Gemini(ジェミニ)とは?特徴や使い方、活用事例を解説

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Gemini(ジェミニ)とは?

Geminiは、Googleが開発・提供している高い推論能力が特徴のAIツールです。無料でも利用でき、テキストの生成・要約・翻訳やコード生成、リサーチなどさまざまなシーンで役立ちます。ビジネスで利用すれば、業務改善が期待できるでしょう。

本記事では、Geminiの概要と特徴や活用事例、使い方について詳しく解説します。Geminiについて知りたい方、AIを活用して業務効率を高めたい方は、ぜひ参考にしてください。

Gemini(ジェミニ)とは

出典:Gemini公式Webサイト

Gemini(ジェミニ)とは、Googleが開発・提供している高機能な生成AIのことです。もともとは「Bard」という名称でリリースされていましたが、2024年2月に名称変更して「Gemini」になりました。

Geminiには無料プランが用意されており、Googleアカウントさえ保持していれば文章生成や要約、リサーチなど多様なシーンで活用可能です。また、他のGoogleアプリと連携でき、効率的なタスク処理に役立ちます。

Geminiの料金プラン

Geminiは、無料版(Gemini)と有料版(Gemini Advanced)の大きく2種類が提供されています。Gemini Advancedは月額2,900円(2025年1月時点)のAIプレミアムプランに入会すれば利用でき、以下が可能です。

  • Gemini 1.5 ProやUltraを含めた、全AIモデルの利用
  • PDFやWordファイルの読み込み
  • Pythonを活用したデータ分析
  • Gemini in GmailやGemini in GoogleドキュメントなどGoogleアプリ間の連携
  • 2TBまでのデータ保存
  • Google フォトで編集マジックを適用した写真の無制限保存
  • 新機能への優先アクセス

AIプレミアムプランには1ヵ月間無料で利用可能な期間が設けられているため、気になる方は利用すると良いでしょう。

Geminiの性能と安全性

続いて、Geminiの性能と安全性について解説します。

性能

Googleの調査結果によれば、Geminiは高いパフォーマンスを実現しています。Gemini Ultraは画像・音声・動画の認識や数学的推論など、AIの性能調査で広く利用されている32項目の業界ベンチマークにおいて、30項目が最高水準でした。MMLU(多領域の学術ベンチマーク)では90.0%を記録し、人間の専門家を上回りました。

実際に以下が、Googleが調査・発表したGeminiの性能に関するデータです。

出典:最大かつ高性能 AI モデル、Gemini を発表 – AI をすべての人にとってより役立つものに|Google

上記によれば、ほぼ全ての項目でChatCPT-4を上回っています。

安全性

Googleは、Geminiの安全性を高めることに力を入れており、以下の施策を実施しています。

  • 開発段階における安全対策の実施
  • 包括的な安全性評価の実施
  • レッドチームテストの実施

上記の施策によって、倫理的な問題やバイアス、誤情報の生成などが防止されており、Geminiは安全性の高さに関する高評価を受けています。ただし、100%安全とは言い切れません。情報漏洩などのリスクを防ぐために個人情報や機密データの入力を避け、責任を持った活用をしましょう。
参照:Introducing Gemini: our largest and most capable AI model|Google

ChatGPTとの違い

GeminiとChatGPTの主な違いは、以下の通りです。

  Gemini ChatGPT
開発・提供元 Google OpenAI
主な学習データ テキスト・画像・音声・コード テキスト
最大コンテキストウィンドウ 200万トークン 20万トークン
主な強み
  • 多彩なデータの処理
  • 最新の情報へのアクセス
  • 長いコンテキストウィンドウ
  • 高度な推論能力
  • 自然な文章生成
  • さまざまなタスクへの対応
  • API利用の容易さ
主な用途
  • 長文の要約
  • 複雑な質問への回答
  • 翻訳
  • 画像認識
  • 音声処理
  • チャットボット
  • 質問応答
  • 文章生成
  • 翻訳
  • コード生成

