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2023年2月にFacebookを運営するMeta社がリリースした「Llama(ラマ)」をご存じでしょうか?Llamaとは、小型かつ高性能である大規模言語モデルのことです。オープンソースかつ商用利用が許可されており、AIの研究・開発で活用されています。
本記事では、Llamaの概要や特徴、使い方と活用事例について詳しく解説します。Llamaについて知りたい方、利用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
Llama(Large Language Model Meta AI)とは、FacebookやInstagramを運営するMeta社が、AIの研究サポートを目的に開発した大規模言語モデル(LLM)のことです。LLM(Large Language Model)は、大量の文章データを学習し、人間の言葉に対する理解力が高く新しい文章を作り出せる、最新のAI技術です。従来の言語モデルと比較して、以下を増やすことにより自然かつ高度な言語処理を実現しています。
LLMの詳細は以下をご覧ください。
⇒LLM(大規模言語モデル)とは?仕組みや活用事例、今後の展望を徹底解説
Llamaは継続的な開発が行われており、複数のバージョンが存在します。ここからは、Llamaにおける以下のバージョンについて解説します。
LLaMAは2023年2月にリリースされた最初のバージョンです。商用利用はできないものの、小型・高性能でMeta社が開発・提供したAIであったため、多くの注目を集めました。
Llama2は、2023年7月にリリースされたAIモデルです。オープンソース化され商用利用が可能になり、企業や開発者が自由にカスタマイズできるため、利用が推進されました。また、パラメータサイズが70億、130億、700億の3タイプに分かれている、LLaMAより高度なモデルです。
Llama3は、2024年4月にリリースされたAIモデルで、15兆以上のトークンで訓練された高精度な自然言語処理が特徴です。推論能力も高く、アドバイスやアイディアの提供が可能になりました。また、高い自然言語処理能力を活かし、SNSやWebサイトなどのコンテンツ作成にも活用されています。
Llama 3.1は、GPT-4oやClaude 3.5 Sonnetに匹敵するといわれる高度なAIモデルです。パラメータサイズが80億、700億、4050億の3タイプに分かれており、英語以外にも以下の言語に対応しています。
続いて、Llamaの特徴について紹介します。
Llamaは、小型でありながら高性能なAIモデルです。パラメータ数が小さいにも関わらず、他のモデルと比較しても遜色ない処理精度を誇るため、多くの注目を集めています。
パラメータ数とは、機械学習モデルが学習中に最適化する必要がある変数のことです。入力データを処理して予測や生成を行う際に使用されます。パラメータ数が多いほど情報量や表現力が高くなる一方で、サイズ・計算量が増加しコンピューターに求められる性能やコストも増加します。
OpenAIとMetaが発表した情報によれば、マルチタスク能力を測定するMMLUが、パラメータ数1750億のGPT-3.5が70.0%なのに対し、パラメータ数70億のLlamaは82.0%でした。Llamaはパラメータ効率が良く、負荷を抑えながら高い性能を発揮します。
参考:GPT-4 Technical Report|OpenAI
Introducing Meta Llama 3: The most capable openly available LLM to date|Meta
Llamaは、バージョン2より商用利用が可能となり、個人や企業における利用が期待されています。ただし、商用利用をするにあたり以下のルールが設けられています。
定められたルールに違反した場合、Llamaを活用できなくなる可能性があるため、注意しましょう。
Llamaはオープンソースとして公開されており、無料で活用できます。また、モデル・コードを再利用できるため、開発効率の向上やコスト削減が可能です。ソースコードの自由な改変やカスタマイズも可能で、高い柔軟性・拡張性が期待できるでしょう。
また、オープンソースには開発者のコミュニティが活性化するメリットがあります。情報や意見交換が活発化されることにより、開発が促進されるでしょう。
Llamaは、大量のテキスト情報を集めたデータベースを活用し学習が行われている多言語対応のAIモデルです。ただし、日本語の学習量が少ないため、現状では日本語に対する精度が高くありません。とくに、日本語のアウトプットにおける精度が不安定です。将来的な日本語対応への強化が期待されています。
Llama | ChatGPT | Gemini | |
