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RPAツールで業務を自動化し、効率化に成功した企業は多くあります。日本のメガバンクや、保険会社が競って導入し、例えば三井住友銀行の事例では年間100万時間以上も業務時間を削減した効果を出しています。
そんなRPAツールを今から導入する、あるいは、他のツールに切り替えてみようかな、という会社の担当者の方のために、RPAツールの最新概要と比較で選ぶ、おすすめツールをご紹介します。
会社のお悩みに合わせてツールをご紹介していますので、ぜひご活用ください。
目次
RPA(Robotic Processing Automation)ツールは、ロボティック技術を用いたPC上の作業を自動化するソフトウェアのことです。
ロボティック技術を用いている点では、FA(Factory Automation)と同様で、オフィスのロボットと呼ばれることもあります。
RPA導入のポイントは、得意業務にしぼった導入をすることです。そうすることで、導入作業も、効率化もスムーズに進められます。
RPAは、PC上の動きを再現することができるツールで「シナリオ」という一連の動きを記憶、再現することが得意です。
一方で、判断したり学習したりと、自立的に機械学習をするAIとは仕組みが違っており、定型的な業務が得意であるRPAは判断学習には向いていないとされます。
オフィス作業で、PCを使う定型的作業である限りは業務をこなすことができますが、高度な判断や学習を求めるにはAI機能を備えたRPAツールを選ぶ必要があります。
⇒バックオフィスのRPA導入は必須!手間のかかる業務こそRPAで効率化
RPAの業務は定型的なものであるため、例えば、転記・チェック・検索・データの収集や加工、整形・定型的な文書の作成・繰り返しの計算など、単純な業務を早く長い時間同じようにこなすことを求められているときに威力を発揮します。
Webアプリ上で、決まった操作を繰り返すようなことも、RPAツールの得意作業です。
⇒Excel(エクセル)業務をRPAで自動化!業務効率を向上させよう
しかし、RPAは、ある条件・数値を分類を超えて判断する業務、長すぎて複雑なシナリオの再現などの非定型的業務には向いていません。
そういう業務はAIと組み合わせることが必要と考えられます。
また、マクロが強い数値の置換などは、マクロのほうが作業効率は良いとされています。
RPAツールを導入すると、次のようなメリットが生じます。
順番に解説します。
RPA導入の最も大きなメリットは、業務の効率化を達成できることです。
たとえば、6時間かけて2人で行っていた転記作業が、RPA1台で15分といった劇的な成果が出ることは珍しくありません。
RPAを導入し、単純作業をうまくこなすことができれば、単純作業を行う人員が不足した場合に、さらに雇い入れを行うことが不要になることもよくあることです。
人手をRPAに置き換えられれば、人件費はそれだけ浮くことになります。
また、RPAは一度シナリオを覚えると、その後は同じ作業をし続けてくれるので、研修費・教育費を削減する効果も生まれます。
リスクマネジメント上も、単純ミスやクオリティのばらつきを抑えられるので、効果が出ます。クレームが減り、和解金などのリスク対策費用も削減できた保険会社等の事例は、こうしたRPAツールのメリットを生かしています。
反対に、以下のようなデメリットが生じることもあります。
RPAツールは、時々大きなエラーが出てしまい、作業のやり直し、あるいはシナリオの作り直しが必要になります。設定する際に十分なテストが必要です。
RPAツールの運用が数十台単位になると、管理ツールなどで集中管理をする必要があります。また、アクセス権限の管理は人と同様に行う必要があります。管理と業務の両立に、手間がかかると感じられることがあります。
数十台の運用となると、管理サーバ・管理ツールの運用管理を行うスキルを持ったIT人員の存在が欠かせないとされます。
その点、外注する、運用の一部または全部を例えばクラウド型RPAにして誰でも簡単に動かせる運用にする、内部で人を育て、権限移譲を進めるなど、こうした問題にも打ち手はあるように思われます。
