システムの運用設計に必要な項目とは?メリットや種類、必ず押さえたい項目13選を解説

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システムの運用設計に必要な項目とは?

システム運用では運用設計が重要な役割を担います。しかし、運用設計について何から始めればよいのかわからない人も多くいます。そこで、本記事では運用設計のメリットや種類・押さえたい項目13選を紹介します。ぜひ参考にしてください。

運用設計とは

運用設計とはシステムを安定して運用するため、方法・スケジュール・障害発生時の対応方法などのルールをまとめたものです。

開発設計との違いとは

運用設計と似た言葉で「開発設計」があります。開発設計は、システムの根幹であるスペックや機能などを設計することです。運営設計は、運用時に「だれが」「いつ」「どこで」「どのように」すれば安定して運用できるのかを設計することを指します。
安定して運用できるシステムを開発するためには、開発設計と運用設計を同時に行うことが重要です。

運用設計のメリット

システム運用において、運用設計には以下のメリットがあります。

  • システム運用を円滑に行える
  • 障害の発生を予防できる
  • 障害が発生しても素早く対応できる
  • システム運用の手順を共有できる
  • 運用の属人化を防げる

このように、システム運用を効率的・効果的にするために運用設計が必要です。また、システム運用はブラックボックス化しやすく、担当者のみが対応できる業務になりやすいです。システム運用での属人化を防ぐためにも、運用設計は重要な役割を果たします。

運用設計の種類

運用設計は、「業務運用」「基盤運用」「運用管理」の3種類に分けられます。それぞれ詳しく解説します。

業務運用

業務運用とは、利用者と運用側とのやり取りをスムーズにするためのシステム運用のことです。例えば、金融業・保険業などで利用されている、顧客とのやり取りを円滑にするためのアプリをイメージするとわかりやすいでしょう。
業務運用の特徴は、このような利用者と直接つながるシステム運用に携わることです。障害が発生した場合、利用者から「信頼性」を問われる事態となるため、迅速に対応できる運営設計が必要です。

基盤運用

基盤運用とは「不具合がないか」「ネットワークが切断していないか」など、システムを監視する業務のことです。不具合が発生した場合は、バックアップデータからリストア・リカバリなどを行うことも基盤運用に含まれます。
また、障害に備えて「システム監視」「バックアップ」「ログ管理」「保守管理」などの運用設計が重要です。これらの多くは、スケジュール設定することで自動化できます。

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運用管理

運用管理とは、システム運用にかかわる人が守るべき共通ルールのことです。運用管理の目的は、業務運用・基盤運用の統一したルール・基準作りです。
ルール・基準を整備することで、システム運営者の業務がブラックボックス化しにくくなります。

運用設計の対象

運用設計の対象は、先述した「業務運用」「基盤運用」「運用管理」に関係するものすべてです。そのため、運用設計の対象は幅広く、具体的に以下があげられます。

  • インターネット環境
  • サーバー
  • アプリ
  • ハードウェア
  • OS
  • バックアップデータ
  • セキュリティソフト

ただし、システム運用はシステムの目的・利用用途によって対象となる構成が変わります。運用設計では、このような管理するべき対象を洗い出して明確にすることが大切です。

運用設計で必ず押さえたい項目13選

運用設計を考えるうえで、必ず押さえたい項目は13項目あります。それぞれの項目について解説します。

1.運用設計書の目次と構成

運用設計した内容は、運用設計書などにまとめる必要があります。その際は、運用設計書の目次と構成に注意しましょう。具体的には、関係者全員がわかりやすい内容になるよう心がけてください。

2.基本方針

運用設計を考えるうえで、大切なことは基本方針を固めることです。
基本方針は運用設計の軸となる項目で、運用設計書であれば最初に提示される部分です。基本方針が不明瞭では有効な運用設計にはならないでしょう。
システム運用の目的・利用用途の役割を果たすためにも、基本方針を作成する際には、システム開発の基本設計と矛盾のないようにしましょう。

3.対象となるシステムや業務の概要

運用設計する際には、対象となるシステムや業務概要の明確化が大切です。
運用設計書に記載する際には、どのシステムで、どの業務を行うのかを具体的に提示しましょう。例えば、以下のような内容について検討します。

  • システムの用途
  • システムの利用方法
  • 利用者に提供するサービス
  • システムの対象となる利用者

また、対象となるサーバー・ネットワーク機器・アプリなども記載しておくことで、業務の概要を把握するのにも役立ちます。

4.運用体制

運用設計を検討するうえで、考えなければならないのは運用体制についてです。運用体制は大きく分けると、社内での運用・社外への委託のどちらかです。
社内の運用であれば、どのような担当者がどのような業務を担うのかを運用設計書に記載しましょう。
社外に委託する場合は、委託先・委託する業務範囲について明確に記載しておくとよいです。

