ディープウェブ(深層Web)とは?ダークウェブとの違いやアクセス方法、安全に利用するポイントを解説
ディープウェブとは、一般的なブラウザからはアクセスできないWebサイトのことです。認証を行わなければアクセスできないため、情報の安全な保存や管理に役立ちます。本記事では、ディープウェブの概要やダークウェブとの違い、事例について詳しく解説します。
目次
ディープウェブとは、一般的なブラウザからはアクセスできないWebサイトのことです。「危険」「違法」などのイメージを持つ方もいるかもしれませんが、ディープウェブは必ずしも危険なサイトではありません。認証を行わなければアクセスできず情報を安全に管理できるため、例えばオンラインバンキングや企業のデータが保存・管理されています。
本記事では、ディープウェブの概要やダークウェブとの違い、事例について詳しく解説します。ディープウェブについて知りたい方は、ぜひご覧ください。
ディープウェブ(深層Web)とは

ディープウェブ(深層Web)とは、普通の検索エンジンではアクセスできないインターネット領域のことです。一般的に私たちが常日頃閲覧したり、活用したりするWebサイトは「サーフェスウェブ」と呼ばれています。ディープウェブはサーフェスウェブとは異なり、誰もが検索エンジンから簡単にアクセスできるわけではありません。アクセスには、ID・パスワードや合言葉の入力など認証が必要です。
ディープウェブは安全性やプライバシーを守るためのインフラとして活用されており、個人情報や機密情報が管理されています。例えば、企業のWebサービスはサーフェスウェブで提供し、個人情報が登録されたマイページにはディープウェブが活用されているケースが少なくありません。
ここからは、ディープウェブに関する以下の事項について詳しく解説します。
- 目的や意義
- 仕組み
- ダークウェブとの違い
ディープウェブの目的や意義
ディープウェブの目的や意義は、情報の安全な管理やデータの保護です。特定のユーザーのみがアクセスできる環境を構築することで、情報の窃盗や悪用の防止が可能です。
デジタル技術の進歩で、日々多くの情報が生み出されています。また、データ活用の重要性が向上しており、企業競争力の強化には情報の適切な活用が欠かせません。ただ、データの重要性が増すとともに、情報の窃盗を目的としたサイバー攻撃が増加しています。
万が一、情報漏洩が起これば企業の信用やブランドイメージが低下するでしょう。企業運営の継続が難しくなるケースもあります。また、法律で罰せられたり、情報漏洩した個人に対する賠償金の支払いが発生したりするリスクも存在します。
なお、個人情報保護法の罰則や情報漏洩した場合の賠償金支払い事例は、以下をご覧ください。
⇒個人情報保護法の罰則とは?概要や罰則以外のリスク、違反を防止するための対策を解説
⇒情報漏洩による損害賠償とは?事例5選や企業に与える影響、対策まで徹底解説
ディープウェブの仕組み
個人情報や機密データが保存されているディープウェブにはアクセス制限がかけられており、検索エンジンにインデックスされない仕組みが取られています。インデックスとは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンがWebページの情報を記録することです。インデックスされなければブラウザの検索結果に表示されないため、情報の保護が実現します。
ディープウェブとダークウェブの違い
ディープウェブとダークウェブは階層が異なります。ダークウェブとは、ディープウェブよりもさらに深い所にある匿名性が高いインターネット領域のことです。闇サイトとも呼ばれる存在で、専用のツールがなければアクセスできません。
匿名性の高さから犯罪の温床にもなっており、以下の情報が取引されています。
- 麻薬など犯罪性のある違法な取引情報
- 企業の機密データ
- 各種システムへのログインIDとパスワードのリスト
- クレジットカードの利用情報を含む個人情報
- セキュリティの脆弱性情報
- マルウェア自体や作成のためのツール
ダークウェブについて詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。
⇒ダークウェブとは?仕組みや被害事例、対策まで徹底解説!
ディープウェブの事例

