技術用語解説

サイバーセキュリティとは?種類や代表的なサイバー攻撃、基本的な対策を解説

サイバーセキュリティとは、Webシステムや電子データをサイバー攻撃から守る取り組みです。本記事では、主なサイバー攻撃の種類と基本的な対策をわかりやすく解説。被害を防ぎたい企業・組織必見です。

目次

  1. 1サイバーセキュリティとは
  2. 2サイバーセキュリティにおける5つの種類
  3. 3主なサイバー攻撃の種類
  4. 4サイバーセキュリティの基本的な対策
  5. 5まとめ

サイバーセキュリティとは、企業・組織が保有するWebシステムや電子データをさまざまな脅威から守る取り組みのことです。サイバーセキュリティを怠れば、サービス提供・業務の停止や顧客・パートナー企業の信用失墜、金銭的被害の発生など、多くのリスクがあります。

本記事では、サイバーセキュリティの概要や主なサイバー攻撃の種類、基本的な対策について詳しく解説します。サイバーセキュリティについて知りたい方、被害を防ぎたい方は、ぜひ参考にしてください。

サイバーセキュリティとは

サイバーセキュリティとは、IT資産やデータなどをサイバー攻撃から守る取り組みのことです。保護対象は幅広く、例えば以下が挙げられます。

  • システム
  • ネットワーク
  • サーバー
  • デバイス
  • クラウドサービス
  • 電子データ

ここからは、以下の事項について解説します。

  • サイバーセキュリティが必要な理由
  • サイバーセキュリティを怠った場合のリスク
  • 情報セキュリティとの違い

サイバーセキュリティが必要な理由

サイバーセキュリティが必要な理由は、事業の継続や信用の獲得・低下防止に欠かせないためです。ITツールの進歩により、業務効率化や生産性の向上など多くのメリットがある一方、IT資産を狙ったサイバー攻撃が増加しています。以下は、総務省が令和6年版情報通信白書で発表した「サイバー攻撃関連の通信数の推移」データです。

出典:第Ⅱ部 情報通信分野の現状と課題|総務省

上記によれば、国立研究開発法人情報通信研究機構が運用している大規模サイバー攻撃観測網のダークネット観測で確認された2023年の総観測パケット数は、約6,197億パケットでした、2015年の約632億パケットと比較すると9.8倍になっています。

企業が保有する個人情報を盗まれれば、企業が信用を失うだけでなく情報を盗まれた個人が被害を受ける可能性があるでしょう。IT・情報資産の重要性が高まった現代において、サイバーセキュリティは欠かせません。

サイバーセキュリティを怠った場合のリスク

サイバーセキュリティを怠った場合の被害は多岐に渡ります。具体的には以下が挙げられます。

  • サービス提供や業務の停止
  • 顧客データや機密情報の漏洩
  • 金銭的被害の発生
  • 顧客やパートナー企業の信用失墜
  • 売上の減少や顧客離れ

サイバー攻撃を受けたことにより、経営や事業の継続が困難となり廃業に追い込まれる恐れもあります。

情報セキュリティとの違い

サイバーセキュリティと情報セキュリティは混同されがちですが、両者は保護の対象が異なります。サイバーセキュリティの場合、保護の対象はデータやIT資産です。一方、情報セキュリティの場合、データだけでなく書面の情報も保護の対象です。また、情報セキュリティでは情報のみが保護の対象で、デバイスやサーバーなどは対象外です。
⇒情報セキュリティとは?サイバーセキュリティとの違いや被害と対策を解説

サイバーセキュリティにおける5つの種類

サイバーセキュリティには、主に以下5つの種類が存在します。

  • ネットワークセキュリティ
  • エンドポイントセキュリティ
  • アプリケーションセキュリティ
  • クラウドセキュリティ
  • AIセキュリティ

順に解説します。

ネットワークセキュリティ

ネットワークやネットワークに接続している機器、保管された情報を守る取り組みです。アンチウイルスやファイアウォールなどが有効で、テレワークの普及によりゼロトラストセキュリティも登場しました。

ゼロトラストセキュリティとは「信頼(トラスト)しない(ゼロ)」を前提にセキュリティ対策を行うことです。従来は社内からのアクセスは信頼性が高いと考え、外部からのアクセスに対して制限やセキュリティ対策を行っていました。ただ、サイバー攻撃の巧妙化や働き方・通信環境の変化により、内部からの通信が必ずしも安全ではなく、外部からも快適にアクセスできる環境構築が求められています。
⇒ゼロトラストとは?実現するポイントやゼロトラストが広まった背景も解説!

