セキュリティ対策

APIセキュリティとは?良くあるリスクや強化する対策を解説

APIセキュリティとは、APIを悪用した不正アクセス・情報漏洩を防ぐ対策や方針のことです。例えば、認証・アクセス制御・暗号化を行い、正規ユーザー以外がAPIを不正利用したり情報漏洩が発生したりすることを防止します。

目次

  1. 1APIセキュリティとは
  2. 2APIで良くある4つのリスク
  3. 3APIセキュリティを強化する8つの対策
  4. 4まとめ

クラウド活用や外部システムとの連携が進む中、APIを狙った不正アクセス・情報漏洩が増えています。安全なシステム運用のために欠かせないのが「APIセキュリティ」です。APIセキュリティとは、APIを通じた通信やデータアクセスを守る仕組みのことです。

本記事では、APIセキュリティの概要やAPIにおけるリスク、APIのセキュリティを強化する対策について詳しく解説します。APIセキュリティについて知りたい方、不正アクセスや情報漏洩を防ぎたい方は、ぜひ参考にしてください。

APIセキュリティとは

APIセキュリティとは、APIを悪用した不正アクセス・情報漏洩を防ぐ対策や方針のことです。例えば、認証・アクセス制御・暗号化を行い、正規ユーザー以外がAPIを不正利用したり情報漏洩が発生したりすることを防止します。

ここからは以下の事項について詳しく解説します。

  • APIの概要
  • APIセキュリティが重要な理由
  • APIを狙ったサイバー攻撃

APIの概要

そもそもAPI(Application Programming Interface)とは、アプリケーション同士が情報や機能をやり取りする仕組みのことです。例えば、勤怠システムと人事データの自動連携や、クラウド間データ同期を実現しているのがAPIです。APIを活用することで、業務の自動化・効率化や開発コスト削減、セキュリティの強化などを実現できます。

なお、APIの詳細は以下をご覧ください。
⇒APIとは?仕組みやメリット・デメリット、活用ステップを解説

APIセキュリティが重要な理由

APIセキュリティが重要な背景には、APIの普及とサイバー攻撃の増加があります。近年は、多数の企業がAPIを利用してシステムやアプリケーション、ツールを連携させており、欠かせない要素になっているでしょう。

普及にともないAPIを狙ったサイバー攻撃が増加しています。クラウドセキュリティなどを手掛けるアカマイ・テクノロジーズ社によれば、2023年の1月から2024年6月のAPI攻撃は1,080億件でした。強固なセキュリティ体制を整備しない場合、情報漏洩などが原因で企業の信用やブランドイメージが低下するでしょう。

参照:APIセキュリティの影響に関する調査2024|Akamai

APIを狙ったサイバー攻撃

前述の通り、APIを狙ったサイバー攻撃が増加しています。ここからは具体的な以下のサイバー攻撃を紹介します。

  • DDoS攻撃・DoS攻撃
  • インジェクション攻撃

DDoS攻撃・DoS攻撃

DDoS攻撃もDoS攻撃も、大量の通信でサーバーに負荷をかけて、サービス提供の停止などに追い込む攻撃です。DDoS攻撃が複数のデバイスを活用して攻撃する一方、DoS攻撃は単一もしくは少数のデバイスで攻撃を実施します。
⇒DDoS攻撃とは?受けた場合の被害や4つの対策をわかりやすく解説
⇒DoS攻撃とは?DDoS攻撃との違いや種類、対策を解説

インジェクション攻撃

インジェクション攻撃は、悪意ある第三者が不正なソースコードを入力することでシステムの乗っ取りやデータの改ざん・漏洩を発生させるサイバー攻撃です。入力されたデータに関する検証が不十分な場合、被害に遭う可能性が高まります。

APIで良くある4つのリスク

APIの利用における良くあるリスクは以下の4つです。

  • 認証の不備による不正アクセス
  • APIキーやトークンの漏洩
  • 過剰な権限設定や脆弱なエンドポイント
  • 漏洩情報の悪用

ここからは、上記のリスクについて詳しく解説します。

認証の不備による不正アクセス

認証に不備があると不正アクセスされる可能性が高まります。APIセキュリティにおける最も基本的な要素は、利用ユーザーやリクエストに対する認証と許可の仕組みです。認証が適切に設定されていなければ、悪意ある第三者がなりすまして容易に不正アクセスできてしまいます。

APIキーやトークンの漏洩

APIキーやシークレットトークンが漏洩した場合、不正アクセスされるリスクが高まります。APIキーとはAPIを利用する際にアクセスの認証や制御を行う識別子のことで、シークレットとはアプリケーション同士が安全にデータをやり取りするために必要な証明書のことを指します。漏洩・悪用されれば、正規ユーザーと扱われて容易に不正アクセスされるでしょう。

過剰な権限設定や脆弱なエンドポイント

過剰な権限設定や脆弱なエンドポイントから、不正アクセスされたり情報を盗まれたりするリスクも存在します。例えば、機密データにアクセスできる高度な権限を有したアカウントを乗っ取られれば、被害が拡大するでしょう。また、エンドポイントが脆弱な場合、そのエンドポイントから侵入されてAPIを通じやり取りしている内容を盗み見られる可能性が高まります。

漏洩情報の悪用

漏洩情報の悪用もAPIにおけるリスクの一つです。例えば、漏洩したAPIキーやシークレットトークンはダークウェブアイで取引され、多数のサイバー攻撃で利用される恐れがあります。

