システム運用とは?知っておきたい業務内容と運用のコツ

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ビジネスでシステムを利用している限り、「システム運用」は欠かせない業務です。今あるシステムをどう運用するかによって、生産性などビジネスパフォーマンスにさまざまな影響をもたらします。
本記事でご紹介するのは、そもそもシステム運用とは何か?なぜ重要なのか?といった基礎知識の部分です。システム運用の重要性は理解しながらも具体的に何をすればよいか分からない、そうした方の悩みや疑問を解消します。

システム運用とは?

ビジネスに利用するITツールやその周辺機器のことを総じて「システム」と呼びます。昨今のビジネスでは欠かせないシステムを安定稼働させ、生産性などのビジネスパフォーマンスを維持するのがシステム運用の役割です。
また、システムが突然障害を起こしたり停止したりした時のために、バックアップデータを取得し、予備環境を整えるなどしてリスクマネジメントに取り組むのもシステム運用の一種だと言えます。

システム運用はなぜ重要か

システム運用は、システム開発のように目に見える成果がないため「地味な仕事」と考えられがちです。しかし、極めて重要であることは言うまでもありません。冒頭で述べたように、システム運用のやり方次第でビジネスパフォーマンスは大きく変化します。

例えば平均レスポンスタイムが0.2秒のシステムと、その2分の1にあたる0.1秒のシステムがあるとします。単純に考えて、後者のシステムは前者のシステムに比べて2倍生産性の高いビジネスを実現できます。
システム運用を徹底し、わずか0.1秒の違いを生み出すだけで日々のビジネスパフォーマンスは大きく向上するのです。
また、システムの安定稼働という視点から考えてもシステム運用は欠かせません。システムは素早く動くだけでなく「毎日安定して動く」こともとても大切です。したがって、これまでシステム運用を疎かにしていた企業は、その分だけ生産性を失ってきた可能性が高いのです。

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システム運用の業務内容

システム運用の業務内容は大きく3つに分類されます。「システムの管理」、「ネットワークの管理」、そして「運用計画の管理」の3つです。いずれも欠かせない業務であり、大手企業では各業務に専属のシステム運用担当者を設けることもあります。それでは主な業務内容を確認していきましょう。

システムの管理

「システムの管理」では、システム全般の管理やユーザーサポートなどを担当します。システムと一言で括ることが多いですが、サーバーやクライアント(従業員が利用するPCなど)、オフィス複合機や無線LANルーターなど多種多様な機器が存在します。例として次のような業務を行います。

  • 日常的なサーバーの状態チェック
  • ソフトウェアのアップデート対応
  • 無線LANルーターなどの設置交換
  • クライアントの設置や設定変更など
  • オフィス複合機との接続や管理
  • システム全体の資産記録や備品管理

従業員が日々安定してシステムを利用できるかどうかは、「システムの管理」業務にかかっています。また、従業員から寄せられるシステムトラブルにも対応するため、業務範囲が広いのも特徴です。

ネットワークの管理

ネットワークとはシステム全体に張り巡らされ、機器同士のデータやり取りに欠かせない情報通信網のことです。有線や無線によって各機器が接続されており、ユーザーが目にする機会はほとんどありません。
このネットワークが正常に機能しているかどうかが、ビジネスパフォーマンスに大きく影響します。しかし高度なスキルやITツールを必要とすることから、「ネットワークの管理」へ本格的に取り組んでいる企業はそう多くありません。
「ネットワークの管理」ではシステム全体の負荷状況をデータで収集し、視覚化してリアルタイムでパフォーマンスを測定します。その上でシステム障害の予兆を発見したり、パフォーマンスを阻んでいる部分を特定したりして、従業員の快適なシステム利用を陰ながら支援しているのです。

運用計画の管理

「運用計画の管理」は、システム運用全体の業務を管理するための業務です。バックアップスケジュール、バッチ処理スケジュール、各業務の計画や見直しなどを行ったりもします。
システムを安定稼働させ、従業員のビジネスパフォーマンスを最大化するにはシステム運用が欠かせません。そのシステム運用を円滑に行うには、さらに運用計画を管理する必要があるのです。
また、システム運用をスムーズに行うためのマニュアル作成や改訂も大切な業務の1つです。

システム運用のコツ

それではここで、システム運用を円滑に進めるためのコツを3つご紹介します。いずれも現代企業に欠かせないシステム運用のコツなので、押さえられる部分はしっかりと押さえておきましょう。

