情シスSlackとは?利用するメリット・デメリットや参加方法を解説

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情シスSlackとは、気軽な情報交換や悩みの解決などを目的に立ち上げられた情報システム部に所属する人向けコミュニティのことです。複数の人が参加しており、雑談から専門的な内容までさまざまな話題で盛り上がることが可能です。

本記事では、情シスの課題や情シスSlackの概要、情シスSlackに参加するメリット・デメリットと注意点について詳しく解説します。情シスSlackについて知りたい方、参加を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

情シスの課題

情シスSlackが立ち上がった目的は、情シスが長年抱える課題の解決です。DXの推進などにより重要な役割を担っている情シスですが、以下の課題を抱えています。

  • システムや情シスの重要性が理解されず、投資が行われない
  • 社内でコスト部門と見なされている
  • 常に最新テクノロジーが生み出されており、知識やスキルのアップデートが追い付かない
  • 人材が不足しており過剰な負担がかかっている

DX推進によりエンジニアやIT担当者の需要が高まっている一方で、供給が追いついておらず採用難易度が向上しています。ひとり情シスとなっている企業も少なくありません。

ひとり情シスの概要

ひとり情シスとは、一人で情シスを担っていたり総務部など他部署と兼任していたりする状態のことです。多くの中小企業では、複数の情シス担当者を確保することが困難です。採用自体が難しかったり、コストを割けなかったりするケースが少なくありません。

大手企業の場合、情シス専任者が複数いるため業務の割り振りを行っていますが、ひとり情シスであれば全てを一人で担う必要があります。ツール・機器の選定・導入や社内のヘルプデスクなど幅広い業務を行う必要がある情シス担当者は、業務量が多く一人での実施には多くの負担がかかります。また、相談できる人もおらず孤独感を感じる方もいるでしょう。

情シスSlack(corp-engr)とは

出典:情シスSlack公式Webサイト

情シスSlack(corp-engr)とは、情報システム部の人たちが情報交換や悩みの解決などを目的にコミュニケーションを取るグループチャットのことです。言語やミドルウェア、クラウドなど多彩なテーマについてディスカッションできるチャンネルが用意されています。また、自由な雰囲気が特徴で、質問や相談もしやすいためさまざまな情報を得られるでしょう。

ここからは以下の事項について解説します。

  • 情シスSlackができた背景
  • 情シスSlackの基本理念
  • 参加者数

情シスSlackができた背景

情シスSlackができた背景には、情シスの情報交換や課題の解決を図るコミュニティの提供があります。情シスSlackは、2019年4月9日に都内のITベンチャー企業で情シスとして勤務していた横山氏と、横山氏の考えに賛同した5名で立ち上げられました。参加者の勤務先企業規模や業種は多種多様で、匿名でも参加可能です。困った際気軽に相談できる場が欲しいという横山氏の考え通り、バックボーンを問わず気軽に相談できます。

情シスSlackの基本理念

情シスSlackの基本理念は以下の3つです。

  • 敷居は低く
  • 関わり方が自由
  • 全ての意見は反映させない

情シスSlackの目的は「気軽に相談できる場」であるため、参加者が質問や相談をしやすい雰囲気を重視しています。また、必ず発言しなければならないわけではなく、スタンプなどのリアクションのみでも問題ありません。定期的にオフ会も開催されています。

参加者数

情シスSlackの参加者数は2023年時点で1万人を突破しました。開設された2019年は900名程度でしたが、口コミやWeb媒体で認知度が高まり、2020年9月1日には参加者数2,000名を超えました。また、2023年時点の週間アクティブユーザー数は1,500名から2,000名程度で推移しています。

情シスSlackを利用するメリット

情シスSlackを利用することで主に以下3つのメリットを得られます。

  • 情報交換ができる
  • 課題や問題の解決につながる
  • 仲間ができる

ここからは、上記それぞれのメリットについて解説します。

情報交換ができる

情シスSlackに参加すれば情報交換が可能です。IT分野はAIやデジタルツインなど、日々新たな技術が開発され常に進歩し続けている業界です。最新のテクノロジーについて学ばなければ、保有する知識が陳腐化してしまいます。

情シスSlackでは、最新の技術動向や開発手法を含め多くの情報についてディスカッションされているため、知識やスキルの獲得に有効です。また、自分の知識を発信すればアウトプットの機会となり、理解を深められるでしょう。
⇒デジタルツインとは?メリット・デメリットや活用分野と事例を解説

課題や問題の解決につながる

日々の課題や問題解決につながることも、情シスSlackに参加するメリットです。情シスの業務内容は、デバイスの設定やシステムの導入・設定変更、セキュリティ対策など多岐に渡ります。全ての知識を網羅的に身に付けることは簡単でなく、問題に直面するケースもあるでしょう。
特に、ひとり情シスの場合、全てを一人で解決しようとすれば多くの時間がかかります。情シスSlackにはさまざまな人が参加しているため、経験者から適切なアドバイスを得られます。

