技術用語解説

振る舞い検知とは?おすすめツール6選や活用するメリット・デメリットを解説

振る舞い検知とは、コンピューターのマルウェアを検出する仕組みのことです。既知のマルウェアだけでなく未知のものも検出できるため、多くの注目を集めています。本記事では、振る舞い検知の概要やメリット・デメリット、おすすめツール6選について解説します。

目次

  1. 1振る舞い検知とは
  2. 2振る舞い検知の対象
  3. 3振る舞い検知を活用するメリット
  4. 4振る舞い検知を活用するデメリット
  5. 5振る舞い検知ツールの種類
  6. 6おすすめの振る舞い検知ツール6選
  7. 7まとめ

振る舞い検知とは、コンピューターのマルウェアを検出する仕組みのことです。これまで用いられていたパターンマッチングと異なり、既知のマルウェアのみならず未知のものも検出できる可能性があるため、多くの注目を集めています。

本記事では、振る舞い検知の概要と検知対象やメリット・デメリット、おすすめツール6選について詳しく解説します。振る舞い検知について知りたい方、ツールの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

振る舞い検知とは

振る舞い検知とは

振る舞い検知とは、デバイス・プログラムの不審な挙動を見つける仕組みのことです。主に、アンチウイルスソフトに実装されており、マルウェアの侵入検出・ブロックを行います。

ここからは、以下の項目について解説します。

  • 注目されている理由
  • 仕組み
  • EDRとの違い
  • パターンマッチングとの違い

注目されている理由

振る舞い検知が注目されている理由には、サイバー攻撃の高度化があります。従来のアンチウイルスソフトには、既存のマルウェア情報と比較して問題を検出するパターンマッチングが採用されていました。

しかし、マルウェアは1日で100万以上新しいものが生み出されているといわれています。既知のマルウェアのみに対応するパターンマッチングでは、被害を防止できません。

仕組み

振る舞い検知では、以下の仕組みが活用されています。

  • 静的ヒューリスティック法
  • 動的ヒューリスティック法

順に解説します。

静的ヒューリスティック法

コードを読み取り、既存のマルウェアと比較して問題の有無をチェックする方法のことです。実際のプログラムを実行させることはないため「静的」と呼ばれており、システムへの負荷が大きくありません。

動的ヒューリスティック法

プログラムを動かして、挙動における問題の有無をチェックする方法のことです。「ビヘイビア法」と呼ばれるケースもあります。
万が一、マルウェアだった場合を考慮してサンドボックス内でプログラムを実行するケースも存在します。サンドボックスとは、ソフトウェアにより作り出されたコンピューター内における仮想空間のことです。実際のコンピューターと同じような環境となっているため、プログラムを実行できますが問題があってもコンピューターに影響が及ぶことはありません。

振る舞い検知では、静的と動的ヒューリスティック法の2つを組み合わせる仕組みが取られています。まず、静的ヒューリスティック法で問題ないかを確認して、安全性が確認できない場合、動的ヒューリスティック法によるチェックを実施します。2つの方法を組み合わせることで、システムへの負荷を減らすとともに、検知率の向上が可能です。

なお、サンドボックスの詳細を知りたい方は以下をご覧ください。
⇒サンドボックスとは?概要やメリット・デメリットをわかりやすく解説

EDRとの違い

振る舞い検知とEDRは、マルウェアに対処するフェーズと役割が異なります。EDR(Endpoint Detection and Response)とは、デバイスやサーバーにおける不審な通信の監視・検知・通知を行うソリューションのことです。
振る舞い検知はマルウェアの侵入を未然に防ぐ役割を担うのに対して、EDRは侵入後の被害拡大防止や早期復旧のサポートを担います。

なお、EDRの詳細は以下をご覧ください。
⇒EDRとは?EPPとの違いや概要、製品比較まで徹底解説

パターンマッチングとの違い

振る舞い検知とパターンマッチングは、察知できるマルウェアが異なります。パターンマッチングとは、既存のデータを登録してその情報と比較し、マルウェアを検出する仕組みのことです。既知のマルウェアは高精度で検出できますが、未知のものには対応できません。一方、振る舞い検知は誤検知するケースもありますが、これまでにはない新しいマルウェアも検出可能です。

