技術用語解説

APIとは?仕組みやメリット・デメリット、活用ステップを解説

APIとは、アプリケーション同士が情報や機能をやり取りする仕組みのことです。「Application Programming Interface」の略で、システム連携や自動化を実現します。例えば、ECサイトと在庫管理システムをAPIで連携させれば、注文が入るたびに在庫情報が自動で更新され、過剰な販売や在庫切れを防止可能です。また、勤怠システムと人事データの自動連携やクラウド間データ同期などもAPIで実現できます。

目次

  1. 1APIとは
  2. 2APIを活用する5つのメリット
  3. 3APIを活用する3つのデメリット
  4. 4APIに潜むリスク
  5. 5APIの活用ステップ
  6. 6API活用時における3つの注意点
  7. 7まとめ

今や多くのシステムやツールがAPIでつながる時代です。社内システムやクラウドサービス同士を連携して、業務効率化を支えるのが「API」です。ただ、認証不備・設定ミスにより外部からの不正アクセスや情報漏洩の危険もあるため、注意が必要です。

本記事では、APIの概要や活用するメリット・デメリット、活用ステップと注意点について詳しく解説します。APIについて知りたい方、利用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

APIとは

APIとは、アプリケーション同士が情報や機能をやり取りする仕組みのことです。「Application Programming Interface」の略で、システム連携や自動化を実現します。例えば、ECサイトと在庫管理システムをAPIで連携させれば、注文が入るたびに在庫情報が自動で更新され、過剰な販売や在庫切れを防止可能です。また、勤怠システムと人事データの自動連携やクラウド間データ同期などもAPIで実現できます。

ここからはAPIに関する以下の事項について解説します。

  • APIの仕組み
  • 主なAPIの種類
  • 使用範囲によるAPIの分類

APIの仕組み

APIは、利用者が情報・機能を要求する「リクエスト」と提供者が応答する「レスポンス」のやり取りで成立しています。例えば、ECサイトでクレジットカードを利用して買い物する際の流れは以下の通りです。

  1. ユーザーがECサイトにクレジットカード情報を入力して決済を試みる
  2. ECサイトが入力された情報を、クレジットカード会社のAPIに送信する
  3. クレジットカード会社が受領した情報を基に、決済の可否を決定する
  4. クレジットカード会社が可否をECサイトに返信する
  5. ECサイトが処理結果をユーザーに表示する

主なAPIの種類

一言でAPIといっても以下の通り複数の種類が存在して、目的や用途が異なります。

  • Web API
  • ネイティブAPI
  • ライブラリAPI
  • ランタイムAPI
  • データベースAPI

順に解説します。

Web API

Web APIは、HTTP・HTTPSなどの通信を活用してインターネット経由でデータなどをやり取りするものです。最も一般的なAPIで、利用者がエンドポイントURLにリクエストを送信して、サーバー(提供者)がリクエストを返す仕組みが採用されています。

ネイティブAPI

ネイティブAPIは、WindowsやAndroidなどが提供しているOSの機能にアクセスするものです。システムリソースへのアクセスやハードウェア制御が可能で、アプリケーション開発・システム管理などにおいて重要な役割を果たします。

ライブラリAPI

ライブラリAPIは、PythonやJava、C++などのプログラミング言語が提供するものです。関数やクラスの集合で、利用することにより複雑な処理を行うコードを簡潔にできます。

ランタイムAPI

ランタイムAPIは、アプリケーションの実行で用いられるものです。動的な操作が可能であるため、アプリケーションのリアルタイム監視や問題発生の対処で用いられています。また、関数の呼び出しやレスポンス管理でも利用可能です。

データベースAPI

データベースAPIは、外部データベースからデータを取得するためのものです。アプリケーションとデータベースのスムーズな連携が可能になり、シームレスな情報連携を実現します。

使用範囲によるAPIの分類

APIは使用範囲により以下に分類されます。

  • プライベート API:企業内のシステムやデータと連携可能
  • パブリック API:一般公開されており誰でも利用可能
  • パートナー API:許可された外部デベロッパーのみが利用可能