5.システムの管理項目

運用設計において、システム運用の基本方針・対象業務・運用体制の次に考えることは、システムの管理項目です。このように、上位の概念から決めていくと、スムーズに決定できるのでおすすめの方法です。
システムの管理項目に記載するのは、システム運用に必要な対象をどのように管理するかを定義しましょう。
例えば、「システム本体」「サーバー」「バックアップデータ」「ログ情報」などの管理方法についてです。

6.スケジュール

システム運用を計画的に進めるために重要なのは、運用スケジュールです。運用スケジュールの対象となる作業には、日次・月次で決められているものもあれば、半年に1回・年に1回のような定期作業もあります。
代表的な運用項目には、以下の作業があります。

  • バックアップ
  • 定期メンテナンス
  • ログ管理

運用スケジュールには、これら運用項目とスケジュールを定義しましょう。

7.定常作業の詳細

運用スケジュールで定義した運用項目は、定常作業と呼ばれスケジュール通りに確実に運用することが重要です。そのため、運用設計書では定常作業の手順を詳しく記載する必要があります。
また、システム運用は定常作業のほかにも、システムの変更などに伴い随意作業を行う場合があります。アプリ・OSのアップデートなど、予測できる随意作業はあわせて定義しておくとよいでしょう。

8.セキュリティ要件

システム運用において、利用者の個人情報・社内の機密情報など、重要情報を扱います。そのため、システム運用時の安全性を確保するためにも、セキュリティ要件は重要な項目です。このような情報を不正アクセス・ウイルスなどにより漏洩してしまうと、信用さえも失うことになり甚大な影響がでます。
徹底した漏洩防止をはかるためにも、どのようにして不正アクセス・ウイルスからシステムを守るか定義しましょう。

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9.障害発生時の手順

どのようなシステムであっても、軽微なものを含めると障害の発生は避けられません。そのため運用設計で重要なのは、障害が発生しても迅速に復旧できることです。
運用設計書では障害発生時の手順を詳細・明確に記載しましょう。例えば、以下の内容について定義します。

  • 監視対象、監視方法
  • 障害発生時の連絡先、連絡方法
  • 障害発生時の復旧方法
  • 障害復旧に要する時間

10.監視対象の詳細

システムの情報を守るためにも、システム障害が発生していないかを確認するためにも、システム運用にとって重要な役割を担うのが監視業務です。運用設計書では監視対象の詳細を定義しましょう。
例えば、以下の内容についての監視方法・検知基準・通知方法などを検討してください。

  • サービス
  • アプリ
  • データベース
  • ネットワーク
  • ハードウェア
  • ログデータ

運用設計において大切なのは、外部からの攻撃だけに備えるだけでなく、内部からの不正や誤操作にも対応できるように備えることです。

11.バックアップの設計

バックアップデータは、システムに障害が発生した場合、復旧作業に必要なデータです。そのため、バックアップが取得できていない場合、迅速な復旧が難しくなります。バックアップの取得漏れが起きないように、バックアップのスケジュール・対象データ・作業手順・保管方法などを定義しましょう。
また、バックアップは定期的に行われるべき定常作業です。JOBのバッチ処理で自動化して、抜けのない確実なバックアップを目指してください。

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12.JOB管理設計

JOB管理設計とは、プログラムの実行単位であるJOBの管理について定義することです。システム運用では、バックアップ・定期メンテナンス・システム監視などのJOBがよく利用されます。JOBをスケジューラ・バッチ処理によって実行することで、効率的なシステム運用が可能です。運用設計書では、JOB一覧・登録方法・実行方法などを記載するとよいでしょう。

13.災害時の対応方針

運営設計において忘れてはならないのは災害時の対応方針です。
地震・津波・台風などの災害は、いつ・どこで発生しても不思議ではありません。災害発生時でもシステムを運用するためには、以下を定義することが重要です。

  • 事業継続計画
  • ディザスタリカバリ

ディザスタリカバリは、災害時でもバックアップを利用して復旧することが一般的です。しかし、災害時ではハードウェアに損害がでることもあるため、クラウドや別サーバーにもシステムを用意するなど、システムの二重化も検討しましょう。

まとめ

本記事では、運用設計でするべき13の項目を紹介しました。しかし、どれも経験・知識の必要なことばかりで、自社ですべてを行うのは容易でありません。そこで、おすすめの方法はSDTへの委託です。システム運用のプロであるSDTに運用設計を任せることで、スピーディーな設計ができます。また、SDTは業務改善のコンサルティングも行っており、その経験から業務改善につながるシステム運用の提案もできます。
システム運用についてお困りの方は、SDTへお気軽にお問い合わせください。

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