エンドポイントセキュリティ

パソコンやスマートフォン、サーバーなどを守る取り組みのことです。アンチウイルスやファイアウォールなどが効果的です。ファイアウォールとは、ネットワークを経由した侵入や不正な通信を防ぐツールのことを指します。
⇒ファイアウォールの基本を知っておこう|設定方法からトラブルシューティングまで

アプリケーションセキュリティ

アプリケーションや保存されたデータを守る取り組みのことです。近年実施されているDevOpsやDevSecOpsなどの開発手法では、開発段階でのセキュリティ対策やテストも実施されます。

クラウドセキュリティ

クラウドベースのサービスや保存されているデータを守る取り組みです。昨今は多くのシーンでクラウドが活用されているため、重要性が向上しています。具体的には、厳格なアクセス権限の設定や多要素認証の導入などが挙げられます。

AIセキュリティ

AI自体やAIを悪用したサイバー攻撃から守る取り組みです。最近はAIを悪用したサイバー攻撃も少なくありません。例えば、生成AIの中にはサイバー攻撃で利用可能なコードを生成するものも存在します。

主なサイバー攻撃の種類

続いて、以下の主なサイバー攻撃の種類を紹介します。

  • コンピューターウイルス
  • ワーム
  • トロイの木馬
  • スパイウェア
  • ランサムウェア
  • アドウェア
  • ボットネット
  • SQLインジェクション
  • フィッシング詐欺
  • 標的型攻撃
  • 中間者攻撃
  • ゼロデイ攻撃
  • DoS攻撃・DDoS攻撃

コンピューターウイルス

コンピューターウイルスとは、コンピューター内のソフトやファイルに寄生して、システム全体に増殖するプログラムのことです。パソコンがウイルスに感染した場合、動作が遅くなったり警告文・身代金要求文が表示されたりします。
⇒パソコンがウイルス感染したらどうする?原因や症状、4つの対策方法について解説

ワーム

ワームとは、インターネットを通じてデバイスに感染し情報を盗んだり、デバイスを乗っ取ったりするマルウェアのことです。ウイルスとは異なり、ワームは宿主を必要とせずネットワークで結ばれたコンピューター間を単独で移動する特徴があります。
⇒ワームとは?ウイルスとの違いや代表的な感染経路、感染時の対処法と感染防止策を解説

トロイの木馬

トロイの木馬とは、無害なプログラムやソフトウェアを装いシステム内に侵入して、標的が気づかないうちに攻撃を行うマルウェアの一種です。トロイの木馬に感染すれば、情報の流出や金銭的な被害、デバイスの不具合などが発生します。
⇒【徹底解説】トロイの木馬とは?ウイルスなの?種類・危険性・対策を完全網羅!

スパイウェア

スパイウェアとは、コンピューターに侵入して保存されている情報を外部に送信するプログラムのことです。例えば、パソコンやスマートフォンに感染してクレジットカード・認証情報を攻撃者に送ります。

ランサムウェア

ランサムウェアとは、データの暗号化やデバイスのロックを行い、解除と引き換えに身代金を要求するマルウェアのことです。攻撃者の要求通り金銭を支払っても、ロックを解除される可能性はほとんどありません。
⇒ランサムウェアとは?手口や対策まで詳しく解説
⇒ランサムウェアに感染したらどうなる?感染時の対応ステップや感染対策を解説

アドウェア

アドウェアとは、広告の表示により収益を得るソフトウェアのことです。悪質なものに感染すると、大量の警告やポップアップ広告などが表示されます。また、偽のセキュリティ対策ツールのWebサイトに誘導され、クレジットカードや個人情報などを盗まれるケースもあります。
⇒アドウェアとは?感染経路と削除方法・対策について解説

