MDRとは?機能や活用メリット、おすすめサービス6選を解説
MDRとは、セキュリティの専門家がサイバー攻撃の監視と対処を行うアウトソーシングサービスのことで、利用すればサイバー攻撃への対策や被害の最小化が期待できます。本記事では、MDRの概要やサービス内容、おすすめのサービス6選について解説します。
目次
MDRとは、セキュリティの専門家がサイバー攻撃の監視と対処などを行うアウトソーシングサービスのことです。サイバー攻撃の増加・高度化が進む一方で、セキュリティ管理者・担当者が不足しているため、近年注目を集めています。利用すれば、サイバー攻撃への対策や被害の最小化ができるでしょう。
本記事では、MDRの概要やサービス内容、おすすめのサービス6選について詳しく解説します。MDRについて知りたい方、導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
MDRとは
MDR(Managed Detection and Response)とは、セキュリティに関する専門家が企業や組織に対するサイバー攻撃を24時間監視して、検知や初期対応などを行うアウトソーシングサービスのことです。また、脅威の分析や復旧、事後のレポート作成までを行うケースもあります。
MDRが注目される背景
続いて、MDRが注目される3つの要因について解説します。
サイバー攻撃の増加・高度化
近年は、サイバー攻撃が増加しています。以下は、総務省が発表したNICTERにおけるサイバー攻撃関連の通信数推移データです。

上記によれば、2023年におけるサイバー攻撃関連の通信数は、過去最高の6,197件となっています。また、新たな攻撃手法が日々生み出されており、内容が高度化・巧妙化しているため、セキュリティの専門家が必要とされています。
専門家の不足
サイバー攻撃の増加・高度化により、セキュリティの専門家が必要とされていますが、供給が不足しています。以下は、一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が調査・発表した、情報セキュリティ人材の不足状況に関するデータです。

上記によれば、セキュリティ管理者が不足していると感じている企業の割合は約50%、担当者が不足していると感じている割合は約70%となっています。セキュリティに関する専門家の確保が難しいため、MDRの注目が高まっています。
ブレイクアウトタイムへの対応
短期化したブレイクアウトタイムへの対応における必要性も、MDRが注目されている要因です。ブレイクアウトタイムとは、サイバー攻撃者が最初の侵害ポイントから、ネットワーク内の他システムに侵害を拡大開始するまでに要する時間のことです。ブレイクアウトするまでに対策を実施して攻撃を封じ込められるかが、被害を最小限に抑えるためのポイントです。
ただ、CrowdStrikeが発表した2023年版グローバル脅威レポートによれば、2021年には98分だったサイバー犯罪における平均ブレイクアウトタイムは、2022年には84分まで短縮されています。
参照:クラウドストライク、「2023 年版グローバル脅威レポート」を発表、巧妙な攻撃者によるパッチ適用済みセキュリティプログラムの脆弱性の再悪用やランサムウェア離れが明らかに|CrowdStrike
サイバー攻撃の被害を最小化するためには、状況を監視して迅速に行動することが必要で、24時間365日体制で監視と対応を行うMDRが求められています。
MDRと混在されがちな言葉
続いて、MDRと混在されがちな言葉について解説します。
XDRとの違い
XDR(Extended Detection and Response)とは、企業や組織のセキュリティ環境を統合させるソリューションのことです。従来のセキュリティ対策ツールと異なり、デバイスやサーバー、クラウドなど複数環境のアクティビティデータを収集して、サイバー攻撃の状況把握や対処が可能です。MDRはセキュリティ対策サービスである一方、XDRはツールです。
なお、XDRの詳細は以下をご覧ください。
⇒XDRとは?主な機能や活用メリット、導入ステップと活用におけるポイントを解説
EDRとの違い
EDR(Endpoint Detection and Response)とは、パソコンやサーバーなどのエンドポイントを常時監視して、脅威の検知・対処を行うソリューションのことです。XDRを活用してMDRを提供するベンダーもあります。
NDRとの違い
NDR(Network Detection and Response)とは、ネットワーク上の不審な通信や未知の脅威をリアルタイムで検知して、適切な対応を自動化するソリューションのことです。迅速な検知と対処でサイバー攻撃の被害を最小限に抑えます。MDRはセキュリティ対策サービスである一方で、NDRはツールです。
SOCとの違い
SOC(Security Operations Center)とは、企業のネットワークやシステムなどを24時間365日監視して、情報資産を守る組織のことです。役割自体はMDRと似ていますが、SOCは企業内部の組織なのに対して、MDRは外部のベンダーが提供するサービスです。社内にSOCの設置が難しい企業が、MDRを活用しています。
MDRの主な種類
MDRは大きく2種類に分けられます。ここからは、MDRの主な種類について解説します。
セミマネージド型
セミマネージド型は、セキュリティインシデントの検知後におけるプロセスの途中で、顧客企業が業務を引き継ぐ形式です。どこまでを外部委託して、どこからを自社で行うかは契約内容により異なりますが、監視・検知・分析をアウトソーシングして対処と普及などを自社で行うケースが一般的です。自社でシステム管理を行っているものの、担当者の不足により監視を外部に委託したい企業に利用されています。
フルマネージド型
フルマネージド型は、サイバー攻撃の監視・検知から初期対応や復旧まで全てを外部に任せる形式です。社内に専門人材がいなくても、高いレベルのセキュリティ体制を整えられます。
MDRのサービス内容
次に、MDRのサービス内容を紹介します。
24時間365日体制の監視と運用
対象となるネットワーク・デバイスを24時間365日体制で監視・運用します。自社に監視する人材がいなくても、高いセキュリティ体制を構築できるでしょう。
脅威の検知とアラートでの通知
ネットワークやデバイスにおけるサイバー攻撃を検知して、顧客のセキュリティ担当者に連絡します。事前に、どのレベルの脅威を通知するか取り決めを行えば、必要な連絡のみを受け取れます。
脅威の隔離
サイバー攻撃の被害を最小限にする目的で、脅威が検出されたエンドポイントをネットワークから切り離して、隔離します。例えば、マルウェアなどに感染したパソコンなどをそのままにしておけば、ネットワークを介して他のデバイスに被害が拡大して、二次被害が発生します。被害の最小化には、スピーディーかつ適切な隔離などの初期対応が必須です。
脅威の調査や分析、レポート作成
検知・隔離したセキュリティインシデントの収集したログを基に、サイバー攻撃の種類や侵入経路、影響範囲などの詳細な調査や分析を行います。また、問題解決方法も含めたレポートを作成するケースもあります。
レポートを確認すれば、自社における弱点の把握や必要な対策を検討でき、再発防止に役立つでしょう。また、顧客や取引先に報告が必要な際にも、レポートを活用できます。
デバイス・ネットワークの普及
初期対応を実施後、脅威の駆除を行います。また、脅威が変更した設定などを元の状態に戻して、正常に稼働する状態に復旧させます。インシデントにより必要な対応が異なり、適切な処置を行わなければ、脅威の完全な駆除ができません。MDRを利用すれば、専門性が高い人材がいなくても適切な処置を実施可能です。
MDRの活用メリット
MDRの活用における主なメリットは以下の通りです。
- セキュリティレベルの向上
- セキュリティにおける専門人材の不足解消
- コスト削減
MDRを活用すれば、常時サイバー攻撃に対する監視や検知、対処ができます。自社に専門人材が居なくても、高度なセキュリティ体制を構築可能です。また、自社で高額なコストをかけて、セキュリティ担当者を採用・育成する必要はありません。必要な部分だけをアウトソーシングできるため、高いコストパフォーマンスが期待できます。
おすすめのMDRサービス6選

