情報セキュリティとは?サイバーセキュリティとの違いや被害と対策を解説
情報セキュリティとは企業の情報を守る取り組みです。サイバー攻撃による金銭的被害や信用失墜のリスクを回避するため、パスワード管理やセキュリティツール導入、従業員教育など、個人・企業レベルでの対策が必須です。
目次
情報セキュリティとは、企業が保有する書面やデジタルデータなどの情報を守る取り組みのことです。情報資産の重要性が増すとともに、データを盗むサイバー攻撃が増加しています。情報セキュリティを怠れば、金銭的被害の発生や信用の失墜につながるでしょう。
本記事では、情報セキュリティの概要や危険なサイバー攻撃・リスク、情報セキュリティ強化に役立つ対策について詳しく解説します。情報セキュリティについて知りたい方、強化したい方は、ぜひ参考にしてください。
情報セキュリティとは
情報セキュリティとは、企業や組織が保有する情報を守る取り組みのことです。具体的には、書面や情報が保管されているデバイス・サーバー、情報自体を守ることが該当します。
ここからは以下の事項について解説します。
- 情報セキュリティを構成する3つの要素
- 【2025年度版】IPAが発表した10大脅威
- サイバーセキュリティとの違い
情報セキュリティを構成する3つの要素
一般財団法人日本規格協会(JSA)が定める「JIS Q 27002」によれば、情報セキュリティは以下3つの要素で構成されています。
- 機密性:権利を有する人のみ情報へのアクセスや利用ができる
- 完全性:情報が改ざんされたり破損したりしていない
- 可変性:情報をいつでも活用できる
上記3つの条件を満たしている場合、情報セキュリティが保たれているといえます。
【2025年度版】IPAが発表した10大脅威
デジタル化の推進などにより情報資産の重要性が高まっており、情報を狙ったサイバー攻撃も増加しているため注意が必要です。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が発表した「情報セキュリティ10大脅威 2025」は以下の通りです。
情報セキュリティ10大脅威は、IPSが候補を選出した後に約200名の情報セキュリティ分野における研究者や企業の実務担当者などで構成された選考委員会にて審議・投票を行い、決定されています。
サイバーセキュリティとの違い
情報セキュリティとサイバーセキュリティは混同されがちですが、両者は保護対象と範囲が異なります。情報セキュリティの場合、保護対象は書面・データに関わらず全てです。一方、情報セキュリティの場合はデジタルデータのみが対象になります。また、情報セキュリティは情報資産が保護対象です。サイバーセキュリティの場合は、デジタルデータに加えネットワークやシステムなども保護の対象です。
なお、サイバーセキュリティの詳細は以下をご覧ください。
⇒サイバーセキュリティとは?種類や代表的なサイバー攻撃、基本的な対策を解説
情報セキュリティを怠った場合の被害
情報セキュリティを怠った場合、大きく以下2つの被害を受けます。
- 金銭的被害の発生
- 信用の失墜
順に解説します。
金銭的被害の発生
情報セキュリティを怠った場合、金銭的な被害が発生するリスクがあります。例えば以下が該当します。
- 情報が漏洩した顧客に対する賠償金
- 原因を究明するためのコスト
- 情報や情報システムの復旧、保護するコスト
- 再発防止に向けた対策実施のコスト
例えば、個人への賠償金支払いは一人あたりの金額が少ないものの、情報漏洩人数が多ければ総額は莫大になります。また、管理がずさんだったり情報漏洩の事実を個人情報保護委員会へ報告しなかったりすれば、罰金の支払いを命じられるケースもあります。
⇒情報漏洩による損害賠償とは?事例5選や企業に与える影響、対策まで徹底解説
⇒個人情報保護法の罰則とは?概要や罰則以外のリスク、違反を防止するための対策を解説
信用の失墜
信用の失墜も情報セキュリティを怠った場合に発生する大きなリスクです。近年は、プライバシー保護に関する注目が高まっており、保有する個人情報が漏洩すれば企業の信用やブランドイメージが低下するでしょう。顧客離れの原因となり、最悪の場合事業の継続が困難になる恐れもあります。
また、機密情報が漏洩した場合、企業競争力が損なわれるリスクも存在します。
危険なサイバー攻撃やリスク
情報セキュリティを脅かす事象は数多く存在します。ここからは、以下の危険なサイバー攻撃やリスクを紹介します。
- 不正アクセス
- 標的型攻撃
- Emotet
- ランサムウェア
- サプライチェーン攻撃
- ゼロデイ攻撃
- ヒューマンエラー
- 従業員による不正
- 自然災害