ディープウェブはさまざまなシーンで活用されています。ここからは、ディープウェブの以下事例について解説します。
- オンラインバンキング
- クラウドストレージ
- 論文のデータベース
- 企業や政府のデータ
- 電子カルテ
オンラインバンキング
オンラインバンキングは、ディープウェブが活用されている代表例です。ユーザーの個人情報や口座情報、取引データが漏洩すれば、アカウントを乗っ取られ不正送金に利用されるでしょう。ディープウェブを用いることで、特定のユーザーのみが情報にアクセスできる環境を実現しています。ECサイトやクラウドサービスのマイページにも、ディープウェブが活用されています。
クラウドストレージ
GoogleドライブやDropboxなどのクラウドストレージも、ディープウェブに分類されます。クラウドストレージには、企業の機密データが保管されているため、権限を有していないユーザーはアクセスできない仕組みが取られています。クラウドストレージを用いることで、企業や組織は機密データを安全に保管可能です。
論文のデータベース
PubMedやIEEE Xploreなどの学術論文データベースも、ディープウェブに存在します。論文のデータベースには、情報の信頼性や学術的価値の担保が求められます。ディープウェブにデータベースを置くことにより、データの無断使用や情報の改ざんなどを防止可能です。
企業や政府のデータ
ディープウェブには、企業や政府のデータも登録されています。企業では、内部情報だけでなく有料会員に提供している以下のデータを保存しているケースもあります。
- マーケットリサーチデータ
- 金融データ
- 企業リサーチデータ
政府も以下のデータをディープウェブで厳重に管理しています。
- 住民情報や納税情報、健康保険データなど国民の個人情報
- 行政の内部データ
- 外交・安全保障に関する機密情報
電子カルテ
医療機関で活用されている電子カルテのデータも、ディープウェブに管理・保存されており、プライバシーの確保やHIPAAの遵守に役立っています。HIPAA(Health Insurance Portability and Accountability Act)は、電子化した医療情報に関するプライバシー保護・セキュリティ確保に関するアメリカの法律です。主に医療機関・保険会社が対象で、機密情報や患者の健康データなどプライバシー情報が適切に保護されていなかった場合の罰則も定められています。
なお、HIPAAに関する詳細は以下をご覧ください。
⇒HIPAAとは?対象となる組織・企業や主なルール、罰則を解説
ディープウェブの活用例

ディープウェブを活用すれば、安全かつ効率的に重要な情報を管理できるため、以下の多様なシーンで活用されています。
- 組織や企業におけるデータの保存と管理
- 経営や業務に必要なデータのリサーチと活用
例えば、顧客情報を保存したCRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)はディープウェブに保存されています。安全な場所で情報を管理でき、特定のアクセス権を有するユーザーは情報のリサーチと活用が可能です。また、販売管理や在庫管理などのシステムでもディープウェブ上に情報が保存されています。
ディープウェブ活用のメリット・デメリット

続いて、以下について解説します。
- ディープウェブ活用のメリット
- ディープウェブ活用のデメリット
ディープウェブ活用のメリット
ディープウェブには、以下のメリットが存在します。
- セキュリティの向上と機密データの保護
- 対象者を絞った情報の公開
- 重要な情報の収集と分析
- コンプライアンスの遵守
ディープウェブには、重要度の高い情報が保存されています。特定のユーザーのみがアクセスできる環境となっており、一般公開されていない市場動向や競合分析、新技術研究などのデータも収集可能です。戦略の検討や意思決定に役立つデータを入手できるでしょう。
サーフェスウェブの情報と比べて、保存されているデータの信頼性と正確性が高い点も特徴の一つです。効率的なリサーチに役立ちます。
ディープウェブ活用のデメリット
メリットがあるディープウェブですが、以下のデメリットも存在します。
- アクセスに手間が発生する
- ダークウェブに誤ってアクセスする可能性がある
- 内部不正は防止できない
ディープウェブには認証情報の入力が必要です。一つの環境へのアクセスであれば問題ありませんが、複数環境にアクセスする場合、その都度手間が発生して業務の妨げとなる恐れがあります。近年は、認証情報入力や管理の手間を減らす目的で、SSOを導入する企業も少なくありません。
SSO(シングルサインオン)とは、一回の認証で多数のシステムやクラウドサービスなどにアクセスできる仕組みのことです。SSOを活用すれば、連携するシステムに対して個別にID・パスワードを入力する必要はありません。
なお、SSOの詳細を知りたい方は以下をご覧ください。
⇒シングルサインオン(SSO)とは?認証方式の種類やメリット・デメリット、導入の流れを解説
また、間違ってダークウェブまでアクセスしてしまえば、違法な情報に触れるリスクがあり、法的な問題に巻き込まれる恐れがあります。さらに、ディープウェブを活用しても内部不正は防止できません。例えば、従業員や退職者が情報を盗むケースが存在します。
ディープウェブへのアクセス方法

