安否確認とは?代表的な手段や実施する際のポイントを解説
災害時に従業員とその家族の安全を迅速に把握する安否確認の重要性、実施手段6つ、そしてシステム選定のポイントを詳しく解説。企業のBCP対策に欠かせません。
目次
安否確認とは、有事の際に従業員やその家族の状況などを確認する仕組み・手法のことです。近年は、地震や台風、大雨などの自然災害が増加しており、企業は従業員を守る体制構築が必要です。また、状況を迅速に把握・発信することで、取引先に安心感を与えられます。
本記事では、安否確認の概要や代表的な実施手段、安否確認システムの比較ポイントについて詳しく解説します。安否確認について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
安否確認とは
安否確認とは、災害やトラブルが起きた際に従業員とその家族の安全を把握する仕組みのことです。従業員とその家族の安全・人命を保護するために、どこでどのような状況にあるかを迅速に把握して、必要に応じ安全確保に向けた指示を出す必要があります。
また、事業継続(BCP)の観点からどの程度の被害が発生しているかをチェックして、対処できる人員を確保しなければなりません。事業再開までに時間がかかれば、その分損失が発生します。
安否確認の目的や必要な理由
安否確認の目的や必要な理由は以下の通りです。
- 従業員とその家族の安全確保
- 事業の継続(BCP対策)
- 取引先に対する安心感の提供
- 法律の遵守
順に解説します。
従業員とその家族の安全確保
前述の通り、安否確認を実施する最大の目的は従業員とその家族の安全確保です。近年は地震や台風、大雨など自然災害が増加しており、いつ被災するか予測できません。外出先や休日、夜間に被災する可能性もあるでしょう。
災害が発生した際に適切な指示を出すことで、従業員の安全を確保するだけでなく安心感を与えられます。また、状況を把握することで救援もしやすくなるでしょう。企業は従業員を守る体制を整えることが求められています。
事業の継続(BCP対策)
安否確認は事業継続(BCP対策)の観点からも欠かせません。災害などのトラブルが起きた際には、迅速な対応が必要です。初動が遅れた場合、被害が拡大したり再開までに時間がかかったりするでしょう。特に、従業員は簡単には育たず企業の継続に欠かせない重要なリソースです。
従業員の状態確認と安全確保を行った後に、会社・工場の状況や出社可能な従業員の情報も集めましょう。正確な情報を集め適切な対処を行えば、被害を最小化可能です。
取引先に対する安心感の提供
安否確認は、取引先に対する安心感の提供にもつながります。例えば、家電の部品を供給している工場の場合、その工場が止まれば家電を生産できなくなり他社に迷惑をかける恐れがあります。再開までに時間がかかりそうであれば、取引先やユーザーは代替商品・サービスを探す必要がありますが、情報がなければその判断ができません。
取引先やユーザーを安心させるために、以下の情報収集と発信を行いましょう。
- 企業の状態
- 事業が継続できるか
- 復旧が必要な場合、再開の目途はいつか
また、情報が更新された場合には最新の情報を随時発信することも重要です。
法律の遵守
法律の観点からも安否確認の実施が必要です。例えば、労働安全衛生法第3条には、従業員の安全と健康を確保する義務についての明記があり、緊急時の安否確認も義務の一環とされています。また、労働契約法第5条では、企業はいかなる場合においても従業員の生命や身体の安全を確保する義務があると定めています。
企業において、安否確認は安全配慮義務の一環です。
参照:労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)|e-Gov法令検索
労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)|e-Gov法令検索
安否確認時にチェックすべき3つの内容
続いて、安否確認時にチェックすべき以下3つの内容を紹介します。
- 従業員やその家族の状況
- 緊急事態に対応できる従業員
- 取引先の状況