かつては、RPAツールの導入の際に、コストが高いことがRPAの代表的なデメリットとされていました。しかし現在、クラウド型を中心にサブスクリプションモデルの利用料の支払いで、初期導入費用を抑える導入も可能です。
RPAツールはデジタルレイバーとよばれるRPAツールが動く場所によって大きく以下の3種類にわけられます。それぞれについて解説します。
デジタルレイバーが個人のPC内のみで働き、個別PCの作業を自動化するRPAツールです。PCにソフトウェアをダウンロードするだけで使えるため、小さな業務からRPAの導入をすすめることができます。ただし、RPAが作動している間は他の業務ができません。
デジタルレイバーがサーバー内で働き、ロボットと各PCを接続することで複数のPCをを一括して管理することができます。個人の作業だけではなく、部署全体での活用など組織的にRPAを活用する場合に向いています。そのため、デスクトップ型よりも初期費用等のコストがかかってしまうデメリットもあります。
インターネットを経由し、ブラウザなどのクラウドサーバー上での作業を自動化します。
ソフトウェアのインストールやサーバー環境を整える必要がなく、サーバー型よりも低コストで導入できることが多いです。そういった初期設定がない分管理のハードルが低く、IT人材不足の場合でも導入しやすくなっています。しかし、セキュリティ管理などは厳密に行う必要があります。
RPAは、対象業務さえ絞り込めていれば、導入すると高い確率で効果が出るツールです。
<比較の視点>
導入コスト・導入の工数・運用人員の確保・操作の使い勝手のよさ・管理の手間・セキュリティ・将来における運用の柔軟性 など
そこで、迷った時のヒントになるよう、製品を比較、導入・運用時の自社の悩みに合わせておすすめツールを厳選し20製品ご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
RPA Robo-Patは純国産のRPAツールでデスクトップ型で1台から、アプリケーションの種類をえらばず利用できます。
インターフェースが使いやすく、シナリオも技術者でなくてもドラッグアンドドロップで作成可能、コンセプトのとおり「プログラマーや技術者に頼らなくても、事業部門が自力で自動化できる」RPAツールです。
ユーザーの7割は中小企業、ライセンス価格は月12万円からと会社の規模を問わず使いやすい点も優れています。
RoboTANGOは、フローティングライセンス形式の国産RPAツールです。1ライセンスで複数のPCにインストールでき、契約期間中でもライセンス数を柔軟に増減できるため、小規模な試験導入から段階的な拡大まで対応しやすい点が特長です。PC画面上のカーソル操作を録画するだけでシナリオを作成できるため、RPA未経験の担当者でも短期間でロボットを構築・運用しやすくなっています。月額約6万5千円から利用でき、初めてRPAを導入する企業の1台目としても検討しやすいツールです。
マクロマンは、完全無料で利用できる国産RPAツールです。ロボットの数や実行回数に制限がなく、中小企業や個人事業主でも手軽に業務効率化を実現できます。ExcelやWebブラウザの自動操作に対応しており、サポートを希望する場合のみ有償となる仕組みです。コストを抑えて導入したい企業に最適です。
Autoジョブ名人は大阪のユーザックシステムによる国産RPAツールです。デスクトップ型RPAで、ブラウザ名人などいくつかのエディションが存在します。導入社数は国内900社以上の実績があり、比較的リーズナブルな価格設定です。初心者から中級者まで幅広く対応できる使い勝手の良さが特長です。
CELF RPAは、SCSK株式会社が提供するExcel感覚で使えるノーコード開発ツールとRPAを融合したサービスです。普段のExcel操作に近い見た目・使い勝手でアプリ開発からロボット作成までを同一環境で行えるため、プログラミング知識がなくても現場担当者が自力で業務効率化を実現できます。RPAオプションは1台あたり年間約4.2万円と非常にリーズナブルで、「1人1台のRPA」をコンセプトに小規模からの導入が可能です。30日間の無料トライアルも用意されており、スモールスタートしたい企業に最適です。
