業務改善コンサルティングとは?利用するメリット・デメリットや成功させるポイントを解説

業務改善コンサルティングとは、業務の本質的な問題を明らかにした上で、その解決策を検討して業務プロセスの効率化・最適化を図るサービスのことです。専門家からの客観的な意見を得られ、業務の効率化・標準化の実現や品質の向上、コスト削減などが期待できます。

本記事では、業務改善コンサルティングの概要や利用するメリット・デメリット、成功のポイントについて詳しく解説します。業務改善コンサルティングについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

業務改善コンサルティングとは

業務改善コンサルティングとは、企業や組織における業務フロー・プロセスの問題を特定して、最適化するサービスのことです。業務フロー・プロセスが複雑化して、無駄が発生している企業は少なくありません。業務改善コンサルティングでは、業務における本質的な課題を明確にした上で、効率化を支援します。

ここからは以下の事項について解説します。

  • 企業におけるよくある課題
  • DXコンサルティングとの違い
  • BPRとの違い

企業におけるよくある課題

企業で発生しているよくある課題は以下の通りです。

  • 業務の属人化
  • 部門・拠点ごとに異なる業務フロー
  • 非効率な承認フロー

順に解説します。

業務の属人化

業務の属人化が問題となっている企業は多く存在します。業務の属人化とは、特定の業務や作業における処理方法などを一部の従業員しか知らない・できない状態のことです。業務が属人化している場合、担当者が休んだり多忙だったりすれば、業務が滞るリスクが高まります。また、特定の者しか業務処理方法を知らないため、その処理方法が適切かを評価できず改善できません。

なお、属人化の解消方法に関する詳細を知りたい方は以下もご覧ください。
⇒業務の属人化を解消する方法とは?属人化の原因や解消するメリットも解説

部門・拠点ごとに異なる業務フロー

部門・拠点ごとに異なる業務フローが課題となっているケースも少なくありません。業務フローが異なれば、データの入力・保管先なども違いデータのサイロ化が起こる原因になります。サイロ化とは、企業内のデータが部門・拠点ごとに孤立し、システムやデータ連携できない状態のことです。サイロ化が起これば、企業全体のデータを把握する際に複数システムの確認や集約の手間が発生して、効率が下がるでしょう。

非効率な承認フロー

非効率な承認フローも企業におけるよくある課題の一つです。承認は規模や業種を問わず、多くの企業で発生する業務です。また、日常的に行われる業務で、1回の手間は小さくても積み重なれば多くの負担になります。

承認フロー(ワークフロー)の概要や自動化のポイントに関する詳細は、以下をご覧ください。
⇒ワークフローとは?ワークフローシステムのメリットや挿入ステップ、比較のポイントも解説
⇒ワークフローの自動化とは?メリットや自動化例、ポイントを解説

DXコンサルティングとの違い

業務改善コンサルティングとDXコンサルティングの主な違いは、目的とアプローチ方法です。DXコンサルティングとは、デジタル技術を用いてビジネスモデルや業務プロセス、企業文化の変革をサポートするサービスのことです。業務改善コンサルティングにおける最大の目的が業務の効率化や最適化なのに対して、DXコンサルティングではビジネスモデルの変革なども目的になります。また、業務改善コンサルティングは、必ずデジタル技術を活用するわけではありません。

BPRとの違い

業務改善コンサルティングとBPRは、アプローチ範囲が異なります。BPR(Business Process Re-engineering)とは、業務プロセスを抜本的に再設計して、効率化や最適化を図る手法のことです。例えば、業務フローや組織構造、活用システムの見直しにより、コスト削減・生産性向上を目指します。業務改善コンサルティングでも、業務プロセスの抜本的な見直しをするケースもありますが、特定の業務内容や担当者の変更で無駄を削減する場合も存在します。

業務改善コンサルティング会社の主な支援内容とアプローチステップ

続いて、業務改善コンサルティングに関する以下の事項について解説します。

  • 主な支援内容
  • 業務改善コンサルティングのアプローチステップ

主な支援内容

業務改善コンサルティングの主な支援内容は以下の3つです。

  • 課題の明確化
  • 業務改善方法の検討と実行支援
  • ツールの導入や活用支援

順に解説します。

課題の明確化

既存業務の流れや用いているシステム、担当者などの棚卸しや分析により課題を明確にします。業務処理方法や課題は企業ごとに異なります。
業務改善施策を検討・実施する前段階ですが、本質的な課題を明らかにしなければ表面的な改善に留まってしまう可能性があり、重要な項目です。クライアント企業が想定している課題が、必ずしも本質的な問題とは限りません。

