
この度、情報システム部門(情シス)を支援するために開催される「情シス応援パビリオン」に出展することが決定いたしました! 情報システム担...
最近注目されている「SearchGPT」をご存じでしょうか。SearchGPTとは、AI機能が実装された情報検索ツールです。言語の壁を越えた多様な情報を要約し、関連情報や引用元情報を含めてアウトプットしてくれます。また、図やグラフの自動生成機能も実装されており、情報を理解しやすいでしょう。
本記事では、SearchGPTの概要や機能と特徴、活用方法・活用案について解説します。SearchGPTについて知りたい方、情報収集を効率化したい方は、ぜひご覧ください。
目次
SearchGPT(サーチ・ジーピーティー)は、2024年7月26日にChatGPTの生みの親であるOpenAIが発表したAI検索ツールです。自然言語処理のテクノロジーが活用されており、プロンプトの文脈や意図を理解して、ユーザーの質問に高精度の回答を提供します。曖昧な質問や専門的な質問に対しても、情報を羅列するだけでなく、ポイントを押さえた回答をしてくれるため、情報収集を効率化可能です。また、検索履歴や各ユーザーのニーズを基に、パーソナライズされた検索結果を表示します。
2024年中の一般公開が予定されていますが、現在はプロトタイプが公開されており、ウェイティングリスト登録者のみ利用可能です。なお、以前は英語のみの利用でしたが、現在では日本語での利用もできます。
SearchGPTには複数の機能が実装されています。ここからは、SearchGPTの主な機能について解説します。
SearchGPTでは、ただ単に情報をアウトプットするだけでなく、Webサイトのリンクも収集してくれます。さまざまな言語の信頼できる情報と、その根拠となるリンクをアウトプットしてくれるため、情報収集の効率化に役立ちます。情報の提供元や信頼性も迅速に確認できるでしょう。
情報の要約機能が実装されている点もSearchGPTの特徴です。質問内容だけでなく関連情報も併せて収集・要約され、「現状」「原因」「影響」「対策」がまとめられてアウトプットされます。
ChatGPTのブラウジング機能と似ていますが、検索に特化したSearchGPTでは、高い情報収集能力が期待できます。
SearchGPTのアウトプットは、テキスト情報だけではありません。必要に応じて図やグラフ、チャートなどが自動生成される機能も実装されています。複雑なデータであっても、わかりやすく表現してくれるため、簡単に情報を把握できるでしょう。
次に、SearchGPTの特徴を解説します。
Googleやsafariなどの検索エンジンの場合「東京 天気」など、単語を入力して検索を行いますが、SearchGPTでは疑問文に対応しています。「東京の天気を教えて」などのプロンプトで情報収集ができ、人間と会話するかのように利用可能です。
最新の情報をアウトプットできる点も、SearchGPTの特徴です。直近のニュースやリアルタイムの情報を知ることができるでしょう。
SearchGPTでは対話形式のリサーチができ、アウトプットに対して追加の質問が可能です。例えば、バリ島の観光スポットを聞いた上で、おすすめのレストランやホテルも追加で質問できます。
SearchGPTには、ユーザーの好みや検索履歴などの情報を基にパーソナライズする機能が実装されています。例えば、ユーザーがベジタリアンであることを把握していれば、レシピを聞いた際に肉や魚を使わないレシピを提案してくれます。また、専門用語をどの程度活用するかなども、ユーザーに合わせられるため、回答を理解しやすいでしょう。
データに基づく高度な提案も、SearchGPTの特徴です。例えば、海外旅行の行き先を質問した場合、過去の旅行先や天気、トレンドなどのデータを踏まえた回答をしてくれます。
SearchGPTは情報の質や信頼性を高める目的で、出版社・コンテンツクリエイターなどと積極的な提携を進めています。提携先の中には、The AtlanticやNews Corpなど世界的に認知度の高い大手メディアも含まれています。
リサーチができるAIや検索エンジンは複数ありますが、SearchGPTと違いはあるのでしょうか。ここからは、SearchGPTと他のAIや検索エンジンの相違点について解説します。
SearchGPTはチャットボットにAIが実装されているのに対し、Microsoft Copilotは検索エンジンにAIが実装されています。また、SearchGPTは情報収集に特化していますが、Microsoft Copilotでは画像生成も可能です。
Microsoft Copilotの画像生成に関する詳細は、以下をご覧ください。
⇒Microsoft Copilotで画像生成する方法とは?コツや注意点も解説
SearchGPTとGoogleは仕様や機能が異なります。Googleは検索キーワードに対する情報を一覧表示するもので、要約などの機能がありません。検索結果の要約生成機能AI Overviewsも実装されましたが、グラフなどの生成はできません。
Perplexity AIも、リアルタイムな情報収集や要約などができるAIツールです。機能もほぼSearchGPTと同様ですが、SearchGPTが複雑な質問への回答を得意としている一方で、Perplexity AIは簡易な検索や複数情報の比較に強みを持ちます。