アシロボは、ディヴォートソリューション株式会社が提供する中小企業向けの国産RPAツールです。月額5万円で2ライセンス(PC2台分)利用でき、シナリオ本数・行数ともに無制限で24時間365日使い放題という価格設定が大きな魅力です。3画面構成のシンプルなUIで、プログラミング未経験者でも約7時間で習得可能。防衛省や野村證券から町工場まで幅広い導入実績があり、98%という高い利用継続率を誇ります。サポートや操作説明会も無料で提供されており、初めてRPAを導入する企業にも安心です。
MICHIRU RPAは、株式会社MICHIRUが提供するデスクトップ型の国産RPAツールです。初期費用10万円、月額5万円から利用でき、業界相場の1/3程度という低価格が特長です。画面録画機能を搭載しており、普段のマウス・キーボード操作をそのまま記録してシナリオを作成できるため、ITの専門知識がない現場担当者でも扱いやすい設計です。フローティングライセンス形式で複数端末にインストール可能、Chatworkとの連携による遠隔実行にも対応しています。
JobAutoは、株式会社シジャム・ビーティービーが提供する国産RPAツールです。月額4万円という低価格ながら、他社ではオプション扱いとなることが多いサーバ機能(バージョン管理・スケジュール実行・ログ管理)が標準搭載されている点が大きな特長です。仮想環境での動作にも追加費用なしで対応しており、長時間の連続稼働にも耐えられる安定性を備えています。操作方法も直感的で、マウス操作と簡単なキーボード操作だけでロボットを作成でき、導入後の短期間での自動化実現を可能にします。
ipaSロボは、株式会社デリバリーコンサルティングが提供するデスクトップ型RPAツールです。プログラミングなどの専門知識が不要で、作業ステップ単位にコマンドを設定するだけで業務の自動化が可能です。「どの業務にロボットを導入すべきか」「ロボットを作成する人材の確保・育成」などについて、RPAコンサルタントがプランニングからサポートしてくれるため、初めてRPAを導入する企業でも安心して取り組めます。操作方法が学べるオンライントレーニングやヘルプデスクも完備されています。
BluePrismは、英国発のRPAツールで、元祖RPAとも呼ばれています。
特に定評があるのは集中管理で、アクセス権をしっかり管理できるところです。その他にも、セキュリティ関連機能が充実し、金融機関や医療機関でも導入・運用実績が多いのです。一般のブラウザで専用ブラウザを必要とせず使えるため、使い勝手も上々です。導入は、年額138万円から、とされるため、1度の投資額としては少なくないものの、管理ツールが別売りでないこと、メンテナンスフィー込みであり、無料のガイダンス・研修プログラムも充実しています。医療機関・技術開発拠点など、セキュリティが気になる現場に規模を問わずおすすめできるRPAツールです。
AutomationAnywhereは、世界中で選ばれているRPAプラットフォームです。完全日本語によるサポート体制を持ち、24時間対応の質問し放題サービスを提供しています。DiscoveryBotという機能により、人が行う作業の中から自動化による効果が大きい業務を見極め、その業務を自動化するBotのプロトタイプ作成まで可能です。ExcelやSalesforceなどの日常的に使うシステムに組み込んで、拡張ツールのように直接使うことができる点も便利です。
UiPathはRPAツールの筆頭候補と言えるほど世界規模で活用されています。WindowsPCの操作を自動化することができ、UiPathを導入して業務を自動化することで、ヒューマンエラーの減少や生産性の向上が期待できます。リファレンスや学習用のEラーニングの日本語対応も充実しており、無料版でお試しすることが可能なため、海外産が多いRPAツールの中でも使いやすいものと言えます。
⇒UiPathとは?特徴や種類、他RPAツールとの比較まで解説
WinActorはNTTグループが提供している国産市場シェアNo.1のRPAツールです。直感的でわかりやすい仕様となっており、プログラミング初心者でも利用することが可能です。NTT独自の育成プログラムやサポート体制も整っていることも国産RPAシェアを高めている要因でしょう。Windowsアプリケーションのほとんどには対応しておりますが、MacOSには対応していないので注意が必要です。