振る舞い検知の対象

振る舞い検知の対象

振る舞い検知の主な対象は以下の通りです。

  • 未知のマルウェアやウイルス
  • ネットワーク
  • ユーザーによる異常な行動

順に解説します。

未知のマルウェアやウイルス

振る舞い検知では、既知のもののみならず未知のマルウェア・ウイルスも検出の対象です。従来のアンチウイルスソフトでは検出できなかったマルウェアに対応可能で、被害を未然に防げる可能性が向上します。

ネットワーク

振る舞い検知では、ネットワークにおけるトラフィックパターンやデータの流れも監視しています。サイバー攻撃を受けた場合、通常とは異なる通信が発生したり、トラフィックが増えたりする傾向があります。ネットワーク監視で、サイバー攻撃を早期発見して、被害の防止や最小化が可能です。

ユーザーによる異常な行動

ユーザーの異常な行動も監視の対象です。ユーザーが普段と大きく異なる行動を取った際に反応する機能が実装されており、内部従業員による機密データの持ち出しなど不正の防止に役立ちます。

振る舞い検知を活用するメリット

振る舞い検知を活用するメリット

続いて、振る舞い検知を活用する以下のメリットを解説します。

  • 未知の脅威にも対応可能
  • リアルタイムでの検知
  • 手間がかからない

未知の脅威にも対応可能

振る舞い検知における最大のメリットは、未知のインシデントにも対応できることです。認知されていないマルウェアやウイルスも検出できます。
また、振る舞い検知はゼロデイ攻撃への対策としても、注目を集めています。ゼロデイ攻撃とは、OSやソフトウェア、ネットワーク上に存在する脆弱性の修正プログラムが提供される前に行われるサイバー攻撃のことです。パターンマッチングでは、ゼロデイ攻撃に対処できません。振る舞い検知の活用で、セキュリティ強化が図れます。

なお、ゼロデイ攻撃の詳細や対処法は以下をご覧ください。
⇒ゼロデイ攻撃とは?主な手口や被害事例、対策と受けた際の対処法を解説

リアルタイムでの検知

不審なプログラムをタイムリーに発見可能なこともメリットです。リアルタイム検知機能が実装されており、不審なプログラムを発見したら即時ユーザーに通知します。迅速に対応でき、被害の最小化が可能です。

手間がかからない

振る舞い検知は手間がかかりません。パターンマッチングの場合、マルウェアの情報を保存したパターンファイルを継続的に更新しなければなりません。一方、振る舞い検知の場合そもそもパターンファイルが必要なく、更新の手間がかかりません。

振る舞い検知を活用するデメリット

振る舞い検知を活用するデメリット

振る舞い検知には、メリットがある一方で以下のデメリットもあります。

  • 誤検知の発生
  • システムへの負担
  • 全てに対応できるわけではない

順に解説します。

誤検知の発生

振る舞い検知では、誤検知が発生するケースがあります。問題ないプログラムをマルウェアと認識してしまう場合も存在します。誤検知で通知が増え、システム担当者に負担がかかる可能性もあるでしょう。

システムへの負担

システムへの負担がかかることも、デメリットの一つです。動的ヒューリスティック法では、怪しいプログラムを稼働させてマルウェアを検出します。
デバイスにおける本来の用途に加えてプログラムが実行されるため、CPUやメモリーに負荷がかかります。コンピューターのパフォーマンスが低下する恐れもあるでしょう。

全てに対応できるわけではない

未知のマルウェアにも対応可能な振る舞い検知ですが、全てに対応できるわけではありません。例えば、自らの存在を隠してアンチウイルスソフトなどからの検出を回避するステルスウイルスは、振る舞い検知でも検出が困難です。

振る舞い検知ツールの種類

振る舞い検知ツールの種類

振る舞い検知は以下2つに分類されます。

  • エンドポイントセキュリティ型
  • ネットワークセキュリティ型

ここからは、上記について解説します。

エンドポイントセキュリティ型

エンドポイントセキュリティ型は、パソコンやスマートフォン、サーバーなどのエンドポイントにインストールして用いるタイプです。多くの場合、エンドポイントがマルウェア侵入口となっています。振る舞い検知を用いれば、エンドポイントのセキュリティ強化とマルウェア感染リスクの抑制を図れるでしょう。

