自動化ツールZapierとは?概要やできること

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業務上でWebサービス、クラウドサービスを利用することは、今や当たり前になっています。例えば、Webメールでメールを受け取る、フォームツールでアンケートを集める、カレンダーツールで日程の管理をする、クラウドストレージでファイルを共有する、など非常に利便性が高く業務効率を高める手法の一つとして定着していると言えるでしょう。

これらのツールは、提供しているベンダーが違えば簡単には連携できません。例えば、Google Formへの入力をMicrosoftのOutlookのカレンダーに入力することを考えると、ある程度の手間が必要です。せっかく業務を効率化しているのに、そこに手間がかかるのはもったいないと感じる方も多いでしょう。

Zapierは、これらのWebサービスを連携してワークフローを構築できるサービスです。人間の手作業では手間がかかるものも、効率化、自動化することができます。本記事では、Zapierについて概要、主な機能、活用事例などを紹介しています。業務効率化、自動化のヒントにしていただければ幸いです。

Zapierとは

Zapier(ザピアー)は米Zapier Incが提供するWebアプリケーションサービスです。Zapierを用いて、様々なWebサービスを組み合わせてワークフローを構築することができます。ノーコード(またはローコード)で対応するWebアプリケーションを組み合わせたワークフローを作成できるため、誰でもZapierを使って業務の効率化、自動化が図れます

Webアプリケーションですので、Webへの接続環境とPCがあれば、すぐに利用を開始できます。2023年10月時点で日本語のマニュアル等は提供されていませんが、アプリケーション上では日本語での入力も可能です。Google翻訳などと合わせて使うことで、英語が不得手な方も利用できるでしょう。

Zapierがもたらす主なメリット

今や、Webメールやクラウド上のストレージサービス、スプレッドシートなどのドキュメント、Notionなどのワークスペースなど、各種のWebサービスを利用して業務を行うことは一般化しています。また、企業によってはCRMとしてSalesforceやHubspotなどのクラウドサービスも利用していることでしょう。Zapierを利用すると、これらのWebサービスで行っている作業を連結してワークフローにすることができます

ワークフローは各作業を順番に実施してくれる仕組みですので、Webサービスを使った業務を人間が行っていた場合には、作業コストの削減、生産性の向上、人的ミスの減少などの効果が見込めます。ノーコード(ローコード)でワークフローが作れるため、プログラミングの知識がない人でも業務効率化、自動化を図れる点もメリットです。

Zapierの大きな特徴は各種のWebサービスと連携できること

Zapierの持つ大きな特徴としてGmailをはじめとした様々なWebサービスと連携できることがあげられます。Googleのサービスに限らず、Microsoft、Slack、Salesforce、Hubspot、DropboxなどメジャーなWebサービスの多くに対応しています。

2023年10月時点で、6,568種類のアプリケーションに対応しており、今後も対応するアプリケーションは増えていくでしょう。これだけ多くのアプリケーションに対応していることにより、幅広い業務に活用することが可能となっています。

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Zapierの主な機能

Zapierの主な機能について説明します。

ワークフロー=ノーコードの業務自動化アプリケーションが作成できる

中心となる機能は、Webアプリケーションを組み合わせてワークフローを構築することです。ここでいうワークフローとは、さまざまな仕事を組み合わせて一連の仕事を実施することを指しています。ZapierではワークフローをZap(ザップ)と呼んでおり、複数を定義することが可能です。

例えば、Gmailのアドレスに送られてきたメールから特定のキーワード(「注文」など)を見つけたら、担当者にSlackで通知を送り、メールの送信者や本文などの情報はサイボウズのkintoneに格納する、といった一連の業務をワークフローとして定義することが可能です。

各種のWebサービス、アプリケーションの機能を利用できる

6,000を超えるWebサービスを組み込めるよう対応しているため、便利なWebサービスの機能をワークフロー内で利用することができます。既存業務でWebサービスを利用している場合にも、その実行方法を変更せずに利用できます。

ワークフローの実行、履歴の管理

Zapierではワークフロー(Zap)を定義できるとともに、その実行や履歴管理の機能も提供しています。

例えば、毎日行っている定常業務の流れをワークフローとして定義しておきます。そして、毎日決まった時間にワークフローを実行するようにスケジューリングしておくことで、定常業務を自動化することができます。

定期的な実行の他にも、メールを受け取った際、フォームへの入力を受け取った際などの特定の事象もワークフロー実行のトリガーとすることが可能です。

Zapierの活用事例

より具体的に、Zapierを業務で利用する例について考えてみましょう。

マーケティング

マーケティング担当者の業務での利用例として、見込み客のアクションに対しメールリストへ自動追加をするワークフローが考えられます。また、SNS投稿のスケジューリングなどでも活用が可能です。

営業

営業担当者の業務であれば、リードがフォームに入力した情報をCRMへ自動追加するような使い方も想定できます。また、案件に進捗があった際には、トリガーを設定しておき、次のアクションの通知を自動化することも可能です。

業務オペレーション

その他の業務のオペレーションでは、タスクの自動的なアサインやファイルの自動保存・共有の仕組みを作っておくことで業務効率化が図れます。

自動化ソリューションによる業務の最適化へ

Zapierを活用することで多くの業務自動化が実現可能です。そして、より成果の高い自動化や業務プロセスの最適化を求める場合には、複雑な自動化を図る必要があります。

