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AIによる画像認識とは?仕組みや事例を徹底解説
近年、AIを使った画像認識が増えています。AIが急速に普及する中、AIによる画像認識に着目している方も多いでしょう。AI画像認識を活用することで、さまざまな分野において業務効率化が期待できます。そこで今回は、AIによる画像認識の概要や仕組み、事例について解説します。
目次
AI画像認識とは
そもそもAI画像認識とは、AIを用いて画像の中に写っている人の顔や文字などを特定し判別する技術を指します。効率的に活用するには、AIに大量の画像データを読み込ませて学習させる必要があります。
一見すると画像・文字の認識は難しく感じますが、バーコードで頻繁に用いられている技術のため、実はさほど難しい技術ではありません。バーコード以外では、次の技術も画像認識に含まれます。
- テンプレートマッチング
- 顔認証
- 物体認識
- 文字認識
iPhoneを使っている方なら、起動時に顔認証によるロック機能を使っている方も多いのではないでしょうか。デジタルカメラなどで自動で顔を認証する機能も該当します。近年ではスマートフォンの普及によって、知らないうちにAI画像認識を使う機会が多くなっています。画像認識は私たちの日常で当たり前になっている技術なのです。
AI画像認識の仕組み
AI画像認識が世の中の様々な場所で利用されるのはわかりましたが、どのような仕組みで動いているのでしょうか。その仕組みは大きく2つに分けられます。
- 画像処理・抽出を行う
- ディープラーニングを用いて物体認識を行う
これらを駆使して高い認識率を維持しています。それぞれ詳しく解説します。
画像処理・抽出を行う
AI画像認識を活用するには、まずAIに画像を認識させる必要があります。そのためには画像データをAI内に入れ、学習させます。その際に、プログラムで組まれた識別用のソフトを使うのが一般的です。
注意点として、画像データはなるべく読み取りやすい形にする必要があります。
画像の明るさや色味を調整することで、よりハッキリとした画像をAIに読み込ませます。私たちが写真を見る場合に写りの悪い写真より鮮明な写真の方が見やすいように、AIにも同様の処理を施します。
画像データをAIに学習させる前に写真編集ソフトを使って画像処理・抽出といった処理を行いましょう。
ディープラーニングを用いて物体認識を行う
画像の処理・抽出が終わったら、次はディープラーニングを行います。ディープラーニングとは、AIの学習方法の中で最も代表的な手法です。畳み込みニュートラルネットワーク(CNN)と呼ばれる人の脳内の神経回路網を模したネットワークモデルを用いて、画像データのまま特徴を抽出します。要は元となる写真を見て、適切なデータを引き出すためのネットワークです。CNNでは次の流れで、優れたAI画像認識能力を獲得しています。
- 画像の特徴を抽出する
- 抽出した画像の特徴を分析する
ディープラーニングは、この工程を何度も繰り返すことで、画像選出の精度を上げられます。人が事前に特徴を定義しなくてもAIが膨大な特徴量から被写体を選別することも可能です。
AI画像認識の事例
AI画像認識の導入事例について紹介します。
Google翻訳
Google翻訳でもAI画像認識が実装されています。わからない単語もすぐに翻訳してくれるため、使ったことがある方も多いのではないでしょうか。パソコンの場合、文字を打ち込んで変換する使い方が中心ですが、スマートフォン・タブレットでは、Google翻訳のアプリを活用することもできます。
Google翻訳アプリでは、カメラで文章を撮影するだけで別の言語に瞬時に変換できます。これも画像から文字を認識するAI画像認識のひとつといえます。
無人のコンビニエンスストア
コンビニエンスストアでもAI画像認識が利用されています。中でも特にAI画像認識を強化しているのがコンビニエンスストアのローソンです。
ローソンはレジレス店舗(レジのない店舗)をすすめるにあたって、専用のスマートフォンアプリや顔認識などを用いて本人確認を行ったり、AIカメラによって客が手に取った種類や数を把握するシステムを導入しています。そして入店客が店舗を出ると、認識された商品の文が専用アプリを通じて電子決済される仕組みとなっています。これにより店舗の完全無人化を実現することができました。
ローソン以外では、Amazonが完全無人の店舗をオープンさせたことでも有名です。人手不足が深刻な昨今、注目されつつあるAI画像認識の活用方法です。
資生堂のパーソナライズスキンケア
化粧品メーカーの資生堂でもAI画像認識が導入されています。資生堂は独自のシステムとして「Optune」と呼ばれるアプリを展開し、ユーザと自社製品のマッチングに役立てています。
Optuneを使うとパーソナライズスキンケアを行え、スマートフォンのカメラで素肌を撮影するだけで現在の状態がわかります。
水分量・きめ・皮脂量・毛穴といった状態を知ることでユーザは自分に合った商品を探せるうえに、資生堂は自然とスキンケアのデータが集まります。
キューピーの不良品検品
食品メーカーのキューピーでもAI画像認識を導入しています。キューピーは製造ラインで導入しており、主に不良品検品で用いられています。毎日膨大な数の製造を行っている工場では、不良品を検品するのにも労力がかかっていました。
そこでAI画像認識を活用し、良品のみの参考データを作り、良品に該当しないと判断されたものをすべて不良品として検出する仕組みを構築したのです。不良品の参考データまで入れると時間も手間もかかるため、良品のみに特化し不良品データの不足をカバーしたのがカギでした。良品のみが選別されるため、検品精度はもちろん、人員削減にも繋がった事例です。
まとめ
今回は、AIの画像認識の概要や仕組み、事例について解説しました。AI画像認識は、今や必要不可欠の技術となっています。その仕組みはバーコード読み取りから特殊なネットワークを用いてAIが独自に画像を認識するシステムが構築されています。
Google翻訳に代表される翻訳機能はもちろん、無人のコンビニエンスストア、ビッグデータの収集、製造ラインでの不良品選別など様々な用途で活用できます。AI画像認識の導入を考えている方は、どのようなシステムを導入すればメリットになるのか考えた上で導入するとよいでしょう。
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