コンテキストウィンドウとは、一度に処理できるトークン数のことです。トークンとは、AIが文章の理解や生成を行うテキストの最小単位のことで、英語の場合は基本的に1単語1トークンですが、日本語の場合は1文字が複数トークンとして計算されます。コンテキストウィンドウが長いほど処理できる情報量が多くなるため、長文や複雑な質問に対応可能です。

Geminiの特徴と強み

次に、Geminiの特徴について解説します。

さまざまな種類のデータを同時に扱える

Geminiは、さまざまな種類のデータを同時に扱えるマルチモーダルなAIです。マルチモーダルとは、2種類以上の異なるデータや情報源を組み合わせて理解・処理する技術のことです。テキスト以外にも、画像や音声、動画など複数のデータを同時に認識・処理できるため、より高度なタスクをこなせます。

推論能力が高い

膨大なデータから識別が困難な知識を発見できる、高い推論能力もGeminiの特徴です。優れた能論能力により、複雑なテキスト情報や視覚情報を理解できる仕様になっています。Geminiの活用で、科学や金融など多彩な分野における研究・調査の加速が期待されています。

高品質のコードを生成できる

Geminiでは、高品質なプログラミングコード生成が可能です。現在の技術では、大規模かつ複雑なシステム・アプリのコード生成は困難ですが、小規模で簡易的なアプリであれば、適切に稼働するコードを生成してくれます。すでに、開発の現場でGeminiが利用されており、欠かせない存在です。また、コーディングだけでなく数学や理論的なコンピューターサイエンスの課題を解決するシーンでも利用されています。

Geminiの種類

続いてGeminiのモデルを紹介します。

Gemini Nano

Gemini Nanoは、Google製のスマートフォン「Google Pixel」やAndroid端末用に設計された軽量モデルです。効率的な処理を実現しており、デバイス上でタスクの実行や処理を行うため、インターネットに接続されていなくても活用できます。応答速度もスピーディーで、音声入力やテキスト要約、アプリ内での返信提案などで活用可能です。

Gemini Flash

Gemini Flashは、2024年5月にリリースされたGeminiの最軽量モデルです。大規模かつ高頻度なタスク処理を目的に開発されており、Gemini 1.5 Proの高い品質を維持しつつ処理スピードが高速です。一度で処理可能な情報量はGemini 1.5 Proの半分である100万トークンですが、データ量のセーブによりスピーディーな応答速度を実現しています。
無料でも利用可能ですが、機能や処理スピードに制限があるため、有効活用したい方は有料版を活用すると良いでしょう。

Gemini Pro

Gemini Proは、汎用性が高く幅広いタスクに対応できるモデルです。2024年2月には、アップロード版のGemini 1.5 Proがリリースされました。Gemini Flash同様、無料版でも利用できますが一部機能の制限があるため、本格活用したい方には、有料版の利用がおすすめです。

Gemini Ultra

Gemini Ultraは、Geminiシリーズのなかでもっとも高性能かつ最大規模のモデルです。多彩なデータを処理でき、複雑なタスクの実行や高度な推論が可能です。ビジネスや研究、データ分析など、専門性の求められるシーンで活用されています。

Geminiの活用事例

Geminiはさまざまなシーンで活用できます。ここからは、Geminiの活用事例について解説します。

文章の生成

Geminiは、WebコンテンツやSNS投稿などの文章生成で活用できます。1つのプロンプト入力で、文体や内容などが異なる3つの回答をアウトプットしてくれるため、もっとも適したものを利用可能です。また、メールの文面や資料作成でも役立ちます。

他の文章生成AIを知りたい方は、以下もご覧ください。
⇒【2025年最新】おすすめの文章生成AI24選!活用事例やポイント、注意点を解説

文章の要約

文章の要約でもGeminiは役立ちます。単純に長文を入力して要約を依頼することもできますが、Word・PDFファイルや手書き画像の文章も要約してくれます。また、WebサイトのURLを入力して、そのサイト・コンテンツの要約依頼も可能です。

