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ITアウトソーシング事例8選!メリット・デメリットや導入ステップとポイントを解説
ITアウトソーシングを活用する企業は増加しており、事例も多く存在します。上手に活用すれば、コスト削減や業務効率化、安定的な専門人材の確保など、多くのメリットがあるでしょう。ただ、必ずしも期待する成果が得られるとは限らないため、導入目的の明確化や実績などを参考にした委託先の選定が重要です。
本記事では、ITアウトソーシングの概要や活用事例、導入ステップとポイントについて解説します。ITアウトソーシングの事例を知りたい方、自社での利用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ITアウトソーシングとは
ITアウトソーシングとは、社内のIT関連業務を外部業者に委託する(アウトソーシング)ことです。ここからは、重要視される理由と種類について解説します。
ITアウトソーシングが重要視される理由
ITアウトソーシングが重要視される理由には、専門人材の確保における難易度向上があります。IT業務を行うには、専門的な知識やスキルが必要ですが、兼ね備えた人材の採用が簡単ではありません。
そもそも、日本では総人口の減少とともに労働人口が減少しています。また、人手不足の解消などを目的にDX推進需要が高まっており、IT人材の不足に拍車がかかっています。
ITアウトソーシングの種類
ITアウトソーシングには以下の種類が存在します。
- フルアウトソーシング
- 運用アウトソーシング
- ヘルプデスク
- 常駐サービス
- ホスティング
- ハウジング
- BPO型サービス
順に解説します。
フルアウトソーシング
フルアウトソーシングとは、業務のほとんどを委託する形態のことです。例えば、システム開発の場合必要な要件定義から設計・開発・テスト・保守までの多くを外部委託します。
運用アウトソーシング
運用アウトソーシングとは、サーバーやOSなどのシステムインフラ運用を委託する形態のことです。開発したシステムの運用やメンテナンスなどに手が回らない企業に利用されています。
ヘルプデスク
ヘルプデスクとは、従業員・顧客からの問い合わせ対応や技術的なサポートを行う窓口を外部委託する形態のことです。夜間や休日のみ業務を委託することが可能なサービスもあります。
常駐サービス
常駐サービスとは、エンジニアが自社に常駐して技術的なサポートを行う形態のことです。エンジニアとの距離感が近く、システムの問題解決に向けた質問などを気軽にできる点が魅力です。
ホスティング
ホスティングとは、自社で利用するサーバーの準備や保守・管理を外部委託する形態のことです。セキュリティ対策や機能追加を委託するケースもあります。
ハウジング
ハウジングとは、自社内に設置したサーバーに対する管理や保守対応を外部委託する形態のことです。ホスティングと比べ、自由度の高さがメリットです。
BPO型サービス
BPO(Business Process Outsourcing)とは、自社にノウハウがない業務や単純作業などを継続的に外部委託する形態のことです。他の形態とは異なり、継続的かつ付帯業務も併せてアウトソーシングする点が特徴です。
ITアウトソーシングで委託できる業務の種類
IT分野においてアウトソーシングに適した業務は複数あります。ここからは、ITアウトソーシングで委託できる業務の種類について解説します。
システム開発や運用
システム開発や運用は、最もアウトソーシングされている業務です。新たなシステムの開発だけでなく、既存システムの保守やアップデートでも外部への委託が行われています。
ITインフラ構築と運用
ITインフラの構築と運用でもITアウトソーシングが活用されています。外部へ委託すれば、効率的なサーバー構築と運用やサイバー攻撃対策が期待できます。
セキュリティ対策の実施
クラウドサービスの普及とともに、サイバー攻撃が増加しており、セキュリティ対策の重要性が高まっています。専門的な知識やスキルを有する業者へ委託すれば、セキュリティ対策を強化できます。
データの分析
データを活用した分析や意思決定が注目されていますが、データ分析には高度なスキルが求められるため、誰でもできるわけではありません。アウトソーシングすれば、有益な分析を行ってくれます。
社内外のヘルプデスク
ヘルプデスク業務は重要な役割ですが、多くの手間がかかります。また、顧客に対するヘルプセンターの設立には、多くの時間とコストがかかるため、アウトソーシングするケースが増加しています。
バックオフィスにおける業務
総務や経理、人事などのバックオフィス業務をアウトソーシングする企業も多く存在します。ITアウトソーシングの分野では、経費精算や給与計算などの業務が外部へ委託されています。
情シスの業務全般
自社での情シス設立が難しい企業では、情シスに求められる業務全般をアウトソーシングしています。情シスの業務は、日々の問い合わせ・トラブル対応やPCキッティングなど幅広く存在し、企業において欠かすことができません。
なお、PCキッティングのアウトソーシングに関する詳細は、以下をご覧ください。
⇒PCキッティングのアウトソーシングサービスとは?メリットと注意点も紹介
ITアウトソーシングを活用するメリット・デメリット
ITアウトソーシングの活用には、メリットとデメリットの両面があります。ここからは、ITアウトソーシングにおけるメリット・デメリットについて詳しく解説します。
メリット
