二段階認証とは?認証方法やメリット・デメリット、注意点を解説
二段階認証とは、2回の認証プロセスを行うことでセキュリティ強度を高める方法のことです。二段階認証を用いれば、比較的手間なくセキュリティを向上できるでしょう。本記事では、二段階認証の概要やメリット・デメリット、利用時の注意点と有効活用のポイントについて解説します。
目次
二段階認証とは、2回の認証プロセスを行うことでセキュリティ強度を高める方法のことです。近年はサイバー攻撃が高度化しており、一度の認証のみでは不正アクセスされる可能性が高いため、必要性が増しています。二段階認証を用いれば、比較的手間なくセキュリティを向上できるでしょう。
本記事では、二段階認証の概要やメリット・デメリット、利用時の注意点と有効活用のポイントについて詳しく解説します。二段階認証について知りたい方、不正アクセスを防止したい方は、ぜひ参考にしてください。
二段階認証とは

二段階認証とは、データやアカウントへのアクセスにおける安全性を高める目的で、本人確認を2回に分けて実施する方法のことです。万が一、IDとパスワードが漏洩しても簡単にはログインされないため、セキュリティ強度が高まります。
ここからは、二段階認証に関する以下の事項について解説します。
- 必要な理由
- 設定しない場合のリスク例
- 実装されている主なサービス
二段階認証が必要な理由
二段階認証が必要な背景には、サイバー攻撃の高度化があります。従来のID・パスワードを用いて1回で認証を行う方法では、セキュリティ強度が不十分です。実際に以下は、国家公安委員会が発表した2023年における不正アクセス行為の認知件数データです。

出典:不正アクセス行為の発生状況及びアクセス制御機能に関する技術の研究開発の状況|国家公安委員会
上記によれば、2023年の不正アクセス行為認知件数は6,312件で、2022年と比べ4,112件(約186.9%)増加しています。近年は、ブルートフォース攻撃やリバースブルートフォース攻撃など、短時間でID・パスワードを特定して不正アクセスする攻撃手法も登場しており、従来の認証方法ではサイバー攻撃の防止が簡単ではありません。
ブルートフォース攻撃とは、IDを固定して考えられる全パターンのパスワード入力により不正アクセスを試みる方法のことです。リバースブルートフォース攻撃とは、パスワードを予測・固定してさまざまなIDを試して、不正ログインを試みる総当たり攻撃のことを指します。
ブルートフォース攻撃・リバースブルートフォース攻撃の詳細は、以下をご覧ください。
⇒ブルートフォース攻撃とは?被害例や対策をわかりやすく解説
⇒リバースブルートフォース攻撃とは?仕組みや被害事例、防止策を解説
二段階認証を設定しない場合のリスク例
二段階認証を設定しない場合、不正アクセスやアカウントの乗っ取りに遭うリスクが高まり、その結果以下の被害が発生するでしょう。
- 住所や氏名、クレジットカード情報など個人情報の漏洩
- 機密データの持ち出し
- デバイスのロックやデータの暗号化と金銭の要求
- Webサイトやデータの改ざん・削除
- メールやSNSアカウントの乗っ取り
メールアカウントが乗っ取られれば、そのアカウントを他社へ攻撃する際に悪用される恐れがあります。また、悪意ある第三者が自社のWebサイトやSNSアカウントを悪用して、個人情報を収集する可能性もあるでしょう。サイバー攻撃を受ければ、影響が自社のみに留まらず拡大する恐れがあります。
二段階認証が実装されている主なサービス
最近は、多くのシステムやサービスに二段階認証が実装されています。主なサービスは以下の通りです。
| 種別 | サービス名 |
|---|---|
| ECサイト | Amazon・楽天 |
| Web会議システム | Zoom・Microsoft Teams |
| インターネットバンキング | 三井住友銀行・楽天銀行・イオン銀行 |
| オンライン決済 | JCB・VISA・PayPay |
| Eメール | Gmail・Outlook |
| SNS | Facebook・X(旧Twitter) |
| ホスティングサービス | AWS・Microsoft Azure |
| 業務ソフト | Google Workspace・Microsoft 365・Slack |
| ストレージサービス | OneDrive・iCloud |
二段階認証を利用可能なサービスでは、設定を行いセキュリティ強度を高めると良いでしょう。
二段階認証・二要素認証(多要素認証)との違い

