コラム・事例

株式会社ジェイアール西日本デイリーサービスネット様

自動化ソリューション
#システム開発
#自動化

導入の背景・課題

散在した社内データ、確認作業の手間や管理に苦戦…

兵庫県に本社を構え、グループ会社である(株)ジェイアールサービスネット金沢・岡山・広島・福岡を統括している(株)ジェイアール西日本デイリーサービスネット様(以下、DSN様)。同社は、JR西日本近畿地区の駅構内のコンビニエンスストアの運営や、商業施設「エキマルシェ」、25施設の「ヴィアインホテルズ」の運営をしていらっしゃいます。
 グループ会社を含めた店舗開発、設備管理の課題を洗い出していた際に、店舗や設備の情報が、紙ベースやExcel、Wordなど様々な形式で、それぞれのPCやサーバーに管理しているという実態が課題としてあがりました。

カンパニーアセットソリューション室室長(工務業務)の小畠伸一様は以下のように話します。
「多店舗化が加速する中で、紙やExcelといった古い管理方法では、もはや業務が円滑に回らない状態に陥っていました。例えば、我々が管理する商業施設ではテナントの入れ替わりがあります。その際、店舗にどのような設備が整備されているのか、その設備はいつ更新されたのかなどを把握し、必要に応じて交換や刷新をする必要があります。しかし、そのデータを誰が持っているのか、誰が引き継いでいるのかが分からず、調べるのに時間を要するケースが多発していました。さらには、苦労して探し出した設備管理台帳も情報が更新されていない、不備が見られる等、データの管理方法には悩まされました。現場の担当者目線でも、情報を記載する台帳のありかが分からない、更新の仕方が統一されていないという状況で…。老朽取り換えが記載されなければ、どの設備をどの周期で交換する必要があるのかの判断が困難になります。改善の必要性は認識していたのですが、日常の業務を優先して後回しになり、問題を抱えたまま日々が過ぎていきました。」(小畠様)

SMSデータテックとの出会い

そうした中、問題解決の一案として設備管理台帳をクラウドで運用、グループ会社からも自由にアクセスできる環境を作ることが決定し、データベースシステムの構築に向け、本格的に検討が開始されました。
しかし、検討は難航します。

当時、製品調査を担当したカンパニーアセットソリューション室企画主事の北山尚代様は以下のように語ります。
「様々なサービスを調べ検討しました。ですが、1アカウントごとに課金されて高コストになってしまったり、JR西日本が規定する高度なセキュリティ要件をクリアする技術力がなかったり。あるいはUI(ユーザーインターフェース)が使いにくそうなど、どのサービスを利用したら良いのか分からなくなり、話が進まない状況が続きました。」
そんな中、DSN様と当社SMSデータテックが出会ったのが、「Japan ITWeek 名古屋2022」でした。
「当時、データベースの選定に関する悩みをお聞きし、Webデータベース『プリザンター』を活用すれば解決できると強く感じ、具体的なご提案をさせていただきました。」(弊社営業担当)
「当社はITに詳しい人材が少なく、いくらノーコード、ローコードといえども、自分たちの手で構築するには、ハードルが高いと感じていました。SMSデータテックさんから提案を受け、ここに依頼すれば、容易かつ早期に開発ができると思ったのが正直な気持ちです。」(北山様)

開発までの道のりと成果

実際に、プリザンターを活用したWebデータベースの構築プロジェクトが進み、DSN様と弊社(SDT)による打ち合わせを定期的に実施しました。細かいニーズをお聞きし、そのニーズを満たすことができるようなシステムを着々と組み上げていきました。可能な限り、実際の画面に事前に触っていただくことで、DSN様の理想形との差が生まれないように心がけてまいりました。
北山様とともに導入製品の選定を担当した企画主事の藤井洋介様は以下のように話します。
「試しにExcelで管理していた台帳を渡し、プリザンターを使ってデータベースを構築してもらったところ、非常に使いやすく、UIも親しみやすい印象を受けたことを今でも覚えています。」

環境構築の作業を進めていく中で、最も難関だった問題は、JR西日本グループの高いセキュリティレベルに対応した環境を整備することです。数十にもわたるセキュリティのチェック項目に対して、DSN様との会議を何回も重ねながら、1つ1つ確実に、丁寧に対応することを心掛けました。

