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中小企業の情シス部門が抱える、運用体制の課題と解決策
昨今の中小企業におけるIT人材はかなり深刻な問題です。特に情報システムは企業の根幹であるシステムであったり、業務効率を向上させるシステムのため、企業活動する上で生命線とも言えるほど重要です。しかし、中小企業の情報システムは比較的軽視される傾向にあります。人材不足やITリテラシーの低さから、担当者一人に依存する企業も数多く存在します。
そこで、今回は中小企業における情報システムの運用体制が抱える課題と課題の解決策を紹介します。担当者の方は、ご自身の所属する企業が情報システムに対して、どのように扱っているのか想像しながらご覧ください。
目次
中小企業の情報システム運用の実情
中小企業の情報システムは、体制が整備されておらず、深刻な運用体制であるケースが多いです。背景として、以下の理由が挙げられます。
- IT人材の不足
- 企業全体のITリテラシーの低さ
- 現状維持の姿勢
- コスト問題
特にIT人材の不足と企業全体のITリテラシーが低いことにより、一人の担当者に情報システムおよびITに関するヘルプデスクの役割を兼任させている場合があります。サーバやネットワーク、業務システム、セキュリティを他の業務と兼業しながら一人で実施しなければなりません。情報システムの業務は多岐に渡るため、一人で実施することは不可能と言えます。
⇒ヘルプデスクとサービスデスクの違いとは?
しかし「現状の体制で問題が起きていないから」「コストがかけられないから」といった理由で現状維持を貫いているのです。加えて、人員の削減が行われる場合は、真っ先に情報システムの担当者が対象となるケースが後を絶ちません。多くの中小企業では、情報システム及び情報システムの担当者を意識せずとも軽視してしまっていることが実情として挙げられます。
大企業と中小企業の情報システムに対する意識の違い
中小企業だけでは情報システムに対する意識がどの程度なのか、伝わりにくいかもしれません。そこで、大企業と中小企業の情報システムの意識の差を比較してみます。あくまで比較であり全ての企業が下記の通りに当てはまるわけではありません。
大企業と中小企業では、どちらが適切に情報システムを運用できるか、言うまでもなく大企業です。また、情報システムに限った話ではなく、大企業と中小企業ではITツールの活用状況にも大きな差が開いています。
情報システムが抱える課題
中小企業の情報システムは様々な課題を抱えていますが、どの課題も企業の情報システムに与える影響は計り知れません。早急に解決しなければならない課題ばかりです。ここではIT人材の不足による課題と、企業のトップ層の誤った情シスへの評価を紹介します。
IT人材の不足による課題
- 情報システムの知見が一部の担当者に極端に依存
- 専任の情シス担当者が不足することによる兼任の情シス担当者が増加
- 兼任による情シス担当者の負担が増加
- セキュリティインシデントの増加
企業のトップ層の誤った情シスへの評価
- 情シスの現状を把握できていない
- 情シス担当者への評価が低い
- ITに関連することは情シス担当者に丸投げすればいいとの思い込み
- 費用対効果を鑑みない
人材不足が深刻化することで、連鎖的に課題が発生してしまいます。情シス担当者が1人しかいない場合、もしも担当者が退職をしてしまった場合、有識者が存在しなくなり情報システム業務がブラックボックス化します。企業のトップ層が情シスへの評価を改めない限り、負の連鎖は止まりません。
情報システムの運用体制の改善策とIT化が進むことのメリット
中小企業の情報システムは様々な課題を抱えていることは前述した通りです。では、具体的にどのように改善すればいいのか、改善策を紹介します。
人材不足を解消するためには、IT化の推進が必要不可欠です。今では様々なアウトソーシングサービスが展開されているため、より広い視野で企業のIT化を進めることができます。また、IT化が進むことで、大きなメリットを受けることができます。
例えば、企業のITリテラシーの向上により、複数の担当者で情シス業務を分業できるようになります。すると、一人あたりの負担が激減し、システムのセキュリティ面の改善やシステム監査・プライバシーマーク等の外部審査を受けられることにも繋がります。ITリテラシーが向上すると、将来的にはアウトソーシングすることなく、安定した情報システムを運用することができるようになります。IT化を進めることは、人材不足を解消するだけでなく、生産性の向上や企業そのものの付加価値を高めることに繋がるため、大きな費用対効果を得ることができるのです。
情報システムやITツールの活用が働き方改革に繋がる
働き方改革は残業時間の削減、フレックス制度の導入などの表面的な対応が一般的です。しかし、本来の働き方改革は情報システムの運用改善を行うことが求められます。ただ闇雲に残業時間を削減するだけでは、後々しわ寄せがやってきます。フレックス制度の導入は、確かに通勤が楽になる傾向はありますが、実際は勤務時間をただズラしているだけに留まってしまいます。情報システムを適切に運用すること、企業に合うITツールを導入することで、安心できる企業活動・さらなる効率化が見込まれます。効率化することで今までの勤務時間ではできなかった業務を行えるようになります。
例えば、残業時間をより削減するために時間を充てられたり、フレックスによる業務の調整が行えます。新しいプロジェクトが発足することもあるでしょう。企業のIT化を進めることは、より広い企業活動が行えるようになり、真の意味で残業時間の削減やフレックス制度の導入が活きてくるのです。
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