二段階認証と二要素認証は双方とも認証におけるセキュリティを強化するテクノロジーですが、仕組みが異なります。二段階認証は認証プロセスが2回に分かれているのに対して、二要素認証は以下の内2種類の要素を組み合わせて認証を行います。
- 知識認証:ID・パスワードなど本人だけが知っている情報を用いた認証
- 所有物認証:スマートフォンなど本人のみが保有するモノを用いた認証
- 生体認証:指紋や顔、音声など本人における固有の身体的特徴を用いた認証
- 場所認証:ユーザーの位置場所やIPアドレスなどを基に行う認証
二段階認証は認証プロセスの回数に重点が置かれているため、例えば知識認証が2回行われるケースもあります。一方、二要素認証を含めて2つ以上の要素を活用した認証は多要素認証(MFA)とも呼ばれており、異なる認証方法を用いてセキュリティを強化しています。
なお、多要素認証の詳細は以下をご覧ください。
⇒MFA(多要素認証)とは?仕組みやメリット・デメリット、導入方法を解説
二段階認証で活用される認証方法

ここからは、二段階認証で活用される以下の認証方法について解説します。
- SMS
- Eメール
- 音声通話
- アプリ
- 物理的端末
- セキュリティの質問
- トークン
SMS
携帯電話の番号に届くコードを活用して認証を行う方法です。携帯電話がなければログインできないため、ID・パスワードが流出しても不正アクセスを防止でき、多くのサービスで活用されています。格安のスマートフォンやSIMを利用している場合には、SMSを利用できないケースもあるため注意しましょう。
Eメール
事前に登録したメールアドレス宛に届くコードを用いて認証を行う方法です。多くの場合、ワンタイムパスワードが届きますが、URLが届きサイトにアクセスして認証を行うケースもあります。メールアドレスを変更した場合には、併せて認証アドレスの再設定も行いましょう。
音声通話
登録した電話番号宛に着信があり、自動音声で認証コードが伝えられるものです。視覚障害者でも利用しやすい一方で、高齢で耳が遠い人や聴覚障害者にとっては利用しにくいデメリットがあります。
アプリ
スマートフォンアプリを活用して認証を行う方法です。一言でアプリと言っても認証方法はさまざまです。例えば、汎用性のあるアプリや独自のアプリを活用して一定時間使える認証コードを取得し、そのコードを入力することで認証するものがあります。また、アプリに通知が届き許可した場合のみログイン可能になるケースや、顔・指紋認証・QRコードの読み取りを求められるケースも存在します。
物理的端末
USBメモリー型のデバイスなど物理的端末をセキュリティキーとしてアカウントと紐付け、認証を行う方法も存在します。事前に登録が必要で、セキュリティキーの紛失・破損によりログイン不可になるリスクはありますが、高いセキュリティレベルを実現可能です。近年は、USB型だけでなくBluetoothで接続するタイプなども存在します。
セキュリティの質問
ユーザーが事前に「秘密の質問」を登録しておき、それに回答することで認証を完了させる方法です。具体的には「一番年上のいとこの名前は?」や「両親が出会った街は?」「小学校3年生のときの先生の名字は?」などの質問が該当します。自分で自由に質問を決められるケースもあります。
トークン
トークンを生成するためのソフトウェアや機器を用いてワンタイムパスワードを発行し、認証を行う方法です。パスワード発行に用いるものは、キーホルダーやカード、USB型などさまざま存在します。外部端末を利用するため、比較的セキュリティ強度が高いでしょう。
二段階認証のメリット

二段階認証には以下のメリットが存在します。
- セキュリティが向上する
- 導入ハードルが低い
順に解説します。
セキュリティが向上する
二段階認証における最大のメリットは、セキュリティの向上です。IDやパスワードが流出したとしても、簡単には不正アクセスされません。最近は、認証情報を特定するサイバー攻撃が多く存在します。また、一度流出すればダークウェブで取引されるケースもあり、多くの被害が発生する恐れがあるでしょう。
ダークウェブとは、GoogleやYahoo!などの一般的な検索エンジンでは見つけることができず、匿名性が高く非合法の物品やコンテンツが取引されているWebサイトのことです。
ダークウェブの詳細は以下をご覧ください。
⇒ダークウェブとは?仕組みや被害事例、対策まで徹底解説!
導入ハードルが低い
導入ハードルが低い点も二段階認証のメリットです。日々新しいサイバー攻撃が生み出される一方で、それを防ぐツールや手法も誕生しています。中には、大がかりなシステムや機器の導入が必要になり、多くの手間とコストが必要なものも存在します。
二段階認証の中にも外部機器が必要なものが存在しますが、SMSやEメールアドレスなどを利用するものであれば、比較的簡単に導入可能です。自社の状況とセキュリティ強度を考慮しながら、利用する手法を選択すると良いでしょう。
二段階認証のデメリット

