UiPathとは?使い方や代表的なツール、他RPAツールとの比較まで徹底解説

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UiPathとは?特徴や種類、他RPAツールとの比較まで解説

RPAツールの1つとして、世界中で多くの導入実績がある「UiPath」ですが、日本国内でも多くの企業で導入されています。本記事では、UiPathとはどういったツールなのか、その使い方や代表的なツール、またその他のRPAツールについてもご紹介します。
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UiPathとは

UiPathとは、ルーマニアで創業した世界的に有名なRPAソフトウェアベンダーであるUiPath社によって提供されている、世界的に有名なRPAツールです。
世界中で4,000社以上に導入されており、日本国内においても金融機関や自治体などを中心に1,000社以上で導入されています。

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UiPathの仕組み

UiPathで重要な要素となるのが、WF(Windows Workflow Foundation)です。WFは、プロセスやタスクを効率的に管理するためのフレームワークであり、ユーザーはこれを用いて自動化ワークフローを設計します。ワークフローは豊富なアクティビティから組み合わせて構築できます。

WF(Windows Workflow Foundation)

WFは、ワークフローを視覚的に構築できるフレームワークです。UiPathでは、このWFを基にしたワークフロー設計が可能で、業務プロセスを明確に表現することができます。WFを利用することで、ユーザーは直感的に業務の流れを視覚化し、複雑なタスクを整理して自動化することができます。

ワークフロー

UiPathにおけるワークフローは、業務プロセスを示す一連のステップで構成されており、各ステップは特定のタスクを実行します。このワークフローの中では、条件分岐やループなどの制御構造も組み込むことができ、複雑な自動化プロセスにも柔軟に対応できます。

アクティビティ

ワークフロー内には「アクティビティ」が含まれ、これは具体的な作業や処理を実行する要素です。例えば、「データを取得する」「ファイルを保存する」「メールを送信する」といったアクションがアクティビティとして定義されます。UiPath Studioでは、豊富なアクティビティライブラリを利用して、ユーザーはこれらを簡単にドラッグ&ドロップしてワークフローを構築できます。

UiPathの特徴

UiPathには以下で紹介する4つの特徴があります。

互換性の高さ

UiPathは、個人として1つのアカウントから使用することもできますが、1,000台を超える大量のロボットを管理する大規模なアカウントまで使用が可能です。
また、GoogleやMicrosoftなどが提供している各種AIサービスとの連携も可能で高い拡張性を兼ね備えています。
そのため、自社の運用に即した形で柔軟にカスタマイズして利用ができます。

使い勝手に優れている

UiPathでは、自動化に利用する部品のことを「アクティビティ」という名称で呼び、アクティビティにはマウスの操作やExcelに対して、豊富な操作性があります。
複数のアクティビティを組み合わせることで、高度な操作でも簡単に自動化できます。

無料で利用できる

UiPathには、特定の条件を満たすことで無料で利用できる「Community Editionライセンス」が存在します。
このライセンスによって、UiPathの利用に対するハードルが下がり、多くのユーザーが利用することで、UiPathに関する技術情報が豊富にインターネット上に存在しています。

日本語サポートが充実している

UiPathは海外製の製品ですが、日本でも多くの企業で導入されており日本語のサポートも充実しています。
日本語のFAQフォーラムも充実しているため、困ったことがあってもFAQとサポートによって十分なサポートが受けられるでしょう。

UiPathの代表的なツール4選

UiPathにはさまざまなツールやプラットフォームが存在します。

カテゴリ UiPath
発見 Process Mining Task Mining Communications Mining Automation Hub
自動化 Studio Apps Integration Service Assistant
Robots Action Center Data Service Document Understanding
AI Center Marketplace    
運用 Insights Test Manager Orchestrator Automation Ops
Automation Cloud Automation Suite    

その中でも代表的な4つのツールを紹介します。

発見ツール「UiPath Automation Hub」

UiPath Automation Hubは、自動化の機会を特定し、優先順位をつけるためのツールです。
業務プロセスのデータを収集し分析することで、自動化に適したタスクを発見する手助けをします。ユーザーは、提案された自動化プロジェクトを評価し、チーム全体で共有することができるため、効率的な自動化戦略の策定が可能です。

自動化ツール「UiPath Studio」

UiPath Studioは、UiPathに搭載されている標準的なツールです。ユーザーが自動化プロセスを設計・開発するためのインターフェースを提供します。
ドラッグ&ドロップの直感的な操作により、プログラミングの知識がなくても簡単にワークフローを構築できます。豊富なアクティビティライブラリを活用し、業務プロセスを可視化することで、複雑なタスクの自動化が実現します。