「駅の図面など各種情報が万が一外部流出すると悪用されるリスクがあります。漏洩防止のためには厳重な対策が求められます。情報システムの主幹部門より提示された、セキュリティ対策のチェック項目があり、それを全て満たさないとJR西日本グループとして社内と外部のネットワークを接続できない決まりがあるため、その壁を乗り越えるのが最大の難関でした。SDTは一つひとつの項目に対応し、高い技術力で全てのチェックリストをクリアしていただきました」(企画主事 平井栄一様)

セキュリティ面だけではなく、Webデータベースの画面構成のカスタマイズも実施しました。Webデータベース構築の際には、DSN様のニーズや実際の業務フローを考慮した上で、最適なシステムの提案・構築を意識しました。
一例としてあげられるのは、書類が必要な各店舗の設備諸元情報を、プリザンターのボタン一つでExcel上に表示する機能のアドオン開発です。

今後の展望

構築の次の段階として、プリザンターへのデータの移行作業を実施しております(2023年10月現在)。DSN様や同社の運営する約500店舗の設備データ(電気・通信・給排水など)や図面、工事費、議事録、行政への届け出書類などを個々のPCやサーバーのファイルからプリザンターへ移行します。
移行が完了することで、グループ会社の店舗や設備関連のデータが全てプリザンター上で確認できるようになります。

「この作業が終われば、店舗管理、設備管理に関する全てのデータが保管された状態となり、プリザンターにアクセスすれば誰でも必要なデータを入手できる環境が整います」(企画担当リーダーの柿本貴司様)

「これまでは、各社・各店舗の設備点検が着実に行われているかを、DSNとして監査するため、現地へ出張して紙の資料を確認していました。今後はプリザンターに点検結果報告書をアップロードしておいてもらえれば、出張せずとも遠隔で確認できるようになり、業務負荷が格段に減ります」(北山様)

プリザンターでのデータの一元管理により、DSN様が統括している各店舗の情報をWeb上で確認することができ、業務効率化・経費の削減につながりました。

「パソコンに詳しいわけでもない自分たちでも簡単にカスタマイズできる点もプリザンターの優れたところ。システム構築後もSDTさんのサポートチケットがあるため、わからないことがあった際は、すぐに相談できる環境があるので、安心出来ますし、大きなポイントです。」と北山様は言います。

「プリザンターの持つ汎用性の高さと、ITリテラシーが高いとは言えない我々でも、業務アプリが作れる操作性の高さを実感しています。本来、新たな業務システムを導入するにはセキュリティ要件などを満たしているか、確認する必要があるため、導入には大変な労力を要します。導入済みのプリザンターを基盤とすれば、他の業務の効率化にも役立つのではないかと期待しています。」(小畠様)

インタビューにご協力いただいたお客様

  • カンパニーマーケティング統括本部副本部長 兼 カンパニーアセットソリューション室室長 小畠 伸一 様(おばたけ しんいち)
  • カンパニーマーケティング統括本部 カンパニーアセットソリューション室 企画 担当リーダー 柿本 貴司 様(かきもと たかし)
  • カンパニーマーケティング統括本部 カンパニーアセットソリューション室 企画 主事 平井 栄一 様(ひらい えいいち)
  • カンパニーマーケティング統括本部 カンパニーアセットソリューション室 企画 主事 北山 尚代 様(きたやま ひさよ)
  • カンパニーマーケティング統括本部 カンパニーアセットソリューション室 企画 主事 藤井 洋介 様(ふじい ようすけ)
  • カンパニーマーケティング統括本部 カンパニーアセットソリューション室 企画 主事 事務スタッフ 長谷川 真暉 様(はせがわ まさき)

会社概要

会社名株式会社ジェイアール西日本デイリーサービスネット
住所〒661-0976
兵庫県尼崎市潮江1丁目2番12号 JR尼崎駅北NKビル
設立2000年2月1日
資本金1億円
売上高884億177万円(2023年3月期)
主な事業内容・JR西日本の近畿地区の駅構内における物販を中心とした店舗の企画、開発、営業
 ・JR西日本の近畿地区の駅構内における商業施設のデベロッパー事業
 ・宿泊特化型ホテルの企画、開発、営業
代表者中西豊
店舗数約500店舗(2023年6月時点)
従業員数約5300人(2023年6月時点)
ホームページhttps://www.dailyservice.co.jp/