技術用語解説

NDRとは?機能や仕組み、類似ソリューションとの違いを解説

NDRはNetwork Detection and Responseの略で、「ネットワーク上の異常な活動をリアルタイムで検出する」+「異常が見つかった際に迅速に対応する」ためのセキュリティ対策です。ネットワーク全体を監視し、外部脅威や内部不正などあらゆるセキュリティリスクが存在する前提で対策を行います。

目次

  1. 1NDRとは
  2. 2NDRの機能と仕組み
  3. 3NDR導入のメリット
  4. 4NDRと類似ソリューションの関係性・違い
  5. 5NDR導入のポイント・注意点
  6. 6まとめ

近年、サイバー攻撃は複雑化・多様化しています。ネットワークの安全性を確保するためには、適切なセキュリティ対策が欠かせません。
本記事ではNDRの機能と仕組みについて詳しく解説し、さらに、EDRやXDR、IDS・IPS、SIEM、UEBAなどの類似ソリューションとの違いについても説明します。
また、NDR導入のメリットや注意点についてもまとめているのでぜひ最後までご覧ください。

NDRとは

NDRはNetwork Detection and Responseの略で、「ネットワーク上の異常な活動をリアルタイムで検出する」+「異常が見つかった際に迅速に対応する」ためのセキュリティ対策です。
ネットワーク全体を監視し、外部脅威や内部不正などあらゆるセキュリティリスクが存在する前提で対策を行います。
このような考え方をゼロトラストと言います。

ゼロトラストとは

ゼロトラストの基本原則は「信頼せず、常に検証する(Never Trust, Always Verify)」です。ネットワークの内外を問わず全てのアクセスを検証し、信頼できるものとして扱わないという前提に基づいています。
インターネットが普及した現代ではサイバー攻撃が巧妙化しています。常に新しい攻撃手法が誕生し、見破ることが難しくなっているため、NDRなどの異常な活動を早期に検知できる仕組みが必要です。

ゼロトラストについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
➡「ゼロトラストとは?実現するポイントやゼロトラストが広まった背景も解説!

NDRの機能と仕組み

NDRでは様々な機能がありますが、その中でも代表的な機能を紹介します。

データ収集を行い、不審な挙動を検知する

NDRは、ネットワーク全体のトラフィックデータをリアルタイムで監視し、正常なトラフィックパターンと比較することで不審な活動や脅威を検知します。
例えば、異常な大量のデータ転送、通常とは異なるパターンの通信、未知のIPアドレスとの通信などが発生すると即座に検知します。

脅威を分析して可視化し、通知する

NDRは検知した脅威を機械学習や行動分析を用いて分析し、可視化する機能も備えています。
例えば、特定のデバイスが通常よりも高い頻度で外部と通信している場合、その通信パターンを分析して背後に潜む脅威を特定します。
こうした分析結果は、ダッシュボードやレポートで可視化されます。
アラートの送信も行うため、担当者は適切な対応策を講じるための情報を迅速に得ることができます。

自動で応答する

一部のNDRシステムは、脅威を検知した際に自動的に応答する機能を持っています。
この応答には、ネットワークセグメントの隔離、悪意のあるトラフィックのブロック、特定の端末のネットワークからの切断などが含まれます。

NDR導入のメリット

NDRを導入するメリットは大きく3つあります。

  1. リアルタイムで脅威を検出できる
  2. ネットワークを簡単に可視化できセキュリティ運用を効率化できる
  3. 機械学習やAI技術を活用して高度な対応ができる

リアルタイムで脅威を検出できる

NDRではネットワーク全体のトラフィックを常に監視しているため、異常な挙動や不正アクセスをリアルタイムに検知することができます。
これにより、サイバー攻撃が発生した場合でも迅速に対応できるため、被害を最小限に抑えることができます。

ネットワークを簡単に可視化でき、セキュリティ運用を効率化できる

ほとんどのNDRにはダッシュボードやレポートを機能が搭載されています。
これらを通じて異常なトラフィックや不審な挙動を一目で確認できるため、日々のセキュリティ運用を大幅に効率化できます。
また、情報が可視化されることでネットワークの脆弱性の発見にも役立ちます。

機械学習やAI技術を活用して高度な対応ができる

機械学習やAI技術を活用したNDRも多いです。これらの機能を活用することで高度な攻撃手法にも対処しやすくなります。
例えば、NDRはネットワークトラフィックの正常なパターンを学習し、それに基づいて異常な挙動を検出します。
これにより、従来のシグネチャベースの検出方法では見逃す可能性のある新しい脅威も発見できます。

NDRと類似ソリューションの関係性・違い

EDRやXDRなどNDRとよく似たソリューションが多く、混乱されている方も多いかと思います。
そこで類似ソリューションとNDRの関係性や違いを整理しました。参考にしてみてください。

EDR

どちらも脅威検出と対応のためのセキュリティツールですが、対象範囲とアプローチに違いがあります。
EDRはエンドポイント(デスクトップ、ラップトップ、サーバーなど)を監視しこれらのデバイスの脅威を検知しますが、NDRはネットワーク全体のトラフィックを監視し、ネットワーク上の異常な挙動を検出するツールです。

EDRについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
➡「EDRとは?EPPとの違いや概要、製品比較まで徹底解説
➡「おすすめEDR製品14選!製品選択のポイントも解説

XDR

XDRは、EDRやNDRを含むさまざまなデータソースを一元的に管理し、統合的に脅威を検出・対応するプラットフォームです。
NDRがネットワークトラフィックに特化しているのに対し、XDRはエンドポイント、ネットワーク、クラウド、メールなど複数の領域をカバーします。
異なるデータソースを統合することで、単一のソリューションでは検出できない複雑な脅威を特定し、より包括的なセキュリティ対策を提供できる点がXDRならではの強みです。