自動化ツール「UiPath Robots」

UiPath Robotsは、設計されたワークフローを実行するための自動化ツールです。
主に有人ロボットと無人ロボットの2種類が存在します。Attended Robot(アテンドロボット)は、ユーザーの操作を支援し、リアルタイムで作業をサポートします。一方、Unattended Robot(アンアテンドロボット)は、ユーザーの介入なしに自動で業務プロセスを実行します。
これにより、24時間体制での業務遂行が可能となり、生産性の向上が期待できます。

運用ツール「UiPath Orchestrator」

UiPath Orchestratorは、UiPathのロボットを一元管理するためのツールです。
ロボットのデプロイ、スケジューリング、監視が行え、業務の透明性と効率性を高めます。Orchestratorを使用することで、複数のロボットを統合的に運用でき、エラーのトラッキングやログの管理も容易になります。
これにより、運用の最適化が図られ、ビジネス全体のパフォーマンスが向上します。

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UiPathの使い方

UiPathは、業務プロセスの自動化を実現するための強力なツールセットを提供していますが、その活用方法は多岐にわたります。

基本的な利用手順

UiPathの使い方は、業務プロセスの特定から始まり、設計、テスト、デプロイ、運用管理、改善に至るまで、一連のステップを経て進行します。この流れを理解し、各ツールを効果的に活用することで、業務の効率化と生産性向上を実現することができます。

  1. 自動化対象の特定
  2. ワークフローの設計
  3. テストとデバッグ
  4. デプロイと実行
  5. モニタリングと運用管理
  6. フィードバックと改善

1. 自動化対象の特定

まず初めに、自動化したい業務プロセスを特定します。
これには、UiPath Automation Hubを使用して、業務の中で繰り返し行われるタスクや、時間がかかる作業を見つけ出すことが重要です。複数のチームからのフィードバックを集めて、優先順位をつけることも効果的です。

2. ワークフローの設計

自動化対象が決まったら、次にUiPath Studioを使ってワークフローを設計します。
ここでは、直感的なドラッグ&ドロップのインターフェースを活用し、必要なアクティビティを選択してプロセスを構築します。条件分岐やループなどの制御構造も利用でき、複雑なプロセスにも柔軟に対応できます。

3. テストとデバッグ

設計したワークフローが完成したら、次はテストとデバッグを行います。
UiPath Studio内で、シミュレーションを通じて各ステップが正しく機能するかを確認します。この段階でエラーや問題点を修正し、期待通りの動作を確認することが重要です。

4. デプロイと実行

テストが完了したら、完成したワークフローをUiPath Orchestratorを使用してデプロイします。
ここで、ロボットをスケジューリングし、実行環境を設定します。Attended Robotを使用して、ユーザーのサポートを受けながら実行することも、Unattended Robotを利用して自動で業務を行うことも可能です。

5. モニタリングと運用管理

自動化が開始されたら、UiPath Orchestratorを通じてロボットのパフォーマンスを監視します。
エラーログの確認や処理状況の追跡を行い、必要に応じて調整を加えます。この運用管理により、自動化プロセスの最適化が図れます。

6. フィードバックと改善

自動化が進む中で得たフィードバックを基に、プロセスを継続的に改善します。
新たな業務ニーズに応じてワークフローを更新し、より効率的な自動化を目指します。UiPath Automation Hubを再度活用して、新たな自動化の機会を探ることも重要です。

RPAシナリオ作成の手順

今回は一般的に利用の多いUiPath StudioでのRPAシナリオ作成の手順を紹介します。
RPAシナリオとは?作成手順やポイントを徹底解説

  1. .Studioを起動する
  2. Backstageビューから新しいプロジェクトを作成する
  3. プロジェクトウィンドウでプロジェクトの目的を入力する
  4. プロジェクトの「作成」をクリックする
  5. アクティビティパネルから自動化するアプリケーションを指定する
  6. テキスト取得アクティビティから保存先を選択する
  7. 「ファイルを実行」をクリックしてシナリオを実行する

詳細な手順についてはこちらのページをご確認ください。

UiPathのプラン

UiPathは企業のさまざまなニーズに対応するために、4つのプランを提供しています。それぞれのプランは異なる機能やサポートを備えており、どのような規模の企業でも自動化の導入が可能です。導入前に自社の要件を明確にし、適切なプランを選ぶことが重要です。

