DX認定を取得するメリットやプロセスとは?DX認定を徹底解説

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あらゆる事業者や組織において、DXの推進は重要な課題となっています。DXを実現することによる事業の変革の重要性とともに、ビジネスをデジタル化する取り組みは対外的にも重視されるポイントです。

このDXについて、2020年より施行された「情報処理の促進に関する法律」に沿って、DX認定という制度が始まりました。企業のDXへの取り組みを経済産業省が認定し、対外的に示せる仕組みとなっています。

本記事では、DX認定について、概要、メリット、認定までのプロセス、認定企業の事例などを紹介します。DX認定を目指す際の参考にご活用ください。

DX認定とは

DX認定制度とは、「情報処理の促進に関する法律」に基づき、「デジタルガバナンス・コード」の基本的事項に対応する企業を国が認定する制度です。

経済産業省「DX認定制度(情報処理の促進に関する法律第三十一条に基づく認定制度)」より引用

DX認定は、企業がDXに対応するために経営者に求められることをまとめた「デジタルガバナンス・コード」に対応し、「企業がデジタルによって自らのビジネスを変革する準備ができている状態(DX-Ready)」であることを認定する制度です。

この認定を取得することにより、企業がDXの実現への真摯な取り組みを内外に示すことにつながるため、今後は企業の価値や将来性を示す指標となることも想定されます。

また、DX認定のメリットで詳しく記載していますが、税額控除や中小企業に対する融資、人材開発支援の助成金制度などの支援措置を受けることができるようになります。

デジタル・ガバナンスコード

経済産業省によると、デジタルガバナンス・コードとは「企業のDXに関する自主的取組を促すため、デジタル技術による社会変革を踏まえた経営ビジョンの策定・公表といった経営者に求められる対応」をとりまとめたものです。2020年に改訂が行われており、デジタルガバナンス・コード2.0が2023年11月14日時点で最新です。

DX認定の種類

DX認定制度は以下の4つのレベルに分類できます。

前項にもある通り、DX認定はそのうちDX-Readyレベルにある事業者をDX認定事業者として認定します。さらに別途、DX認定事業者からDX-Excellent企業・DX-Emerging企業の選定を行います。

  • DX-Excellentレベル
  • DX-Emergingレベル
  • DX-Readyレベル(DX認定)
  • DX-Ready以前レベル

DX-Excellentレベル

DX推進が実務にもっとも反映され実績がとくに優れている企業に与えられる称号です。
認定事業者のうち、ステークホルダーとの対話・情報開示を積極的に実施しており、優れたプラクティスとなるとともに、すでに優れたデジタル活用実績を出している事業者が認定されます。他のレベルがDX推進の準備や期待値などが評価軸とされているのに対して、DX-Excellentレベルでは、DXによる業務フローの改善や実績などを評価軸としていることがポイントです。

優れたビジネスモデルを有する証として付与される「DX銘柄」や「DX Selection」は、このレベルから選ばれます。

DX-Emergingレベル

DXの準備が整っており今後の期待値が高いとされる企業に与えられる称号です。
DX認定事業者のうち、ステークホルダーとの対話・情報開示を積極的に実施しており、優れたプラクティスとなる(将来性を評価できる)事業者が認定されます。
すでに仕組を整え、積極的なアクションを起こしていれば、まだ成果が出ていなくても評価対象となります。

DX-ExcellentだけでなくDX-Emergingからも「DX銘柄」や「DX Selection」が選ばれます。

DX-Readyレベル(DX認定)

DX推進の体制が整えられた企業に与えられる称号です。
DX認定制度における基礎的なレベルであり、すでにビジョンの策定や、戦略・体制の整備などを行い、ステークホルダーとの対話を通じてデジタル変革を進め、デジタルガバナンスを向上していく準備が整っている事業者が認定されます。

DX-Ready以前レベル

未だDXに取り組めていない企業を指します。
具体的には、ビジョンの策定や、戦略・体制等の整備にこれから取り組む事業者や、取り組みが十分でなく改善の余地がある事業者が含まれます。

まずはDXの進捗状況をDX推進指標を用いて自己診断することにより、DX推進の方向性を決めるところから始めましょう。

DX認定のメリット

企業にとってDX認定を取得するメリットとして、下記が挙げられます。

企業外へのDXの取り組みアピール

DX認定を取得すると「DX認定制度 認定事業者」としてDX推進ポータルに企業名等が掲載されます。これは明確に企業がDXへの取り組みを行い、一定の範囲までの実現ができていることを社外に伝える機会となります。

企業価値の向上、社会的な認知へ大きな役割を果たします。

申請に際してDXの状況整理の機会になる

DX認定の際には、申請のために企業のDXへの取り組み状況をまとめる必要があります。改めてDXに対する取り組みを棚卸し、状況整理、課題把握などの機会を持てるため、今後のDX推進に向けての指針策定などに役立てることが可能です。

DX認定制度ロゴマークが使用できる

認定事業者となることで「自社がDXに積極的に取り組んでいる企業」であることを社内外にアピールできるDX認定ロゴマークの利用が可能になります。このロゴマークは企業のホームページや名刺に使用することが可能です。