従業員やその家族の状況
まずは、従業員の状況を確認しましょう。また、従業員の家族の状況を確認することも重要です。家族が被災している場合、従業員は心配で災害対策ができません。外出中の従業員に家族の安否を伝えれば、安心感を与えられます。状況だけでなく、助けが必要かの確認も欠かせません。
緊急事態に対応できる従業員
安否を確認できたら、会社や工場の緊急事態に対応できるかも確認しましょう。具体的には、出社できるか、できる場合にはどの程度の時間がかかるかを把握します。ただし、交通状況・会社の状態を考慮して出社が困難と判断した場合には、自宅や避難場所での待機を伝えましょう。
取引先の状況
安否確認では、自社の状況だけでなく取引先や協力業者の状況確認も重要です。グループ企業がある場合には、他社の状況も確認します。あらかじめ以下を決めておくとスムーズです。
- 連絡先
- 担当窓口
- 連絡方法
- 確認事項
安否確認を実施する代表的な6つの手段
続いて、安否確認を実施する代表的な以下6つの手段について解説します。
- 電話
- メール
- ビジネスチャット
- SNS
- 災害用伝言板・ダイヤル
- 安否確認システム
電話
最もオーソドックスな手段は電話です。実際に、電話による安否確認を実施している企業は少なくありません。操作が簡単で、相手の声を聞くことができる安心感もあります。
ただ、災害時は回線が混雑して電話がつながりにくくなるデメリットがあります。また、従業員が多い場合、一人ひとりに対して電話連絡するのは現実的ではありません。
メール
メールでの安否確認を実施している企業も多数存在します。メールの場合、送信のタイミングを選べるため安全を確保してから安否確認や報告が可能です。また、データが残り誰に確認をしたかや、どのような回答を得られたかを後追いできる点も特徴です。
ただ、メールの送信には手間がかかります。また、勤務時間外の場合社用メールが確認されない恐れがあります。さらに、電話同様に回線が混雑すればメールの送受信が不可能になるリスクもあるでしょう。
ビジネスチャット
ChatworkやSlackなどのビジネスチャットでも、安否確認が可能です。普段から使用している使い慣れたツールであれば、災害時も問題なく扱えるでしょう。また、グループを作成でき、部署やチームごとにまとめて安否確認を実施することが可能です。
ただ、サーバーにアクセスが集中すると連絡が取りにくくなり、回答の集計にも手間がかかります。
SNS
X(旧Twitter)やFacebookなどのSNSを活用して安否確認を実施している企業も存在します。SNSにはメッセージ機能が実装されているため、メールやビジネスチャットと同じように連絡を取れるでしょう。
ただ、従業員全員にアカウントを作成してもらう必要があります。中には、自分のアカウントを企業に教えたくないと考える従業員も存在します。
災害用伝言板・ダイヤル
災害用伝言板・ダイヤル(171)を利用する方法も存在します。回線がつながりにくい状況でも利用でき、自分の状況を伝言として残せます。
ただ、利用回数には制限があり集計に手間がかかるため、企業の安否確認には不向きです。
安否確認システム
安否確認システムを利用すれば、効率的に従業員の状態などを把握できます。安否確認システムとは、災害時などに従業員の状態を素早く把握して適切な対処を取れるようにするシステムのことです。例えば以下の機能が実装されています。
- 一斉送信
- 震度など応じた自動通知
- 未回答者への繰り返し送信
- 回答の自動集計
- GPSを活用した位置情報の把握
Smart安否の特長

Smart安否は、クラウドサービスであるため災害時も安定して利用できる安否確認システムです。従業員の状態を確認するだけでなく、災害情報や管理者による対応方針・指示の配信も可能でプッシュ通知を送信できます。また、グループチャット機能が実装されており、家族の安否もチャットで確認可能です。
安否確認を実施する際のポイント
安否確認を実施する際のポイントは以下の通りです。
- 連絡手段や内容を事前に定め周知する
- 最適な手段を選択する
- 集計や分析方法を明確にする
