AI-OCRツール10選徹底比較!活用術までご紹介

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近年、OCR技術は企業の業務効率向上やデジタルトランスフォーメーションの推進において重要な役割を担っています。
この記事では、OCRの基本からAI-OCRツールや導入事例、選定のポイントなどを紹介しています。企業のDX担当者は必見です。

AI-OCRとは

AI-OCR(Artificial Intelligence OCR)は、人工知能を活用したOCR技術です。
テキストや画像から情報を抽出し、データ化することが可能です。
DX推進担当者にとって、AI-OCRは業務プロセスの効率向上やデータ活用に貢献します。

OCRとの違い

OCR(Optical Character Reader)は、画像データのテキスト部分を認識して文字データに変換する光学文字認識機能を指します。
たとえば、紙媒体の文書をスキャナーで読み込み、書かれた文字を認識してデジタル化する技術です。
AI-OCRは、OCRにAI技術を追加しています。機械学習による文字認識率の向上やフォーマットの設計をせずにさまざまな項目の抽出ができます。

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画像のデータ化とOCRの重要性

デジタル化が進んだ現在において、画像からデータを正確かつ効率的に抽出することは重要といえます。
最近では企業間の取引や契約などもデジタルの文書を通じて取り交わすケースが増えています。DXが浸透していない業界・業種においては、OCRによりデータ化することで、スムーズな取引が行える可能性があります。
また、データ化することで、これまで手動で行っていた業務の自動化も実現できるでしょう。自動化にはRPAなどの導入が必要ですが、大量のデータを自動処理することで業務効率の改善が見込めます。
紙媒体のままでは、紛失する可能性がありますが、データ化することでヒューマンエラーやインシデントの防止にも役立つでしょう。

人気のOCRツール10選

DEEPREAD

DEEPREADは、ディープラーニングに基づくAI(人工知能)を活用した手書き文字のデジタル化サービスです。従来のAI-OCRは1文字ずつ読み取っていましたが、DEEPREADは複数の文字を同時に処理できます。
また、細かい設定を必要とせず、簡単な操作でテキスト化ができます。文字認識精度は9割以上を記録し、AI-OCRのなかでもトップレベルです。
弊社SMSデータテックでもDEEPREADの導入支援サービスを提供しています。DEEPREADの導入をお考えの方はお気軽にご相談ください。

Google Cloud Vision API

Google Cloud Vision APIは、画像処理に関するさまざまな機能を提供するクラウドベースのサービスです。
APIのなかにOCRが備わっており、画像内のテキストを抽出できます。多言語対応や手書き文字のサポートもされており、幅広く活用可能です。

Microsoft OneNote

OneNoteは、画像やファイルのテキスト化だけでなく、名刺をスキャンすることで情報のコピーができます。
また、複数ページのファイルからテキストを抽出することもできるため、大量のデータ処理にも適しています。

NewOCR

NewOCRは、多言語に対応し、スキャン条件が悪くても確実にテキストを認識できるOCRの無料ソフトです。
さまざまな形式に対応し、ファイルのアップロードに制限がありません。変換後のテキストはクリップボードにコピーしてダウンロードすることが可能で、手軽に利用できます。

Light PDF

Light PDFは、オンライン上でPDFを編集したり、他のフォーマットへの変換が可能なOCRです。
Light PDFの特徴として、Google Chromeの拡張機能として使用できることが挙げられます。OSを問わず利用できるため、利便性が高いです。
無料版と有料版が存在しますが、無料版は1言語のみの認識が可能なこと、txtファイル形式のみサポートと、制限があることに注意しましょう。

Free Online OCR

Free Online OCRは、オンライン型のOCRサービスです。光学式文字認識ソフトウェアを使用して画像からテキストを抽出し、PDFをExcelやテキスト形式に変換できます。無料で利用可能で、「OCRのメリットを試してみたい」というユーザーに適しています。
ただし、無料のゲストユーザーは1時間につき15ファイルまでしか変換できず、アップロードされたドキュメントは変換後に自動的に削除される仕組みとなっているため、注意しましょう。

Renee PDF Aide

Renee PDF Aideは、PDFをWord、JPEG、HTMLなどさまざまな形式に変換できるソフトウェアです。
PDFを管理するための便利な機能が充実しており、PDFの修復や透かしの追加、分割・結合などができます。

AIよみと~る

AIよみと~るは、手書き文字や殴り書きの書類を正確に読み取り、迅速にデータ化できます。読み取り精度は96.71%と非常に高く、さまざまな文字や帳票を正確に読み取れます。
また、複雑な設定をする必要がなく、シンプルな読み取り設定で利用可能です。

NOC AI-OCR with AI inside

NOC AI-OCR with AI insideは、手書き書類の識字率が95%以上で、効果的なデータ化が可能です。
さらに、NOC RPAとの連携により、データ化された情報を社内システムに自動入力し、業務全般の自動化と効率化を実現できます。

DX suite

DX suiteは、手書きやFAX、写真で撮った帳票など、さまざまな業務資料に対応し、高い精度でデジタル化できます。
簡単な操作で利用でき、使い始めた日から高い効果を実感できるでしょう。分散コンピューティングを活用して処理を迅速化し、通信経路は暗号化対応でセキュリティ対策も徹底しています。
また、帳票や文字の学習エンジンが即座に利用可能で、RPAやアプリケーションとのスムーズな連携も可能です。