以下に、各プランの特徴を紹介します。

Community

Communityプランは個人や小規模なチーム向けに提供される無料のプランです。UiPath Studio、Robots、Orchestratorの基本機能を利用でき、RPAの学習や実験に最適です。特に、自動化を始めたばかりのユーザーやスタートアップにとって、簡単に導入できるプランとなります。

このプランには決まった数のライセンスが含まれており、追加のライセンスはリクエストできません。追加のライセンスが必要な場合はProプランにアップグレードする必要があります。また、非商用目的での使用のみを想定しており、商用目的で使用する場合はFreeプランとなります。

Free

Freeプランは特定の機能を制限付きで提供する無料のプランで、商用目的で使用することが可能です。主に小規模なプロジェクトや個人の利用を目的としており、基本的な自動化機能にアクセスできます。

Pro

Proプランは、中小企業から大企業向けに提供される有料プランで、いくつかのプレミアム機能を利用できます。複数のロボットを活用して業務プロセスの自動化を実現するための機能が揃っており、スケーラビリティにも対応しています。効率的な業務運営を実現したい企業にとって、非常に有用なプランです。
60日間の無料トライアルプランもあり、機能を試すことも可能です。

Proプランで購入できるのは一部のライセンスのみです。このプランでは利用できないライセンスを取得するには、Enterpriseプランにアップグレードする必要があります。

Enterprise

Enterpriseプランは、大企業向けに設計された最も包括的なプランです。ユーザーのニーズに合わせて、ライセンスの種類と数をカスタマイズして購入できます。セキュリティ、管理、スケーラビリティに優れた機能が提供されており、複雑な業務プロセスの自動化にも対応しています。さらに、トレーニングやコンサルティングサービスが利用可能で、導入後のサポート体制も充実しています。

具体的な利用可能サービスについてはこちらをご覧ください。

その他のRPAツール

UiPath以外の代表的なRPAツールを紹介します。

WinActor

WinActor」はエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社によって提供されている操作性に優れている国内シェアNo.1のRPAツールです。
Windows上で全ての作業をすることができ、あらゆるアプリケーションの操作に対応しているので、さまざまな業務や大量の処理をRPAで行いたい企業におすすめです。
リモートでの利用が可能であったり、一元管理が可能だったりすることから、管理者の負担軽減にもつながります。
WinActorはPC1台からサーバーまで動作可能で、PCへインストール後すぐにお使いいただけます。

RoboTANGO

RoboTANGO」はスターティアレイズ株式会社が提供するライセンスの共有が可能となっているRPAツールです。
録画機能が搭載されているため、特殊な作業が必要なく簡単にロボットのシナリオが作成できます。
1ライセンス月額5万円、最低利用期間1か月から始められるので、初めてのRPA導入におすすめです。
無料トライアルも提供されているため、気軽に利用が始められます。

AUTORO

AUTORO」はオートロ株式会社が提供している、単純業務に特化して爆速で自動化処理ができるRPAツールです。
画面上での操作をロボットに記録させることで、簡単に単純業務が自動化できるため、ITに不慣れな企業であっても導入が容易にできるでしょう。
クラウド型のため、場所を選ばずに利用でき、PCを閉じていても起動することが可能です。
テレワークのある企業や土日・夜間も起動したい企業におすすめです。

OCEVISTAS

OCEVISTAS」は株式会社大崎コンピュータエンヂニアリングが提供している、デスクトップやクラウド、サーバーの複数タイプに対応しているRPAツールです。
従業員数100名以上の企業に限定されていますが、地方自治体向けのプランもあり、導入実績が豊富です。PCの稼働を邪魔することなく、バックグラウンドでの処理を実行することができます。
1か月の無料トライアルもあるため、気軽に利用できます

Automation 360

Automation 360」はオートメーション・エニウェア・ジャパン株式会社が提供している、AIを活用して業務の自動化から最適化までを支援してくれるRPAツールです。
自動化業務だけではなく、業務を調整し最適化することで生産性を高めたい企業にとっておすすめです。
無料トライアル期間は30日間用意されています。

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UiPathの学習方法

UiPathは業務プロセスの自動化を実現するための強力なツールですが、その活用方法を学ぶためには効果的な学習が重要です。自分のペースや学習スタイルに合った方法を選び、継続的に学ぶことで、RPAの専門知識を深めていくことができるでしょう。

