セキュリティ対策

エクスプロイトとは?代表的な感染経路や感染防止策を解説

エクスプロイト攻撃とは、ソフトやOSの脆弱性を突いて侵入するサイバー攻撃手法のことです。本記事では、エクスプロイトの概要や代表的な感染経路、感染を防止する対策について詳しく解説します。この記事を読めばエクスプロイトに関する理解が深まります。

目次

  1. 1エクスプロイトとは
  2. 2エクスプロイトの代表的な感染経路
  3. 3エクスプロイト感染を防止する5つの対策
  4. 4まとめ

近年、さまざまな形で被害が報告されている「エクスプロイト攻撃」とは、ソフトやOSの脆弱性を突いて侵入するサイバー攻撃手法のことです。パッチ未適用や古いアプリが狙われており、感染経路の多くがセキュリティの弱点である脆弱性の悪用です。感染すれば、情報漏洩やシステムダウンなどの被害を受けるでしょう。

本記事では、エクスプロイトの概要や代表的な感染経路、感染を防止する対策について詳しく解説します。エクスプロイトについて知りたい方、被害を防ぎたい方は、ぜひ参考にしてください。

エクスプロイトとは

エクスプロイトとは、ソフトウェアやアプリケーションなどの脆弱性を悪用して攻撃を行うプログラムのことです。エクスプロイトは、脆弱性をついて攻撃を仕掛けることで他のマルウェアに感染させたり、情報を盗んだりする被害を引き起こします。

ここからは、エクスプロイトに関する以下の事項について詳しく解説します。

  • 脆弱性の概要
  • エクスプロイトキットの概要
  • エクスプロイトの仕組み
  • マルウェアとの関係や違い

脆弱性の概要

脆弱性とは、コンピューターやソフトウェアにおいて攻撃者により乗っ取り・情報漏洩などの被害を与えられる弱点のことです。バグやセキュリティ対策の不備が原因で発生します。システムなどは複雑な仕組みで構成されており、バグや欠陥を完全になくすことは困難です。ただ、多くのサイバー攻撃は脆弱性を悪用しているため、セキュリティの強化を図るには脆弱性をなくす対策が欠かせません。

なお、脆弱性の詳細は以下をご覧ください。
⇒脆弱性とは?対策や被害事例3選、発生原因まで分かりやすく解説

エクスプロイトキットの概要

エクスプロイト攻撃が増加している理由の一つは、エクスプロイトキットが存在しているためです。エクスプロイトキット(エクスプロイトパック)とは、脆弱性をついて攻撃を行うツールやプログラムのことです。通常のブラウザではアクセスできないダークウェブなどで販売されており、活用すれば専門的な知識やスキルがなくても容易に攻撃を行うことができます。また、効率的かつ広範囲にわたる攻撃が可能なため被害範囲を拡大させます。

エクスプロイトの仕組み

エクスプロイトでは、脆弱性を悪用して攻撃を仕掛ける仕組みが取られています。脆弱性には、開発者が存在に気付いている既知の脆弱性と開発者も把握していない未知の脆弱性の2種類が存在します。既知の脆弱性を悪用するケースもありますが、対策が行われている場合も多いため未知の脆弱性を悪用するエクスプロイト攻撃も少なくありません。

エクスプロイトに限らず、昨今は未知の脆弱性を狙ったゼロデイ攻撃が増加しています。ゼロデイ攻撃とは、OSやソフトウェア、ネットワーク上に存在する脆弱性の修正プログラムが提供される前に行われるサイバー攻撃のことです。
なお、ゼロデイ攻撃の詳細は以下をご覧ください。
⇒ゼロデイ攻撃とは?主な手口や被害事例、対策と受けた際の対処法を解説

マルウェアとの関係や違い

エクスプロイトもマルウェアの一種です。そもそもマルウェアとは、コンピューターに悪意のある動作をさせる目的で開発されたソフトウェアやコードのことです。エクスプロイト以外にも、例えば以下が該当します。

  • ウイルス
  • ワーム
  • バックドア
  • ランサムウェア
  • トロイの木馬
  • ボット

これまで解説した通り、エクスプロイトは脆弱性を悪用して攻撃を仕掛けますが、マルウェアの中には脆弱性を利用しないものも存在します。またエクスプロイトは自己増殖しません。一方、マルウェアの一種であるウイルスやワームには自己増殖する特徴があり、一度感染すると被害が拡大します。

