ファイル暗号化とは?行うメリットや実施方法、おすすめのツール8選を解説
ファイル暗号化とは、データを閲覧不可能な形式に変換する技術です。本記事では、概要・メリット・おすすめツール8選を解説。サイバー攻撃や情報漏洩リスク対策に役立ちます。ツール選びのポイントも紹介します。
目次
ファイル暗号化とは、閲覧や編集ができない形式にデータを変換するテクノロジーのことです。活用すれば、不正アクセスされたり、デバイスを紛失したりした際の情報漏洩リスクを抑えることができます。また、セキュリティに対するリテラシーの高さを示せるため、取引先に安心感を与えられるでしょう。
本記事では、ファイル暗号化の概要や行うメリット、おすすめツール8選について詳しく解説します。ファイル暗号化について知りたい方、ツールの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
ファイル暗号化とは
ファイル暗号化とは、データの形式を変更して閲覧できないようにするテクノロジーです。暗号化されたファイルは、特定のユーザー以外閲覧や編集ができません。
ここからは以下について解説します。
- ファイル暗号化が必要な理由
- ファイル暗号化の仕組み
ファイル暗号化が必要な理由
ファイル暗号化は、企業や組織が保有する個人情報・機密データの保護を行うために必要とされています。万が一、データを保管しているデバイスやサーバーがサイバー攻撃を受ければ、保管データを盗まれるリスクがあるでしょう。
ファイルを暗号化しておけば、データが流出したとしても中身を見られる可能性を減らせます。近年は、プライバシー保護に対する関心が高まっており、個人情報が流出すれば企業の信用やブランドイメージの低下を招きます。また、機密データが他社に流出すれば、企業競争力が失われる恐れがあるでしょう。
ファイル暗号化の仕組み
ファイル暗号化は、暗号化アルゴリズムを用いて権限を持たないユーザーがファイルの閲覧・編集をできなくする仕組みが用いられています。例えば、ファイルを暗号化して他者に送る際の流れは以下の通りです。
- 送信者が暗号化されていないファイル(平文)を暗号化する
- 受信者に暗号化されたファイルと暗号鍵を共有する
- 受信者は暗号鍵を用いて、暗号化されたファイルを元の状態に戻す(復号化)
暗号化で用いられるアルゴリズムの一例は以下の通りです。
- AES:鍵長を128・192・256から選んで暗号化するアルゴリズム
- DES:鍵長の56ビットとパリティチェック用の8ビット計64ビットごとにデータを区切り、それをまとめて暗号化するアルゴリズム
- RSA:素因数分解の仕組みを用いて暗号化するアルゴリズム
暗号化の強度や処理時間は、用いられるアルゴリズムにより異なります。
なお、AESとRSAの詳細は以下をご覧ください。
⇒AESとは?他の暗号化方式との違いや使用方法を解説
⇒RSA暗号とは?仕組みや安全に利用するポイント、他の暗号方式を解説
ファイル暗号化を行うメリット
ファイル暗号化を行う主なメリットは以下の通りです。
- サイバー攻撃への対策ができる
- 情報漏洩のリスクを抑えられる
- デバイスの紛失やメールの誤送信時のリスクを抑制できる
- 取引先に安心感を与える
順に解説します。
サイバー攻撃への対策ができる
ファイル暗号化の実施は、サイバー攻撃への対策になります。ウイルス感染や不正アクセスされても、暗号化していればデータの閲覧・改ざんされる可能性を下げることができ、被害の拡大を抑えられます。
情報漏洩のリスクを抑えられる
情報漏洩リスクを減らせることも、ファイル暗号化におけるメリットです。暗号化しておけば、ファイル自体が流出しても中身を閲覧される可能性を下げられます。
近年はプライバシー保護に対する関心が高まっており、万が一個人情報が漏洩すれば事業の継続が難しくなるケースもあります。また、本人への賠償金支払いが発生したり、法律違反に該当したりするリスクもあります。
なお、情報漏洩した場合の賠償金支払い事例や個人情報保護法の罰則に関する詳細は以下をご覧ください。
⇒情報漏洩による損害賠償とは?事例5選や企業に与える影響、対策まで徹底解説
⇒個人情報保護法の罰則とは?概要や罰則以外のリスク、違反を防止するための対策を解説
デバイス紛失やメール誤送信時のリスクを抑制できる
