今、システム運用現場の抱えるDXに向けた頭の痛い課題とは?

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今、システム運用現場の抱えるDXに向けた頭の痛い課題とは?

システム運用の現場で業務を行っていると、目前には見えないけれど近い将来に対応が必要となる課題が徐々に迫ってきているのを感じないでしょうか。
2018年の経済産業省のDXレポートでもITシステム業全体の大きな課題として2025年の崖が指摘されています。
この問題は既に間近に迫っており、実際に運用現場へも押し寄せてこようとしているのです。
本記事では、システム運用現場の課題について解説いたします。

属人化から発生する後継者問題

システム、業務に関する情報の共有ができていない属人化

システム運用の現場では、担当者は日々のシステム運用業務に追われており、トラブルを解決してシステムを稼働させ、毎日の業務が滞らないようにするだけで手一杯という状況によく直面します。作業コストも限られているため、一つのシステムに対して担当者も一人だけという状況もよくあります。そんな状況で起きてしまうのがシステム運用の属人化という問題です。システム担当者のみが、システムに精通しており他の人には替われないという状況が起き得ます。この属人化がシステム運用の現場各所で、深刻な問題となっています。

属人化により運用が他人に任せられない状況に

システム運用で属人化が発生すると、担当者の負荷が上がってしまいます。システムが稼働している間は休めない状況ということもあり得るでしょう。短期的には、緊急時の対応が担当者しか取れないため休めないという問題が起き得ます。長期的な問題としては、この運用体制が続くと担当者が年齢を重ねコストが増大化した場合に、身動きが取れない状況にもなります。

労働人口の減少もあり、運用の後継者は見つからない

経済産業省の『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』でも指摘されている問題として、IT関連人材の不足があります。国内の労働人口減少、IT人材の育成には時間とコストがかかること、DXなどの対応でIT人材の需要が高まることなどが要因となっており、すでに避けられない事態となっています。システム運用担当においても、後継者探しも顕在化しつつある問題なのです。

2025年の崖が見えている、システムのブラックボックス化

レガシーシステムは運用可能でも、ブラックボックス化は進む

システム運用ではシステムを安定稼働させ業務を回すことが最優先です。そのため、運用しているシステムについての知識や気づき、手順などに対するドキュメント化は後回しにされがちな実情があります。また、システムは運用しながら改善されることも多く、その際の情報までドキュメントに反映され切らないという状況も多々見うけられます。さらにはシステムの運用期間が長くなると、開発時のメンバーから話を聞くことができなくなり、技術の継承者もいなくなるなど、システムそのもののコアな部分の情報が失われることもあります。 システムの運用はできているが、その中身は誰もわからないという状況が出来上がってしまいます。これがシステムのブラックボックス化です。ブラックボックス化したシステムは改善を受付けず、刷新の際にも大きな妨げとなってしまいます。また、ブラックボックス化したレガシーシステムが積みあがっていくことで、運用の改善もできず、運用コストが高くつくことも大きな問題です。

2025年の崖にシステム運用現場は直面する

DXレポートで描かれている2025年の崖問題は、現行システムがブラックボックス化し、データの利活用ができなくなる状態を問題視しています。業務全体がデジタル化、データ化して整理されているという推進の前提となる状態ができていないことに起因し、DXの推進が上手くいかず、デジタル競争の敗者が生まれてしまうというシナリオです。 また、IT人材は2025年には43万人の不足となることがDXレポートでは予測されています。システム運用担当者の人手不足により、サイバー攻撃や事故、災害によるトラブルによるデータ損失のリスクも指摘されています。 もちろん、そんな状況を望むシステムの持ち主もシステム運用担当者もいません。しかしながら、レガシーなブラックボックス化したシステムからは、システム運用担当者も有用なデータの抽出や他システムとの連携を生み出すことは困難です。

ブラックボックスは未来への爆弾となってしまう?

IoT、5G、AI、ビッグデータなど先端技術の利用により、ITを用いたビジネスの発展は現在も急速に進んでいます。それらIT技術を取り入れることで、企業は国際的な競争力を得ていかなければならない状況です。しかし、ブラックボックス化したレガシーシステムでは、先端技術の導入およびDXの前提となるデジタル基盤の整備さえもままなりません。 ブラックボックス化したレガシーな現行システムは、将来的な企業の躍進に必要なDXの実現の妨げとなってしまいます。この課題が解決できなければ、年間12兆円の損失が国内で起きるとDXレポートでは予測されています。

DXにつながる運用の実現とは

新たな価値を生み出すためのDX

IT技術を用いて業務、ビジネス形態、提供する価値を構造レベルで変えるDXは、ビジネスそのものの変革とも言えます。例をあげれば、amazonはECと流通を組み合わせて欲しいものがすぐに手に入るという革新的なサービスと価値を生み出しました。 新たな価値を創造するためには、机上の理論だけではこれまでの殻は打ち破れません。経営層が指示するだけでは実現できず、現場からの視点も柔軟に取り入れる必要があります。 

DXにおいてシステム運用者の観点が活かせる?

DXに向けては、システム運用担当者の視点から得られる知見、ヒントをその推進に取り入れられる体制が必要となってきます。システムを一番近くから見ているからこそ気づくこともあります。システム運用の担当者は現場の運用だけでなく、声をあげてDX推進に関わっていく必要があるのです。 しかし、その前にはシステム運用担当者の属人化による高負荷、後継者問題、システムのブラックボックス化等の課題山積みとなっています。DXを実現するためにまずこれらの問題を解決して行かなければなりません。そのためのアプローチとして、運用の自動化という手段があげられます。

運用自動化がDX実現への取り組みの鍵?

運用自動化では、 ・自動化に対する課題を見つけ要件を定義するコンサルティング ・運用自動化基盤の導入 ・RBA・RPA等を利用した効率化の仕組みづくり ・支援ツールによる業務の効率化 といった方策を取ることで、システム運用業務に余裕をもたらすことができます。例えば日々のルーチンとなっている定型業務は、RPAで自動化することが可能です。運用担当者の負荷を軽減することで、DXに深くかかわるきっかけを作り出すことにもつながります。

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