BizRobo!はRPAテクノロジーズ株式会社が提供する、RPAサービスです。アメリカのKofaxが作成したRPAを元に開発されているシステムで、日本企業の現場で使いやすいように日本語化をはじめ細やかな改良が施されています。「BizRobo!Basic」「BizRobo!Lite」「BizRobo!mini」など活用方法によって異なるプランがあります。
SynchRoidは、ソフトバンクがRPAテクノロジーズ株式会社と共同開発した法人向けRPAツールです。「BizRobo!」をベースに開発されており、ノンプログラミングでロボット開発が可能な使いやすさが特長です。ライトパック(年額90万円)とベーシックパック(月額60万円)の2つのプランがあり、スモールスタートから大規模導入まで柔軟にスケールできます。ソフトバンク自身が社内で4,000人分の業務を自動化した実績があり、そのノウハウを活かした導入支援・研修サービスが充実しています。30日間の無料トライアルも利用可能です。
battonは、フルサポート型の国産RPAサービスです。RPAに適した業務整理やシナリオ設計をベンダー側で支援してくれるため、自社に専任人材が少ない場合でも導入・運用を進めやすい点が特長です。「まるごとbatton」プランでは、シナリオ作成や運用までを一括して任せることができ、社内の工数削減が期待できます。導入形態はクラウド型・オンプレミス型から選択でき、UIもスマートフォンアプリに近い直感的な操作性のため、現場部門でも扱いやすいRPAツールです。
AUTOROは、ノーコードでさまざまな業務を効率化できるクラウド型RPAツールです。メールの送受信・レポーティング作業・勤怠システム管理など、部門を問わず業務効率化できるロボットの構築が簡単に行えます。100種類以上のアクションを標準搭載しており、GmailやOneDriveなど、オフィスでよく使われるアプリケーションとのAPI連携も容易です。14日間の無料トライアルがあるため、初めて導入する企業にもおすすめです。
MicrosoftPowerAutomateDesktopは、Microsoft社が提供するRPAツールです。Windows10以上のユーザーであれば無償で利用可能で、基本的な自動化をすぐに実践できます。Microsoft製品との親和性が高く、日本語対応も充実しているため、入門用RPAとして敷居が低い点が特長です。企業規模に関わらず利用できますが、高度な機能を使う場合は有料プランへの移行が必要です。
Coopelは、ブラウザ上での操作を簡単に自動化できるクラウド型RPAツールです。操作の記録機能が充実しており、ブラウザを操作するだけでシナリオを作成できます。変数などの予備知識がなくても使用でき、チャットサポート体制も整っているため、初心者でも安心して利用できます。月額料金もリーズナブルで、スモールスタートに適しています。
ロボオペレータは、株式会社PKSHA Associatesが提供するAI-RPAツールです。初期費用0円で、1ライセンスから月額契約できる柔軟な料金体系が特長です。AI技術を活用した高精度な画面認識により、複雑な業務フローにも対応可能。回数無制限の専任担当者によるオンライン相談会や、豊富な学習コンテンツを無償提供するなど、手厚い伴走型サポートで導入を支援します。プログラミング知識不要のノーコード設計で、現場担当者でも直感的にロボットを作成できます。
RPAツールは種類もさまざまで料金形態もピンキリです。そのため、RPAツールを選ぶ際にはツールの特徴をつかみ、検討することが大切です。
RPAツールを選定する際には以下のポイントをチェックしておきましょう。
特にサーバー型やクラウド型を導入する際にはセキュリティの確認も必要となりますのでより慎重に行った方がよいでしょう。
RPAツールは、定型化された業務に絞り込んで導入すると、自動化により圧倒的な効率化を進められることが最大のメリットです。
製品選びの際には選択肢も多いので、この記事での比較の視点と、おすすめ製品を参考にして選定してみましょう。なお、使い勝手は触ってみないとわからない面もあります。ご紹介した製品にはトライアル版がありますので、触って比較することも大切です。
SMSデータテックでは「RoboTANGO」「UiPath」「WinActor」の導入・活用支援を含むRPA導入支援サービスを提供しております。RPAの導入にお困りの場合は是非ご相談ください。