ボットネット

ボットネットとは、マルウェアに感染したコンピューターをネットワーク化したもののことです。自社のパソコンがボットネットに加えられた場合、DDoS攻撃など他のサイバー攻撃に悪用されるリスクがあります。

SQLインジェクション

SQLインジェクションとは、Webサイトの脆弱性を狙って不正なSQL文を使い、データベースにアクセスする攻撃のことです。SQLインジェクションの被害に遭えば、情報を盗まれたり、Webサイトの改ざん・データ消去されたりする恐れがあります。
⇒SQLインジェクションとは?仕組みや対策方法、被害事例について解説

フィッシング詐欺

フィッシング詐欺とは、クレジットカードや大手ECショップを偽ったメールを利用して、偽サイトから個人情報などを騙し取る攻撃のことです。従来は、不特定多数にメールを送る手口が一般的でしたが、近年は特定の企業や組織を狙ったスピアフィッシングも行われています。
⇒フィッシング詐欺とは?5つの対策や被害にあった場合の対処法を解説
⇒スピアフィッシングとは?高精度な標的型攻撃の手口と対策

標的型攻撃

標的型攻撃とは、ターゲットと目的を明確にして攻撃方法を意図的に選択する攻撃のことです。事前に情報を収集して、サイバー攻撃の成功確率を高める工夫を行います。
⇒標的型攻撃とは?仕組みから手法、対策方法まで徹底解説

中間者攻撃

中間者攻撃とは、悪意ある第三者が二者間の通信に割り込み、通信内容を盗んだり改ざんしたりする攻撃のことです。特に、通信内容が暗号化されていないHTTPサイトは中間者攻撃で狙われやすいため、注意が必要です。

ゼロデイ攻撃

ゼロデイ攻撃とは、OSやソフトウェア、ネットワーク上に存在する脆弱性の修正プログラムが提供される前に行われる攻撃のことです。近年は、複数のシステムを活用している企業も多数あり、全てのシステムにおける脆弱性を攻撃される前になくすのは困難なため、ゼロデイ攻撃を未然に防ぐことが難しく被害が拡大しやすい特徴があります。
⇒ゼロデイ攻撃とは?主な手口や被害事例、対策と受けた際の対処法を解説

DoS攻撃・DDoS攻撃

DoS攻撃とDDoS攻撃は、大量の通信でサーバーに負荷をかけ、サービス提供の停止などに追い込む攻撃のことです。両者は攻撃に利用されるデバイスの数と規模が異なり、DDoS攻撃が複数のデバイスで一斉に攻撃するのに対して、DoS攻撃は1台のデバイスで攻撃を行います。
⇒DoS攻撃とは?DDoS攻撃との違いや種類、対策を解説
⇒DDoS攻撃とは?受けた場合の被害や4つの対策をわかりやすく解説

サイバーセキュリティの基本的な対策

最後に、サイバーセキュリティにおける以下の基本的な対策を紹介します。

  • OSを随時アップデートする
  • 複雑なパスワードを設定する
  • 二段階認証・多要素認証を活用する
  • 不審なメール・サイトに注意する
  • 公衆Wi-Fiを使わない
  • セキュリティリテラシーを高める
  • データを暗号化する
  • アクセス制御と権限管理を徹底する
  • セキュリティ対策ツールを利用する

OSを随時アップデートする

OSは随時アップデートを行い、最新版を保つようにしましょう。OSのアップデートで脆弱性をなくすパッチが提供されます。また、新たなセキュリティ機能が実装されるケースもあるため、セキュリティ対策として効果的です。
⇒OSのアップデート手順をデバイス別に紹介!メリットや実施前にすべきことも解説

複雑なパスワードを設定する

複雑なパスワードの設定も、セキュリティ強化に欠かせません。複雑なパスワードとは、12文字以上でアルファベットの大文字・小文字や数字、記号を組み合わせたランダムな文字列のことです。また、複数かつランダムな単語で構成されたパスフレーズを用いれば、セキュリティの強化が期待できます。
⇒漏洩の危険があるパスワードの特徴とは?漏洩対策や漏洩した時の対応策を徹底解説!
⇒パスフレーズとは?パスワードとの違いやメリット・デメリットや設定のポイントを解説