OCRツール導入のメリット

企業がOCRツールを導入することによって得られるメリットは多岐にわたります。

データ入力の効率化

OCRを利用することで、手作業でのデータ入力作業が大幅に削減され、業務効率が向上します。特にAI-OCRによるデータ化は、1枚あたり数秒で完了します。
また、データ化することでRPAとの連携もしやすくなり、一連の業務を効率化できるでしょう。

データ管理の簡易化

AI-OCRは単体で利用しても高い効果を実感できますが、ファイリングソフトと組み合わせることで、データ管理や検索を簡単に行えるようになります。
デジタル化が進んでいても、全文書のなかから、特定の文書を探し出すのは時間がかかります。
AI-OCRには、データ管理や検索の簡易化の側面も持ち合わせています。

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OCRツール選定のポイント

OCRツールを選定する際には、慎重な検討が必要です。以下に、選定の際に考慮すべきポイントを3つ紹介します。

自社に合う機能を選ぶ

OCRツールには、さまざまな機能があります。
ツールによって対応する帳票や文書、文字の種類や項目の特定が可能かどうかなどが異なります。画像処理が必要なケースもあるでしょう。
自社に必要な機能を見極めたうえで、ツールを導入しましょう。

外部システムとの連携

OCRツールそのものには、データ活用の機能は備わっていません。データ化したものは、別のシステムやツールと連携する必要があります。
業務の効率化を実現するためには、OCRツールと連携できる環境であることが重要です。

導入のしやすさとサポート体制

ツールの導入がスムーズかつトラブル時のサポートが充実しているかどうかも検討材料となります。
SMSデータテックでは、AI-OCRの導入支援を行っており、ご状況にあわせたご提案が可能です。

OCRの実践的な導入事例

オリックス生命保険では、新規契約に関わる帳票処理から本格的にDEEPREADを導入しました。ツールの導入に至っては、業務の正確性とセキュリティを満たしつつ、確実に費用対効果を得られるのかがポイントでした。
DEEPREAD導入後は、年間約10万枚の帳票を処理するのに対し、業務量・コスト面でそれぞれ約70%ほど削減できました。精度面でも、間違いがないと判断できるものを基幹システムに登録し、確信度が低いもの(約30%)は従来のフロー通りに業務を遂行することで、業務効率を向上しました。

詳細は、SMSデータテックが開催したスターティアレイズ株式会社さんと株式会社Edulabさんとの共催セミナーをご覧ください。RPAの効果をより高めるOCRとの連携メリットや活用例について紹介しています。
➡「OCR×RPAで紙業務のデジタル化~バックオフィス業務を大改革~
「RPA」と「OCR」どちらも聞いたことはあるものの、具体的な機能や業務のメリットについて知らない方、導入を検討している方や、既に導入をしているけれど上手く活用できていないという方におすすめのセミナーです。ぜひこちらからご覧ください。

DX推進担当者に向けたアドバイス

DX推進担当者が成功するための具体的なアドバイスを紹介します。

ツールを入れることを目的としない

ツールを入れて満足してはいけません。
導入後にうまく動かないケースもあり得ます。実際にトライアルしたり他のツールと比較したうえで、自社に最適なものを選定しましょう。
ツールの導入は手段であり、最終的な目的はDX推進や業務効率の向上です。目的を見失わず、ツールの選定は慎重に検討しましょう。

DX施策の目的と実現したときの未来像を常に持つ

DX施策を進めるうえで、「なぜDXを行うのか」「どのような課題があり、どのレベルまで解決したいのか」を常に明確にしましょう。
初めに想像した手法が最適でない場合もあるため、目的達成のための施策を柔軟に見直すことが重要です。

まずはスモールスタート

大規模な変革を目指す際には、最初から全てを変えようとすることはリスクが高まります。
他部署の人々も慣れたツールやプロセスがあるかもしれません。
少しずつ理想に近づけるよう、スモールスタートを心がけましょう。1つずつ始めながら、段階的にDX化させていくことが成功の鍵です。

1人だけで考えない

最適な施策や対策を見つけるには、1人だけでなく多くの人の意見を取り入れることが重要です。
自分だけで考えず、多くの人も参加したうえで最適解を模索すると良いでしょう。
SMSデータテックなら、プロのエンジニアやコンサルタントが揃っており、企業様のご状況にあわせたご提案が可能です。

まとめ

この記事では、OCRの基本からAI-OCRツール、導入事例、選定のポイントなどを紹介しました。
企業間とのやりとりもデジタル化した文書で取り交わされるケースの増加や、業務の効率化が当たり前ともいえる時代となり、より一層OCRツールは重要度が増しています。これからツールの導入を検討している場合は、事前にどのような機能が必要なのか、サポート体制は万全なのかを必ず確認しておきましょう。

SMSデータテックでは、DEEPREADを含めたRPA・AI-OCR導入支援を行っています。
RPA製品の販売だけでなく、RPA導入にまつわるコンサルティングから開発、運用支援まで、お客様のRPA導入をトータルで支援いたします。また、AI-OCRとRPAを組み合わせた自動化も得意としていますので、企業様独自の業務にあった自動化ツールをご提案・開発することが可能です。まずはお気軽にご相談ください。

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