製造業の自動化の今。Webやクラウドでの自動化メリットと成功事例を徹底解説

コラム
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製造業は作業効率や生産性、作業精度の向上などを目的として、昔から業務や工場の自動化に取り組んできた分野です。多くの方が学校などで産業革命などについて学んできたのではないでしょうか。

技術の進歩に伴い、製造業・工場での自動化への取り組みは継続して実施中です。技術の進歩といってもその幅は広く、近年ではITによる仕組みも積極的に取り入れられています。

本記事では、製造業における自動化について、大まかな歴史や自動化のメリット、近年のWebサービスなどを利用した自動化事例、自動化の成功に向けたポイントや注意点などを紹介します。業務に取り入れて自動化するヒントにしていただければ幸いです。

製造業(工場)の自動化とは

製造業がこれまで取り組んできた自動化について、近代において重要なキーワードを中心に概要や歴史を振り返ります。

ファクトリーオートメーション(FA)

ファクトリーオートメーションとは、工場でモノを製造することの自動化を指す言葉です。そのプロセスや自動化を実現するシステムもFactory Automation(FA)と呼ばれます。

日本でFAが取り入れ始められたのは戦後のことと言われています。製鉄業に大きな需要があり、工業機械の導入、作業工程の連続化へ対応し、大量生産に成功しました。

その後、1960年代にはIC(集積回路:Integrated Circuit)の登場と普及により、作業用のロボットが多数生まれました。これに際し、ICはコンピュータと連動し、FAシステムの利用が広がります。

生産管理システムによる自動化

1990年代にはコンピュータの性能が高まり、FAシステムに関連して製造ラインの周囲でも自動化が進んでいきます。

製造業ではいつ、どれだけ製品を製造するかという計画を立て、材料などの調達を行い、製造を実行し、製品を納品するという業務の流れがあります。この製造の周辺の業務までをシステムで管理することで、より業務効率化、自動化を実現するのが生産管理システムです。

IT、ICTという言葉が一般化するのと並行して、製造業では業務に生産管理システムを用いる企業が増えていきました。販売管理や在庫管理などのシステムと連動することで、製造業の企業のオペレーション全体の効率を高めることにも貢献しています。

インダストリー4.0

2011年にドイツ政府が打ち出した政策に、インダストリー4.0があります。これは第四次産業革命を意味しており、製造分野にITを取り入れたスマート工場を中心としたエコシステムの構築を主眼としています。

インダストリー4.0には、IT技術の活用による少量多品種の製造への対応、IoTによるより詳細な工場の状態管理、工場における情報の収集とその解析による業務の効率向上などが含まれます。

中心技術としては、「IoT」「エッジコンピューティング」「クラウドコンピューティング」「AI」「セキュリティ」「デジタルツイン」が挙げられています。先進技術を取り込むことにより、製造業におけるレベルアップが図られるものです。

日本でもインダストリー4.0に対応した施策として「Connected Industries」が提唱され、取り入れているケースも増えてきています。

Webサービスなどを活用した自動化

インダストリー4.0が進められる中で、大きく発展が進んだのがクラウドを利用したWebサービスです。

クラウドサービスを基盤としてFA、生産管理、IoTなどを利用する形式も広く普及しました。Webサービスの中でもRPA、ノーコード・ローコードでのワークフロー構築、サービス間の連携を担うサービスなど活用することで業務の自動化にも大きく貢献します。

Pleasanterもノーコード・ローコードでアプリを作成するツールです。オープンソースの製品で、柔軟なカスタマイズを行うことができます。ローコード・ノーコードアプリを使ってみたいけれどハードルが高い、と考えている場合には、SMSデータテックの提供するPleasanter導入支援サービスの利用がおすすめです。低価格でセキュリティ対策も含めた導入支援を提供しています。

AIの活用

インダストリー4.0でも一つの要素として扱われていましたが、製造業ではAIを活用した業務効率化、自動化も盛んに行われています。用途も多彩で、AIの画像認識による検品、需要の予測、生成系AIによる業務のガイダンスなど、今後も進展が見込まれる分野です。

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自動化するメリット

業務の自動化にはどのようなメリットがあるのでしょうか。本項では4つのメリットを紹介します。

業務効率、生産性の向上

業務を自動化することにより、業務担当者の作業効率は向上します。同じ時間の作業を行った場合でも、より多くの成果が出せるようになります。

製造業においては、作ることができる製品の数が増えます。同じ時間をかけて生産する量が増えるため生産性が向上します。

人手不足の解消

業務効率、生産性の向上により、業務における人的作業量を減らす効果が見込めます。人口減による人手不足は日本国内において広く問題となっていますが、製造業においても同様であり、人手不足解消の策としても自動化が図られています。

作業品質の向上、ミスの削減

業務を自動化することにより、作業品質の向上、ミスの削減も見込めます。これは、作業をコンピュータやロボットが行うことにより、人的なミスの発生する余地を無くすことから生まれる効果です。コンピュータやロボットによる自動化の精度が高いことが前提です。

データの収集からDXにもつながる

自動化ではコンピュータやITデバイスを用いて、製造ラインなどの制御を行います。これと同時に、制御を行うコンピュータやITデバイスでは製造業務上のデータを取得することが可能です。

データの収集、蓄積をしてビッグデータを形成し、業務を分析することにつながります。更なる業務の効率化や新たな製品開発のヒント、新たな価値を生み出すなどのDXの実現の一つの形であるといえるでしょう。