ITアウトソーシングの主なメリットは以下の通りです。
- コストを削減できる
- 人件費などの固定費を減らし、コスト調整をしやすくさせる
- 業務効率化につながる
- 専門人材を安定的に確保できる
- 業務の品質が向上する
- 従業員がコア業務に専念できる
上手に外部委託業者を活用すれば、コスト削減や業務効率化につながります。
デメリット
一方、ITアウトソーシングの主なデメリットは以下の通りです。
- 導入や運用にコストがかかる
- 期待する効果が得られるとは限らない
- 社内にノウハウが蓄積されない
- セキュリティ面の問題が発生する可能性がある
ITアウトソーシングで期待する成果が上がる保証はなく、業務の混乱やコストの増加を招く可能性もあります。
ITアウトソーシングの活用事例
続いて、ITアウトソーシングの活用事例について解説します。
矢崎総業株式会社
矢崎総業では、経営情報を迅速に把握して意思決定を行う環境の整備が求められていました。インフラとサービスデスクにおけるノンコア業務をアウトソーシングした結果、効率化に成功しています。
大東建託株式会社
大東建託株式会社では、システムの安定運用やコスト効率化、IT部門がコア業務へ集中できる環境整備を目的に、インフラの運用・保守をアウトソーシングしました。その結果、システムの安定性とコスト効率が高まるだけでなく、災害対策の強化などにも成功しています。
ヤマザキマザック株式会社
ヤマザキマザックでは、DX推進に向け情報システム部門の業務変革が求められていました。必要な人材の採用が困難だったため、業務のアウトソーシングを行った結果、IT戦略の推進が可能になりました。
株式会社ベネッセコーポレーション
4つのWebサイトを運用するベネッセコーポレーションでは、サイトごとに業務フローや品質のバラツキが発生し、担当者の業務負担増加につながっていました。アウトソーシングした結果、業務フローや品質管理などの均一化に成功し、業務効率化と品質向上につながっています。
株式会社ダスキン
ダスキンでは、国内に約1,000拠点あるミスタードーナツからの問い合わせに対応するためのヘルプセンターを外部委託しています。外部委託したことで、数多くある店舗に対応するヘルプセンターの立ち上げを、わずか4ヵ月で成功させました。
大和ハウス賃貸リフォーム株式会社
大和ハウス賃貸リフォームでは、人的リソースと専門的な開発スキルの獲得に向け、ITアウトソーシングを活用しました。全てを外部委託するのではなく、必要に応じた活用により、外注コストを当初予想の半額以下に抑えています。
シチズン時計株式会社
シチズン時計では、グループ内の連携強化を目的にIT基盤の共通化を進めていましたが、オンプレの老朽化に起因するトラブルが問題になっていました。そこで、クラウドサービスへの移行と運用のアウトソーシングを実施した結果、業務負荷の軽減に成功しています。
H.U.グループホールディングス株式会社
H.U.グループホールディングスでは、グループ内のシナジー強化を目的に、サーバーをグループ共通のデータセンターに集約するとともに、運用のアウトソーシングを実施しました。その結果、業務の大幅な効率化に成功して携わる人員の節約が実現しています。
ITアウトソーシングの導入ステップ
ITアウトソーシングを導入する際の基本的なステップは、以下の通りです。
- 現状課題や目的の明確化
- アウトソーシングする業務の決定
- アウトソーシングする企業の決定
- 社内メンバーの選定
- 委託企業との打ち合わせ
- テスト運用、本格導入
アウトソーシングすれば、必ずしも期待する成果が得られるとは限りません。各ステップを慎重に実施することが重要です。
ITアウトソーシングを導入する際のポイント
ITアウトソーシングの成功に向け、最後に導入する際のポイントを紹介します。
利用目的を明確にする
まず、利用目的を明確にしましょう。利用目的の明確化は、委託する業務や委託先の検討で役立ちます。委託内容が明確になれば、外部委託業者に対して明確な指示が可能です。また、導入後に成果を計る際にも有効です。
実績なども参考に専門性を確認する
委託業者は複数あり、特徴や得意とする分野が異なります。実績などを参考に、アウトソーシングする業務への専門性を確認しましょう。信頼できる優良な業者への依頼は、アウトソーシング成功の鍵となります。
セキュリティ対策を確認する
アウトソーシングは、外部に情報を渡す必要があるためセキュリティリスクが増加します。どのようなセキュリティ対策を実施しているかを、確認すると良いでしょう。万が一、情報漏洩すれば委託元企業も多くの悪影響を受けます。
責任の範囲を明確にする
責任範囲を明確にしなければトラブルの原因になります。SLAを締結して、事前に責任範囲を明確にしましょう。SLA(サービス・レベル・アグリーメント)とは、業務内容や責任範囲、問題が起きた場合の対応を細かく規定した合意書・保証書のことです。
まとめ
社内のIT関連業務を外部業者に委託するITアウトソーシングは、システム開発やインフラ構築、セキュリティ対策・ヘルプデスクなどの業務で利用できます。コスト削減や業務効率化、専門人材の安定確保など、複数のメリットがあるため、活用する企業事例が増加しています。
ただし、必ず期待する成果が得られるとは限りません。ITアウトソーシングを利用する際には、課題や目的を明確にした上で、実績なども踏まえながら慎重な委託先の検討が重要です。
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