ここからは、具体的なおすすめのMDRサービス6選を紹介します。
CylanceMDR

CylanceMDRは、BlackBerry Japanのパートナーオブザイヤーを7年連続受賞したエムオーテックスが提供するサービスです。サイバーセキュリティの修士号を持ち、世界的なコンテストで優勝経験もある専門家が、サイバー攻撃を24時間365日体制で監視してくれます。
Cybereason MDR

Cybereason MDRは、経済産業省の定める「情報セキュリティサービス基準」に適合したものとして、JASAにより登録されたサービスです。検知した脅威を最新の知見に基づき分析した上で、報告と解決策の提⽰を行ってくれます。
Trend Service One Complete

出典:Trend Service One Complete公式Webサイト
Trend Service One Completeは、パソコンやスマートフォンをウイルスなどから守るウイルスバスターを提供しているトレンドマイクロのサービスです。計画的にセキュリティ運用を行うためのサポートも受けられます。
Sophos MDR

Sophos MDRは、サービスレベルや利用する脅威対応オプションを基に、自社の状況に応じてカスタマイズできるサービスです。インシデントの平均対応終了時間は38分で、CrowdStrikeが発表した2022年の平均ブレイクアウトタイム84分より、大幅に短くなっています。
MDRサービス

MDRサービスは、日立ソリューションズが提供するサービスです。自社状況の把握と対策検討に役立つセキュリティレポートを毎月作成して、報告を行ってくれます。
MSS for EDR

MSS for EDRは、海外拠点のセキュリティ監視にも対応したサービスです。グローバル企業も安心して利用できるでしょう。ネットワークとセキュリティの機能を一体化するクラウドサービスであるSASEなどの導入も、支援してくれます。
MDRを比較する際のポイント
最後に、MDRを比較する際のポイントについて紹介します。
ベンダーの質
まずは、サービスを提供するベンダーの質を確認しましょう。監視や検知、初期対応など行うスタッフの専門性・スキルが低ければ、サイバー攻撃を見落としたり、適切な対応ができなかったりする恐れがあります。
在籍スタッフの実績や取得資格などを公表しているベンダーも存在します。実績が豊富であれば、安心して依頼できるでしょう。
インシデント対応の範囲と充実度
インシデント対応の範囲と充実度に関する確認も重要です。MDRの主な種類で解説した通り、大きく分けるとセミマネージド型とフルマネージド型の2種類が存在して、どこまで対応するかはベンダーにより異なります。自社が求める業務を行ってくれるかの事前確認が欠かせません。
まとめ
MDRとは、セキュリティに関する専門家が企業や組織に対するサイバー攻撃の常時監視や対応などを行うアウトソーシングサービスのことです。サイバー攻撃の増加・高度化やブレイクアウトタイムへの対応における必要性の向上などにより、近年注目を集めています。利用すれば、サイバー攻撃への対策や被害の最小化、セキュリティに関する専門人材不足への対策が可能となるでしょう。