以下では、UiPathを学ぶためのさまざまな方法を紹介します。

オンラインコース

UiPathが公式に提供しているオンラインコースを通じて、基礎から応用まで幅広く学ぶことができます。UiPath Academyでは、無償のトレーニングプログラムが用意されており、ビデオ講義やクイズを通じて実践的なスキルを身につけることができます。初心者向けの「RPA Developer Foundation」コースから、上級者向けの特化型コースまで、多様なコンテンツが揃っています。

製品ドキュメント

UiPathの公式ウェブサイトでは、豊富なドキュメントが提供されています。これには、各ツールの使い方や機能の説明、APIリファレンスなどが含まれています。特定の問題や機能について詳しく知りたい場合、公式ドキュメントを参照することで、深い理解を得ることができます。

コミュニティとフォーラム

UiPathのユーザーコミュニティは非常に活発で、フォーラムやSNSを通じて情報交換や問題解決が行われています。特に、UiPath Community Forumでは、他のユーザーと交流し、経験や知識を共有することができます。また、質問や相談をすることで、具体的なアドバイスや解決策を得ることができるため、学習の大きな助けとなります。

ハンズオンプロジェクト

実際に自動化プロジェクトに取り組むことで、学習を深めることができます。自分自身の業務プロセスやシンプルなタスクを自動化するプロジェクトを設定し、UiPath Studioを使って実装してみると良いでしょう。この実践的なアプローチにより、理論だけでなく実践的なスキルも身につけることができます。

セミナーとウェビナー

UiPathは定期的にセミナーやウェビナーを開催しており、最新の情報やトレンドを学ぶ機会があります。これらのイベントでは、専門家による講演やデモンストレーションが行われ、参加者は直接質問をすることもできます。業界の最新情報を得るだけでなく、ネットワーキングの場としても活用できます。

UiPathの導入事例

UiPathは多くの企業で業務プロセスの自動化を実現し、効率化やコスト削減に貢献しています。ここでは、具体的な導入事例をいくつか紹介します。

銀行業界:住信SBIネット銀行

住信SBIネット銀行は、UiPathを導入して業務の効率化を図り、特に住宅ローンの審査関連業務において成功を収めました。2016年の初めてのRPA導入では苦戦し、その後2017年にRPA推進室を設立し、UiPathを選定して再導入しました。
この取り組みにより、260を超える業務がRPA化され、94,830時間の業務削減を達成。具体的には、手作業で行っていた入力業務の自動化が進み、審査スピードが向上しました。RPA導入後は業務の見直し(BPR)が進められ、新たな業務プロセスも構築されています。

現在、RPAは業務に欠かせない存在となっており、社内の理解を深めるための啓発活動も行われています。住信SBIネット銀行は、今後もRPAのさらなる進化を目指し、業務の効率化と品質向上に取り組んでいく意向です。

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製造業界:NECマネジメントパートナー株式会社/日本電気株式会社

NECマネジメントパートナー株式会社と日本電気株式会社は、業務効率化を目的としてRPAを導入し、グループ全体の業務改革を推進しています。働き方改革や労働者人口減少の中、RPA導入により業務プロセス改革を進めています。
RPAの導入は2016年から始まり、経理財務部門が最初の対象でした。UiPathなど複数のRPAツールを活用し、業務の自動化を進めています。初年度には15万時間の業務削減を達成し、定性的な効果として社員の心理的負担を軽減するなどの成果も見られています。

今後はRPAの汎用性の高いロボットを開発し、グループ内でのさらなる浸透を目指しています。また、社外向けにRPA導入のノウハウを提供し、より多くの企業がRPAを活用できるよう支援する予定です。

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ヘルスケア業界:田辺三菱製薬株式会社

田辺三菱製薬株式会社は、UiPathを導入後3年半で、500以上のワークフローを作成し、約7万時間の業務効率化を達成しました。
自社内でのデジタル人材育成に注力し、「自走型」RPA開発体制を確立しました。これにより、現場の社員が自ら業務の自動化を発見・実行できるようになり、業務プロセスの合理化が進みました。特に、ホワイトカラーの業務効率化に重点を置き、デジタル技術を活用して新薬開発の生産性向上にも寄与しています。全社員を対象とした研修により、RPAの活用スキルを身につけた人材を増やし、デジタル変革の基盤を築いています。

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まとめ

今や、企業の生産性を高めるために必須と言われているRPAツールには、今回紹介した「UiPath」を始めとして、さまざまなツールが提供されています。
そのため、自社にとってどのツールが最適なのかを判断することが難しく、「RPAツールに興味はあるけど導入が進まない…」というケースも多いのではないでしょうか。

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