以下の記事でPerplexity AIについて詳しく紹介しています。
⇒Perplexity AIとは?プランと特徴や使い方、他のツールとの違いを解説
情報収集に特化したSearchGPTの活用で、リサーチを効率化できるでしょう。ここからは、SearchGPTの活用メリットを具体的に解説します。
膨大な情報から適切なものを要約・回答してくれるため、SearchGPTを活用すれば、情報収集の効率化が可能です。関連情報や根拠となるWebサイトのリンク添付も役立つでしょう。また、必要に応じてグラフなど視覚情報の生成も、理解の促進に役立ちます。
SearchGPTでは最新情報を学習しているため、新しい情報の収集も可能です。ChatGPTと異なり、過去の情報のみを出力するわけではありません。情報の正確性も高まるでしょう。
SearchGPTにはAIが実装されており、質問に対する情報を羅列する検索エンジンとは異なります。複雑な問題であっても、最新かつ膨大な情報を活用して解決してくれるでしょう。また、カスタマイズ機能により、ユーザーに寄り添った回答を出力してくれる可能性が高まります。
SearchGPTは英語や日本語だけでなく、さまざまな言語に対応しています。例えば、フランス旅行に行く際、日本語で飲食店の情報を質問しても英語やフランス語の情報も含めた回答を出力してくれます。言語の壁を気にせずに、世界中から多様な情報の収集が可能です。
SearchGPTを活用するにはどうしたら良いのでしょうか。続いて、SearchGPTの活用方法を解説します。
まず、SearchGPTの公式ウェブサイトにアクセスします。現在は利用制限がかけられており、利用できるのはウェイトリストに登録して、案内メールが来た人のみです。なお、2024年11月3日現在、ウェイトリストへの登録はできなくなっています。
ウェイトリスト登録には、OpenAIのアカウントが必要です。ChatGPTのアカウントを作成していれば、OpenAIのアカウントも作成されています。まだ、アカウントを所有していない人は、ChatGPTのアカウントを作成しましょう。
ウェイトリストへの登録を済ませ、OpenAIからの連絡を受け取った人は、サインインします。
サインインできたら、画面中央に表示された検索ボックスに質問内容であるプロンプトを入力します。アウトプットの質はプロンプトの質に比例するため、どのようなプロンプトを入力するかが重要です。
SMSデータテックでは、ChatGPTの使い方や効果的なプロンプトを作成する方法、注意点などを解説する講座を開催しています。ChatGPT・SearchGPTを上手く活用したい方は、ぜひご参加ください。
回答が表示されたら、添付のリンクも含めて結果を確認しましょう。不足や不明点がある場合、追加で質問すれば回答が出力されます。
次に、SearchGPTの具体的な活用例を紹介します。
論文やレポートなど専門情報のリサーチで、SearchGPTの活用ができます。特定のキーワードや分野における幅広い論文の検索・要約をしてくれるため、膨大な文章を読む必要はなく、効率的に核心をつかめます。
SearchGPTでは、最新トレンドや市場調査、専門家の意見などさまざまな情報を用いたアウトプットが可能です。業界トレンドにおけるリサーチと分析もでき、戦略立案や投資判断などに役立つでしょう。
グローバル情報のリサーチと分析にも、SearchGPTは効果的です。SearchGPTが世界中の情報にアクセスして、リアルタイムの収集を行ってくれます。また、特定の国や地域を対象としたリサーチと分析も可能です。
SearchGPTを活用すれば、商品やサービス比較を簡単に行えます。複数のサイトを閲覧して、自分で比較する必要はありません。機能や価格、レビューなどを整理して提示してくれます。
アイディア出しや壁打ちなどのブレインストーミングでもSearchGPTは有効です。特定のテーマに対する最新のアプローチやユニークな方法もアウトプットしてくれるため、インスピレーションを得られるでしょう。
最後に、SearchGPTを活用する注意点について解説します。
SearchGPTも万能ではありません。そもそも、インターネット上には間違った情報が存在しており、SearchGPTの出力が正しくないケースもあります。出力された情報を鵜吞みにせず、裏付けを取りましょう。
SearchGPTでは、各ユーザーに合わせるカスタマイズ機能が実装されています。便利である半面、個人情報が取り扱われることになるため、プライバシーに注意して、不用意な情報入力は避けましょう。
SearchGPTを含めたAIは非常に便利なツールです。ただ、自分でも仮説を立てる習慣がなく、AIに頼るばかりでは思考力の低下を招きます。回答の仮説を立て、アウトプットに対して気になることがあれば、追加で調べる習慣をつけましょう。
SearchGPTは、2024年7月26日に発表されたAI検索ツールです。自然言語処理のテクノロジーが活用されており、プロンプトの文脈や意図を理解して、ユーザーの質問に高精度の回答を提供します。利用すれば、正確かつ最新の情報を効率的に収集できるでしょう。