ネットワークセキュリティ型

ネットワークセキュリティ型は、ファイアウォールやネットワーク機器に設置して用いるタイプです。ファイアウォールとは、不審な通信を遮断することによりネットワークのセキュリティを向上させるソリューションのことです。企業のネットワークに入り込んだマルウェアの検出に役立ちます。

なお、ファイアウォールの詳細は以下をご覧ください。
⇒ファイアウォールの基本を知っておこう|設定方法からトラブルシューティングまで

おすすめの振る舞い検知ツール6選

おすすめの振る舞い検知ツール6選

最後に、おすすめの振る舞い検知ツール6選を紹介します。

  • CylancePROTECT
  • Symantec Endpoint Security
  • Harmony Endpoint
  • スーパーセキュリティ for Business
  • セキュアエンドポイントサービス(Va)
  • Cisco Secure Network Analytics

CylancePROTECT

CylancePROTECT

出典:CylancePROTECT公式Webサイト

CylancePROTECTは、2,100社以上の導入実績があるツールです。AIがマルウェアの特徴を学習・分析することで、検知率99%以上を実現しています。CPU負荷は平均0.3%であるため、デバイスのパフォーマンスが低下する心配もありません。

Symantec Endpoint Security

Symantec Endpoint Security

出典:Symantec Endpoint Security公式Webサイト

Symantec Endpoint Securityは、業界最高レベルの包括的なエンドポイントセキュリティプラットフォームです。振る舞い検知だけでなく、脆弱性の修復やセキュリティインシデントの調査にも役立ちます。

Harmony Endpoint

Harmony Endpoint

出典:Harmony Endpoint公式Webサイト

Harmony Endpointは、日常の脅威を防ぐための統合エンドポイントセキュリティソリューションです。暗号化機能も実装されているため、データが流出した際のリスクを下げられます。

なお、ファイル暗号化の詳細は以下をご覧ください。
⇒ファイル暗号化とは?行うメリットや実施方法、おすすめのツール10選を解説

スーパーセキュリティ for Business

スーパーセキュリティ for Business

出典:スーパーセキュリティ for Business公式Webサイト

スーパーセキュリティforBusinessは、高性能でありながら低コストで利用できるソリューションです。5億台を超えるパソコンで利用されています。ツールがインストールされたデバイスを一括管理できるコンソールも存在するため、端末ごとに設定する必要はありません。

Cisco Secure Network Analytics

Cisco Secure Network Analytics

出典:Cisco Secure Network Analytics公式Webサイト

Cisco Secure Network Analyticsは、機械学習と継続的な動作モデリングでセキュリティ上の新たなインシデント回避に役立つツールです。オンプレとクラウドの双方に対応しており、未知のマルウェアや内部従業員の不正、セキュリティポリシー違反などを検出できます。

セキュアエンドポイントサービス(Va)

セキュアエンドポイントサービス(Va)

出典:セキュアエンドポイントサービス(Va)公式Webサイト

セキュアエンドポイントサービス(Va)は、EPPとEDRが一体となっているツールです。EPPとはアンチウイルス機能のことで、振る舞い検知以外にもパターンマッチングやサンドボックスが実装されています。

まとめ

まとめ

振る舞い検知とは、デバイス・プログラムの不審な挙動を見つける仕組みのことです。ネットワークやユーザー行動などを監視対象としており、未知のマルウェアも発見します。また、パターンファイルの更新が不要で、手間がかからないことも魅力の一つです。

ただ、振る舞い検知でも全てのマルウェアを検出できるわけではありません。マルウェア感染に気付かず情報漏洩が起これば、企業の信用やブランドイメージが低下するでしょう。
振る舞い検知の活用により、マルウェアの被害を未然に防ぐ対策をするとともに、素早く対処して被害を最小化する体制の整備が必要です。情報漏洩監視ツール「ダークウェブアイ」は、会社のドメイン情報を入れるだけで「いつ」「どこから」「どんな情報が」漏れてしまったのか、一瞬で分かります。

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