 

NDR
(Network Detection and Response)

EDR
(Endpoint Detection and Response)

XDR
(Extended Detection and Response)

主な対象 ネットワーク全体のトラフィック

エンドポイント
(デスクトップ、ラップトップ、サーバーなど)

複数のデータソース
(エンドポイント、ネットワーク、クラウドなど)

検出方法 ネットワークトラフィックの監視と分析 エンドポイント上のアクティビティの監視と分析 各データソースからの統合的な監視と分析
使用技術

機械学習
行動分析
シグネチャベースの検出

シグネチャベースの検出
行動分析
ヒューリスティックス
機械学習、行動分析、シグネチャベースの検出、相関分析
主な機能

リアルタイムの脅威検出
トラフィック可視化

リアルタイムの脅威検出
エンドポイントの管理
リアルタイムの脅威検出、データ統合と相関分析、包括的なインシデントレスポンス
対応範囲 ネットワーク全体 個々のエンドポイント エンドポイント、ネットワーク、クラウド、アプリケーション
自動応答機能

不正な通信のブロック
デバイスの隔離 など

不正なプロセスの終了
デバイスの隔離 など
複数のデータソースに基づいた自動応答

導入の
目的

ネットワーク全体の可視化
脅威検出

エンドポイントのセキュリティ強化 統合的なセキュリティ管理と脅威対応
利点

ネットワーク全体の広範な視点
リアルタイム監視

詳細なエンドポイントデータ
迅速なインシデントレスポンス
複数領域の統合的な視点、強力な脅威相関分析
欠点

部分的なカバレッジの場合がある
設定が複雑な場合がある

ネットワーク全体の視点に欠ける 導入と運用が複雑でコストが高い場合がある

IDS・IPS

IDSとIPSはネットワーク内の異常な活動を検知・防止するツールです。
IDSは不正な活動を検知して通知を行い、IPSは検出した不正活動を自動的に防止する機能も持ちます。
IDS・IPSとNDRの大きな違いは高度な脅威への対策ができるかどうかです。IDS・IPSが主にシグネチャベースの検出を行うのに対し、NDRは機械学習や行動分析を通じて動的な脅威検出ができます。
IDS・IPSについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
➡「セキュリティ対策IDSとIPSとは?機能と役割、2つの違いについて解説

SIEM

SIEMはセキュリティ関連のイベントログを収集・分析するプラットフォームです。
異なるセキュリティシステムからのデータを統合し、相関関係を分析することで脅威を特定します。
一方、NDRはネットワークの分析に特化しており、リアルタイムでの脅威検出を重視しています。
両者は補完関係にあり、SIEMは広範なログ分析を提供し、NDRはネットワークの詳細な監視とリアルタイムの脅威検出とすることでセキュリティ対策を万全にできます。
SIEMについて詳しくはこちらをご覧ください。
➡「SIEMにより新たなセキュリティ対策を!機能やメリット、必要とされる背景

UEBA

UEBAはユーザーやエンティティの行動を分析することで異常な活動を検出するツールです。
UEBAは主に内部からの脅威に焦点を当てるのに対し、NDRは内部および外部からの脅威を監視します。
UEBAはユーザーやデバイスの行動分析に強みを持ち、NDRはネットワークトラフィックの監視と分析に強みを持つため、これらを組み合わせることで効率的にセキュリティ運用ができます。

NDR導入のポイント・注意点

NDRを導入する際のポイントは3つあります。

  1. ネットワーク全体をしっかりカバーできるものを選ぶ
  2. アラート(警告)の設定を適切に調整する
  3. 緊急時の対応方法を整備する

ネットワーク全体をしっかりカバーできるものを選ぶ

ネットワーク環境は企業ごとに異なります。クラウドやオンプレミス、リモートワーク環境など考慮すべきパターンが多いです。
部分的な対応になってしまうと、脅威が検知されないリスクが高まるため、ネットワークの各部分を包括的に監視できるNDRを選ぶようにしましょう。

アラート(警告)の設定を適切に調整する

デフォルトの設定では過剰なアラートが発生しやすく、管理者の負担を増加させる可能性があります。
これを防ぐために、正常なネットワークトラフィックと異常な挙動を区別するためのしきい値やルールを細かく設定する必要があります。
また、別の観点としてNDRは機械学習による分析・対応がメリットと言えるため、初期設定を丁寧に行うことで機械学習機能を活用でき、アラートの精度を向上させることにも繋がります。

緊急時の対応方法を整備する

脅威が検出された際に迅速かつ適切な対応を行うためには、明確な手順と役割を定めておく必要があります。
例えば、攻撃を受けたデバイスの隔離手順、重要なデータのバックアップと復旧手順、法的対応や関係当局への報告手順などを含むインシデントレスポンス計画を策定しておきましょう。

まとめ

NDRを導入する際には、ネットワーク全体をカバーできるソリューションの選定、アラート設定の適切な調整、緊急時対応の整備といったポイントを押さえることが重要です。

さらに、セキュリティ強化の一環として、情報漏洩監視ツールである「ダークウェブアイ」の導入も検討してみてください。ダークウェブアイは、ダークウェブ上で取引される情報を監視し、企業の機密情報が漏洩していた場合は即座に通知します。
情報漏洩した際にすぐ発見し、迅速な対策を打てば、漏洩によるリスクを最小化することができます。

セキュリティ強化施策としてNDRの導入と併せて活用し、サイバー攻撃や情報漏洩のリスクを最小化しましょう。

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