ディープウェブへのアクセス方法は、主に以下の2つです。
- 正規ルートでのアクセス
- 専用ブラウザでのアクセス
ここからは、上記それぞれの方法について解説します。
正規ルートでのアクセス
最も一般的なディープウェブへのアクセス方法は、正規ルートでのアクセスです。権限を有するユーザーアカウントを用いて、ID・パスワードなどの認証を経ることでログイン可能です。
専用ブラウザでのアクセス
Torなどの専用ブラウザを利用することで、ディープウェブにアクセス可能です。Torとは、アメリカの海軍調査研究所(NRL)が開発したサービスのことです。現在はオープンソースとして公開されており誰でも利用可能です。
Torでは、ディープウェブに直接アクセスするわけではなくランダムパスを用いてアクセスする仕組みが取られています。ノードの利用により、ユーザーは行動を追跡されたり閲覧履歴を知られたりすることはありません。
ディープウェブを活用するリスク

ディープウェブには以下のリスクが存在します。
- 情報漏洩が発生する
- サイバー攻撃を仕掛けられる
順に解説します。
情報漏洩が発生する
ディープウェブに保存された情報が漏洩する可能性があります。ディープウェブには機密性の高い情報が保存されているため、情報漏洩が発生すれば大きな問題となるでしょう。強固なアクセス制限を設定するなどの、セキュリティ対策が必要です。
サイバー攻撃を仕掛けられる
サイバー攻撃を仕掛けられる可能性があることも、ディープウェブ活用におけるリスクの一つです。企業や組織にとって重要な情報が保存されているディープウェブは、サイバー攻撃の標的になりやすい傾向があります。近年は、サイバー攻撃の手法が複雑化・高度化しているため、完全に防ぐことは容易ではありません。
ディープウェブを安全に活用するポイント

