
リース満了物件の適正処理から始まり、中古農機の買取・販売事業へと領域を拡大してきたJA三井リースアセット株式会社様。事業成長に伴い、査定業務の煩雑化や属人化という課題に直面していました。今回のインタビューでは、Pleasanterの導入により、どのように業務効率化と事業拡大を実現したのか、また、SMSデータテックがどのようにご支援をさせていただいたのか、リユース第二事業部 マシンソリューション室の皆様にお伺いしました。
目次
導入の背景と課題
複数の窓口が混在し、査定業務が煩雑化
「リース満了物件の処分だけでは事業として成り立たない。収益を向上させるには、外部のお客様が持っている資産を買い取る必要がありました」と語るのは、室長の大島様です。
農機についてはリース契約が非常に多く存在しますが、実際に同社へ返却される物件は少数です。事業を継続・拡大していくためには、JAグループや農機メーカー系販売会社から査定依頼を受け、積極的に買い取っていく必要がありました。
しかし、査定業務には大きな課題がありました。写真撮影や必要情報のヒアリングにおいて、撮り忘れや聞き漏れが散見され、査定依頼の受付窓口もFAX、メール、Excel添付、LINEなど複数の手段が混在していました。
「正直ごちゃごちゃで、受付担当者がパニックになってしまうこともありました」と坂本様は振り返ります。各担当者がExcelで個別に案件を管理していたため、集計作業にも多大な労力を要していました。
こうした課題に加え、親会社のJA三井リースからもDX推進の要望が寄せられていました。リース債権の事故が発生した際、営業担当者には「どのような情報が必要なのか」「どの部分の写真を撮るべきか」といった知識がありません。グループ全体でのDX推進という流れの中で、マシンソリューション室としても査定業務のシステム化に取り組むことになったのです。
SMSデータテックとの出会い
シンプルさとコストパフォーマンスが決め手
システム導入にあたり、同社は複数のベンダーを比較検討しました。AI技術を活用した高機能なシステムも候補に挙がりましたが、最終的にSMSデータテックを選んだ理由は明確でした。
「シンプルだったことが一番の決め手です。農機に特化したシステムで、余計な機能がない。使いやすさとコスト面で優位性がありました」と坂本様は語ります。
大島様も続けます。「AIを使うまでのレベルではないと判断しました。初めての取り組みでしたので、まずは基本的な価格テーブルさえしっかりできていれば十分。将来的な拡張性は残しつつ、現時点で必要な機能に絞ったシステムが適切だと考えました」
また、同じくSMSデータテックが開発した残価売却査定ツールを別部署で導入していたことも、信頼につながりました。
開発までの道のりと成果
週1回のミーティングで認識のズレを最小限に
「週に1回、オンラインでミーティングの場を設けていただきました。前のベンダーさんではメールでのやり取りがメインでしたが、今回は実際に話せる場があったので、我々が作りたいツールとベンダーさんが考えていることの差異がほとんどありませんでした」と坂本様は評価します。
磯野様も「こちらからの要望を挙げた際に、できる・できないの回答だけでなく、プラスアルファで新たな解決策を都度提示していただけたことが非常にありがたかったです」と振り返ります。
ユーザー200アカウント、買取201件を達成
システム導入後、査定依頼をいただくJAグループやメーカー系販売会社のアカウント数は約200まで拡大。システム経由での買取仕入れ件数も201件に達しました。また、同社から査定依頼をかける業者は5社、運送手配を依頼する運送業者は4社がシステムを活用しており、仕入先からの査定依頼受領から在庫仕入や業者売却までの業務フローを同システム内で実現することができております。
属人化を解消し、査定回答を即時化
「導入前と導入後で最も良くなった点は、属人化の脱却です」と坂本様は強調します。システムに搭載された写真撮影等のアシスト機能により、初めて中古農機に接する担当者でも必要なポイントを押さえた査定が可能になりました。
また、農機の概算査定回答時間も3営業日から即時へと大幅に短縮。「必要な情報を入力すれば、その場で概算金額が表示されます。お客様との商談の迅速化が進みました」と坂本様は語ります。
さらに、複数の手段が混在していた査定依頼の受付窓口がシステムに一本化され、「どの査定を受けたのか、どれが回答済みでどれが未回答なのかがはっきり分かるようになりました」と坂本様。受付担当者のストレスも大幅に軽減されました。
導入後も、SMSデータテックは継続的なサポートを提供しています。「Q&Aの場を常に設けていただいており、改修要望や変更依頼を投げかけると、必ず答えてくださる環境があります」と磯野様は語ります。
導入における課題と工夫
多様な顧客ニーズへの対応
「JAグループとメーカー系販売会社では、体質がかなり異なります」と磯野様は説明します。一日に10件の査定を依頼したい顧客もいれば、1件ずつ丁寧に依頼したい顧客もいます。「様々なご要望に応えながら、システムは一つという形に集約していくのには労力を要しました」
また、JAグループの中には、スマホやパソコンが一人一台支給されていない組織もありました。「そういった場合は、こちらから足を運び、デスクトップにショートカットを作成しました。結果的に、先方のDX化にも貢献できたのではないかと考えています」と磯野様は語ります。
今後の展望とまとめ
横展開と一気通貫したシステムへ
「今後は、農機以外の品種にも展開していきたいと考えています」と大島様。フォークリフトや工作機械など、同社が取り扱う他の機械にもシステムを横展開する計画です。また、現在は仕入れ業務がメインですが、今後は販売や在庫管理にも機能を拡張していく予定です。
同じような課題を抱える企業へのアドバイスとして、大島様は「まず、やりたいことをはっきりさせることが一番大事です」と強調します。「ベンダーさんとお話をしている間に機能が増えていき、本来の方向性からぶれていくことがよくあります。何を軸にしっかり作りたいのかを明確にした上で、そこから枝葉を広げていくべきです。最初から欲張りすぎず、シンプルに作って、そこから徐々に増やしていく形が良いと思います」
JA三井リースアセット株式会社様は、Pleasanterの導入により、約200アカウントのユーザー獲得、201件の買取実績、査定回答時間の劇的な短縮など、具体的な数値として成果が表れています。シンプルで使いやすいシステム設計と伴走型サポートが、お客様の事業成長を支える原動力となっています。
SMSデータテックは、今後もお客様と共に歩み、さらなる業務効率化と事業拡大を支援してまいります。
インタビューにご協力いただいたお客様
- リユース第二事業部 マシンソリューション室 室長 大島 大和 様
- リユース第二事業部 マシンソリューション室 坂本 英明 様
- リユース第二事業部 マシンソリューション室 磯野 廣揮 様

会社概要
| 会社名 | JA三井リースアセット株式会社 |
| 住所 | 東京都中央区銀座8-13-1 銀座三井ビルディング |
| 設立 | 1987年7月1日 |
| 資本金 | 2億円 |
| 主な事業 | リース満了業務 保険代理店業務 決算代行業務 中古物件の買取、販売業務(PC、フォークリフト、工作機械、農業機械等) データ消去サービス |
| 代表者 | 代表取締役社長 高沼 秀明 |
| 従業員数 | 157名 (2025年3月31日現在) |
| ホームページ | https://www.jamitsuilease-asset.co.jp/ |