多言語への翻訳

Geminiでは、さまざまな言語への翻訳も可能です。Gemini搭載のスマートフォンであれば、現地の言葉で記載された看板やメニューの写真を撮影し、翻訳の依頼もできます。

コードの生成

コード生成でもGeminiは役立つでしょう。以下を含めたさまざまなプログラミング言語に対応しており、適切に作動するコードを生成してくれます。

  • Python
  • Java
  • C++
  • Go

また、プログラムのバグを探すデバッグ作業にも、Geminiを活用できます。依頼すればエラー原因を丁寧に解説してくれるため、エンジニアの作業軽減とスキル向上に役立ちます。

他のコード生成AIについて知りたい方は、以下もご覧ください。
⇒【2025年最新】おすすめのコード生成AI12選!メリット・デメリットや活用事例と注意点を解説

リサーチ

Geminiは情報のリサーチにも有効です。GeminiはGoogleの検索エンジンと連動しているため、情報収集に適しており最新情報も入手できます。他の生成AIと異なり、インプットした時点までの情報しかアウトプットされず、生成情報が古いといった課題はありません。

また、Geminiにはハルシネーションチェック機能が実装されています。ハルシネーションとは、事実に基づかない情報を生成AIがアウトプットすることです。
利用方法は非常に簡単で「︙(ケバブメニュー)」を選択後「回答を再確認」をクリックするだけです。

出典:Gemini公式Webサイト

チェック完了後、Googleの検索結果と照合して正しいと認識された情報は緑マーカー、一致情報が見つからなかったもしくは異なる情報が見つかったものには、オレンジマーカーが付きます。

画像認識

Geminiでは、テキストだけでなく画像の認識機能も実装されています。プロンプト入力の際に、画像も含めた指示が出せるでしょう。また、画像データを活用した要約や翻訳も可能です。

Googleサービスとの連携

拡張機能の活用により、以下のGoogleサービスと連携できます。

  • Google Maps
  • YouTube
  • Gmail
  • Google ドライブ

連携させれば、YouTubeから必要な情報を得られる動画をピックアップしたり、生成したテキストをGmailで送ったりすることが可能です。

Geminiの使い方

Geminiの使い方は非常に簡単です。登録から実際の活用までのステップは、以下の通りです。

  1. Geminiの公式サイトにアクセスする
  2. 「Geminiと話そう」をクリック
  3. 表示された利用規約を確認後「Geminiを使用」をクリック
  4. チャット画面でプロンプトを入力してEnterを押す

Gemini活用におけるプロンプトのポイント

Geminiの効果的な活用には、入力するプロンプトの工夫が重要です。Gemini活用におけるプロンプトのポイントは、以下の通りです。

  • 箇条書きなども上手く使い、長文を避ける
  • 専門用語や略語などを使用しない
  • 例や文脈、背景なども伝える
  • 最初から完璧を目指さない

プロンプトを記載する際には、Geminiが理解しやすいような入力が重要です。また、回答に対して追加の情報入力などを行い、自分が欲しい回答を目指すと良いでしょう。

Geminiの将来性

Geminiは継続的な研究と開発が行われており、発展途上のテクノロジーです。すでに多くのシーンで利用されていますが、将来的には教育や医療、芸術など、より多彩で高度な分野における活躍が期待されています。Geminiを含めAI技術が進歩すれば、私たちの生活はさらに豊かさが増すでしょう。

ただ、AIには著作権の侵害や責任の所在における不明確さなど、多くの問題があります。Geminiの有効活用には、技術開発だけでなく倫理的な課題の解決や法規制の整備が必要でしょう。

まとめ

Geminiは、Googleが開発・提供している高機能な生成AIです。無料でも利用可能で、テキストの生成・要約・翻訳やコード生成、リサーチなどさまざまなシーンで役立ちます。

ただ、効果的な活用には入力するプロンプトへの工夫が重要です。Geminiを含め生成AIのアウトプット品質は、プロンプトの質に比例します。
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