システム障害が発生する原因とは?発生時の対処ステップや被害の最小化に向けた実施事項を解説

コラム
#IT運用
#ITアウトソーシング
#運用自動化

システム障害の原因は、サイバー攻撃や自然災害によるダメージ、ハードウェア・ソフトウェアの故障など、複数存在します。万が一、システム障害が起これば業務・サービス提供の停止による損失の発生や顧客・パートナー企業の信用失墜などさまざまな被害が発生するでしょう。

本記事では、システム障害の概要や発生する主な原因、障害発生時の対処ステップと被害の最小化に向けた実施事項について詳しく解説します。システム障害の原因を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

システム障害

システム障害とは、システムにトラブルが発生して正常に稼働できない状態やその問題における原因のことです。システム障害が発生した場合、一部もしくは全てのユーザーがシステムを利用できなくなり、以下の被害が発生します。

  • 損失の発生
  • 信用の低下
  • 業務やコストの増加

システム障害により業務やサービス提供が停止するため、その分の損失が発生します。企業の信用が低下するケースもあり、顧客離れにつながれば損失が拡大するでしょう。また、原因究明や復旧、ユーザーからの問い合わせ対応などの業務も発生し手間がかかります。専門業者に対応を依頼すれば、コストもかかるでしょう。

システム障害に関する概要の詳細や事例を知りたい方は、以下もご覧ください。
⇒システム障害とは?事例や発生した際の対処法、防止策を解説

システム障害が発生する主な9つの原因

システム障害が発生する原因は複数存在します。ここからは、システム障害が発生する以下9つの原因について紹介します。

  • サイバー攻撃
  • アクセス集中によるキャパオーバー
  • 自然災害のダメージ
  • ネットワークの障害
  • サービス側の障害
  • ハードウェアの故障
  • ソフトウェアの障害
  • ヒューマンエラー
  • 対策不足

サイバー攻撃

ハッキングやウイルス感染などのサイバー攻撃は、システム障害が発生する原因の一つです。例えば、不正アクセスされてシステムの一部もしくは全部を破壊されたり、操作できないようにロックされたりするケースがあります。システム障害の原因となるサイバー攻撃は、後ほど詳しく解説します。

アクセス集中によるキャパオーバー

アクセス集中によるキャパオーバーも、システム障害が発生する原因です。想定以上のアクセスが集まれば、処理が追いつかずサーバーがダウンします。特に、イベントや繁忙期などに発生しやすいトラブルです。

自然災害のダメージ

自然災害の物理的なダメージによりシステム障害が発生するケースもあります。例えば、以下でシステムやサーバーが物理的に破壊されるケースがあるでしょう。

  • 地震
  • 洪水
  • 台風
  • 落雷

また、火事でダメージを受けることも考えられます。日本は災害大国といわれているため、自然災害に対する対策も欠かせません。

ネットワークの障害

ネットワークの障害によりシステムが使えなくなることもあります。例えば、ケーブルの断線やルーターの不調が起これば、インターネット通信ができなくなります。物理的な故障だけでなく、サイバー攻撃もネットワーク障害が発生する原因です。

サービス側の障害

サービスを提供しているベンダーの障害が原因で、システム障害が発生するケースもあります。近年は、複数のサービスを組み合わせて構築されているシステムも複数存在します。特に、AWSやGoogle Cloudなどのクラウドサービスを活用しているシステムは多数あり、それらに障害が発生すれば巻き込まれるかたちでシステムが活用できなくなるでしょう。

ハードウェアの故障

ハードウェアの故障もシステム障害の原因です。ハードウェアとは、コンピューターやその他の電子機器を構成する部品・装置のことです。具体的には以下が該当します。

  • パソコン本体
  • スマートフォン
  • ディスプレイ
  • マウス
  • キーボード

ソフトウェアの障害

ソフトウェアの障害に起因したシステムトラブルも存在します。ソフトウェアとは、コンピューターに命令を出すプログラムのことです。例えば以下が挙げられます。

  • アプリケーション
  • オペレーティングシステム(OS)
  • ミドルウェア
  • ドライバー

ヒューマンエラー

ヒューマンエラーが原因のシステム障害も少なくありません。例えば、設定や操作ミスがトラブルの原因になります。人が設定や操作を行っている限りミスの防止は困難です。

対策不足

対策不足が原因でシステム障害につながるケースも存在します。例えば、これまで紹介したサイバー攻撃や自然災害に対する対策を十分に行っておけば、トラブルを未然に防止できる可能性があります。また、ヒューマンエラーも2人でチェックする体制を構築するなど、個人の意識ではなく仕組みとして対策を行うことで、障害の発生を防ぐことが可能です。一方、対策を怠ればシステム障害が発生しやすくなるでしょう。

