2024年10月23日〜25日に幕張メッセで開催されたJapan DX Week2024秋。春と同じく「生成AI×自動化」をテーマに出...
ChatGPTとExcel(エクセル)を連携して何ができる?連携方法は?
近年、生成AIの進化が著しく、様々なビジネスでの活用方法が注目されています。
そんな今話題の「ChatGPT」と皆さんにとって馴染み深い「Excel」を連携させることで、データ処理や分析の効率を向上させることができます。
本記事では、生成AIとExcelを組み合わせることで、どのように日常業務を効率化し、生産性を向上させることができるのか、その具体的な方法と活用事例をご紹介します。
目次
ChatGPTとExcel(エクセル)を連携してできること
chatGPTとExcelを連携してできることは大きく分けて5つあります。
- データ分析やレポート作成を自動化
- 複雑な計算の手助け(収支予測、コスト分析など)
- 大量データの整形
- 必要なデータを代わりに探してもらう
- Excelの使い方をサポートしてもらう
データ分析やレポート作成を自動化
ExcelとChatGPTを連携させると、データの分析やレポート作成が自動化され、業務効率が大幅に向上します。
データの要点をわかりやすくまとめるほか、主要な指標を自動的に抽出し見やすいグラフやチャートを作成することもできます。
過去のデータを基にしたトレンド分析や将来の予測も行うため、より精度の高い意思決定が可能になります。
複雑な計算の手助け(収支予測、コスト分析など)
ChatGPTは複雑な数式や計算モデルの作成を助けてくれます。
例えば、複数のシナリオを比較して最適な意思決定を導き出すシナリオ分析や、
収入と支出の予測を自動化することできるため、キャッシュフローの管理を効率化することも可能です。
また、コスト構造を分析して効率的なコスト削減策を提案することまで対応できます。
大量データの整形
大量のデータを効率的に整形し、分析しやすい形式に変換することができます。
重複データや欠損値の修正といったデータクリーニングを自動で行ってくれるため、手作業より効率よく進められます。
また、複数のデータソースを一つにまとめ、データ分析しやすい一貫性のあるデータベースを作成することも可能です。
必要に応じて出力時のファイル形式も変えることができます。
必要なデータを代わりに探してもらう
必要なデータを外部データベースやウェブから検索し、Excelに取り込むことでデータ収集の手間を大幅に削減できます。
ウェブサイトから必要な情報を自動的に収集するウェブスクレイピングや、外部APIと連携して最新データをリアルタイムで取得する機能を活用できます。
また、特定の条件に基づいてデータをフィルタリングし、必要な情報だけを抽出することも可能です。
Excelの使い方をサポートしてもらう
これまで社内情シスに聞いていたことをChatGPTに聞くこともできます。
Excelの基本操作から高度な分析機能まで、実際の手順までセットでサポートしてくれます。
もし数式でエラーやトラブルが起きても、ChatGPTが解決策を提示してくれます。
ChatGPTとExcelを連携させる方法4選
ChatGPTとExcelを連携させる方法を紹介します。ここでは代表的な4つを紹介します。
- ChatGPT for ExcelのAI関数
- Excel Labs
- Microsoft Power Automateを使った連携
- PythonとOpenAI APIを利用した連携
ChatGPT for ExcelのAI関数
Excelのセル内で直接ChatGPTの機能を呼び出せる方法です。
Excelの関数としてAIを組み込むことで、自然言語を使ったデータ分析やテキスト生成が可能になります。
例えば、データの要約や自然言語の回答生成を、Excelの関数を利用する感覚で簡単に実行できます。
Excel Labs
マイクロソフトが提供する実験的な機能を試せるプラットフォームで、最新のAI技術をExcelに統合することが可能です。
Excel Labsを利用することで、ChatGPTを含む様々なAI機能をExcel内でテストし、独自の分析ツールやレポート生成機能を開発することができます。
Microsoft Power Automateを使った連携