ファイル暗号化は、デバイス紛失やメール誤送信時のリスク抑制にも有効です。人間が行っている以上、機密データを保存したデバイス・記録媒体の紛失やメールの誤送信は起こる可能性があります。ファイル暗号化を行えば、ヒューマンエラーで紛失などが起こったとしても中身を閲覧されるリスクを減らせます。
取引先に安心感を与える
ファイル暗号化により、取引先に安心感を与えられます。データが暗号化されていれば、無関係の第三者に閲覧されたり内容を改ざんされたりしていない証明になります。
一方、機密情報のファイルを暗号化していない状態で送れば、セキュリティ意識が低いと見なされる恐れがあります。相手が不安に感じ、取引に悪影響を与えるリスクも存在します。
ファイル暗号化の実施方法
ファイル暗号化の主な実施方法は以下の通りです。
- ZIPファイルへのパスワード付与
- WindowsにおけるEFS・IRM機能の活用
- ファイル暗号化ツールの利用
順に解説します。
ZIPファイルへのパスワード付与
ZIPファイルにパスワードを付与することで、ファイル暗号化を実現する方法です。厳密には暗号化ではありませんが、手軽に行えるため多くの企業で利用されており、以下の頭文字を取って「PPAP」とも呼ばれます。
- Password:パスワード付きZIPファイル
- Password:パスワードを明記したメール
- Angou:ファイルの暗号化
- Protocol:プロトコル
便利で広く活用されているPPAPですが、セキュリティ強度は高くありません。また、中にはパスワードが付与されたZIPファイル添付メールの自動削除設定を行っている企業も存在します。
WindowsにおけるEFS・IRM機能の活用
WindowsのEFSもしくはIRM機能を活用する方法です。
EFS(Encrypting File System)機能とは、Windowsにデフォルトで実装されている暗号化機能のことで、ファイルだけでなくフォルダの暗号化も可能です。また、権限を有するユーザーが閲覧する際には、自動で復号化が行われるためパスワード入力などの手間がかかりません。
IRM(Information Rights Management )機能とは、WordやExcelなどのoffice製品を暗号化する機能のことです。ユーザーごとにアクセス許可レベルの設定もできます。また、アクセス制限だけでなくコピーや転送の防止にも活用可能です。
ファイル暗号化ツールの利用
専用のファイル暗号化ツールを利用する方法です。ZIPファイルへのパスワード付与やWindowsにおけるEFS・IRM機能の活用よりも、強度の高い暗号化を実現できます。
ただ、ツールにより実装されている機能・セキュリティ強度は異なり、中には安全性の低いものも存在するため、ツール選びが重要です。なお、ツールを選ぶ際に確認する注意点とポイントは最後に解説します。
ファイル暗号化ツールの主な機能
続いて、ファイル暗号化ツールの主な以下の機能を紹介します。
- 暗号化・復号化
- パスワード設定
- 元ファイルの削除
暗号化・復号化
ファイルを暗号化・復号化する基本機能です。情報漏洩対策となり、高いセキュリティ性を保つのに役立ちます。中には、サーバー・フォルダそのものや、保存されたデータを一括処理できるツールも存在します。
パスワード設定
復号化に必要なパスワードを設定する機能です。閲覧と編集に対して別のパスワードを設定可能なツールも存在します。ファイルごとに異なる複雑なパスワードを設定するとセキュリティ強化につながりますが、管理の負担が増加します。セキュリティ強度と利便性のバランスを考慮して、パスワード設定を行うと良いでしょう。
元ファイルの削除
ファイルを暗号化するとともに、元ファイルを削除する機能です。元ファイルが流出することで、情報漏洩につながるリスクを抑えられます。削除レベルはツールごとで異なり、中にはゴミ箱への移動だけでなく復元できない完全削除が可能なツールも存在します。
おすすめのファイル暗号化ツール8選
続いて、おすすめの以下ファイル暗号化ツール8選を紹介します。
- DataClasys
- InterSafe FileProtection
- SecretX
- Fileforce
- セキュリティ・ウェアハウス
- ファイル暗号化CR Pro
- SecureCore DSE
- SERVER GENERAL
DataClasys