システム障害の原因となる代表的な8つのサイバー攻撃

続いて、システム障害の原因となる代表的な以下8つのサイバー攻撃を紹介します。

  • ウイルス感染
  • ワーム感染
  • トロイの木馬
  • SQLインジェクション
  • ブルートフォース攻撃・リバースブルートフォース攻撃
  • 標的型攻撃
  • ゼロデイ攻撃
  • DoS攻撃・DDoS攻撃

ウイルス感染

ウイルスとは、コンピューター内のソフトやファイルに寄生して、システム全体に増殖するプログラムのことです。例えば、デバイスがウイルス感染した場合、動作が遅くなり正常な利用ができなくなるケースがあります。
⇒パソコンがウイルス感染したらどうする?原因や症状、4つの対策方法について解説

ワーム感染

ワームとは、インターネットを通じてデバイスに感染し情報を盗んだり、デバイスを乗っ取ったりするマルウェアのことです。自律的に増殖・拡散する特性を持っており、システムダウンを引き起こす恐れがあります。
⇒ワームとは?ウイルスとの違いや代表的な感染経路、感染時の対処法と感染防止策を解説

トロイの木馬

トロイの木馬とは、無害なプログラムやソフトウェアを装いシステム内に侵入して、標的が気づかないうちに攻撃を行うサイバー攻撃のことです。ウイルス同様、トロイの木馬に感染すればデバイスの不具合などが発生します。
⇒【徹底解説】トロイの木馬とは?ウイルスなの?種類・危険性・対策を完全網羅!

SQLインジェクション

SQLインジェクションとは、Webサイトの脆弱性を狙って不正なSQL文を使い、データベースにアクセスする攻撃のことです。SQLインジェクションの被害に遭えば、Webサイトのデータベースに保存されているデータの改ざん・データ消去が行われます。
⇒SQLインジェクションとは?仕組みや対策方法、被害事例について解説

ブルートフォース攻撃・リバースブルートフォース攻撃

ブルートフォース攻撃とは、IDを固定してさまざまなパターンのパスワード入力により不正アクセスを試みるサイバー攻撃のことです。リバースブルートフォース攻撃とは、パスワードを固定して複数のIDで不正アクセスを試みるサイバー攻撃のことを指します。
⇒ブルートフォース攻撃とは?被害例や対策をわかりやすく解説
⇒リバースブルートフォース攻撃とは?仕組みや被害事例、防止策を解説

標的型攻撃

標的型攻撃とは、特定の企業や組織に狙いを定め攻撃手法などを工夫して成功率を高めたサイバー攻撃のことです。システムダウンによる業務妨害や情報の窃盗を目的に行われます。
⇒標的型攻撃とは?仕組みから手法、対策方法まで徹底解説

ゼロデイ攻撃

ゼロデイ攻撃とは、OSやソフトウェア、ネットワーク上に存在する脆弱性の修正プログラムが提供される前に行われる攻撃のことです。システムには脆弱性が存在して、全てをなくすことは困難であるため、ゼロデイ攻撃を未然に防ぐのは難しく被害が拡大しやすい特徴があります。
⇒ゼロデイ攻撃とは?主な手口や被害事例、対策と受けた際の対処法を解説

DoS攻撃・DDoS攻撃

DoS攻撃とは、1台のデバイスで大量の通信を行いサーバーに負担をかけ、ダウンに追い込む攻撃のことです。DDoS攻撃とは、複数のデバイスを活用してサーバーに負荷をかけるサイバー攻撃のことを指します。
⇒DoS攻撃とは?DDoS攻撃との違いや種類、対策を解説
⇒DDoS攻撃とは?受けた場合の被害や4つの対策をわかりやすく解説