二段階認証・多要素認証を活用する

二段階認証や多要素認証の活用も重要です。二段階認証とは本人確認を2回に分けて実施する方法のことで、多要素認証とは知識や所有物、生体など性質の異なる複数の要素を用いて認証を行う方法のことです。ID・パスワードを盗まれても、不正アクセスされる可能性を抑えられます。
⇒二段階認証とは?認証方法やメリット・デメリット、注意点を解説
⇒MFA(多要素認証)とは?仕組みやメリット・デメリット、導入方法を解説

不審なメール・サイトに注意する

不審なメール・サイトへの注意も、サイバーセキュリティ対策の一つです。多くのサイバー攻撃は、メールやWebサイトを用いてウイルスへの感染などを狙っています。身に覚えのないメールを受信した際は、即時削除することが重要です。添付されたファイルのダウンロードや記載リンクへのアクセスは、絶対に避けましょう。また、SNSなどに記載されたサイトへのアクセスも基本的におすすめできません。
⇒迷惑メールの放置は危険!理由や受信時の対処・予防法について解説
⇒迷惑メールへの対処法とは?受信する原因や予防する方法を解説

公衆Wi-Fiを使わない

公衆のWi-Fi利用も避けると良いでしょう。公衆Wi-Fiの多くは通信内容が暗号化されていないため、内容を盗み見られる可能性があります。中には、情報を盗む目的で設置しているWi-Fiも存在します。
⇒Wi-Fiに潜む情報漏洩リスクと対策方法3選!

セキュリティリテラシーを高める

従業員のセキュリティリテラシー向上も効果的です。企業や組織がツールなどを活用してセキュリティ対策を行っても、従業員の不用意な行動が原因でウイルス感染や情報漏洩につながるケースがあります。定期的に、最新のサイバー攻撃手法や行ってはいけない行動などを伝えましょう。

データを暗号化する

データを暗号化することも重要です。データやファイルを暗号化しておけば、万が一情報を盗まれても中身を見られるリスクを抑えられます。サイバー攻撃はもちろん、従業員がデバイスを紛失した際の対策としても効果的です。
⇒ファイル暗号化とは?行うメリットや実施方法、おすすめのツール8選を解説

アクセス制御と権限管理を徹底する

アクセス制御と権限管理の徹底も欠かせません。高度な権限を有するアカウントを乗っ取られれば、多くの情報を盗まれたり改ざんされたりします。権限を持つアカウントが多いほど、乗っ取りに遭う可能性も高まるでしょう。また、アクセス制御を行うことで従業員の不正を防げる可能性が高まります。

セキュリティ対策ツールを利用する

サイバー攻撃が高度化するとともに、セキュリティ対策ツールの性能も向上しています。便利なツールが多数開発・提供されているため、導入してセキュリティ強化を図りましょう。ただ、リソースが限られており全てを一度に導入することは困難です。自社の問題点や課題を洗い出し、優先順位を付けて導入を進めると良いでしょう。

まとめ

サイバーセキュリティとは、ネットワークやシステム、データなどをサイバー攻撃から守る取り組みのことです。IT資産や情報資産の重要性が増すとともに、それらを狙ったサイバー攻撃が増加しています。サイバーセキュリティを怠った場合、サービス提供・業務の停止や顧客・パートナー企業の信用失墜、金銭的被害の発生など、多くの被害を受けるため注意が必要です。OSのアップデートや複雑なパスワードの設定、セキュリティ対策ツールの利用などにより、サイバー攻撃の被害を防ぎましょう。

ただ、近年のサイバー攻撃は高度化しており対策を行っても完全に防ぐことは困難なため、セキュリティ強化を図るだけでなく、被害に遭った際に素早く気付き対処する体制の整備も求められます。情報漏洩監視ツール「ダークウェブアイ」は、会社のドメイン情報を入れるだけで「いつ」「どこから」「どんな情報が」漏れてしまったのか、一瞬で分かります。

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