仲間ができる

情シスSlackに参加すれば仲間も得られます。情報交換だけでなく気軽なコミュニケーションもでき、情シスあるあるなどで盛り上がることもあるでしょう。特に、ひとり情シスにとって共感できる仲間は貴重な存在です。お互い切磋琢磨し合えば、知識やスキルアップのモチベーション向上にもつながります。また、自分のロールモデルが見つかるケースもあるでしょう。

情シスSlackを利用するデメリット

知識やスキルの獲得、問題の解決など、参加によりメリットを得られる情シスSlackですが、情報漏洩につながるデメリットもあります。情シスSlackの参加者は基本的に情シスの方ですが、あくまで他社の人間です。また、不特定多数が参加しており、全員の身元が保証されているわけではありません。自社の機密情報や個人情報を掲載した場合、その情報を悪用する人がいる可能性もあるため、発言内容には十分な注意が必要です。

情シスSlackに参加する方法

情シスSlackに参加するにはSlackのアカウントが必要です。Slackのアカウントがない場合には、まず以下の手順で作成しましょう。

  1. Slackの公式Webサイトへアクセス
  2. メールアドレスを入力後「Slackを始める」をクリック
  3. 入力したメールアドレス宛に届く確認コードを入力
  4. 氏名やパスワード、その他必要事項を入力

以上でSlackのアカウント作成が完了です。なお、Slackは無料でも利用できます。

情シスSlackへの参加は、情シスSlackの公式Webサイトにアクセス後、画面中央にある「Slackに参加する」をクリックして、メールアドレスの入力・「Join Now」のクリックを行うだけです。入力したメールアドレス宛にメールが届くため、本文に記載されているURLから情シスSlackに参加しましょう。

コミュニティを利用する際の注意点

情シスSlackに限らず、近年は気軽にコミュニケーションを取れるコミュニティが数多く存在します。年齢や立場などに関わらずさまざまな情報交換ができますが、利用時に注意しなければトラブルに発展するケースもあるでしょう。ここからは、コミュニティを利用する際の以下注意点について解説します。

  • プライバシーに注意する
  • ルールを守る
  • 良い関係を築く

プライバシーに注意する

「情シスSlackを利用するデメリット」の章でも解説した通り、プライバシーには十分な注意が必要です。例えば、自社のシステム構成や障害対応方法の詳細、顧客情報が該当します。システム構成などを発信すると、悪意のある者がその情報を参考にサイバー攻撃を仕掛ける恐れがあります。
気軽な気持ちで発信した内容により、企業に多大な損害を与える可能性があるでしょう。発信前には、一度内容を見直し問題ないかを確認することが重要です。

ルールを守る

コミュニティのルールを守ることも欠かせません。コミュニティごとに、ルールや独自の文化が存在します。ルールを守らなければ、他者に迷惑をかけるだけでなく強制的にコミュニティから退会させられる可能性もあります。参加時には必ず規約やルールを確認して、不明点があれば管理者に問い合わせると良いでしょう。

相手への気遣いを忘れない

他の参加者と良い関係を築くことも重要です。良好な関係を築くことで、より有益な情報を得られたり親身に相談に乗ってもらえたりする可能性が高まります。質問に答えてもらったら御礼を伝えるなど、最低限のマナーを守りましょう。

また、チャット上でのコミュニケーションは自分の意図と違う伝わり方をする可能性があるため、注意が必要です。不特定多数の人が参加しており、自分が冗談として発言したことでも不快感を抱く人がいるかもしれません。当然ですが誹謗中傷は絶対に辞めましょう。

情シスSlack以外のおすすめコミュニティ

最後に、情シスSlack以外の情シス向け以下おすすめコミュニティを紹介します。

  • うちの情シス
  • 俺たちの情シス

うちの情シス

うちの情シスは、情シスの業務効率化やスキル向上のサポートを目的に立ち上げられたコミュニティです。マネーフォワード社により運営されています。Webコンテンツやセミナーにより、新たな知識・スキルが得られるでしょう。年次のカンファレンスでは、登壇者の講演を聞けるだけでなく、参加者同士の交流も図れます。

俺たちの情シス

俺たちの情シスは、経営者・幹部の要求に悩みながらも奮闘する情シスが気軽に情報交換できる場の提供を目的に立ち上がったコミュニティです。ソフトバンクグループの傘下にあるアイティメディア社により運営されています。定期的に交流会や講演会も開催されているため、有益な情報が得られるでしょう。

まとめ

情シスSlackとは、情報システム部の人たちが情報交換や悩みの解決などを目的にコミュニケーションを取るグループチャットのことです。DXの推進やサイバー攻撃対策など、重要な役割を占める情報システム部ですが、人手が足りない、知識やスキルのアップデートが追いつかないなどさまざまな課題を抱えています。
情シスSlackでは、最新の動向や開発手法などさまざまな情報交換が行われており、知識やスキルアップに最適です。また、相談すれば経験者からアドバイスを得られるため、悩みや課題解決にも役立つでしょう。ただ、情シスSlackなどのコミュニティには不特定多数の人が参加しており、発信内容には注意が必要です。機密情報などを発信すれば、企業の損害につながるリスクがあります。

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