不正アクセス
不正アクセスされれば、情報を盗まれたりデータを改ざんされたりします。個人の場合、クレジットカードやインターネットバンキングの情報を盗まれ、不正利用・送金されるリスクがあります。不正アクセスの原因は、認証情報の漏洩やデバイスの紛失・悪用など複数あるため注意が必要です。
標的型攻撃
標的型攻撃とは、ターゲットを定め最適な方法を選択して行うサイバー攻撃のことです。攻撃者は、事前に情報収集を行った上で最も効果的な手段を用いるため、高い成功率を誇ります。顧客情報や企業戦略など、機密性の高い情報を盗むことを目的に実施されます。
⇒標的型攻撃とは?仕組みから手法、対策方法まで徹底解説
Emotet
Emotet(エモテット)は、電子メールなどから感染するワームの一種です。Emotetに感染した場合、情報を盗まれたり別のマルウェアに感染して被害が拡大したりするリスクがあります。メールには、受信者が違和感を覚えないための工夫が施されており、多くの企業や組織が被害を受けた事例があります。
⇒ワームとは?ウイルスとの違いや代表的な感染経路、感染時の対処法と感染防止策を解説
⇒Emotet(エモテット)とは?被害事例や感染した場合の対処法と予防方法を解説
ランサムウェア
ランサムウェアとは、感染したデバイスのロックやデータの暗号化を行い、解除を条件に金銭を要求するサイバー攻撃のことです。要求通り金銭を支払ったとしても、解除される可能性はほとんどありません。追加で金銭を要求されるケースもあります。
⇒ランサムウェアとは?手口や対策まで詳しく解説
サプライチェーン攻撃
サプライチェーン攻撃とは、関連会社や取引企業を経由して最終ターゲットとなる大企業に不正アクセスするサイバー攻撃のことです。大企業は高度なセキュリティ対策を行っている一方、中小企業ではセキュリティ対策が行き届いていない場合があります。サプライチェーン攻撃では、セキュリティ強度の低い関連会社を通じてターゲットに攻撃を仕掛けます。
⇒サプライチェーン攻撃とは?攻撃された場合のリスクや被害事例、防止策を解説
ゼロデイ攻撃
ゼロデイ攻撃とは、OSやソフトウェア、ネットワーク上に存在する脆弱性の修正プログラムが提供される前に行われるサイバー攻撃のことです。多数の企業は多くのシステムを活用しており、全てのシステムにおける脆弱性の解消は困難なため、ゼロデイ攻撃を未然に防ぐことは簡単ではありません。
⇒ゼロデイ攻撃とは?主な手口や被害事例、対策と受けた際の対処法を解説
ヒューマンエラー
ヒューマンエラーも情報セキュリティにおけるリスクの一つです。具体的には以下が該当します。
- 関係ない人に重要なデータをメール送信した
- デバイスやUSBメモリを紛失した
- 社外での会話で情報が漏洩した
従業員の何気ない行動から情報が流出するケースも少なくありません。
従業員による不正
従業員の不正にも注意が必要です。企業の機密情報を盗み出し、ライバル企業などに売り渡す従業員がいる可能性もあります。また、従業員が会社に恨みを持ちデータを改ざんする可能性もゼロではありません。
自然災害
自然災害により情報セキュリティが損なわれるケースもあります。例えば、オンプレミスサーバーが以下により故障すれば情報にアクセスできなくなるでしょう。
- 地震
- 台風
- 洪水
- 落雷
- 火事
また、海外の拠点に重要な書類がある場合には、デモやテロが原因で閲覧できなくなるリスクもあります。
情報セキュリティ強化に役立つ対策
最後に、情報セキュリティ強化に役立つ対策を以下に分けて解説します。
- 個人が取り組むべき対策
- 企業・組織が取り組むべき対策
個人が取り組むべき対策
個人が取り組むべき対策は以下の通りです。
- OSのアップデート
- 複雑なパスワードの設定
- メールへの注意
- 個人情報の慎重な取り扱い
順に解説します。
OSのアップデート
OSは随時アップデートを行い、最新版を保つようにしましょう。OSのアップデートにより、脆弱性をなくすパッチ提供が行われるケースがあります。また、不具合の解消や新たな機能の追加も行われます。
⇒OSのアップデート手順をデバイス別に紹介!メリットや実施前にすべきことも解説
複雑なパスワードの設定
複雑なパスワードの設定も情報セキュリティ強化の基本です。最低でも12文字以上で、アルファベットの大文字・小文字や数字、記号を組み合わせたランダムな文字列にすることが重要です。また、従来のパスワードよりもセキュリティ強度の高いパスフレーズの利用も良いでしょう。パスフレーズとは、複数かつランダムな単語で構成されたパスワードのことです。
⇒漏洩の危険があるパスワードの特徴とは?漏洩対策や漏洩した時の対応策を徹底解説!