業務改善方法の検討と実行支援

既存業務の分析結果に基づき、業務改善方法の検討を支援します。人材や資金などのリソースはクライアント企業ごとに異なるため、その状況も踏まえながら最適な施策を検討します。支援方法は、コンサルタントが中心となることもあれば、クライアント企業内のプロジェクト推進をPMOとしてサポートするケースもあり、さまざまです。
また、施策検討後の実行を継続的に支援するケースも少なくありません。

ツールの導入や活用支援

ツールの導入や活用支援も業務改善コンサルティングにおける支援内容です。近年は、自動化や効率化に役立つツールが多数開発・提供されており、業務改善を図る上でデジタルツールは欠かせません。
ただ、ツールが複数あるため最適なものの選択が困難になっています。業務改善コンサルティングでは、役立つツールの提案や最適なツールの選択・導入サポート、活用・定着の支援を実施します。

業務改善コンサルティングのアプローチステップ

業務改善コンサルティングの基本的なアプローチステップは以下の通りです。

  1. 業務プロセスの見える化
  2. 課題の抽出
  3. 解決策の検討と実行
  4. 定着に向けた仕組みの構築と効果検証

順に解説します。

1.業務プロセスの見える化

多くの業務改善コンサルティングでは、業務プロセスの見える化から始まります。具体的には、既存業務の内容・手順やプロセス、活用システムの棚卸しが行われます。

2.課題の抽出

続いて、見える化した業務プロセスや現場担当者へのヒアリングなどを通じた課題の抽出を行います。例えば、ロジックツリーやバリューチェーン分析なども活用して、ボトルネックとその原因の見極めを実施します。

3.解決策の検討と実行

本質的な課題が明らかになったら解決策の検討と実行ステップに移ります。問題点が複数ある場合には、解決に必要なリソースと効果などを踏まえて対処の優先順位を決定します。

4.定着に向けた仕組みの構築と効果検証

最後に、定着に向けた仕組みの構築と効果検証を行います。業務改善施策が仕組みとして導入されなければ、一時的な効果になってしまうでしょう。

また効果検証も欠かせません。施策実施後に問題がないかや成果が得られているかを検証して、問題がある場合には改善することで、効果が高まります。

業務改善コンサルティングを利用する4つのメリット

続いて、業務改善コンサルティングを利用する以下4つのメリットについて解説します。

  • 専門家から客観的な意見を得られる
  • 業務の標準化・効率化・自動化を実現しやすい
  • 品質の向上やコスト削減を図れる
  • 最新のトレンドを知れる

専門家から客観的な意見を得られる

業務改善コンサルティングを利用すれば、専門家から客観的な意見を得られます。長年同じ方法で仕事をしていると、それが当たり前になり問題に気付きにくくなります。外部のコンサルタントであれば、社内事情などにとらわれず、俯瞰して問題の分析や改善策を検討できるでしょう。

業務の標準化・効率化・自動化を実現しやすい

業務の標準化・効率化・自動化を実現しやすい点も、業務改善コンサルティングを利用するメリットです。コンサルタントは、さまざま経験や情報収集で得られたノウハウを蓄積しており、自社では思いつかないような改善策を提示してくれるケースがあるでしょう。自社のみで検討するよりも、効率的に改善策を得られます。

品質の向上やコスト削減を図れる

業務の効率を高めるだけでなく、品質の向上やコスト削減にもつながります。業務が最適化されれば、顧客サポートや商品・サービス改善の時間を捻出しやすく、顧客満足度の向上が図れます。また、無駄な業務の削減や自動化は人件費の削減などにも有効です。

最新のトレンドを知れる

最新トレンドの収集にも業務改善コンサルティングは役立ちます。近年は、AIやIoTなど最新テクノロジーが登場して、日々進歩しています。また、経営や業務改善の考え方・手法も生み出されていますが、自社で全て収集することは困難です。さらに、多様な情報の中で自社に役立つものがなにかを見極め、実際に役立てるのも容易ではありません。
業務改善コンサルティングを利用すれば、自社にとって価値ある情報と活かし方をコンサルタントが提案してくれます。

業務改善コンサルティングを利用する2つのデメリット

業務改善コンサルティングには、メリットがある一方で以下のデメリットも存在します。

  • コストがかかる
  • 成功するとは限らない

順に解説します。

コストがかかる

業務改善コンサルティングの利用にはコストがかかります。具体的な金額は契約内容や期間により異なりますが、大規模プロジェクトを行う場合、高額になるケースも存在します。ただ、メリットの章で解説した通り、業務改善コンサルティングを利用すれば長期的にはコスト削減が可能です。期待する成果とコンサルティングコストを比較して、メリットが得られるかを検討します。

