UEBAとは?おすすめツール5選や主な機能、メリット・デメリットを解説
UEBAは、ユーザー・エンティティの行動をリアルタイムで監視・分析して、不審な動きがあれば操作のブロックやシステム担当者へのアラートを行うソリューションのことです。本記事では、UEBAの概要やできることと導入メリット、おすすめツール5選について解説します。
目次
UEBAは、ユーザー・エンティティの行動をリアルタイムで監視・分析して、不審な動きがあれば操作のブロックやシステム担当者へのアラートを行うソリューションのことです。UEBAを活用すれば、外部・内部の脅威検出やゼロトラストの実現、法規制への対応が可能です。
本記事では、UEBAの概要やできることと導入メリット、おすすめツール5選について詳しく解説します。UEBAについて知りたい方、ツールの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
UEBAとは

UEBA(User and Entity Behavior Analytics)とは、ユーザーとエンティティの行動を分析して、通常とは違う動きを検出するセキュリティ対策ツールのことです。エンティティとは、デバイスやアプリケーションの挙動などのことを指します。通常とは異なる行動を検出することで、従来のセキュリティ対策では発見できなかったインシデントや内部不正の検知が可能です。
ここからは、UEBAに関する以下の項目について解説します。
- UEBAの分析対象データ
- UBAとの違い
- SIEMとの違い
UEBAの分析対象データ
UEBAの主な分析対象データは以下の通りです。
- ユーザー行動
- デバイスの動作
- システムやアプリケーションの動作
順に解説します。
ユーザー行動
UEBAでは、以下がないかユーザー行動を監視しています。
- 通常とは異なるログインパターン
- アクセス頻度の変化
- データの閲覧や変更、削除
デバイスの動作
パソコンやスマートフォン、サーバーなどのデバイス動作も、UEBAで監視しています。具体的な監視動作は以下の通りです。
- CPUやメモリーの使用率増加
- 不正な通信
- ネットワークトラフィックの増加
システムやアプリケーションの動作
UEBAでは、システムやアプリケーションの動作も監視対象としています。具体的には以下の分析を行っています。
- 停止やクラッシュ
- ユーザー権限の変化
- サービスやAPIに対する異常なリクエスト
UBAとの違い
UEBAとUBAは分析対象が異なります。UBA(User Behavior Analytics)とは、ユーザー行動の監視・分析を行い脅威を検出するセキュリティ対策ツールのことです。UEBAでは、ユーザーに加えてエンティティ行動も監視の対象としています。
SIEMとの違い
UEBAとSIEMも分析の対象が異なります。SIEM(Security Information and Event Management)とは、ファイアウォールやIDS・IPS、プロキシなどの機器・ソフトウェアから出力されるログを一元的に収集・解析して、セキュリティインシデントを迅速に検知するソリューションのことです。UEBAがユーザーやエンティティ行動を分析するのに対して、SIEMではログを分析します。
なお、SIEMの詳細は以下をご覧ください。
⇒SIEMにより新たなセキュリティ対策を!機能やメリット、必要とされる背景
UEBAの仕組み

UEBAでは、以下のステップでセキュリティインシデントを検知する仕組みが取られています。
- データのインプット
- 収集したデータの統合と相関付け
- 行動の分析とアラートの発行
- 継続的な学習と優先順位の見直し
順に解説します。
1.データのインプット
まず、UEBAはユーザーやエンティティ行動に関するデータをリアルタイムで収集してインプットします。分析した情報を基に、異常な行動やアクセスを検出するためのベースラインが作成されます。
2.収集したデータの統合と相関付け
収集したデータの統合と相関付けも行われます。データの統合も、アクティビティ・デバイス操作にどのような関連性やパターンがあるかの明確化に用いられます。
3.行動の分析とアラートの発行
続いて、ユーザーやエンティティ行動の監視・分析が行われます。また、ベースラインと比較した際に不審な点があれば、セキュリティ担当者にアラートが発せられます。
4.継続的な学習と優先順位の見直し
UEBAでは、継続的な学習と優先順位の見直しも行われます。セキュリティ担当者へのアラート内容を蓄積して、セキュリティインシデントへの影響を学習することで、効果的な通知の実現を可能にします。
UEBAで対処可能なインシデント