エクスプロイトの代表的な感染経路

エクスプロイトの代表的な感染経路は以下の2つです。

  • メール
  • Webサイト

ここからは、上記の各感染経路について詳しく解説します。

メール

エクスプロイトは、メール経由(添付ファイルやURL)で被害につながるケースが多く報告されています。スパムとは受信者が希望しないメールやメッセージなどを大量に送るサイバー攻撃のことで、フィッシングとはクレジットカードや大手ECショップを偽ったメールを送る手口のことです。
攻撃者が送ったメールに添付されているファイルをダウンロードすると、エクスプロイトが起動して感染します。また、本文に記載されたURLをクリックさせエクスプロイト感染を引き起こすケースも存在します。近年は、SNSのダイレクトメッセージや投稿にURLを記載して、エクスプロイトに感染させる手法も用いられているため、注意が必要です。

なお、スパムとフィッシングの詳細は以下をご覧ください。
⇒スパムとは?意味や迷惑メッセージの種類、危険性、対策を徹底解説!
⇒フィッシング詐欺とは?5つの対策や被害にあった場合の対処法を解説

Webサイト

Webサイトも、エクスプロイトに感染する代表的な経路の一つです。サイバー攻撃者がWebサイトにコードを仕込み、ユーザーがアクセスするとエクスプロイトに感染します。ユーザーによる特定箇所のクリックや操作は必要ありません。Webサイトの閲覧だけで感染するため、被害に気付きにくく対策が困難です。
昨今は、大企業や有名企業のWebサイトに似せたサイトを作り、ユーザーを騙す手口も横行しています。

エクスプロイト感染を防止する5つの対策

エクスプロイト感染を防止するには、以下5つの対策が有効です。

  • 身に覚えのないメールを開かない
  • 不審なWebサイトにアクセスしない
  • OSをこまめにアップデートする
  • 脆弱性診断を実施する
  • セキュリティ対策ツールを導入する

最後に、上記それぞれの対策について詳しく解説します。

身に覚えのないメールを開かない

エクスプロイト感染の防止には、身に覚えのないメールを開かないことが重要です。「エクスプロイトの代表的な感染経路」の章で解説した通り、メールに添付されたファイルのダウンロードや記載リンクのクリックにより、エクスプロイトに感染します。また、メール本文のリンクや添付ファイルだけでなく、利用環境や既知の脆弱性の状況によっては、閲覧行為がリスクになる場合もあります。
また、エクスプロイトだけでなくウイルスやワームなどもメールが主な感染経路です。メールを開封してしまい、日本語が不自然などの違和感を覚えたら、マルウェアに感染していないかすぐスキャンしましょう。迅速に対処すれば、被害を防止できる可能性が高まります。

さらに、迷惑メールが届かない対策も重要です。入力したメールアドレスが悪用される可能性があるため、会員登録を行う際は信頼できるかを慎重に見極めましょう。ECサイトや企業のサーバーから、自分が登録した情報を盗まれ活用されるケースもあります。迷惑メールを自動で振り分けるフィルタリング機能の活用も効果的です。
身に覚えのないメールは開かず、社内ルールに従って削除または情シス/セキュリティ担当へ報告しましょう。残しておくと、後日間違えて開封してしまう恐れがあります。

なお、迷惑メールを放置する危険性や受信する原因と予防策、開封時の対処法に関する詳細は以下をご覧ください。
⇒迷惑メールの放置は危険!理由や受信時の対処・予防法について解説
⇒迷惑メールへの対処法とは?受信する原因や予防する方法を解説
⇒迷惑メールを開いてしまった際の対処法とは?開いた場合のリスクや被害に遭わないための対策も解説

不審なWebサイトにアクセスしない

不審なWebサイトにアクセスしないことも、エクスプロイトの感染防止に欠かせません。メールやメッセージ、SNSなどに記載されたリンクをクリックする場合には、以下を確認しましょう。

  • 企業名などのスペルに不審な点はないか
  • ドメインは正しいか
  • SSL/TLS化されているか(https:から始まっているか)