業務改善コンサルティングの費用相場

業務改善コンサルティングの費用相場は以下の通りです。

  • プロジェクト契約:月額30万円から150万円
  • 顧問契約:1時間当たり5万円から20万円

基本的には、稼働するコンサルタントの人数と時間、単価の掛け合わせで決定されます。単価は、コンサルティング企業ごとに異なるため複数社に見積りを依頼して、支援内容を含め比較すると良いでしょう。

成功するとは限らない

成功するとは限らない点も、業務改善コンサルティングのデメリットです。例えば、業務改善の一環で導入したシステムが形骸化すれば、業務効率は高まりません。失敗の要因は複数あり、コンサルティング会社の問題に起因するケースもあれば、クライアント企業の問題が原因の場合もあります。

業務改善コンサルティングを成功させるポイント

最後に、業務改善コンサルティングを成功させる以下のポイントを紹介します。

  • 自社に合う会社に依頼する
  • コンサルティング会社に丸投げしない
  • 進捗確認の場を設ける
  • 短期的な成果を求めすぎない

自社に合う会社に依頼する

業務改善コンサルティングを実施している企業は数多く存在します。それぞれ特徴や強み、コストが異なるため、複数社を比較して自社に合うコンサルティング会社に依頼しましょう。
コンサルティング会社を比較する際のポイントは以下の3つです。

  • サービス内容
  • 強みや実績
  • サポート体制・担当者との相性

サービス内容

まずは、自社が求めるサービスを提供しているか確認しましょう。例えば、デジタル技術を用いた業務改善を目的としている場合には、ITツールの選定や導入、定着に関するサービスの依頼が可能かの確認が必要です。

強みや実績

強みや実績の確認も欠かせません。同様の企業規模や業種の業務改善を成功させていれば、適切なサポートを受けられる可能性が高まります。公式サイトや面談で確認すると良いでしょう。

サポート体制・担当者との相性

サポート体制や担当者との相性も重要なポイントです。コンサルティング会社に実績があったとしても、自社を担当するコンサルタントの経験が浅ければ成功するとは限りません。また、担当者との相性が悪くコミュニケーションが取りにくい場合、プロジェクトの推進が滞るリスクが高まります。

コンサルティング会社に丸投げしない

業務改善コンサルティングを成功させるには、コンサルティング会社に丸投げしないことも重要です。コンサルタントはさまざまな知識・ノウハウを有した専門家ですが、現場担当者を含めたクライアント企業の協力がなければコンサルティングは成功しません。まずは、従業員の理解や協力を得た上で、コンサルタントと協力することが重要です。

進捗確認の場を設ける

進捗確認の場は定期的に設けましょう。コミュニケーションが不足すれば、認識の相違が起こる原因になります。また、当初予定したスケジュール通りにコンサルティングが進むとは限りません。定期的に進捗確認することで、軌道修正がしやすくなるでしょう。

短期的な成果を求めすぎない

短期的な成果を求めすぎないことも重要です。多くの企業は短期的な成果を求める傾向にありますが、抜本的な改革には多少時間がかかります。短期的に効果が現れる施策もありますが、全てがそうではありません。また、業務プロセスの変更や新たなシステムの導入を行った場合、従業員が慣れるまで生産性が低下するケースもあります。

SMSデータテックの業務改善コンサルティングが支援できること

弊社SMSデータテックが提供する業務改善コンサルティングでは、長年蓄積したITノウハウを用いて課題解決を支援しています。具体的なサポート内容は以下の通りです。

  • 業務作業コスト削減
  • 業務処理ミスの削減
  • リソース不足解消・本来業務へシフト
  • 最適な業務プロセスの構築
  • 業務最適化による生産性向上
  • 業務改善プロジェクトの支援

業務に課題を感じている方は、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

業務改善コンサルティングとは、企業や組織における業務フロー・プロセスの問題を特定して、最適化するサービスのことです。近年、人手不足や企業間競争の激化など企業を取り巻く環境は厳しくなっています。業務を最適化しない場合、淘汰される恐れがあるでしょう。業務改善コンサルティングを利用すれば、専門家からの客観的な意見を得られ、業務の効率化・標準化の実現や品質の向上、コスト削減などが期待できます。

弊社SMSデータテックも長年蓄積したITノウハウに基づく業務改善コンサルティングを行っています。90%の工数削減の事例もあるため、業務を改善・効率化したい方は、お気軽にご連絡ください。

まずはお気軽にご相談ください
お問い合わせフォーム

おすすめイベント・セミナー 一覧へ

DX総合EXPO2025夏に出展いたします!
イベント・セミナー

弊社SMSデータテックでは、2025年7月23日(水)~25日(金)開催の「DX総合EXPO」に出展いたします! 今回も昨年同様、「業...