- 個人情報の取り扱いに注意する
順に解説します。
連絡手段や内容を事前に定め周知する
連絡手段や内容を事前に定め、周知しましょう。連絡手段や内容が決まっていなければ、従業員は通知に気付かなかったり非効率になったりする恐れがあります。また、内容の項目数が多かったり複雑だったりすると回答に時間がかかるため、なるべくシンプルにすると良いでしょう。
手段や内容が決まったら、従業員に周知するとともに訓練を実施することも重要です。災害などが発生すると、混乱して冷静に判断できなくなりますが、訓練を行っておくことで、災害時でも落ち着いて行動できるようになります。
最適な手段を選択する
最適な安否確認手段を選択することも欠かせません。本記事で紹介した通り安否確認の手段は複数あり、それぞれメリット・デメリットが異なります。災害時にはアクセスや通信量が増加するため、適切な手段を選択しなければ連絡を取れません。最も連絡が取りやすい手段を模索するとともに、万が一その方法で連絡が取れなかった場合どのように対処するかも決めておくと良いでしょう。
集計や分析方法を明確にする
集計や分析方法の明確化も重要です。集計・分析方法が統一されていれば、瞬時に状況を把握できます。一方、集計・分析方法が異なっていた場合、状況把握に時間がかかり判断や対処が遅くなる原因になります。
個人情報の取り扱いに注意する
安否確認では、以下を含めた個人情報の取り扱いが必要です。
- 電話番号やメールアドレスなどの連絡先
- 家族構成
- 従業員やその家族の居場所と健康状態
セキュリティを強化して、個人情報の取り扱いには最新の注意を払いましょう。近年は、不正アクセスなどのサイバー攻撃が増加しており、情報が漏洩すれば企業の信用が低下する原因になります。情報の保存期間や管理体制、ルールを明確にしましょう。
安否確認システムの比較ポイント
最後に、安否確認システムを比較する際の以下ポイントを紹介します。
- 機能
- 操作性
- 災害時の稼働実績
- セキュリティ対策
- コストパフォーマンス
機能
安否確認システムはツールにより機能が異なります。自社に必要な機能を以下で整理すると良いでしょう。
- 必ず必要な機能
- あると良い機能
- 不要な機能
操作性
操作性の確認も重要です。災害時は冷静な対処が困難なため、容易に操作できるものでなければ使いこなせない恐れがあります。マニュアルなどを確認しなければ操作できないものは避け、直感的に利用できるものを選ぶと良いでしょう。無料トライアルを用いて、従業員が問題なく操作できるかの確認を実施するのがおすすめです。
災害時の稼働実績
災害時の稼働実績確認も欠かせません。有事の際に利用できないシステムであれば、導入しても無意味です。具体的には以下の確認がおすすめです。
- 災害時の稼働実績
- サーバーの分散化
- 負荷対策
サーバーが1ヵ所にしかない場合、設置場所が被災すると利用できなくなる恐れがあります。
セキュリティ対策
セキュリティ対策も確認すると良いでしょう。「安否確認を実施する際のポイント」の章で解説した通り、安否確認では個人情報の取り扱いが発生します。情報が漏洩した場合問題となるため、強度の高いセキュリティ対策を施したツールの選択が欠かせません。
コストパフォーマンス
安否確認システムの導入・利用には、初期費用や月額利用料、オプション料がかかります。有効性とコストのバランスを踏まえて、最適なものを選択します。低価格であっても、必要な機能が実装されていない場合や有効性が低いと考えられる場合には、別のシステムを選ぶと良いでしょう。
まとめ
安否確認とは、災害やトラブルが起きた際に従業員とその家族の安全を把握する仕組みのことです。近年は、地震や台風、大雨などの自然災害が増加しており、企業は従業員を守る体制構築が欠かせません。安否確認の実施方法には、電話やメール、SNSなど複数の方法が存在します。ただ、電話やメールなどでは回線の混雑が原因で連絡が遅れたり、集計に時間がかかったりする課題があるため、安否確認システムの利用がおすすめです。
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