DX投資促進税制の税額控除

DX認定を受けた企業は「全社レベルのDXに向けた計画を主務大臣が認定、DXの実現に必要なクラウド技術を活用したデジタル関連投資に対し、税額控除(5%又は3%)もしくは特別償却30%」の措置を受けることが可能です。詳しくは経済産業省資料「産業競争力強化法における事業適応計画について」をご覧ください。

中小企業は融資が受けられる

DX認定を受けた中小企業は設備投資等に必要な資金に対し、日本政策金融公庫による金利優遇を受けることが可能です。利率は基準利率(1.20%)よりも低い特別利率(0.60%)で融資となります(2023年10月時点)。詳しくは日本政策金融機構「IT活用促進資金」を参照ください。

さらに、中小企業信用保険法の特例も適用されます。DX認定を受けた中小企業は「情報処理システムを良好な状態に維持し、戦略的に利用するために必要となる設備資金等について、民間金融機関から融資を受ける際、信用保証協会による信用保証のうち、普通保険等とは別枠での追加保証や保証枠の拡大」を受けることが可能です。

人材開発支援助成金が受けられる

DX認定を受けた企業は、高度デジタル人材訓練対象事業主としての要件を満たすことになります。このため、訓練経費(最大75%)や訓練期間中の賃金の一部(最大960円/時間)などの助成を受けることが可能です。詳細は厚生労働省「人材開発支援助成金 人への投資促進コースのご案内(詳細版)」を参照ください。

DX銘柄に応募できる

経済産業省は東京証券取引所及び独立行政法人情報処理推進機構と共同で「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」の選定を例年行っています。DX認定の取得はその前提となります。

DX認定のプロセス

基本的なステップを紹介します。

STEP1:「申請のガイダンス」より、自社の状況が申請要件を満たしているか確認

DX認定に関する各種相談・問合せ対応及び認定審査事務を行っている独立行政法人情報処理推進機構(IPA)のサイトに申請のガイダンスが掲載されています。こちらを確認し、自社の状況と照らし合わせて申請要件を満たしていることを確認しましょう。満たされていない場合には対応が必要です。

STEP2:申請書類のダウンロードと書類の作成

IPAのサイトより申請書類のダウンロードを行い、記入します。

注意点として、申請書、申請チェックシート以外に「設問(5)の取組(課題把握)」に関する証跡資料が必要となります。証跡資料は、以下のいずれかです。

  • 「DX推進指標 自己診断結果入力サイト」 からの入力
  • 自己診断結果記入済のDX推進指標自己診断フォーマット(Excel形式)を申請書の添付資料として提出
  • 課題把握の結果が分かる資料(形式自由)を申請書の添付資料として提出

STEP3:DX推進ポータル(Web申請システム)で申請

Webでの申請システム「DX推進ポータル」より申請を行います。DX推進ポータルの利用の仕方については、「DX推進ポータルの利用方法」を参照ください。

DX認定の企業3選

DX認定を受けた企業について、それぞれの企業でどのような取り組みを行っているのか見てみましょう。

JFEスチール株式会社

製鉄業のJFEスチール株式会社では「JFEグループ 第7次中期経営計画について 」などの中で「最新ICT・デジタルインフラの大規模導入およびグループの豊富なデータ・ノウハウ・技術(=競争力の源泉)の最大限活用」を行うことを掲げています。製鉄所システムリフレッシュ、データ活用レベル高度化、ITリスク管理強化を三つの柱としており、社内でデータサイエンス、ロボティクスの情報を共有するDSポータルの解説、ソリューションビジネスやDX推進に向けた基盤の更新、プラットフォーム構築を実施しました。2021年より4年で投資1,150億円を見込み、2024年の効果目標として収益改善効果約300億円を目指した取り組みです。

株式会社NTTドコモ

通信業の株式会社NTTドコモでは「新ドコモグループ中期戦略」としてDXの取り組みについて公表しており、具体的な施策には法人事業の統合、スマートライフ事業の創出、通信事業の拡充などが挙げられています。また、NTTグループ横断でDXの推進を検討するWGを開催する等、企業内での取り組みの活性が見られます。

大同生命保険株式会社

保険業の大同生命保険株式会社では「大同生命DX戦略」によりDX活用の方向性を示しました。『「リアルの接点」をデジタル技術で高度化』することをDXにより目指す姿と定め、具体的な施策として医療ビッグデータ等を活用した商品開発、ウェアラブル端末やPHRサービスでの健康管理、デジタル通貨やブロックチェーン技術の導入、顧客のニーズに基づくビデオコミュニケーションやシェアオフィスの活用、AIによる提案、スマートフォンやPCでの保険の手続きの完結などを挙げています。DX戦略の達成度を評価する指標として「お客さま満足度」を設定、DX戦略の進捗を確認する指標として「デジタル手続数」を設定し、定期的に確認しながら取り組みを行い、成果についてはニュースリリースなどで定期的に発信しています。

まとめ

DX認定は企業におけるDXへの取り組みを社内外に示すことのできる制度です。今後の社会において企業価値を示し、社会的な認知の上でも重要な役割を果たすでしょう。

この度、弊社SMSデータテックもDX認定を取得しました。

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