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DaaSとVDIの違いとは?メリットと使い分けについて解説
リモートでコンピュータのデスクトップ環境を利用するサービスの普及が顕著です。利便性の高さとともに、テレワークの台頭に代表されるニューノーマルという状況とマッチしていることがその理由の一つでしょう。
リモートデスクトップ環境を提供するサービスにも、様々な形態が生まれてきています。その中でも、現在よく利用されているのがDaaSとVDIです。
本記事では、DaaSとVDIの定義、違い、メリット・デメリットと使い分けについて紹介します。
目次
リモートデスクトップ環境とは
リモートデスクトップ環境はその名の通り離れた場所からコンピュータのデスクトップ環境を利用するための技術です。概要やメリット、普及の状況について説明します。
概要
コンピュータの操作をGUI(Graphical User Interface)で行う環境をデスクトップ環境と呼びます。まさに自分の机の上のように、コンピュータ上のファイルやプログラムがアイコンとして表示され、マウスなどの操作によって利用します。
各種の企業において利用されるOA環境(PC)はこのデスクトップ環境を利用する場合がほとんどです。WindowsやAppleのPCはこのデスクトップ環境を表示して利用します。
普通のデスクトップ環境の場合、ディスプレイにケーブルで接続されたパソコンの本体があります(例外として一体型もあります)。この場合、表示しているデスクトップ環境は近くにあるパソコンの内部を反映したものです。
リモートデスクトップ環境の場合、ネットワークで接続された遠くにあるコンピュータのデスクトップ環境を表示し、操作することができます。
例えば、テレワークでリモートデスクトップを利用する場合を想定してみましょう。家のパソコンと会社のパソコンを接続して、家から会社のパソコンの中身をみたり操作したりできれば、家にいながらにして会社でパソコンを使って行う仕事ができるのです。これを実現してくれるのがリモートデスクトップ環境です。
※もちろん、パソコンのデスクトップ環境のみが仕事に必要なわけではないため、全てが実現できるわけではありません。
テレワーク以外にも、サーバーセンターにおいてあるサーバーをオフィスから操作する場合や、インターネットで接続されたパソコンのサポート業務を行う場合、別拠点や建屋にあるコンピュータの操作をする場合などが利用シーンとして想定できます。
普及状況
IT専門の調査会社IDC Japanの調査によると、2021年の日本国内でのクライアント仮想化の導入率は40.4%でした。2020年の調査時の27.7%から12.7ポイントと大きな上昇を見せています。コロナ禍の企業がテレワークを推し進める策として、リモートデスクトップなどのクライアント仮想化を推し進める状況が見えてきます。
リモートデスクトップ環境のメリット
リモートデスクトップを利用することにより得られるメリットとして、下記があげられます。
自由な働き方のための環境を提供する
特定のデスクトップ環境を使った仕事をしている人の場合、リモートデスクトップ環境を用意することで、ネットワーク越しにどこからでも仕事をすることができるようになります。家から、外回り先からと場所を選ばずにいつもの仕事を行うことが可能です。ワーケーションといった働き方も視野に入ってきます。
さらには一部制限はあるものの、リモートデスクトップが利用できるものであればデバイスも選びません。
外出用のノートパソコンやタブレットから、いつものデスクの大型PCと同じ環境を利用した仕事をすることもできます。
社会的に推し進められる働き方改革においても、働き方の多様性を提供する方法の一つとなっています。
パソコン、記憶媒体の運搬時の紛失、盗難などの情報漏えいリスク対策
リモートデスクトップが利用できない場合、どこか離れた場所で仕事をするときには、PCそのものやそのデータをUSBメモリ等の記憶媒体に写して持ち運ぶ形式をとることが多いでしょう。このPCや記憶媒体の持ち運びには、紛失・盗難といったセキュリティリスクがあります。リモートデスクトップを利用することで、セキュリティリスクを回避することが可能です。
また、PCやデータの持ち出しは企業のコンプライアンスとしても問題視される場合もあります。従業員による情報の持ち出し、流出といった事件も起きているため、その対策としても役立ちます。
処理速度が接続端末に依存しない
リモートデスクトップを利用してコンピュータを動かす場合、手元の端末は画面表示とネットワーク通信を行っており、実際のコンピュータ上の処理はリモート先で行われます。つまり処理の速度はリモートデスクトップ先のスペックに依存しており、接続端末の能力はあまり重要視しなくてもよいということを意味しています。
DaaSとVDIの違い
リモートデスクトップを実現する技術には複数の種類が存在しています。その中でも現在主流となっているのが、DaaSとVDIです。この二つの技術について記載します。
DaaSとは
ITやロボッDesktop as a Serviceの略で、クラウドサービスとしてデスクトップ環境を提供するサービスです。
クラウドベンダーがインターネットなどのネットワーク接続先にデスクトップ環境を用意し、利用者はネットワークに接続してデスクトップ環境を利用します。
VDIとは
Virtual Desktop Infrastractureの略で、企業や組織の持つサーバー上に仮想デスクトップ環境を構築し、利用者は端末からサーバー上のデスクトップ環境にアクセスして利用します。
DaaSとVDIの違い
DaaSもVDIも仮想デスクトップをネットワーク越しに利用するという点では同様です。違いとなるのは、仮想デスクトップ環境がクラウドベンダーによって提供されているか、企業が自社で基盤を作って用意しているか、という点です。
DaaSとVDIを比較した場合のメリット・デメリット
前述のとおり、DaaSとVDIの主な違いは基盤となる環境(インフラ)の提供者です。メリット・デメリットもこの提供者の差異から生まれます。
DaaSの場合は、クラウドベンダーが用意した環境を利用します。利用者側から見れば、デスクトップ環境を用意する必要がありません。
環境の準備もメンテナンスも不要なため、初期費用や環境の運用コストの面でメリットがあります。セキュリティ対策なども基本的にはクラウドベンダー側が対応します。一方で、提供されるサービスにはクラウドベンダー側の設ける制限があり、利用者側の都合で自由にサービス形態を変えることはできません。また、インターネットを経由して利用する形態が一般的であり、そこにはセキュリティリスクが伴います。
VDIは企業の側でリモートで利用するデスクトップ環境を用意します。環境の準備をするための初期費用が必要で、ランニングコストも必要となります。
その代わりに、環境の制限に関しては企業が自由に設定することができ、利用者のコントロールもしやすいというメリットがあります。接続するネットワークや利用範囲もコントロールできるため、高いセキュリティの実現が可能です。
使い分け方
DaaSとVDIの使い分けは、上記のメリット・デメリットにあわせた利用をすることです。すなわち、コストをかけずに気軽にリモートデスクトップを使いたい場合にはDaaSを利用し、セキュリティが高く自由度の高い利用をする場合にはVDIを選択することになります。
まとめ
DaaSとVDIはいずれもリモートデスクトップを実現する技術です。違いはデスクトップ環境をクラウドベンダーが用意するか、企業で用意するかという点になります。
テレワークなどでリモートデスクトップ環境を構築、利用する場合には、メリット・デメリットを検討し、自社に合った方法を選択しましょう。
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