SSEとは?SASEとの違いやメリット、導入のポイント・ステップを解説
SSEとは、複数のサイバー対策テクノロジーを組み合わせた、新たなセキュリティにおける概念のことで、コスト削減やスピーディーな通信環境を実現できます。本記事では、SSEの概要や導入メリット、導入時の準備とポイントについて詳しく解説します。
目次
近年注目されている「SSE」をご存じでしょうか?SSEとは、複数のサイバー対策テクノロジーを組み合わせた、新たなセキュリティにおける概念のことです。個々に多数のセキュリティ対策ツールを導入する必要が無いため、コスト削減やスピーディーな通信環境を実現できます。
本記事では、SSEの概要や導入メリット、導入時の準備とポイントについて詳しく解説します。SSEについて知りたい方、導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
SSEとは

SSE(Security Service Edge)とは、アメリカのテクノロジーリサーチ企業であるGartnerが2021年に提唱した、セキュリティに関する新たな概念のことです。複数の要素を組み合わせたクラウドベースのセキュリティサービスで、個別に多様なセキュリティ対策ツールを導入する必要がなく、手間やコストを抑えられます。
ここからは、以下に関して詳しく解説します。
- SSEを構成する要素
- SSEの重要性
- SSEとSASEの相違点
SSEを構成する要素
SSEは主に以下の4要素で構成されています。
- SWG
- CASB
- ZTNA
- FWaaS
ここからは、上記それぞれの要素に関して順に解説します。
SWG
SWG(Secure Web Gateway)とは、エンドユーザーが社外から安全にネットワーク接続を行うためのクラウド型プロキシのことです。ちなみに、プロキシとはインターネットへの接続を代理で行うサーバーのことを指します。
プロキシに関する詳細は、以下をご覧ください。
⇒プロキシとは?メリット・デメリットや注意点をわかりやすく解説
URLフィルタリングやマルウェア対策、情報漏洩防止などの機能が実装されており、ファイアウォール・アンチウイルスソフトウェアでは防げない高度なサイバー攻撃への対策として期待されています。
CASB
CASB(Cloud Access Security Broker)とは、クラウドサービスにおける利用状況の可視化と管理を行うセキュリティサービスのことです。ユーザーとクラウドサービスの間に設置され「いつ」「誰が」「なにをしたか」を監視して、不正アクセスを防止します。また、複数のクラウドサービスの一元管理を実現でき、手間の抑制に効果的です。
ZTNA
ZTNA(Zero Trust Network Access)とは、アプリケーションやデータ、サービスへのセキュアなリモートアクセスを実現するセキュリティ対策ツールのことです。従来の代表的なネットワークセキュリティであるVPNでは、ネットワーク全体へのアクセスが許可されますが、ZTNAでは事前に定められた特定のサービスやアプリケーションのみへのアクセスが許可されます。近年はテレワークなどを導入する企業が多く、社外などさまざまな場所からのアクセスが増加しており、セキュリティ性の高いリモートアクセスを実現する手段として注目されています。
FWaaS
FWaaS(FW as a Service)とは、クラウドにおけるファイアウォールのことです。主に以下の機能が実装された、サイバー攻撃対策への有効な手段です。
- 不審なWebサイトや悪意あるドメインへのアクセスをブロック
- 不正アクセスの防止
- マルウェアやウイルスなどの検知と対策
SSEの重要性
近年は、オンプレミスではなくクラウドを活用する企業が増加しています。例えば、VPNの利用などこれまでと同様のセキュリティ対策では、以下のデメリットが生じるリスクがあります。
- 通信速度の低下
- コストの増加
- セキュリティ上のリスク
また、現在はさまざまなセキュリティ対策ツールが開発・提供されており、企業は各サービスを個別に導入して管理が複雑になっています。SSEであれば、高度なクラウドセキュリティとツールの一元管理ができるため、重要性が増加しています。
SSEとSASEの相違点
SSEと混同されがちな言葉として、SASE(Secure Access Service Edge)が存在します。SASEもアメリカのGartnerが提唱した、ゼロトラストネットワークを実現するための新たなセキュリティモデルのことで、以下2つの要素で成り立っています。
- ネットワーキングサービス
- セキュリティサービス
SSEはSSEにおけるセキュリティサービス部分を担う存在で、SASEを構成する一部分です。
SSE導入におけるメリット