APIの種類によっては、特定の企業や組織しか活用できません。

APIを活用する5つのメリット

続いて、APIを活用する以下5つのメリットについて解説します。

  • 業務の自動化・効率化
  • システム間連携のスムーズ化
  • 開発コスト削減
  • ユーザー体験の向上
  • セキュリティの強化

業務の自動化・効率化

APIの活用により業務の自動化や効率化が図れます。例えば「APIとは」の章で解説したECサイトと在庫管理システムの連携を行えば、注文情報と在庫データを人が都度チェックして更新する必要はありません。データの転記や集計などの業務を自動化可能です。

システム間連携のスムーズ化

システム間連携のスムーズ化にも有効です。APIを活用することで、通常では別々に用いるシステムを連携させ一つのインターフェースや作業で、業務を完結できる可能性が高まります。また、データ活用の促進にも役立ちます。トレンド分析や顧客ニーズ・課題の把握がしやすくなるでしょう。

開発コスト削減

APIを活用することで開発コストの削減も可能です。例えば、システムやアプリケーションに新たな機能を実装する場合、以下のステップが必要になります。

  1. 要件定義
  2. 設計
  3. 開発
  4. テスト

ゼロから開発を行えば、多くの手間やコストが必要でリリースまでに時間もかかります。APIを活用して希望の要件を満たす他社サービスと連携させれば、ゼロから開発する必要はありません。手間やコストを大幅に削減可能です。

ユーザー体験の向上

ユーザー体験の向上にもAPIは効果的です。システムやアプリケーションの連携により、使いやすさが向上するためユーザビリティが高まります。例えば、ECサイトでユーザーアカウントを作成する際に、GoogleやSNS、Apple IDなど利用ユーザーが多いサービスを活用できるようにすることで、利便性の向上につながります。また、開発・提供しているシステムを、他のアプリケーションと連携させれば顧客満足度の向上も期待できるでしょう。

セキュリティの強化

APIの利用はセキュリティの強化にも役立ちます。多くのAPIでは暗号化技術が採用されているため、データ通信の安全性が高まるでしょう。また、APIの提供者が定期的なアップデートを行えば、最新の脅威にも対応できます。OAuthなどの標準的な認証プロトコルを採用しているAPIを用いた場合、安全性の高い認証制御も可能です。

APIを活用する3つのデメリット

便利なAPIですが以下3つのデメリットも存在します。

  • コストの発生
  • トラブルの発生
  • サービス停止リスク

順に解説します。

コストの発生

無料で使えるAPIもありますが、中には利用にコストが発生するものも存在します。料金体系もさまざまで、定額制のものもあれば従業課金制のものも存在します。APIの利用時には、どの程度のコストが発生するか事前に確認しましょう。特に、使用量に応じてコストが発生する従量課金制のサービスを活用した場合、想定よりも多額の費用が必要になるケースもあるため注意が必要です。

トラブルの発生

トラブルの発生もAPI活用によるデメリットの一つです。例えば、設備やネットワークのトラブル、サイバー攻撃などが原因で提供者のサービスが活用できなくなる恐れがあるでしょう。APIを活用する場合には、相手方が信頼できるかを事前に確認することが重要です。

また、アップデートなどにより一定期間使用が停止することもあります。海外サービスを利用する場合、日本の日中にメンテナンスするケースもあるため注意しましょう。

サービス停止リスク

サービス停止リスクもAPIを使う際のデメリットです。例えば、サービス提供の停止によりAPIが使えなくなり機能やデータ連携できなくなる恐れがあります。代替できるものがなければ、業務効率や利便性の低下につながるでしょう。万が一の場合も想定して、代替案を用意しておくことが重要です。

APIに潜むリスク

APIには、認証不備や設定ミスが原因で外部から不正アクセスされたり情報漏洩したりするリスクがあります。APIもサイバー攻撃の対象になっており、クラウドセキュリティなどを手掛けるアカマイ・テクノロジーズ社によれば、2023年の1月から2024年6月の間に1,080億件のAPI攻撃が記録されています。特に、APIキーや認証情報の流出は深刻な被害を招くことがあるため注意が必要です。