メリットがある一方で、二段階認証には以下のデメリットも存在します。
- 利便性の低下を招く可能性がある
- 全てのサイバー攻撃に有効なわけではない
順に解説します。
利便性の低下を招く可能性がある
二段階認証はユーザーの利便性低下を招く恐れがあります。ユーザーは、一つのサービスやツールにアクセスするたびに2回の認証が必要です。使うサービスなどが少なければ問題ありませんが、業務改善や企業競争力の向上を目的に近年は多くの企業が多数のツールを導入しています。複数のサービス・ツールで2回の認証が必要とされれば、入力の手間が負担となるでしょう。
全てのサイバー攻撃に有効なわけではない
二段階認証を用いたとしても、全てのサイバー攻撃を防げるわけではありません。例えば、悪意ある攻撃者が本物に似せたWebサイトを作り、ユーザーが騙されればログイン情報とワンタイムパスワードなどが盗まれる恐れがあります。二段階認証の活用も重要ですが、不審なメールやサイトへの警戒も怠らないようにしましょう。
二段階認証の導入方法

二段階認証を導入したい場合は、まず利用しているツールやサービスで二段階認証を設定できるか確認しましょう。設定方法は、多くの場合マニュアルやFAQなどに記載されています。不明点があれば、サービス提供事業者に連絡すると良いでしょう。最近は、設定を代行するサービスを提供している企業もあるため、自社での設定が難しければ代行サービスの利用もおすすめです。
二段階認証利用時の注意点

続いて、二段階認証利用時における以下の注意点について解説します。
- 認証用デバイスの取り扱い
- 機種変更時の設定
認証用デバイスの取り扱い
認証用デバイスの取り扱いには十分注意しましょう。例えば、SMSやEメールアドレス宛にコードを送る認証を利用する場合、スマートフォンを盗まれれば不正アクセスされてしまいます。また、他者の手に渡らなくてもログインできなくなるリスクが存在します。
機種変更時の設定
二段階認証に使っていた端末を変更する場合には、再設定を忘れずに行いましょう。認証方法によっては、一度設定を解除した上で再設定が必要なものも存在します。電話番号やメールアドレスが変わるケースも、再設定が必要です。
二段階認証を有効活用するポイント

最後に、二段階認証を有効活用する以下のポイントを紹介します。
- 高度なパスワードの設定
- 端末の使い分け
高度なパスワードの設定
二段階認証の有効活用には、高度なパスワードの設定が重要です。二段階認証を利用したとしても、不正アクセスを完全に防止できるわけではありませんが、特定されにくいパスワードを設定することでセキュリティを強化できます。
推測されにくいパスワードとは、10文字以上のランダムな文字列でアルファベットの大文字・小文字、数字、記号を組み合わせたもののことです。また、パスワードの使い回しも避けましょう。定期的なパスワード変更を行えば、不正アクセスされる可能性を下げられます。
なお、推測されにくいパスワードの詳細は以下をご覧ください。
⇒漏洩の危険があるパスワードの特徴とは?漏洩対策や漏洩した時の対応策を徹底解説!
端末の使い分け
端末の使い分けも、二段階認証を有効活用するポイントです。全てを一つの端末で完了できれば利便性は高まりますが、セキュリティ強度は低くなります。手間とセキュリティ対策のバランスを考慮して、端末の使い分けを行いましょう。
まとめ

二段階認証とは、データやアカウントへのアクセスにおける安全性を高める目的で、本人確認を2回に分けて実施する方法のことです。サイバー攻撃が高度化しており、従来のID・パスワードを用いて1回で認証を行う方法では、セキュリティ強度が不十分なため必要性が増しています。二段階認証を活用すれば、比較的手間なくセキュリティを向上できるでしょう。
ただ、二段階認証を利用したとしてもサイバー攻撃を100%防ぐことは困難です。万が一、不正アクセスから情報漏洩が発生すれば企業の信用やブランドイメージが低下するため、情報漏洩を素早く察知して、適切な対応を取れる体制構築も進めましょう。情情報漏洩監視ツール「ダークウェブアイ」は、会社のドメイン情報を入れるだけで「いつ」「どこから」「どんな情報が」漏れてしまったのか、一瞬で分かります。
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