題の一つでServiceNowのSPM(旧ITBM)が求められる要因です。プロジェクトの増加や業務の複雑化、スピーディーな環境変化など複数の要因を加味した意思決定が必要で、全てが上手くいくとは限りません。
常にリスク管理をしなければ、トラブルに対処できなくなるでしょう。ただ、意思決定同様、リスク管理も複数の要因を踏まえた上で行う必要があります。

ServiceNowのSPM(旧ITBM)でできることやメリット

ServiceNowのSPM(旧ITBM)でできることやメリットは、以下の通りです。

  • 優先順位に沿ったタスク割り当て
  • プロジェクト・リソース管理の統合
  • 意思決定のサポート
  • 商品・サービスリリースまでの短縮化
  • 問題解決の迅速化
  • 戦略とプロジェクトの連携強化

順に解説します。

優先順位に沿ったタスク割り当て

ServiceNowのSPM(旧ITBM)を活用すれば、業務の優先順位に沿ったタスクの割り当てが可能です。冒頭解説した通り、SPM(旧ITBM)では、企業・組織の目標とリソースを可視化できます。なにが企業にとって重要かを把握しやすくなるでしょう。
また、タスクを可視化することで、いつなにをする必要があるかを明確にしやすくなります。優先順位に基づく最適なタスクの割り当てを実現可能です。

プロジェクト・リソース管理の統合

プロジェクト・リソース管理の統合も、ServiceNowのSPM(旧ITBM)でできることの一つです。ServiceNowのSPM(旧ITBM)では、多数のプロジェクトを一つのプラットフォームで一元管理可能です。経営層やプロジェクトリーダーは、各プロジェクトの進捗や必要なリソースを迅速に把握できるでしょう。
プロジェクトごとに必要なリソースを把握できれば、スケジュールなどの調整も容易になります。必要なリソースが重複する場合には、話し合いや調整の場を設けやすくなるでしょう。特定の従業員に過度な負担がかかることも、防止可能です。

意思決定のサポート

ServiceNowのSPM(旧ITBM)は、戦略的意思決定のサポートにも活用できます。各部門やプロジェクトで求められるリソースと目標を把握することで、どれが企業にとって最も重要かを判断しやすくなるでしょう。
SPM(旧ITBM)には、プロジェクトやポートフォリオに関するデータを分析する機能も実装されています。また、リスクの評価や予測機能も実装されており、経営層は分析結果・予測を参考に最適な意思決定が可能です。データなどを参考にすれば、経験や勘に頼った意思決定からの脱却も図れ、データドリブンな経営の実現につながります。

商品・サービスリリースまでの短縮化

商品・サービスリリースまでの短縮化も、ServiceNowのSPM(旧ITBM)によるメリットです。プロジェクト・企業内リソース可視化・管理により、最適なリース配分の実現やプロセスの簡素化、ボトルネックの解消がしやすくなるでしょう。
その結果、迅速かつスムーズなプロジェクト推進が可能になります。新規商品・サービスの開発や既存品の改良プロジェクトもスムーズにでき、商品・サービスリリースまでの期間短縮につながります。

問題解決の迅速化

SPM(旧ITBM)は問題解決の迅速化にも有効です。昨今は、以下の頭文字を取ったVUCA時代といわれています。

  • Volatility:変動性
  • Uncertainty:不確実性
  • Complexity:複雑性
  • Ambiguity:曖昧性

いつなにが起きるか誰も予想できません。常に想定外の事態に備える必要があります。SPM(旧ITBM)の活用により、戦略的ポートフォリオ管理を行うことで変化に対する柔軟な対応が可能です。タスクやリソースを把握することで、調整しやすくトラブルや問題への迅速な対処ができるでしょう。

戦略とプロジェクトの連携強化

SPM(旧ITBM)は戦略とプロジェクトの連携強化にも役立ちます。企業の戦略に基づき、コスト・リソースの最適化を図りプロジェクトの成果を最大化できます。
SPM(旧ITBM)では、ウォーターフォール型やアジャイル型、ハイブリット型など、多彩なプロジェクト・業務管理に利用可能です。企業内プロジェクトの統合的管理で、戦略の実現をサポートするでしょう。

ServiceNowのSPM(旧ITBM)の主な機能

ServiceNowのSPM(旧ITBM)の主な機能は以下の通りです。

  • ポートフォリオ管理
    全社のプロジェクトにおけるリソースや進捗、リスクなどを横断的に管理する
  • アイデア管理
    従業員のアイディアを一元管理したり、意見に対してディスカッションしたりする場を提供する
  • デマンド管理
    デマンド(案件)における価値とリスクの数値化・優先順位付けを行い、コストパフォーマンスの向上や意思決定をサポートする
  • プロジェクト管理
    プロジェクトのタスクや進捗状況、リソースの管理と状況を見える化したレポートを作成する
  • コスト管理
    プロジェクトのコストを項目ごとに予実管理する
  • リソース管理
    リソースのスキルや稼働計画、空き状況を可視化して一元管理する
  • タイムカード
    プロジェクト推進に必要なタスクの処理時間を記録・報告する
  • 投資ポータル
    プロジェクトのステータスやコストを可視化する

ServiceNowのSPM(旧ITBM)の利用ステップ

最後に、ServiceNowのSPM(旧ITBM)を利用する以下のステップについて詳しく解説します。

  1. 現状の把握と分析
  2. 計画の策定
  3. 計画の実行

1.現状の把握と分析

ServiceNowのSPM(旧ITBM)の利用は、現状の把握と分析からスタートします。そもそも、自分たち企業がなにを目標にするかの明確化が欠かせません。短期的なものと中・長期的な目標を明確にしましょう。目標がなければ優先順位付けはできません。
また、既存のプロジェクトやリソースなどの棚卸も行います。目標と現状を分析して課題を把握しましょう。

2.計画の策定

続いて、複数のプロジェクトやタスクを基に戦略的ポートフォリオ計画を作成します。企業の目標とリソースを鑑みながら、プロジェクトの優先順位付けなどを行いましょう。
また、計画を策定するにあたりKPIの設定も重要です。KPI(Key Performance Indicator)とは、組織やプロジェクトの目標達成度を測る定量的な指標のことです。明確なKPIがなければ、計画が順調か軌道修正が必要かの判断ができません。

3.計画の実行

計画を作成した後に実行フェーズに移ります。SPM(旧ITBM)の分析結果や予測を参考に、リソースやタスクの割り当てを行いプロジェクトを推進しましょう。また、継続的に外部環境や企業状況の変化を把握して、軌道修正することも重要です。

まとめ

ServiceNowのSPM(旧ITBM)とは、ServiceNowにおける戦略的ポートフォリオ管理に関する機能群のことです。企業・組織の目標とリソースを可視化してつなぎ、最適化を実現します。多くの企業が、競争力向上を目的に複数のプロジェクトを推進しています。ただ、リソースは限られており、適切な管理と分配を行わない場合、全てのプロジェクトが中途半端に終わってしまうでしょう。ServiceNowのSPM(旧ITBM)を利用すれば、優先順位に沿ったタスク割り当てやプロジェクト・リソース管理の統合、問題解決の迅速化などが可能です。弊社SMSデータテックではServiceNowの導入・開発・保守運用に関するサービスを提供しています。ご興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。

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