システム障害発生時の対処ステップ

システム障害発生時の基本的な対処ステップは以下の通りです。

  1. 状況の調査と把握
  2. 担当者や責任者など社内共有
  3. 障害の内容や影響範囲の詳細調査と共有
  4. 復旧作業の実施
  5. 再発防止策の検討・実施

システム障害の被害最小化には迅速な行動が重要です。障害が発生した際の対処方法を事前にまとめておけば、トラブルが発生しても素早く行動できるでしょう。

被害の最小化に向けた実施事項

最後に、システム障害の被害最小化に向けた以下の実施事項を紹介します。

  • 定期的なバックアップの取得
  • 保守・管理の徹底
  • システム運用ルールの整備
  • システムやログ監視ツールの導入
  • 予備サーバーの準備
  • 対策マニュアルの策定

定期的なバックアップの取得

定期的にデータや設定、構成情報などのバックアップを取りましょう。バックアップを取得しておけば、システム障害が発生しても早期復旧が可能です。最近は、データを自動バックアップするツールもあるため利用がおすすめです。

保守・管理の徹底

保守・管理の徹底も重要です。機器が故障する場合、動作が遅くなるなどの予兆があります。予兆を察知して迅速に対処すれば、システム障害の発生を未然に防いだり、被害を最小化したりすることが可能です。

また、定期的に、脆弱性診断やペネトレーションテストを実施するのも良いでしょう。脆弱性診断とは、コンピューターシステムやネットワークに存在するセキュリティ上の弱点を特定する作業のことです。ペネトレーションテストとは、ネットワークで外部と接続されたコンピューターの安全性を確認する目的で、既知の手法を使い実際に侵入や攻撃を試みるテストのことを指します。脆弱性診断やペネトレーションテストを実施すれば、サイバー攻撃によるシステム障害を防止できます。
⇒脆弱性診断とは?種類や脆弱性を放置するリスク、進め方を紹介
⇒ペネトレーションテストとは?メリット・デメリットや種類と手法、実施の流れを解説

システム運用ルールの整備

システム運用ルールの整備も、トラブル発生時の被害最小化に有効です。ルールを明確にすることで、ヒューマンエラーやサイバー攻撃の原因となる行動を減らせます。ルールは作っただけでは浸透しないため、教育や周知も行うと良いでしょう。

システムやログ監視ツールの導入

システムやログ監視ツールを導入することで、異常の素早い察知が可能になります。例えば、サイバー攻撃を受けた場合、通常とは異なるログやトラフィックの増加が発生します。攻撃やその予兆を早期発見すれば、トラブルを最小化できるでしょう。

予備サーバーの準備

予備サーバーの準備も、システム障害の被害最小化に役立ちます。トラブルが発生しても、予備サーバーがあればサービス提供や業務を継続できるでしょう。特に、業務やサービス提供の根幹となるシステムには予備サーバーを用意しておくことがおすすめです。

対策マニュアルの策定

「被害の最小化に向けた実施事項」の章でも解説した通り、対策マニュアルを策定することでトラブル発生時の迅速な対応が可能となり、被害の最小化や早期復旧に役立ちます。また、定期的にシステム障害発生時のシミュレーションも行うと良いでしょう。マニュアルがあっても、活用できなければ意味がありません。シミュレーションでマニュアルの浸透を図るとともに、わかりにくい点の改善が重要です。

まとめ

システム障害とは、システムにトラブルが発生して正常に稼働できない状態やその問題における原因のことです。サイバー攻撃や自然災害によるダメージ、ハードウェア・ソフトウェアの故障など、複数の要因で発生します。万が一、システム障害が起これば業務・サービス提供の停止による損失の発生や顧客・パートナー企業の信用失墜などさまざまな被害が発生するでしょう。定期的なバックアップの取得やシステムやログ監視ツールの導入、予備サーバーの準備などにより、被害を最小化する取り組みが重要です。

また、保守・管理の徹底も欠かせません。ただ、近年はIT人材の採用が難しくシステムの保守・管理まで手が回らない企業もあるでしょう。自社で保守・管理ができない場合には、業務のアウトソーシングがおすすめです。
SMSデータテックでは、20年以上ITの運用に関わった実績を基にしたITアウトソーシングサービスを提供しています。ご興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。

まずはお気軽にご相談ください
お問い合わせフォーム

おすすめイベント・セミナー 一覧へ