UEBAで対処できる主なインシデントは以下の2つです。
- 情報漏洩
- 不正アクセス
順に解説します。
情報漏洩
UEBAは情報漏洩の防止に効果的です。サイバー攻撃者が、企業が保有する個人情報や機密データを盗み取ろうとした際に検知可能で、未然に防止できます。また、従業員が情報の流出を試みた際の対策にもUEBAは有効です。
不正アクセス
不正アクセスの防止にUEBAは役立ちます。例えば、サイバー攻撃者がブルートフォース攻撃やリバースブルートフォース攻撃を仕掛け、ID・パスワードを複数回間違えた場合、不審な挙動としてUEBAが検知します。
ブルートフォース攻撃とは、IDを固定してさまざまなパターンのパスワード入力により不正アクセスを試みるサイバー攻撃のことです。リバースブルートフォース攻撃とは、パスワードを固定して複数のIDで不正アクセスを試みるサイバー攻撃のことを指します。
なお、ブルートフォース攻撃・リバースブルートフォース攻撃の詳細を知りたい方は以下をご覧ください。
⇒ブルートフォース攻撃とは?被害例や対策をわかりやすく解説
⇒リバースブルートフォース攻撃とは?仕組みや被害事例、防止策を解説
UEBAの主な機能

UEBAに実装されている主な機能は以下の通りです。
- リアルタイムモデリング
- 異常検知
- リスクのスコアリング
- アラートと操作のブロック
- 可視化とレポート作成
- データの連携
順に解説します。
リアルタイムモデリング
ユーザーやエンティティの行動も常時監視する機能です。監視・収集したデータは、ベースラインの作成や異常行動の検知に活用されます。
異常検知
ベースラインを参考に、通常とは異なる行動を検知する機能です。UEBAを継続的に学習させることにより、異常検知レベルの向上も図れます。
リスクのスコアリング
異常な行動を検知した場合に、どの程度のリスクがあるかを評価する機能です。スコアリングが高いユーザーや行動を重点的に監視することにより、インシデントを未然に防ぎます。
アラートと操作のブロック
異常行動や高リスクの行動があった場合に、システム担当者にアラートを発信する機能です。また、なかには不審な行動を取っているユーザーの操作をブロックする機能が実装されたツールも存在します。
可視化とレポート作成
行動を可視化するダッシュボードです。一目で状況を確認できます。また、脅威の数・種類や影響を受けたコンピューターなどの情報を集約したレポート作成機能も実装されています。
データの連携
SIEMやIDS、ファイアウォールなど他のツールから情報を取り込む機能です。ログファイルやネットワークトラフィック、脅威インテリジェンスなどに関するデータを手間なく集約できます。
UEBAのできることや導入メリット

UEBAのできることや導入メリットは以下の通りです。
- セキュリティインシデントの検出とブロック
- 内部脅威の検出
- ゼロトラストの実現
- 負担の軽減
- 法規制への対応
順に解説します。
セキュリティインシデントの検出とブロック
前述の通り、UEBAではセキュリティインシデントの検出とブロックが可能です。リアルタイムでユーザー行動などを分析するため、迅速に問題を発見・阻止してくれるでしょう。被害の最小化に役立ちます。
内部脅威の検出
UEBAでは、外部からのサイバー攻撃だけでなく内部脅威の検出もできます。従業員のなかには、企業が保有する機密情報をライバル企業に渡そうとする人がいないとは限りません。また、故意でなくても従業員の不用意な行動が、情報流出の原因となるケースも存在します。UEBAを活用すれば、内部の脅威も検出できコンプライアンス強化が可能です。
ゼロトラストの実現
ゼロトラストの実現も、UEBAの活用メリットです。ゼロトラストとは、なにも信頼(トラスト)しない(ゼロ)を前提としてセキュリティ対策を行うことです。これまでは、社内ネットワークであれば安全など境界型セキュリティの考えが一般的でした。ただ、テレワークやモバイル機器などの普及により社内・社外の境界が曖昧となっており、ゼロトラストが求められています。
なお、ゼロトラストの詳細を知りたい方は以下をご覧ください。
⇒ゼロトラストとは?実現するポイントやゼロトラストが広まった背景も解説!
負担の軽減
UEBAを活用すれば、システム担当者の負担軽減も可能です。UEBAには大量の情報を収集・分析して、リスクを検知した際に自動でセキュリティ担当者にアラートを送る機能が実装されています。また、セキュリティインシデントの脅威レベルや対応の優先付けを行う機能も搭載されており、効率よくインシデントに対応可能です。
法規制への対応
法規制への対応もUEBA活用のメリットです。近年は、プライバシー保護に対する関心が高まっており、世界各国で個人情報保護に関する法律が施行されています。具体的な法律は以下の通りです。
- 個人情報保護法
- GDPR(EU一般データ保護規則)
- CCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)
法律に違反すれば罰則が適用されます。
なお、個人情報保護法の罰則やGDPRの詳細は以下をご覧ください。
⇒個人情報保護法の罰則とは?概要や罰則以外のリスク、違反を防止するための対策を解説
⇒GDPRとは?日本企業が守るべきルールと対応方法を紹介
UEBAのデメリット