⇒パスフレーズとは?パスワードとの違いやメリット・デメリットや設定のポイントを解説
メールへの注意
身に覚えのないメールへの注意も欠かせません。多くのサイバー攻撃では、メールに添付されたファイルのダウンロードや記載されたリンクのクリックにより、ウイルス感染などを狙っています。不審なメールが届いた際には即時削除しましょう。残しておくと、後日間違えて開封してしまう恐れがあります。迷惑メール対策機能などを活用して、不審なメールを受信しない取り組みも重要です。
⇒迷惑メールの放置は危険!理由や受信時の対処・予防法について解説
⇒迷惑メールへの対処法とは?受信する原因や予防する方法を解説
個人情報の慎重な取り扱い
個人情報の扱いにも注意が必要です。会員登録などで個人情報の入力を求められるケースがありますが、登録すべきかは慎重に検討しましょう。当然ですがSNSに個人情報を記載してはいけません。
また、他者とデータ共有する際にも注意が必要です。クラウドサービスの普及により他者とのデータ共有が容易になりましたが、適切なアクセス権限を設定しなければ情報漏洩につながります。
企業・組織が取り組むべき対策
企業・組織が取り組むべき対策は以下の通りです。
- アカウント・権限管理の徹底
- 認証システムの利用
- データ暗号化ツールの導入
- データのバックアップ取得
- シャドーITへの対策
- セキュリティ対策ツールの利用
- ルールの整備
- 従業員教育の実施
- ISMS認証の取得
順に解説します。
アカウント・権限管理の徹底
アカウント管理の徹底が重要です。アカウントが複数あれば、サイバー攻撃で狙われるリスクが増加します。また、利用していないアカウントがある場合、乗っ取られても気付くのが遅くなり被害の拡大を招く恐れがあります。
権限管理も徹底しましょう。必要最低限の権限設定が基本です。入退社や異動なども発生するため、定期的に見直し適切な権限へ変更すると良いでしょう。
認証システムの利用
認証システムの利用も有効です。認証システムとは、情報にアクセスする権限を持っているユーザーかを確認してアクセスの許可を行うシステムのことです。認証システムを用いれば、権限を有していないユーザーはデータにアクセスできません。
データ暗号化ツールの導入
データ暗号化ツールの導入も情報セキュリティ強化に役立ちます。データ暗号化ツールとは、データの形式を変更して閲覧できないようにするテクノロジーのことです。不正アクセスされたり、デバイスを紛失したりした際の情報漏洩リスクを抑えられます。
⇒ファイル暗号化とは?行うメリットや実施方法、おすすめのツール8選を解説
データのバックアップ取得
データのバックアップ取得も重要です。サイバー攻撃や自然災害に遭っても、バックアップを取得していれば迅速に復旧できます。ランサムウェア対策にもなるでしょう。
シャドーITへの対策
シャドーITへの対策も欠かせません。シャドーITとは、企業が把握していないもしくは許可していないデバイスやサービスを活用することです。例えば、従業員が個人で所有するパソコンで業務を行うことが該当します。
個人のデバイスはセキュリティ対策が不十分なケースがほとんどです。また、情報漏洩などが起きても企業が気付きにくいため、被害が拡大しやすい傾向があります。
セキュリティ対策ツールの利用
セキュリティ対策ツールの利用も重要です。サイバー攻撃が増加・高度化するとともに、セキュリティ対策ツールも進歩しています。ただ、ツールは複数あり全てを利用することは困難です。自社の課題を分析して、優先順位を付け効果的なものから導入を進めましょう。
ルールの整備
ルールを整備することで情報セキュリティの強化を図れます。例えば、自己判断によるソフトウェア・アプリのインストールやUSBメモリなど外部記録媒体の利用を禁止すると良いでしょう。ルールの明確化は、外部からの攻撃だけでなく内部不正の防止にも役立ちます。
従業員教育の実施
定期的な従業員教育も実施すると良いでしょう。セキュリティ対策ツールなどを活用しても、従業員の不用意な行動が原因でサイバー攻撃を仕掛けられるリスクがあります。サイバー攻撃を受けた場合のリスクや避けるべき行動を定期的に伝え、リテラシーの向上を図ることが重要です。
ISMS認証の取得
ISMS認証の取得も情報セキュリティの強化に有効です。ISMS認証とは、情報を安全に管理する仕組みが整備されているかを第三者機関が評価して、要件を満たしている場合に取得できる認証のことです。認証を取得する過程で、問題点の洗い出しや対策の実施を行う必要があり、セキュリティ強化につながります。
まとめ
情報セキュリティとは、企業や組織が保有する情報を守る取り組みのことです。情報セキュリティを怠れば、金銭的被害の発生や信用の失墜につながるでしょう。近年は情報を盗む目的で行われるサイバー攻撃が増加しているため、注意が必要です。
情報セキュリティの強化には、複雑なパスワードの設定やセキュリティ対策ツールの利用、従業員教育の実施とルールの整備などが求められます。ただ、近年のサイバー攻撃は多様化・高度化しているため、完全に防ぐことが困難です。セキュリティ強化を図るとともに、情報漏洩に素早く気付き対処する体制の整備も重要です。情報漏洩監視ツール「ダークウェブアイ」は、会社のドメイン情報を入れるだけで「いつ」「どこから」「どんな情報が」漏れてしまったのか、一瞬で分かります。
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