間違って怪しいリンクをクリックした際や不審なサイトに飛ばされた際には、身に覚えのないメール開封時と同様、デバイスなどのスキャンを行いましょう。

OSをこまめにアップデートする

OSのこまめなアップデートも、エクスプロイトの感染防止に役立ちます。アップデートにより、脆弱性をなくすためのパッチが提供されるケースがあり、サイバー攻撃に遭うリスクを抑制可能です。また、新たなセキュリティ機能が実装されることもあります。不具合の解消やアプリケーションの正常な軌道にも、アップデートは欠かせません。
アップデート通知が届いたら、迅速に実施しましょう。放置しておけば、その分セキュリティリスクが高まります。また、メーカーのサポートが終了したデバイスやツールの利用は辞めましょう。サポートが停止されると、バージョンアップもされません。

なお、OSの具体的なアップデート手順は以下もご覧ください。
⇒OSのアップデート手順をデバイス別に紹介!メリットや実施前にすべきことも解説

脆弱性診断を実施する

脆弱性診断を実施することで、エクスプロイト感染のリスクを抑制できます。脆弱性診断(セキュリティ診断)とは、コンピューターやネットワークに存在するセキュリティ上の弱点を特定する作業のことです。サイバー攻撃者よりも早く未知の脆弱性を発見してなくせば、攻撃を仕掛けられる可能性を下げられるでしょう。
脆弱性診断は、一度実施して終わりではなく定期的に行うことが重要です。特に、システムリリース時やアップデート時に行うと効果的です。実施方法には、専門業者に依頼する方法とツールを活用する方法の大きく2つがあります。

なお、脆弱性診断の概要やおすすめツールについては以下をご覧ください。
⇒脆弱性診断とは?種類や脆弱性を放置するリスク、進め方を紹介
⇒脆弱性診断ツールおすすめ4選!選び方のポイントを解説

セキュリティ対策ツールを導入する

セキュリティ対策ツールの導入も欠かせません。具体的には以下のツールが有効です。

  • WAF:アプリケーションの脆弱性を突いた外部攻撃から守る
  • IDS:不審な通信を検知した際、セキュリティ担当者に連絡する
  • IPS:不審な通信を検知した際、直ちに通信を遮断する
  • NDR:ネットワーク上の異常な活動をリアルタイムで検知して、異常が見つかった際には迅速に対応する
  • SIEM:ファイアウォールやIDS、IPSなどのログを収集・解析して、セキュリティインシデントを素早く検知する
  • アンチウイルス:マルウェアからコンピューターを守る

各セキュリティ対策ツールの詳細は以下をご覧ください。

⇒WAFとは?Webサイトを守る仕組みと導入メリットをわかりやすく解説
⇒セキュリティ対策IDSとIPSとは?機能と役割、2つの違いについて解説
⇒NDRとは?機能や仕組み、類似ソリューションとの違いを解説
⇒SIEMにより新たなセキュリティ対策を!機能やメリット、必要とされる背景
⇒アンチウイルスとは?対策ソフトウェア4選とEDRを徹底比較!

まとめ

エクスプロイトとは、ソフトウェアやアプリケーションなどの脆弱性を悪用して攻撃を行うプログラムのことです。専門知識やスキルがなくても容易に攻撃できるエクスプロイトキットが闇市場等で流通していることも、攻撃のハードルを下げる要因の一つとされています。主にメール・Webサイトから感染して、情報漏洩やシステムダウンなどを引き起こします。

エクスプロイト感染の防止には、OSのこまめなアップデートや脆弱性診断の実施が有効です。また、セキュリティ対策ツールの導入も欠かせません。従来のウイルス対策では未知の攻撃を防ぎきれないため「攻撃の動作」を検知・遮断するツールが特に有効です。キヤノンITソリューションズ株式会社が提供するランサムウェア対策ソフトウェア「AppCheck」であれば、 挙動検知などの仕組みにより、未知の脅威を含む攻撃の兆候に対して検知・遮断を支援します。
また、「エクスプロイトガード」機能により、脆弱性を悪用した攻撃への対策強化に役立ちます。
※すべての攻撃の検知・防止を保証するものではありません。利用環境や設定により効果は異なります。

エクスプロイト対策も可能なAppCheckの詳細を知りたい方は、以下をご覧ください。
⇒AppCheck