最後に、ディープウェブを安全に活用するための以下ポイントについて解説します。
- 複雑なパスワードを設定する
- 個人情報は慎重に取り扱う
- 安易にリンクをクリックしない
- セキュリティ対策ツールを活用する
複雑なパスワードを設定する
セキュリティの基本は複雑なパスワードの設定です。具体的には、アルファベットの大文字・小文字、数字、記号の全てを活用したランダムで12字以上のパスワード設定が重要です。また、パスワードの使い回しを避けるとともに、定期的な変更もセキュリティ強化に役立ちます。
なお、安全性の高いパスワードについては以下をご覧ください。
⇒漏洩の危険があるパスワードの特徴とは?漏洩対策や漏洩した時の対応策を徹底解説!
個人情報は慎重に取り扱う
個人情報の慎重な管理も欠かせません。ディープウェブで情報を管理したとしても、必ずしも安全とは限りません。どのような情報をアップするかは、慎重に検討しましょう。
リンクを安易にクリックしない
リンクを安易にクリックしないことも重要です。ディープウェブに存在するリンクをクリックすることで、ダークウェブに飛ばされる危険性があります。また、近年はメールに添付したファイルのダウンロードやリンクのクリックから、ウイルス感染するケースが増加しています。身に覚えのないメールを受信した場合は、即時削除しましょう。残しておくと、後日間違えて開封しファイルダウンロードやリンククリックをしてしまう恐れがあります。
なお、迷惑メールの危険性や予防策については以下をご覧ください。
⇒迷惑メールへの対処法とは?受信する原因や予防する方法を解説
⇒迷惑メールの放置は危険!理由や受信時の対処・予防法について解説
セキュリティ対策ツールを活用する
セキュリティ対策ツールの活用も有効です。具体的には以下のツールが挙げられます。
- VPN
- 二段階認証・多要素認証
- ファイアウォール
- SIEM
- データ暗号化ツール
順に解説します。
VPN
VPN(Virtual Private Network)とは、インターネット通信技術のことです。VPNの活用により、本来アクセス制御されている異なる拠点間を仮想の専用線で結び、安全に情報やデータを送受信できます。ただ、近年はVPNに存在する脆弱性を狙ったサイバー攻撃が増加しており、VPNを用いても安全とはいえないため注意が必要です。
なお、VPNの詳細やセキュリティリスクと対策についての詳細は以下をご覧ください。
⇒【最新】VPN製品おすすめ6選!徹底比較
⇒VPNのセキュリティは安全?セキュリティリスクと対策
二段階認証・多要素認証
二段階認証とは、2回の認証プロセスを行うことでセキュリティ強度を高める方法のことで、多要素認証(MFA)とは、以下の性質が異なる複数の要素を用いて認証を行う方式のことです。
- 知識認証
- 所有物認証
- 生体認証
- 場所認証
- 適応型認証(リスクベース認証)
二段階認証や多要素認証を活用すれば、ID・パスワードなどの認証情報が漏洩しても、簡単に不正アクセスされません。
なお、二段階認証や多要素認証の詳細は以下をご覧ください。
⇒二段階認証とは?認証方法やメリット・デメリット、注意点を解説
⇒MFA(多要素認証)とは?仕組みやメリット・デメリット、導入方法を解説
ファイアウォール
ファイアウォールとは、ネットワークを経由した侵入や不正な通信を防ぐツールのことです。社内LANとインターネットの間に設置して、問題を検知した際にそこで通信を遮断する仕組みが取られています。
ファイアウォールの詳細は以下をご覧ください。
⇒ファイアウォールの基本を知っておこう|設定方法からトラブルシューティングまで
SIEM
SIEM(Security Information and Event Management)とは、ファイアウォールなどのツールから出力されるログを一元的に収集・解析して、セキュリティインシデントを素早く検知するソリューションのことです。
昨今は多数のセキュリティ対策ツールを導入している企業が少なくありません。セキュリティ強度が高まる一方で、複数ツールのログ確認に手間が発生してセキュリティ担当者の負担が増加しています。また、重要なログを見逃すリスクもあるでしょう。SIEMを活用すればログを一元管理できるため、セキュリティ担当者は複数のツールを個別に確認する必要がありません。
なお、SIEMの詳細は以下をご覧ください。
⇒SIEMにより新たなセキュリティ対策を!機能やメリット、必要とされる背景
データ暗号化ツール
データ暗号化ツールとは、保存されている情報を暗号化するソリューションのことです。データを暗号化すれば、不正アクセスされたとしても情報を悪用されるリスクを抑えられます。最近は、AES暗号やRSA暗号を用いたツールが多数開発・提供されています。
なお、AES暗号やRSA暗号の詳細は以下をご覧ください。
⇒AESとは?他の暗号化方式との違いや使用方法を解説
⇒RSA暗号とは?仕組みや安全に利用するポイント、他の暗号方式を解説
まとめ

ディープウェブとは、普通の検索エンジンではアクセスできないインターネット領域のことです。必ずしも危険性や違法性があるわけではなく、オンラインバンキングや企業データなどが保存・管理されています。権利を有する者が適切な認証を行わなければアクセスできないため、機密データの安全な管理に役立つでしょう。
ただ、近年のサイバー攻撃は高度化・複雑化しており、ディープウェブでも不正アクセスや情報を盗まれる恐れがあります。万が一、情報漏洩が発生すれば企業の信用やブランドイメージが低下するため、情報漏洩を素早く察知して、適切な対応を取れる体制構築も重要です。情報漏洩監視ツール「ダークウェブアイ」は、会社のドメイン情報を入れるだけで「いつ」「どこから」「どんな情報が」漏れてしまったのか、一瞬で分かります。
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