自動化できる部分は自動化を

昨今のシステム運用に求められているのが「運用業務の自動化」です。企業に必要なIT人材は年々不足しており、経済産業省によると2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると予測されています。

>>IT人材不足グラフ
出典:経済産業省「IT 人材需給に関する調査」

「今よりも多くのIT人材を確保する」ことへの期待が薄いため、システム運用の自動化できる部分は積極的に自動化し、業務効率を如何に上げるかが重要です。そのためにもAIやIoT、RPAなどの先進技術への理解を深めることが大切になります。

作業手順を必ず作成する

作業手順(マニュアル)の作成は、システム運用において想像以上に大切です。例えばシステムに障害などのトラブルが発生した際に、専任担当者が不在だったとします。
やむを得ず他のIT人材が対処に当たったものの、作業手順が作成されていないために対処が遅れて損失を生んだという事例は数えきれないほど存在するのです。
そうした時に作業手順さえあれば、緊急的に担当したIT人材も対処に困らず、可能な限り速やかにトラブルを解決できます。それすなわち、ビジネスパフォーマンスの影響を最小限に抑えることになります。

担当者のサポートを強化する

システム運用担当者のサポートが不足しているがあまり、十分なシステム運用を行えていないケースは少なくありません。問題は経営層によるシステム運用への理解不足です。
システム開発は、それによりビジネスに新しい風を吹き込めるため積極的な姿勢になれるのでしょうが、その後のシステム運用を軽視してしまっています。本来ならシステム運用にこそ力を入れ、ビジネスパフォーマンスの段階的な向上や維持に努めるべきです。
IT活用に自信を持っている企業でも「蓋を開けてみればシステム運用が疎かだった」ということは珍しくないので、今一度、システム運用担当者のサポートを見つめ直してみましょう。

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システム運用について陥りやすい失敗

システム運用の現場では、さまざまな失敗リスクがあります。陥りやすい失敗というのが、主に次のようなものです。

  • 機器設定変更後にアプリケーションが応答しない
  • バックアップを取得せずに設定変更してしまった
  • 機器設定後の保存を忘れ、再起動時に元に戻った
  • 作業手順を作成せず後々手間のかかる作業が発生した
  • ユーザーに事前連絡なしに変更作業を行なった
  • 思わず本番環境を使って動作検証を行ってしまった
  • 従業員の視点から考えずに変更作業を終了した
  • トラブル発生時、状況把握をしないまま障害の切り分けを始めた

これらシステム運用時の失敗は、いずれも「慢心」「怠慢」「経験不足」あるいは「想定外」により発生します。
システム運用にて日々行うことは「やって当たり前」、しかし問題が起きればビジネスに大きな損害を与えるだけでなく、非難が集中します。こうした失敗を生まないためにも、自動化や作業手順作成など、システム運用のコツを押さえておきましょう。

システム運用コンサルティングを活用するメリット

ここまでの内容で「確かにシステム運用は重要かつ我が社にも欠かせないもの」と感じていただけたのなら幸いです。しかし、実際どうすればシステム運用を正しく行えるのか、あるいは現在のシステム運用をより良いものにできるのかと、頭を悩ませていないでしょうか?

そこでお勧めしたいのが「システム運用コンサルティング」の活用です。現状のシステム運用状況をアセスメント(事前評価)した上で、企業ごとに最適なシステム運用の形を提案し、さらに運用業務をサポートするサービスとなります。
IT後進国と呼ばれる日本では、システム開発の方法論は確立されていますが、システム運用の方法論やベストプラクティス(最適なやり方)に関する情報はまだまだ不足しています。「我が社のシステム運用、どうしよう?」と悩んでも、それを解決する情報が行き渡っていないのです。

システム運用コンサルティングを活用すれば、長年のサポート実績に裏打ちされたシステム運用のプロフェッショナルが、貴社のシステム運用をトータルサポートします。正しく、成果の出るシステム運用を効率良く実施するためにも、システム運用コンサルティングの活用を検討してみましょう。

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システム運用こそIT活用の起爆剤

「積極的なIT活用を!」と叫ばれている日本経済界ですが、新しいITツールを取り入れることはもちろん、今あるシステムでビジネスパフォーマンスを最大化する、という視点も大切です。
IT活用と聞くと、ITツール導入やシステム開発をイメージしがちですが、日々の生産性は正しいシステム運用の上に成り立つことを忘れないでください。今一度、自社に必要なIT活用とは何かを問いかけてみましょう。

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