DataClasysは、セキュリティと利便性を両立しているファイル暗号化ツールです。サーバーで鍵を管理する仕組みを採用しており、閲覧・編集時のパスワード入力は必要ありません。汎用性と柔軟性が高く、他のセキュリティ対策ツールとの共存・連携も可能です。
InterSafe FileProtection

出典:InterSafe FileProtection公式Webサイト
InterSafe FileProtectionは、保存場所を問わずファイルを自動で暗号化するツールです。特別な操作は必要ないため、仕事の効率が落ちる心配はありません。文書の種類やユーザーの役職・権限に応じたアクセス制御もできます。
SecretX

SecretXは、誰でも簡単に操作できるファイル暗号化ツールです。ワンアクションでキーの作成やファイルの暗号化・復号化が可能です。また、元ファイルの削除機能も実装されています。
Fileforce

Fileforceは、保存したファイルの暗号化・復号化が自動で行われるクラウドストレージサービスです。ユーザーの操作を必要とせず、負担をかけずにセキュリティ強化が図れます。また、従業員のアクセス権限を一元管理できるため、コンプライアンスや内部統制強化に役立ちます。
セキュリティ・ウェアハウス

セキュリティ・ウェアハウスは、安全性と使いやすさのバランスを重視したファイル暗号化ツールです。ドラッグ&ドロップやダブルクリックなどの操作で、暗号化・復号化できます。インストール後、すぐに利用できる点も嬉しいポイントです。
ファイル暗号化CR Pro

ファイル暗号化CR Proは、USBメモリにも対応しているファイル暗号化ツールです。USBメモリを活用したデータの持ち出しにおける安全性も高められます。複数ファイルの一括処理や、元ファイルの削除機能も実装されています。
SecureCore DSE

SecureCore DSEは、暗号化したいアプリを設定すれば該当するものを自動で暗号化するツールです。ファイルごとに暗号化するか否かの設定が不要なため、重要なデータの暗号化漏れを防ぐことが可能です。新規ファイルだけでなく、受信やコピーしたデータも自動暗号化の対象となります。
SERVER GENERAL

SERVER GENERALは、サーバーにおけるセキュリティポリシーの設定でファイルの暗号化を実現できるツールです。データの監視機能も実装されており、セキュリティインシデント発生時には通知が送られるため、被害の最小化に役立ちます。
暗号化ツールを選ぶ際に確認する注意点・ポイント
最後に、暗号化ツールを選ぶ際に確認する以下の注意点・ポイントを紹介します。
- 機能
- 対応ファイルの種類
- 操作性
- セキュリティ強度
- サポート体制
機能
自社が求める機能が使えるか確認しましょう。ファイルの暗号化・復号化を行う機能は基本的にどのツールにも実装されています。ただ、他にもアクセス制御やログ管理など複数の機能が活用できるツールも存在します。自社の活用目的やシーンに応じて、どのような機能が必要かを検討しましょう。
対応ファイルの種類
対応ファイルの種類を確認することも重要です。ファイル形式にはdocやppt、pdfなど複数の種類が存在します。自社で利用しているもの・今後利用する可能性があるものを事前に確認した上で、対応可能かを確認しましょう。
操作性
操作性の確認も欠かせません。高機能であっても、使いこなせなければ意味がありません。また、利用に負荷がかかるツールの場合、業務の妨げとなり効率が下がる原因になります。
セキュリティ強度
ファイル暗号化の目的はサイバー攻撃や情報漏洩への対策であるため、セキュリティ強度に問題がないかも確認しましょう。近年はコンピューターの性能が向上しており、セキュリティ強度が低いものだと暗号を解かれてしまう恐れがあります。特に、無料のツールはセキュリティ強度が低いものが多いため、注意しましょう。
サポート体制
サポート体制も確認すると良いでしょう。充実したサポートがあれば、操作がわからなかったりトラブルが起きたりしても安心です。設定したパスワードがわからなくなり、重要なファイルを復号化できなくなるトラブルの発生も想定されます。
まとめ
ファイル暗号化とは、データの形式を変更して閲覧できないようにするテクノロジーです。企業や組織が保有する個人情報・機密データを保護でき、情報漏洩リスクを抑えられます。不正アクセスやデバイス紛失、メール誤送信時の情報漏洩を防げるでしょう。複数のツールが存在し、それぞれ機能や操作性、対応ファイルなどが異なるため、自社の要件を明確にした上での選定が重要です。
近年は、プライバシー保護に対する関心が高まっており、万が一情報漏洩が起きれば企業の信用やブランドイメージが低下します。ファイル暗号化ツールなどを活用してリスクを減らすと良いでしょう。ただ、サイバー攻撃は日々新たな手法が生み出されており、ファイルの暗号化を行えば100%情報漏洩を防げるわけではありません。
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