SMSデータテックでは、より高度な業務最適化、自動化に対するニーズに応えるため、自動化ソリューションをご提供しております。自動化のコンサルティングから、RPAの導入、そしてその後の運用までを一貫してサポートするサービスです。Zapierだけではカバーしきれない高度な自動化ニーズにも対応しています。

Zapierを導入することのメリット

Zapierを業務に導入した場合のメリットには、下記が挙げられます。

時間節約と効率化の実現

Zapierを使うことで人間が行っていた作業をワークフローで自動化できるため、作業コスト・時間の節約を行い、業務の効率化を実現できます。複数の業務で活用できれば、より高い効果が期待できるでしょう。

エラーの減少

人間の手作業では、どうしてもミスが起こってしまいます。ワークフローにより人間の手作業を置き換えることで、業務で起きるミスも減らすことが可能です。

例えば、情報の転記をするだけでも人的エラーの発生リスクがあります。ワークフローで転記作業についても項目の指定ができていれば、自動的に正しく転記を実施できます。

チームの生産性の向上

ワークフローを用いて、チーム内の連携効率を高められることも大きなメリットです。SlackやChatwork、Teamsなどの通知をワークフロー内に組み込むことで、業務の流れの中での連携、連絡をスムーズにし、チーム全体での生産性向上につなげることが可能です。

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Zapierの料金プランとその特徴

Zapierには無料プランから様々なグレードの有料プランが存在します。これらのプランでは、ワークフロー(Zap)の複雑さや実行できるタスク数の制限があります。概要は下記の通りです。

  • Free
    価格(月額):0円
    実行可能タスク(1か月あたり):100タスク
    特徴:・1ステップ分のZap作成
       ・ノーコードでのワークフローエディタ
  • Starter
    価格(月額):3,051円
    実行可能タスク(1か月あたり):750タスク
    特徴:Freeに加えて
       ・複数ステップのZap作成
       ・フィルターなどの機能他
  • Professional
    価格(月額):7,479円
    実行可能タスク(1か月あたり):2,000タスク
    特徴:Starterに加えて
       ・利用アプリの制限なし
       ・自動リプレイ機能他
  • Team
    価格(月額):10,531円
    実行可能タスク(1か月あたり):2,000タスク
    特徴:Professionalに加えて
       ・ユーザー数無制限
       ・プレミアムサポート他
  • Company
    価格(月額):要問合せ
    実行可能タスク(1か月あたり):要問合せ
    特徴:Teamに加えて
       ・チーム、ユーザーの管理権限機能
       ・高セキュリティ他

2023年10月7日時点での情報です。最新の情報については、こちらからご確認ください。

Zapierを試したい場合にはFreeプランから始めるとよいでしょう。複数ステップを持つワークフローを作って試すのであればStarterプラン、Starterでは実行回数などが足りない場合には、ProfessionalやTeamプランに移行します。より大規模に企業単位で利用したい場合には、Companyプランをご検討ください。

Zapierを始めるためのステップ

各種のWebサービスの利用を始めてみようとすると、手続きや作業が複雑で面倒に感じることがあります。Zapierは下記のステップで簡単に始めることができます。

アカウント作成、設定

Zapierのサイトよりアカウントを作成しましょう。「Sign Up」ボタンからアカウントを作成します。

また、時間をトリガーとする場合には、居住地のタイムゾーンを設定する必要があります。

Zapの作成

アカウントが作成できたら、早速Zapを作成しましょう。

Zapとは一連作業を繋げたワークフローのこと。ワークフローの開始契機となるTriggerと1つずつの作業であるActionを連ねて構成します。各種のWebサービスなどからTriggerやActionを構成可能です。

Zapの実行

作成したZapを実行してみましょう。トリガーの設定によって動作のさせ方は変わってきますが、トリガーから実行を開始して一連の処理が行われることを確認しましょう。

トラブルシューティングには

2023年10月7日時点で、Zapierのサイトの説明は日本語には対応していません。そのため、各種の情報はWeb翻訳などを利用して解読することがおすすめです。

トラブルシューティングのためには、「Help」「Developer Platform」が用意されています。

どのように業務を効率化するか、どんな時に適用できるかから検討する必要があり、上手く思いつかない場合には、専門家のアドバイスを受けるのも一つの手段です。

まとめ:効率化の一歩を踏み出す

ZapierはWebサービス、アプリケーションを使った業務をワークフローとしてまとめて利用できるWebサービスです。人間の手で行っていたWebツールを使った業務を、Zapierによって効率化・自動化することができます。

Zapierの活用による変革の大きさは適用する業務によって変わりますが、Webサービスを中心としている場合には、劇的な効率化が望めます。生産性の向上と人的リソース不足の解消に役立つでしょう。

また、普段利用しているWebサービスをそのまま利用できるため、今すぐに取り組めることも嬉しいポイントです。現状、無料で使っているWebサービスをそのまま利用して自動化できます。ハードルが低く、すぐに始められる効率化・自動化の手段です。

業務自動化や業務プロセスの最適化をお考えの方は、お気軽にご相談ください。

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