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提供元 | Meta | OpenAI | |
タイプ | 大規模言語モデル | 生成AI | 生成AI |
主な機能 |
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特徴 |
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対応言語数 | 8種類 | 80種類以上 | 40種類以上 |
LlamaとChatGPT・Geminiの主な違いは上記の通りです。単体での活用であればChatGPI、Googleツールとの連携ならGemini、研究・開発での利用ではLlamaがおすすめです。
続いて、Llamaの3つの使い方を紹介します。
Groqは、元GoogleのエンジニアであるJonathan Ross氏が創業したGroq Inc.が開発・提供している会話型生成AIです。AIと機械学習におけるデータ処理速度と効率性が特徴です。
Groqでは2024年7月23日に、LPU AI推論テクノロジーを搭載したLlama 3.1モデルをリリースしました。GroqでLlamaを活用する手順は、以下の通りです。
Hugging Faceは、AIと機械学習の開発サポートを目的としたオープンソースプラットフォームで、AIモデルやデータセットを共有・利用する際に活用されています。
パラメータサイズ80億、700億、4050億の各デモ画面が用意されており、Llamaの性能を確認できます。各タイプの性能比較をしたい方は利用すると良いでしょう。
Amazon Bedrockは、サーバーレスで手軽に最新の生成AIモデルを利用できるAWSのサービスです。専門スキルが無くてもテキストや画像生成、チャットボットなど、さまざまなAIサービスを利用できます。
以下の手順にてLlamaを利用可能です。
AIや機械学習モデルの構築・導入・運用を、効率的に実施したい方におすすめです。
前述の通り、Llamaは日本語への精度が高くありませんが、日本語対応したモデルもリリースされています。ここからは、日本語でLlamaを利用するためのモデルを紹介します。
Llama 3 Youko 8Bは、rinna株式会社がリリースした日本語特化モデルです。
80億パラメータのLlama 3 8Bに対し、日本語と英語の学習データ220億トークンを活用して事前学習が行われました。その結果、高性能なLlama 3の能力を日本語でも活用可能になっています。
Llama 3.1 Swallowは、東京工業大学と産業技術総合研究所がLlama 3.1をベースに日本語能力を強化したLLMです。オープンソースの日本語特化モデルにおいて、言語理解・生成タスクでトップクラスの性能を誇ります。
cyberagent/Llama-3.1-70Bは、サイバーエージェントがリリースした日本語特化モデルです。ソフトウェアやコードの商用利用が許可されており、修正・変更したソフトウェアの自由配布が可能です。また、ユーザーに対して特許使用権が付与されています。
続いて、Llamaの活用事例を紹介します。
Llamaは、SNSやWebサイトなどのコンテンツ作成に利用できます。ペルソナや目的を入力すれば、自動でコンテンツ生成が行われるため、作業効率を高められるでしょう。
また、高品質のコンテンツ作成も期待できます。ある企業がLlamaでSNSのコンテンツ作成を行った結果、フォロワー数が20%増加したというデータもあります。
Llamaはカスタマーサポートでも利用できます。チャットボットなどに組み込めば、顧客からの質問に対して迅速かつ正確な回答を行うでしょう。実際に、ある企業ではLlamaをカスタマーサポートで活用したことにより、応答時間を30%短縮しました。
プログラミングにもLlamaは有効です。高度な言語理解能力を有しているLlamaを活用すれば、複雑なプログラミングもスピーディーに処理でき、業務効率化につながります。正確性が高くエラーが少ないコード生成も期待できます。
Llamaは継続的な開発が行われているため、性能の向上や機能の拡張が実施されるでしょう。将来的には、ChatGPTに匹敵すると予想されています。また、Meta社が提供する以下のサービスと連携できれば、さらに普及が進むでしょう。
Llamaとは、FacebookやInstagramを運営するMeta社が、AIの研究サポートを目的に開発した大規模言語モデルのことです。小型かつ高性能で、商用利用も可能です。コンテンツ作成やプログラミングなどで活用すれば、業務効率化などが期待できます。
業務効率化は、人手不足の解消や企業競争力の向上につながるため重要です。AIやデジタルツールを上手く活用し、業務効率化を実現しましょう。