ダークウェブとは、匿名性が高く一般的なWebブラウザではアクセスできないインターネット領域のことです。APIキー・シークレットトークンやID・パスワードなど、不正アクセスされる情報が売買されています。

APIセキュリティを強化する8つの対策

APIセキュリティを強化する主な8つの対策は以下の通りです。

  • APIキーの活用
  • セキュリティトークンの利用
  • HTTPSの活用による通信の暗号化
  • スキーマ検証の実施
  • レート制限の設定
  • 脆弱性診断の実施
  • セキュリティ対策ツールの利用
  • ダークウェブの監視

ここからは、上記それぞれの対策について詳しく解説します。

APIキーの活用

APIキーの活用によりセキュリティを強化しましょう。APIキーは、APIを呼び出すアプリケーションやシステムを識別して、アクセス権を管理するために活用されます。不正なアクセスをブロック可能で、利用状況の追跡にも活用できます。

セキュリティトークンの利用

セキュリティトークンの利用もセキュリティ強化に有効です。セキュリティトークンの利用により、正規のユーザーがアクセスしているかを識別可能です。また、有効期限が設けられており定期的な更新を行うことで、漏洩時のセキュリティリスクを抑制します。

HTTPSの活用による通信の暗号化

HTTPSの活用による通信の暗号化も、APIセキュリティでは欠かせません。HTTPSとは、暗号化通信(SSL)で安全性を向上させたHTTPのことです。特に、インターネットを通じてリクエストとレスポンスを行うWeb APIの場合、通信を暗号化させなければ内容を盗み見られる恐れがあります。また、通信内容を改ざんされるリスクもあるでしょう。

通信の暗号化は自社(利用者)だけでなく、提供者の実施も必要です。利用するAPIの選定には、HTTPSを活用しているかも確認すると良いでしょう。

なお、HTTPSの詳細は以下をご覧ください。
⇒httpsとは?概要や安全なサイトの見分け方をわかりやすく解説

スキーマ検証の実施

APIセキュリティの強化には、スキーマ検証の実施も重要です。スキーマとは、リクエストやレスポンスの構造を定義する設計図のことです。具体的には、以下が記述されています。

  • エンドポイント
  • HTTPメソッド
  • リクエストパラメータのサイズ
  • レスポンスデータの形式
  • エラー処理

スキーマを検証することで、意図した通信が行われているかを確認して、反しているリクエストの検知や遮断が可能です。

レート制限の設定

レート制限の設定もAPIのセキュリティ強化に有効です。レート制限とは、ユーザーにリクエスト可能なしきい値や制限を設定することです。特定のユーザーによる過剰なリクエストの実施を防止可能なため「APIを狙ったサイバー攻撃」で紹介した、DDoS攻撃やDoS攻撃を防止できます。また、一部のユーザーのみが利用することを防ぎ、リソースの公平な割り当てを実現します。

脆弱性診断の実施

脆弱性診断の実施により、APIの脆弱性を特定することも重要です。脆弱性診断(セキュリティ診断)とは、コンピューターシステムやネットワークに存在するセキュリティ上の弱点を特定する作業のことです。多くのサイバー攻撃は脆弱性を悪用することで、不正アクセスや情報漏洩を行っています。脆弱性診断で、セキュリティ上の弱点を突き止めてなくせば安全性が高まります。

また、APIを利用するサービスからのアップデート通知が来た際には、すぐ実施しましょう。アップデートでは、脆弱性をなくすためのパッチが提供されるケースがあります。

なお、脆弱性診断の詳細は以下をご覧ください。

⇒脆弱性診断とは?種類や脆弱性を放置するリスク、進め方を紹介

セキュリティ対策ツールの利用

セキュリティ対策ツールの利用も欠かせません。例えば以下のツールを利用すると良いでしょう。

  • APIゲートウェイ
    受け取ったリクエストを適切なサーバーやデータベースなどに振り分けるツールです。認証やレート制限、ログの記録・監視などができセキュリティを向上させます。
  • WAF
    アプリケーションの脆弱性を突いた外部攻撃から守るソフトウェアもしくはハードウェアです。不正なリクエストの検知やブロックに役立ちます。
  • WAAP
    WebアプリケーションやAPIをサイバー攻撃から守る総合的なセキュリティソリューションです。WAFの進化形で、ボットやDDoS攻撃対策などの機能も実装されています。

なお、WAFの詳細は以下をご覧ください。
⇒WAFとは?Webサイトを守る仕組みと導入メリットをわかりやすく解説

ダークウェブの監視

ダークウェブの監視は被害の最小化に効果的です。「APIで良くある4つのリスク」の章で解説した通り、漏洩した情報がダークウェブで取引されれば、別のサイバー攻撃などに用いられて被害が拡大するでしょう。ダークウェブを監視することで、情報漏洩に素早く気付き対処可能です。

まとめ

APIセキュリティとは、APIを悪用した不正アクセス・情報漏洩を防ぐ対策や方針のことです。APIの普及にともない、APIを狙ったサイバー攻撃が増加しているため必要性が増しています。対策を怠れば、情報漏洩などにより企業の信用やブランドイメージが低下する恐れがあるでしょう。
APIキー・セキュリティトークンを活用した認証やレート制限、脆弱性診断の実施が必要です。また、ダークウェブの監視も欠かせません。API攻撃を完全に防ぐことは困難なため、情報漏洩に素早く気付き対処する体制の整備が重要です。

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