PoCとは?PoCのメリットや成功するためのポイントを解説

コラム
#IT基礎知識
PoCとは?

新規のビジネスを展開する際に、新しくシステムやサービスを検討します。
現在では、顧客や社会のニーズが多様化し、求められるビジネスも多岐に渡ります。そのため、長期のプロジェクトでは、多様化するニーズに素早く応えることが難しくなりました。せっかくのプロジェクトは成功させたい、と誰もが思いますが、具体的な対策を打たなければ頓挫するプロジェクトも少なくありません。そこで、近年では顧客や社会のニーズの多様化に応えるために、PoC(Proof of Concept)の導入が進んでいます。今回はPoCの概要や検証観点、メリットと成功するためのポイントを解説します。

PoCとは

PoC(Proof of Concept)とは、和訳すると「概念実証」を意味し、新しい技術、理論、原理、手法などの実現性・効果性を目的とした、検証を意味します。PoCは理論や数値のみでの検証ではなく、スモールスケールのシステムやサービスを作成し、実際に使用することで検証を行います。特に、IoT・AIの登場やDXの推進により、顧客や社会のニーズの変化が日々激しくなりました。市場競争の優位性を得るためには、いかに素早くニーズに対応したサービスを提供できるかが鍵となります。PoCの手法であれば、短いサイクルで目的に応じた検証ができるため、現代の市場ニーズに応えやすいです。 

PoCでの検証観点

PoCでは主に次の観点で検証されます。

実現性

新システムや新サービスが実現可能かどうかは真っ先に直面する問題です。膨大なコストを費やして要件の整理を行っても、実際に触れてみないことにはわからないことも多いです。規模の大きいプロジェクトでは、想定外の問題が発生することもあります。PoCは不確定要素が多い場合に効果的で、一つ一つの懸念点に応じて検証することができます。
例えば、IoTの分野にて、IoTセンサーが実際の現場でデータを連携できるのか、連携速度はどの程度か、などの検証を意味します。

効果

ビジネスを継続する上で、費用対効果は重要です。PoCを実施する前にも一定の検証は必須で、充分な費用対効果が得られない場合は、徒労で終わるケースも存在します。費用対効果を後回しにした結果、システムやサービスの導入が目的になってしまうと、採算がとれないものを作り出してしまう可能性があります。そういったシステムやサービスは顧客や社会のニーズに応えられないため、費用対効果を意識するとともに「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」手法は避けましょう。

具体性

具体性の検証は、システムやサービスを使用するときに、何が必要になるのかを見極めるために実施します。簡単に言い換えると、使い勝手の観点での検証です。例えば、新システムを導入する際に、画面上に必要なボタンや画面遷移の際のデータ保持など、ユーザーが使いやすいと思える最適なインターフェースを目指すことが挙げられます。
具体性の検証は、他の検証観点よりも後に実施することが一般的で、実現性と効果について、一定の担保がとれていることが実施条件です。

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PoCのメリット

PoCを実施することで大きなメリットが2つあります。

最小限のリスクで実行できる

PoCは小規模での検証になるため、システムやサービスの開発リスクを最小限に抑えることができます。小規模とは言え、実現可能性や効果・具体性を実物で計ることができ、ユーザーや社内のメンバーから実際のフィードバックを得ることもできます。PoCを行う上で、検証したい目的にフォーカスしたシステムやサービスを作成することで、試作品の制作時間も短縮できます。

コスト削減に繋がる

どれほど良い理論や手法だとしても、市場に出てみないことには顧客や社会のニーズに応えられているかわかりません。特に大規模なシステムやサービスを作成する場合、プロジェクト始動時は需要が高かったものの、リリースされてみても需要が下がっているという可能性もあります。そうなってしまえば、リリースまでにかけたコストがムダになってしまいます。
PoCを実施することにより、実現可能かどうかを早期に判断できるため、ムダなコスト削減に繋がります。

PoCを成功させる2つのポイント

PoCで失敗は、プロジェクトの頓挫に繋がりかねません。PoCを成功させる上で重要な2つのポイントを解説します。

小規模かつ素早く対応すること

PoCを実施する上で、小規模かつ素早く対応することが重要です。大規模な実施では、コストも時間もかかるだけでなく、目的を見失う可能性もあります。目的の範囲はできる限り狭め、目的毎にPoCを実施することが望ましいです。

同じ条件で検証すること

PoCは必ず導入する環境と同じ条件で検証することも重要です。より正確なデータを取得できるため、その後の調査・分析の大きな助力になります。検証環境と本番の想定環境が異なってしまうと「PoCではうまくいったのに」と想定していた結果と乖離する可能性があります。PoCをより有効に利用するためにも同じ条件で検証するようにしましょう。

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まとめ

 今回はPoCの概要や検証観点、メリットと成功するためのポイントを解説しました。PoCは現代のビジネス環境に非常に適合した検証方法です。プロジェクトを成功させるためには、PoCの導入が必須なので、まずは極小規模の範囲で検証を行ってみることをおすすめします。ぜひ、 業務・システム自動化でお悩みの際にはお気軽にご相談ください。

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