SSEの導入には以下のメリットがあります。
- ネットワーク環境に左右されないセキュリティ対策の実施
- ゼロトラストアクセスの実現
- ユーザーの利便性向上
- コスト削減
ここからは、上記それぞれのメリットについて詳しく解説します。
ネットワーク環境に左右されないセキュリティ対策の実施
SSEの導入により、ネットワーク環境に左右されないセキュリティ対策を実施可能です。社内外問わず、ユーザーがどこからでも柔軟かつ安全にアクセスできます。複雑な管理も必要ありません。
ゼロトラストアクセスの実現
ゼロトラストアクセスの実現も、SSE導入のメリットです。ゼロトラストとは「決して信頼せず、必ず確認せよ」という考え方に基づいたセキュリティモデルです。これまでは、社内からのアクセスであれば信頼性が高いと考え、社外からのアクセスを制御する境界型防御が主流でした。
ただ、サイバー攻撃が高度化・巧妙化した現代において、遠隔操作などが行われるリスクもあり、社内からのアクセスも安心とは言えません。ゼロトラストでは、社内からのアクセスも信頼ができないという前提で、通信の検証が実施されます。
ユーザーの利便性向上
複数のセキュリティ対策ツールを導入すれば、ネットワークに負担がかかり、通信速度が低下します。アクセスに時間がかかったり、複数の認証で手間・ストレスがかかったりするケースもあるでしょう。複数の要素が一つになっているSSEであれば、スピーディーな通信環境を実現でき、ユーザーエクスペリエンスの向上につながります。
コスト削減
SSEは複数のセキュリティ要素が組み合わされた設計になっており、多数のツールを個別に導入するのと比べ、導入・ランニングコストを削減できます。また、複雑な管理や各ツールを個々に運用する必要がなく、手間が減るため人件費の削減につながるでしょう。
SSE導入時の準備やポイント

SSE導入時の準備やポイントは、以下の通りです。
- 既存のセキュリティ対策を棚卸しする
- 既存環境から段階的に移行する
- ユーザーの利便性が低下しないツールの検討
- 管理しやすいライセンス体系ツールの選択
- カスタマイズ性の確認
順に解説します。
既存のセキュリティ対策を棚卸しする
まずは、既存のセキュリティ対策を棚卸しましょう。SSEを活用する際に、なにが不要となるかなどが明確になります。具体的に確認する項目は、以下の通りです。
- 導入・活用しているセキュリティ対策ツール
- 守る必要がある情報資産
- 情報資産の保存場所
既存環境から段階的に移行する
SSEを導入する際は、既存環境から段階的に移行すると良いでしょう。段階的に移行することで、大規模な変更の手間やリスクを抑制できます。なお、導入ステップは後ほど詳しく解説します。
ユーザーの利便性が低下しないツールの検討
SSE活用におけるメリットの一つは、ユーザーの利便性低下を防止できることですが、全てのツールが当てはまるわけではありません。中には、導入により通信速度の低下など、悪影響を及ぼすツールも存在します。導入ツールを検討する際には、利便性に与える影響を確認しましょう。
管理しやすいライセンス体系ツールの選択
シンプルで管理しやすいライセンス体系のツール利用は、管理における手間の抑制につながります。また、コスト予測も立てやすくなるでしょう。ユーザー数やデバイス数に応じたシンプルな料金プランの商品が、おすすめです。
カスタマイズ性の確認
カスタマイズ性を確認することも、導入時の重要なポイントです。企業ごとに、セキュリティ対策や必要な機能が異なります。カスタマイズ性が高ければ、自社の要件を満たす対策ができるでしょう。また、企業の状況やサイバー攻撃手法の変化などに対応可能なため、長期間利用できます。
SSEを導入するステップ

前述の通り、SSEを導入する際は一度に行うのではなく、段階的な移行がおすすめです。具体的な導入ステップは以下の通りです。
- ファイアウォールやプロキシ、アンチウィルスなどの境界防御型ツールをSWGに移行
- SaaSサービスの脅威に対するCASBを導入
- よりセキュアなアクセス実現に向け、VPNからZTNAに移行
各段階で導入後にテストを実施して、自社が求める要件を満たしているか、利便性を低下させていないかを確認しましょう。計画的な移行とステップごとの評価により、効果的なセキュリティ対策を実現可能です。
SSEベンダーを選ぶ際のポイント

SSEベンダーを選ぶ際には、セキュリティ対策に関する実績や経験を確認しましょう。SSE自体は新たな考え方ですが、長年セキュリティ対策ツールを提供しているベンダーであれば、その分ノウハウを保有しており、高品質なソリューション提供が期待できます。
また、オンプレとクラウドではアプローチや必要なスキルが異なるため、クラウドに関するソリューション実績を確認することも重要です。
まとめ

SSEとは、アメリカのテクノロジーリサーチ企業であるGartnerが2021年に提唱した、セキュリティに関する新たな概念のことです。以下4つの要素で成り立っており、複数のツールを個別に導入する必要がありません。
- SWG
- CASB
- ZTNA
- FWaaS
活用すれば、ネットワーク環境に左右されないセキュリティ対策の実施やユーザーの利便性向上、コスト削減が期待できます。
ただ、近年のサイバー攻撃は高度化・巧妙化しており、SSEであれば100%セキュリティ上の脅威を排除できるわけではありません。万が一、情報漏洩が発生すれば、企業の信用性やブランドイメージが低下してしまうでしょう。漏洩を早く察知し、適切な対応を取れる体制の整備が重要です。情報漏洩監視ツール「ダークウェブアイ」は、会社のドメイン情報を入れるだけで「いつ」「どこから」「どんな情報が」漏れてしまったのか、一瞬で分かります。
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