重要書類の最適な保管方法とは。DXの前提となるデジタル化による脱紙管理

コラム
#DX
DXの前提となるデジタル化による脱紙管理

請求書、受領書、納品書、領収書などの取引書類や帳簿といった書類は、企業や組織において必須要素の一つです。日々、あらゆる企業において様々な業務、用途で利用されており、これらの書類に携わる業務をする人も多いでしょう。

この書類の作成や保管、整理、必要な書類探しなどの業務は、一つ一つはそれほど時間のかかるものではありません。しかし、その数が多くトータルすると実は大量の作業時間、コストを使ってしまっています。それだけにデジタル化の必要性の高さが叫ばれる分野でもあります。

本記事では書類のデジタル化について、その重要性と方法を、あらためて紹介します。

紙で管理している書類のデジタル化がなぜ必要なのか


現在、紙で管理して業務が成立している各種の書類に、なぜデジタル化が必要なのでしょうか。その理由を確認しましょう。

業務の効率化

IT、デジタル化の活用が推進されている理由の一つは、紙で管理している書類に関連する業務の効率向上、生産性向上、コスト削減、ミスの抑止といった効果を見込めるためです。これは日本や企業といったくくりだけではなく、世界中のあらゆる組織で進められている取り組みとなっています。

より具体的に例をあげると、以下のような効率化が図れます。

  • 書類の記載をデジタルに行うことによる、業務速度、負荷の改善
  • 印刷、記述の作業時間を短縮
  • 紙の書類の保管スペースの削減
  • 書類探しを高速化し、手間を削減
  • ITシステムによる書類作成で入力ミスを防止
  • 書類の経年劣化が考慮不要

 
また、紙を無駄にしないという面では、エコロジーの観点でも重要視されます。持続可能な開発目標であるSDGsの観点でも、資源の利用を抑える手段としてデジタル化が必要とされています。

電子帳簿保存法の適用

書類のデジタル化が必要とされる背景として、電子商取引(EC)の普及があります。商習慣においても、利便性の向上などを目的として、デジタル上での取引が一般化してきています。取引の全てが電子化されてはいなくとも、部分的に各種の書類をメールに添付することは、既に紙での取引よりも多いのかもしれません。

これに伴い、電子取引における書類のデジタル保存の義務化が電子帳簿保存法により定められました。2022年より適用が開始されています。2年間の猶予期間はとられたものの、企業は対応が迫られている状況です。

この法令の適用は、今後の書類のデジタル化にもますます拍車をかけるものとなるでしょう。これに対応しない場合には、国税の納付に問題が発生し、ビジネスの継続に影響を及ぼしてしまいます。

⇒『【2022年適用】電子帳簿保存法の改正|事業者が注意すべきポイントは?』の記事も読む

DXの基盤として

全ての事業者にとって重要課題となっているのが、デジタル技術を利用したビジネスの変革「DX」です。法規制の改正など国や自治体でも、その推進を後押ししています。
DXを実現する上で、基礎となるのが既存業務のデジタル化です。各種の業務間でスムーズに連携するためには、書類のデジタル化は前提となります。

 

現状、紙で保存されることの多い書類とは


現状、企業活動において紙で保存されており、デジタル化が必要となる書類について、具体例を以下に記載します。企業特有のフォーマットなどはあるものの、いずれも一般的に広く利用される書類です。

・帳簿類
 仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳、売上帳、仕入帳など
・決算関係の書類
 損益計算書、貸借対照表、棚卸表など
・取引関係書類
 見積書、契約書、請求書、領収書など参考:国税庁「No.5930 帳簿書類等の保存期間」

 

紙での管理のメリット・デメリット

各種の書類の管理を紙で行う場合のメリット・デメリットを確認しましょう。これは裏返せば、デジタル化を進める必要がある理由ともなっています。

メリット

  • 既存の方法なので新規コストはかからない

デメリット

  • 保管コスト
    紙を置く場所とその管理にコストが必要となります。デジタルデータならば、コンピュータ上の記憶媒体にまとめることが可能です。
  • 経年劣化
    紙は経年劣化するため、永続的な保存には向きません。デジタルデータはバックアップを適切にとることにより、半永久的に保存可能です。
  • 取り扱いが不便
    紙の書類が大量にある場合、中から必要な書類を見つけるのには大変な労力が必要です。また、順番に並べ替える、分類して整理するといった場合にも、手間がかかります。デジタル化をすることにより、コンピュータの機能を使って検索、整理を行うことができます。
  • 業務の属人化
    紙で管理を行うと、どこに何があるかが分かりづらくなり、特定の人しか書類の所在が分からなくなってしまいます。これは業務の属人化に繋がります。デジタル化とともに業務の整理を行うことで、誰にでも取り扱いが可能となります。

デジタルで書類を管理する方法

書類をデジタル化して管理する場合の方法は、大きく二つあります。この二つの方法の選択は、書類の作成者によって変わってきます。

電子データによる書類の作成

各種の書類を作成する段階から、電子データとして作成する方法です。電子データですので、コンピュータの記憶媒体上に保存しておくことができます。適切なファイル名をつけることで書類の内容をみなくても概要を確認することが可能です。フォルダに分けて整理したり、必要な書類を検索することも、コンピューター上の仕組みを利用して簡単に行えます。

スキャナ保存

顧客から受け取る書類や現状紙で保管している書類は、作成段階からのデジタル化をコントロールするのは難しいです。この場合には、紙で受け取った書類をスキャンしてデジタルデータとして保存するスキャナ保存が有効な方法となります。スキャナ保存しただけでは、画像として扱われます。文面の修正や検索を行いたい場合には、さらに自動認識等を行い文字データへの変換が必要です。

まとめ

帳簿、書類のデジタル化は、紙の管理、格納スペースを無くし、経年劣化の心配もなくなります。デジタル化により書類を簡単に検索できたり、整理もしやすくなり、アクセス権のコントロールなど業務効率化やガバナンス・コンプライアンス強化にも役立ちます。そして、電子帳簿保存法への対応としても必須となる施策です。
電子取引に関するデータ保存の義務化は2年間の猶予期間はあるものの、システム改修、導入などの対応を行っていなければビジネスに悪影響が出ることが予想される内容です。早急な対応に取り掛かる必要があります。

弊社SMSDataTech(SDT)ではオフィスの紙類を電子化、デジタル化するサービス、ソリューションを提供しています。重要書類のデジタル保管を推進する企業に向けて、コンサルティングからツールの導入、運用支援などのサポートを提供中です。

また、弊社の提供する自動化ソリューションでは、Edulab社の提供するAI-OCR「DEEPREAD」を活用した自動認識を組み合わせることで、紙の書類のデジタル化を加速します。

書類のデジタル化への対応でお困りの方は、ぜひご相談ください。また、書類のデジタル化と関連した業務自動化もお手伝いします。

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