便利なUEBAですが、以下のデメリットも存在します。
- 導入・運用におけるコストの発生
- 専門人材が必要
ここからは、各デメリットについて解説します。
導入・運用におけるコストの発生
UEBAの導入・運用には、初期費用やランニングコストなどの費用が発生します。また、導入してもすぐに効果を発揮するわけではありません。異常な行動の検知にはベースラインが必要で、導入効果を得るまでに多少の時間がかかります。
専門人材が必要
専門人材が必要なことも、UEBAのデメリットです。運用にどの程度の専門性が求められるかは、ツールにより異なります。ただ、設定や異常検知後の対処が可能な人材がいなければ、効果的に活用できません。
UEBAの利用を成功させるポイント

続いて、UEBAの利用を成功させる以下のポイントについて解説します。
- 他のシステムと併用する
- 関わるメンバーを限定する
- IDを同じにする
他のシステムと併用する
UEBAは他のシステムと併用することが重要です。複数のセキュリティ対策ツールを活用すれば、相互なサポートが可能でセキュリティ強化を図れるでしょう。特に、SIEMやIDS、ファイアウォールはUEBAと連携が可能なため効果的です。
関わるメンバーを限定する
UEBAに関わるメンバーは限定しましょう。UEBAは外部からの攻撃だけでなく、内部従業員の不正防止にも効果を発揮するツールです。ただ、悪意のある従業員にUEBAの仕組みを知られれば、検知をすり抜けられる恐れがあるでしょう。メンバーを限定することにより、内部従業員の不正を防止できる可能性が高まります。
IDを同じにする
同一人物のIDを固定することも重要です。同じ人物に対して、システムごとに複数のIDを付与するとUEBAが別のユーザーとして認識します。ユーザーごとのIDを固定すれば、より正確な分析が可能です。
おすすめのUEBAツール5選

最後に、おすすめの以下UEBAツール5選を紹介します。
- Exabeam
- ArcSight Intelligence
- Splunk User Behavior Analytics
- IBM Security QRadar
- LogRhythm UEBA
Exabeam

Exabeamは、AIと自動化で生産性を最大化させるツールです。検出された脅威は迅速に時系列で整理され、視覚化してくれるため、すぐに状況を確認できます。
ArcSight Intelligence

出典:ArcSight Intelligence公式Webサイト
ArcSight Intelligenceは、脅威や内部の不正、情報漏洩を発見するツールです。機械学習を採用することにより、従来のツールでは発見できなかった脅威の検出を可能にしています。
Splunk User Behavior Analytics

出典:Splunk User Behavior Analytics公式Webサイト
Splunk User Behavior Analyticsは、多様なソースからデータを集約・関連付けを行うことで、ユーザー行動を可視化するツールです。セキュリティインシデントにおける根本原因の特定に役立ち、再発防止が期待できます。
IBM Security QRadar

出典:IBM Security QRadar公式Webサイト
IBM Security QRadarは、脅威の回避に特化したツールです。クラウドやオンプレにあるデータを統一的な方法で検索できる機能が実装されており、手動でデータを集約する手間を軽減できます。
LogRhythm UEBA

LogRhythm UEBAは、機械学習と行動分析により高精度の脅威検出が可能なツールです。また、脅威ライフサイクル管理機能も実装されており、脅威の検出・調査・対応を合理化できます。
まとめ

UEBAとは、ユーザーとエンティティの行動を分析して、通常とは違う動きを検出するセキュリティ対策ツールのことです。社外からのサイバー攻撃だけでなく、内部従業員による不正の防止も可能です。また、ゼロトラストの実現や法規制への対応にも役立ちます。セキュリティインシデントの防止や、被害の最小化が期待できるでしょう。
近年は、プライバシー保護に対する関心が高まっており、保有する個人情報が漏洩すれば企業の信用やブランドイメージが低下します。セキュリティインシデントを未然に防ぐ対策を行うとともに、情報漏洩が発生した場合迅速に察知してすぐに対処する環境の構築が重要です。情報漏洩監視ツール「ダークウェブアイ」は、会社のドメイン情報を入れるだけで「いつ」「どこから」「どんな情報が」漏れてしまったのか、一瞬で分かります。
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