事例紹介

製造業でのWebサービスなどの活用による成功事例を紹介します。導入したソリューションと導入への流れ、効果などを参考にしましょう。

RPAによるコンピュータ操作業務の自動化

製造ラインの周辺では、コンピュータを使った業務が多々存在します。それらの業務の自動化に役立つのが、ソフトウェアによる業務の自動化であるRPA(Robotic Process Automation)です

RPAはコンピュータ上の操作をソフトウェアに覚えさせ、再現させる仕組みです。ノーコードやローコードと呼ばれるプログラミングを伴わずに作業を再現できるアプリを形成するツールを利用するケースが多いです。

事例として、RPAツール「プリザンター」を用いて業務の自動化を実現した事例があります。

ソケットを専門に開発・製造・販売するメーカー「エム・アイ・エス テクノロジー」社では、データの入力を社員がそれぞれに行い、無駄な転記作業が発生したり、紙媒体で帳票管理が行われていたりなどの問題がありました。
顧客によって対応内容が違うためシステムによる自動化は難しいとも思われましたが、業務のパターンを洗い出し、大幅な業務改善に成功しています。

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チャットボットによる自動化

チャットボットは、問い合わせなどにコンピュータソフトウェアが自動的に対応する仕組みです。製造業においても問い合わせへの対応は存在しており、チャットボットでの業務の自動化が図れます。

お正月飾りやお盆商品を製造する株式会社山一商店は、リコーの「RICOH Chatbot Service」を用いて、商品の問い合わせへの対応を自動化することに成功しました。商品の特性上、繁忙期が存在し問い合わせが集中する問題がありましたが、チャットボットを用いることにより人的対応が必要な問い合わせ数は半分になったとしています。問い合わせが減ったことでその分の工数を取引先との関係強化などに費やすことができるようになったという大きな成果を得ています。

データの集計の自動化、可視化

経済産業省の公開する「製造業DX取組事例集」では、エアコンなどの製造を行うダイキン工業株式会社のデータ集計の自動化、可視化を実現した「工場IoTプラットフォーム」が紹介されています。

この工場IoTプラットフォームでは工場内のさまざまなところにセンサーを配置し、IoTの仕組みを構築することで、リアルタイムな状況の確認が行えるようになりました。生産状態の確認により生産計画の最適化を行い、ロスを削減する成果が得られています。また、工場内の予知・予測にも役立てています。

自動化を成功させるためのポイント

自動化への取り組みを成功させるポイントを紹介します。

業務上の優先度を考慮して適用する

業務の自動化は業務担当者にとっても嬉しいことですが、実現できるまでには試行錯誤が必要な場合もあります。基本線は現行業務を阻害せず、なおかつ業務上のメリットを得ることを目指す形がよいでしょう。DXの実現などの題目に引っ張られ過ぎて、重要な業務に悪影響を及ぼすことは避けなければなりません。

様々なWebサービスを知り、選択肢を増やす

Webサービスやツールを利用した自動化を行う場合には、利用できるサービスを知ることが重要です。選択肢は増えているのですが、知っていなければ選ぶことはできません。知見を持つコンサルティングサービスなどに相談することも手段の一つです。

周囲と協力関係を作る

各種のWebサービスやツールを適用して自動化を図る場合には、業務の担当者との協力関係を作ることも重要です。特に、利用するサービスやツールに合わせて業務を変更することが必要な場合はその傾向は顕著です。現場の担当者を味方に付ける人間関係作りは自動化の要点の一つです。

自動化するにあたっての注意点

業務自動化にあたっての注意点には下記が挙げられます。

コストメリットの確保

自動化の仕組みの導入にはコストがかかります。また、導入時のコストに加え、ランニングコストがかかる場合もあります。これらのコストをかけても、自動化の成果が上回るかどうかは確認しておきましょう。

自動化導入後の運用を考慮

Webサービスなどを利用して自動化の仕組みを導入した場合、導入後にも考慮が必要です。

自動化した仕組みを知り、運用できる人材確保にも配慮しておきましょう。また、自動化により業務のノウハウやテクニックが仕組みに取り入れられ、現場の担当者の知識から失われてしまうこともあります。これらも企業にとっては重要な情報として保持できるよう対処します。

安全性の確保

工場の業務では、安全性の確保への優先度は非常に高いです。当たり前のことではありますが、自動化によって安全性が失われることは避けなければなりません。

ノウハウがなく自動化への取り組みが難しい場合には

業務の自動化に向けたノウハウが無く、どのように取り組んだらよいのか分からない場合には、自動化に向けたコンサルティングサービスを利用することも課題解決のための方法となります。

弊社SMSデータテックでもプリザンターの導入支援自動化コンサルティングサービスを提供しています。まずはご相談から、お気軽にお問い合わせください。

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まとめ

製造業は昔から自動化への取り組みが盛んな分野です。業務を自動化することにより、業務効率や生産性の向上、人的ミスの削減や防止、人手不足への対処となるなどのメリットが見込めます。

FAや生産管理システムの導入、Webサービスなどを利用した自動化、AIの活用による自動化などさまざまな方法や形態が存在しています。事業の存続を考える上でも、自社に適した自動化に今すぐ取り組むことが必要といえます。

ノウハウがなく、どのように手を打てば良いのか検討することが難しい場合には、自動化に関するコンサルティングサービスを活用するとスムーズです。SMSデータテックの自動化コンサルティングサービスでは、業務の自動化に関して、コンサルティングから導入、支援までを広くサポートしているため、自動化に関するお悩みは何でもご相談ください。下記のボタンより、お気軽にお問い合わせください。

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