ハイブリッドクラウドとは? マルチクラウドとの違いや、メリット・デメリットも

コラム
#IT基礎知識
ハイブリッドクラウドとは? マルチクラウドとの違いや、メリット・デメリットも

これまでの企業のITリソースはオンプレミスでの管理・運用が当たり前でした。しかし、クラウドサービスが登場したことで、ITリソースはクラウド環境を前提とした利用に移行しました。クラウドを導入することで、様々なメリットがありますが、問題となるのは、どのように使用するかです。その中でも最適な手段の一つに、ハイブリッドクラウドがあります。今回はハイブリッドクラウドの特徴やマルチクラウドとの違い、メリットとデメリットを解説します。

ハイブリッドクラウドとは

ハイブリッドクラウドとは、プライベートクラウドやパブリッククラウド、オンプレミス上のシステムなどが混在した環境を指します。プライベートクラウドとパブリッククラウドを混合させるモデルが一般的ですが、オンプレミス環境を混在させるモデルも少なくありません。
ハイブリッドクラウドを活用することで、次のような効果を実現できます。

  • 自社にとって最適な社内システム環境を構築可能
  • 単独のクラウドサービスよりもビジネスや環境の変化に柔軟に対応可能

IBMによると、ハイブリッドクラウドを活用した場合に得られる効果は、単独のクラウドサービスを活用した場合に比べ、約2.5倍もの価値があることを実証しました。
近年のハイブリッドクラウド環境は、単に接続できることが目的ではありません。全てのサービスがワークロードを移行・可搬でき、目的に合った最適なワークロードを展開できることが重視されています。
多くの企業でハイブリッドクラウドが採用されていることから、企業の掲げる理想のシステム環境を構築しやすいのです。

ハイブリッドクラウドとマルチクラウドの違い

ハイブリッドクラウドに類似した意味を持つ、マルチクラウドという言葉があります。
以下は、ハイブリッドクラウドとマルチクラウドを比較した表です。

どちらも概要は似ていますが、ハイブリッドクラウドは、サービスモデルを意味しており、一方のマルチクラウドは、クラウド環境を構築する手段を意味します。そのため、根本から異なる両者ですが、近年ではハイブリッドクラウドを活用してマルチクラウド環境を実現する例も存在するのです。

ハイブリッドクラウドのメリット

ハイブリッドクラウドが持つメリットについて解説します。

組み合わせ次第でクラウドの持つデメリットを最低限に抑えられる

ハイブリッドクラウドは組み合わせるクラウド次第で、クラウド毎のメリットをより活かし、デメリットを最低限に抑える効果もあります。例えば、プライベートクラウドは、セキュリティが強固な一方、容量の増加には対応しにくいというデメリットがあります。そこで、ハイブリッドクラウドを構築し、プライベートクラウドとパブリッククラウドを組み合わせることで、容量の増加に柔軟に対応できるようになります。

高いコストパフォーマンスを発揮できる

プライベートクラウドとパブリッククラウドでは、コストのかかり方に次のような違いがあります。

  • プライベートクラウド:初期導入費と月次運用コスト
  • パブリッククラウド:従量課金制

どちらも一長一短ですが、機密性の高い情報や長期間使用するシステムはプライベートクラウドを、機密性の低い情報や短期的に使うシステムはパブリッククラウドを使うなど、目的に応じて使い分けることで高いコストパフォーマンスを発揮できます。

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ハイブリッドクラウドのデメリット

ハイブリッドクラウドのデメリットについて解説します。

システム構成が複雑になる可能性がある

単独のクラウドサービスを活用した場合と比べ、ハイブリッドクラウドは、システム構成が複雑化する可能性があります。
誰でも理解できるように、システム全体図や俯瞰図などを作成する必要があります。
最低限でも業務内容やデータをどの領域が制御しているかだけでも分かるようにしておくと良いでしょう。

まとめ

今回はハイブリッドクラウドの特徴やマルチクラウドとの違い、メリットとデメリットを解説しました。ハイブリッドクラウドは3つ以上の環境を組み合わせて活用することもできるため、ビジネスが複雑化しても柔軟に対応できます。プライベートクラウドもパブリッククラウドも、具体的な活用方法を定めることがハイブリッドクラウドを使いこなすために重要です。

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