この度、10月1日〜3日に開催される「DX総合EXPO」に出展することが決まりました!前回6月にも出展したDX総合EXPO、会場は東京...
エッジコンピューティングとは?導入するメリット・デメリットと実際の活用事例
現代のビジネス環境はトレンドの遷移や新技術の導入速度が進み、少しのタイムラグがビジネスの大きな損失に繋がっています。そこで注目されたのがエッジコンピューティングです。エッジコンピューティングによりネットワークの負担や遅延を解消し、リアルタイムで情報を反映できるようになりました。今回はこのエッジコンピューティングについて、概要や仕組み・メリット・デメリットを解説します。実際の導入事例も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
エッジコンピューティングとは
エッジとはIoT端末やモバイル機器などのユーザに近いネットワーク機器を指します。最近ではクラウドにデータを送り処理・分析するクラウドコンピューティング形式が主流です。この仕組みでは生成されるすべてのデータがクラウドに保存されるため、ネットワークへの負荷が増えてしまいます。結果としてデータの送受信に遅延が生じるのです。
一方のエッジコンピューティングでは、IoT端末などのデバイスそのものやその近くに設置したサーバ側でデータの処理・分析を行います。クラウドにデータを送信しないため、デバイス側でデータの処理・分析をリアルタイムで行えることが特徴です。クラウドのように集中処理ではなく、端末毎に分散処理できるためネットワークの負荷も軽減できます。
(出典:総務省「エッジコンピューティングのコンセプト」)
エッジコンピューティングを使用するメリット
エッジコンピューティングを導入するメリットについて3つ紹介します。
ネットワークにかかる負荷を減らせる
従来のクラウドコンピューティングでは、デバイスから生成されるデータをすべてクラウド上にて処理をする仕組みです。この場合、膨大な量のデータを直接クラウド上に送っているため、かなりの負荷がかかります。
エッジコンピューティングでは、デバイス本体やサーバの近くにアプリケーションを配置することで、クラウドへデータを送信せずに収集・分析できます。端末毎に実施するため負荷軽減に繋がります。
セキュリティの強化
クラウドコンピューティングでは外部ネットワークに接続することで機能します。しかし、外部ネットワークに接続することで、情報漏洩のリスクも高まっています。
サイバー攻撃が非常に多くなっている現状では、いつどこで攻撃されるかわからないため、エッジコンピューティングのように外部に接続することなく、自社内でデータの処理ができる仕組みが重要です。
通信時間の短縮
低レイテンシ(通信時間の短縮)が魅力であるのもエッジコンピューティングの特徴です。
サーバの近くでデータの処理をしているため、タイムラグが少なく低遅延でのデータ処理を実現できます。
これからのIoT時代においてAIや自動運転などでは数ミリ秒の遅延が致命的な問題になってしまいます。迅速なデータの処理であればエッジコンピューティングで対応でき、ビジネスにおける失敗を防ぐことができます。
BCP対策
外部のインターネットに接続する前にエッジコンピューティングで処理を行っています。もしも災害等が発生しインターネットに繋がらない場合でも利用できるため、BCP対策としても効果的です。
エッジコンピューティングの課題点
エッジコンピューティングは負荷を分散させたり、セキュリティの強化ができたりと万能に見えますが課題も存在します。
代表的な課題を2つ紹介します。
正しく管理できない可能性がある
エッジコンピューティングを導入する際にエッジサーバを導入します。もちろん、拠点が増えれば増えるほどサーバも増え、管理に手間がかかってきます。
対象となるデバイスも増え続け、正しく管理できているのかわかりにくくなります。
また、サーバが増えることでシステムが複雑化し、ブラックボックスに繋がる懸念もあります。
導入前に規模の見積もりや管理体制を整えておくことが重要です。
導入のハードルが高い
導入するにあたってやることが多く時間・人員・コストがかかります。
まずシステムを導入するにあたり、プログラムやデータベースを開発するためのコストがかかります。
また、ハードウェア、ソフトウェアの準備が必要だったり、ゼロから作るにせよ改修するにせよ、人員を配備する必要があり、大きな手間とコストがかかってしまいます。
活用事例
クラウドコンピューティングがまだまだ主流ですが、中にはエッジコンピューティングを取り入れ、活用している企業も少なくありません。ここでは、エッジコンピューティングの実際の活用事例を紹介します。
顔認証を利用したウォークスルーソリューション
NECには世界No1の顔認証技術を活かした「Neo Face」という製品があります。こちらを組み合わせて顔認証のソリューションを展開しています。
エッジコンピューティングを利用することで、顔認証を高速に遅延なく実用化しました。
自動運転
自動運転の技術にもエッジコンピューティングが使われています。車に搭載したカメラやセンサーをAIが解析し、車にフィードバックするプロセスを経て自動運転は実現されます。
この際に情報の処理や取得が1秒でも遅れてしまうと重大な事故に繋がります。エッジコンピューティングによる低レイテンシは重大な事故を防ぐためにも効果的です。
自動運転については各自動車会社が実用化に向けた取り組みを行っています。
トヨタ自動車が創立したAECC(Automotive Edge Computing Consortium )を始め今後の動向に注目です。
無人店舗の出店
小売業界では無人店舗が注目されています。例えばAmazon Goにもエッジコンピューティングが導入されており、今後も規模が拡大する見込みです。
店内には無数のカメラとセンサがあり必要なものをカゴに入れ、入店・退店時にQRコードを利用することで購入できます。 またこの仕組みは国内の小売業界でも活用している企業もあります。レジでの待ち時間や会計もストレスなく行え、人件費の削減が期待されます。
まとめ
今回はこのエッジコンピューティングについて、概要や仕組み・メリット・デメリットを解説しました。導入までのハードルは高いかもしれませんが、うまく利用できればコストカットや業務改善に繋がってくるはずです。今後のビジネス環境で低レイテンシが求められるのであれば、エッジコンピューティングの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
▼ 業務効率化やDX推進に関するお困りごとを解消!
おすすめイベント・セミナー 一覧へ
9月25日(水)に「【生成AI vs 生成AI】脅威にも対策にもなるって本当?」のセミナーを開催いたします。 生成AI あなたはこの言...
2024年9月10日(火)に、簡単にパワポを作成できる「パワポ生成AI」についてのセミナーを開催いたします。 8月9日に開催した同様の...