万が一、企業が保有する個人情報が漏洩すれば信用やブランドイメージが低下するでしょう。

参照:APIセキュリティの影響に関する調査2024|Akamai

APIの活用ステップ

続いて、APIを活用する際の以下ステップについて解説します。

  1. サービスの選定と登録
  2. APIキー・シークレットの取得
  3. API連携の実施

1.サービスの選定と登録

まずは、利用したいサービスを探してAPIを活用できるか確認しましょう。活用するサービスが決まったらユーザー登録します。多くの場合、APIを活用する予定のサイトURLや活用目的の入力が求められます。英語での入力が求められるケースもあるため、間違いがないよう注意しましょう。

2.APIキー・シークレットの取得

ユーザー登録が完了すると、以下のAPIキーとシークレットが発行されるため取得します。

  • APIキー:APIを利用する際にアクセスの認証や制御を行うための識別子
  • シークレット:アプリケーション同士が安全にデータをやり取りするために必要な証明書

上記が漏洩した場合、セキュリティリスクがあるため厳重な保管が必要です。

3.API連携の実施

APIキーとシークレットキーを取得したら、仕様書を確認してAPI連携を行います。いきなり本番環境で試すのではなく、サンドボックス環境などで問題がないか確認しましょう。
サンドボックスとは、ソフトウェアにより作り出されたコンピューター内における仮想空間のことです。問題なければ本番環境に組み込みます。
なお、サンドボックスの詳細は以下をご覧ください。
⇒サンドボックスとは?概要やメリット・デメリットをわかりやすく解説

API活用時における3つの注意点

最後に、API活用時における以下3つの注意点を紹介します。

  • 利用規約の確認
  • 仕様の確認
  • 情報の徹底管理

利用規約の確認

APIには利用規約が定められています。利用前には必ず規約を確認しましょう。規約に違反した場合、利用できなくなったりアカウントを停止させられたりするリスクがあります。また、企業の信用が低下する恐れもあるでしょう。

仕様の確認

仕様の確認も欠かせません。APIには以下の内容が記載された仕様書が存在します。

  • 役割や目的などの概要
  • APIにアクセスするためのURL
  • GETやPOST、PUTなどリクエスト方法
  • 相手方に渡す情報
  • 返答されるデータの構造
  • 認証方法

仕様を理解しない場合、効率的な運用ができなかったりトラブルが発生したりする原因になります。

情報の徹底管理

APIキーやシークレットキーなどのセキュリティ情報は厳重な管理が必要です。セキュリティ情報が漏洩すれば、不正アクセスやデータを盗まれる原因になります。また、権限の設定も必要最小限にすることが欠かせません。従量課金制の場合、誰でも使えるようにしておくと請求額が膨大になる恐れがあります。

漏洩リスクを監視する「ダークウェブアイ」

APIキーやシークレットキーは、ツールなどにログインするID・パスワードと同等の役割があります。万が一、情報が漏洩すれば不正アクセスなどの原因になります。また、漏洩した情報がダークウェブで売買されて、被害が拡大する恐れもあるでしょう。ダークウェブとは、匿名性が高く通常のブラウザではアクセスできないインターネット領域のことです。

どんなに厳重な管理を行っても情報漏洩を完全に防ぐことは困難なため、漏洩対策だけでなく素早く気付き被害を最小化する対策も欠かせません。弊社SMSデータテックが提供している「ダークウェブアイ」では、ダークウェブ上で流通するアカウント情報やAPIキーなどを監視・検知できます。利用することで、APIを通じた情報漏洩を早期に発見し、被害拡大を防止可能です。

まとめ

APIとは、アプリケーション同士が情報や機能をやり取りする仕組みのことです。アプリケーションやツールの連携で活用されています。利用すれば、業務の自動化・効率化やシステム間連携のスムーズ化、開発コスト削減などさまざまなメリットを得られるでしょう。
ただ、近年はAPIを狙ったサイバー攻撃が増加しています。特に、APIキーとシークレットなどの情報が盗まれた場合、不正アクセスや情報漏洩の原因になるため、厳重な管理が重要です。
近年のサイバー攻撃が高度化しておりセキュリティ情報の流出を完全に防ぐことは困難です。APIを安全に活用するには「漏洩を前提とした監視体制」が欠かせません。「ダークウェブアイ」で、安全なシステム運用を実現しましょう。