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2021年のトレンドとして名前の上がってきたTX(トータルエクスペリエンス)。
様々なデジタルテクノロジーを活用して生み出すエクスペリエンスとはどのようなモノで、企業にどのような価値をもたらしてくれるのでしょうか。
本記事では、定義、概要などを紹介します。
TX(トータルエクスペリエンス)とは、カスタマーエクスペリエンス(CX)、ユーザーエクスペリエンス(UX)、エンプロイーエクスペリエンス(従業員エクスペリエンス、EX)をマルチエクスペリエンスによって結びつけ、より高い満足度を顧客、ユーザ、従業員と多方面へもたらす戦略です。
IT分野を中心とした世界的なコンサルティング企業ガートナー社。毎年、最先端デジタル分野の技術活用についてのトレンドを「戦略的テクノロジのトップ・トレンド」として発表し、世界中の企業から高い注目を集めています。
トータルエクスペリエンスは2年連続で選出されており、高い注目を集めるキーワードとなっています。
前述のガートナー社による説明によると、TXは「マルチエクスペリエンスを、カスタマー・エクスペリエンス、従業員エクスペリエンス、ユーザー・エクスペリエンスと結び付ける戦略」です。このマルチエクスペリエンスもガートナー社の2020年の戦略的テクノロジのトップ・トレンドにあげられた技術です。
人がデジタル世界を知覚し、やり取りする方法は拡張し続けています。バーチャルリアリティ(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR)は、人々がデジタル世界を認識する方法を変えるものです。知覚モデルと相互作用モデルの両者において、この複数の技術を利用することで生み出される新たな経験をマルチエクスペリエンスといいます。より簡単に言えば、現実世界では得られない経験をデジタル技術の活用により実現するのがマルチエクスペリエンスといえます。
この概念をさらに発展させ、マルチエクスペリエンスを、カスタマー・エクスペリエンス(※)、従業員エクスペリエンス(※)、ユーザー・エクスペリエンス(※)と結び付ける戦略がTXなのです。
TXを提供する組織は競合他社を上回る主要な満足度評価指標を達成する、とガートナー社は予測しています。デジタル技術によるあらたな経験を各方面に届けるTXは、デジタル技術によるビジネスモデルの変革であるDX(デジタルトランスフォーメーション)とも相通じる考え方といえるでしょう。
※カスタマーエクスペリエンス(CX)
カスタマーエクスペリエンスとは、顧客が企業やブランドとの取引において得る体験や価値、メリットを示します。取引の開始から終了までの顧客ライフサイクルを通して、企業の側で提供するものとなります。
※従業員エクスペリエンス(EX)
従業員エクスペリエンスとは、従業員が企業活動など組織の中でする体験、経験における価値です。従業員と企業のあらゆる接点において従業員エクスペリエンスは発生します。
※ユーザーエクスペリエンス(UX)
ユーザーエクスペリエンスとは、製品やサービスを通して、使いやすさ、感動、印象といったユーザーが感じる全ての体験、経験を指します。主にWebサイトに対して使われる用語です。
TXの活用により、顧客や従業員の複数のステークホルダーに対して、高いエクスペリエンスを与えビジネスの変革に寄与することが想定されています。他では得られない体験を提供することで顧客、従業員に対して、代替できない商品サービスの提供者になれるということです。
TX実現のための技術基盤として必要と目されているのが、デジタルエクスペリエンスプラットフォーム(DXP)の構築、導入です。
DXPはマルチエクスペリエンス、カスタマーエクスペリエンスを生み出すプラットフォームです。CMS、ポータルサービス、Eコマースなどから発展的に生まれた製品として提供されています。マーケティングからECまでのデジタルな仕組みを繋ぐソフトウェアカテゴリに分類されます。
また、さまざまなエクスペリエンスを与える技術の活用により、競合企業との差別化を図る上でも有効な施策となります。サービスや商品の提供においてマルチエクスペリエンスを組み込むことで、独自のサービスや商品を生み出すことにもなるでしょう。
さらには、ニューノーマル環境にて遠隔的に提供されるサービスにおいてもTXは適用できます。非接触などの達成にも活用され、一歩先に進んだサービス作りに欠かせない技術とされています。
既存のDXP製品に、VR、AR、MRなどのユーザ体験を与える技術を加えたプラットフォームの登場が予測されており、TX導入のカギを握るプロダクトとして注目を集めています。
TX(トータルエクスペリエンス)はAR、VR、MRなどの人々に新たな経験を与えるデジタル技術を、カスタマーエクスペリエンス、ユーザーエクスペリエンス、従業員エクスペリエンスの分野で活用することに価値を見出す戦略です。Webサービスなどの差別化を図る上で今後活用が進むと予測されています。
TXの実現、活用はユーザー、顧客、従業員の各方面に素晴らしい経験を与え、ビジネス変革に寄与することが期待されています。
技術発展に伴い、ITトレンドは目まぐるしく変化しています。TX(トータルエクスペリエンス)以外の最新のIT用語もぜひチェックしてみてください。
最新のITトレンドを知り、どのように業務に取り入れていくかを考えることも事業発展のために重要なことかもしれません。