異なるアプリケーション間の自動化ワークフローを構築するためのツールです。
Power Automateを使えば、ExcelとChatGPTを含む他のアプリケーションやサービスを連携させることができます。
例えば、Excelに入力されたデータを自動的にChatGPTに送信し、その結果をExcelに返すといった処理を自動化できます。
PythonとOpenAI APIを利用した連携
Pythonプログラミング言語とOpenAIのAPIを使うことで、カスタマイズされた連携ソリューションを構築できます。
Pythonのスクリプトを使用してExcelのデータを取得し、OpenAI APIを通じてChatGPTに送信、生成された結果を再びExcelに反映することが可能です。
ChatGPT for Excelの使い方の手順
上記で紹介した4つのうち「ChatGPT for ExcelのAI関数の利用」について詳しく紹介します。具体的な手順は以下4ステップです。
- ChatGPT for Excelのインストール
- OpenAI APIキーの取得
- APIキーの設定
- ChatGPT関数を使う
ChatGPT for Excelのインストール
1.マイクロソフトの公式サイトからダウンロード
➀マイクロソフトの公式サイトやOfficeのアドインストアから「ChatGPT for Excel」をダウンロードします。
➁Excelで開くボタンをクリックしExcelを開きます。
③Excelのリボンメニューに「ChatGPT for Excel」のアイコンが表示されたらインストール完了です。
2.Excel上でダウンロード
➀Excelのホームタブにある「アドイン」をクリックします。
➁検索ボックスで「ChatGPT」と検索すると「ChatGPT for Excel」が出てくるので追加ボタンをクリックします。
③Excelのリボンメニューに「ChatGPT for Excel」のアイコンが表示されたらインストール完了です。
OpenAI APIキーの取得
➀ChatGPTを利用するためにはOpenAIのAPIキーが必要です。OpenAIの公式サイトにアクセスし、アカウントを作成またはログインします。
➁ダッシュボードに移動し、「APIキーの管理」セクションから新しいAPIキーを生成しましょう。
APIキーの設定
Excelに戻り、ChatGPTタブを開きます。そこで、「設定」または「APIキーの設定」オプションを選択し、先ほど取得したAPIキーを入力します。この設定を行うことで、ExcelがOpenAIのサーバーと通信できるようになります。
APIキーが正しく設定されると、ChatGPTの機能をExcel内で利用できるようになります。
ChatGPT関数を使う
APIキーの設定が完了したら、Excelのセル内でChatGPTの関数を使って、様々なタスクを実行できます。例えば、=AI.ASK(今日の日付は?)と入力すると、そのセルに対してChatGPTが応答します。
データ分析やテキスト生成など必要に応じて関数の引数を変更し、目的に合わせた応答を得ることができます。
関数例
- =AI.ASK(〇〇)
- =AI.LIST(〇〇)
- =AI.TRANSLATE(〇〇)
- =AI.FORMAT(〇〇)
- =AI.EXTRACT(〇〇)
- =AI.FILL(〇〇)
- =AI.TABLE(〇〇)
ChatGPT for Excelでできること
ChatGPT for Excelでできることは3つあります。
- データの要約
- データの検索
- データのクリーニングと整形
データの要約
ChatGPT for Excelを使えば、データセットの要点を簡単にまとめることができます。
例えば、長文のテキストデータから主要なポイントを抽出したり、数値データから主要な統計情報を自動的に計算して要約することが可能です。
データの検索
Excel内に膨大なデータがある場合、特定の情報を迅速に見つけ出すのは容易ではありません。
ChatGPT for Excelを使うことで、自然言語を使ってデータを検索することができます。
例えば、「2023年の売上データを教えて」と入力するだけで、該当するデータを瞬時に抽出できます。
データのクリーニングと整形
基幹システムからダウンロードしたローデータなどは、重複値や欠損値、不適切なフォーマットなどが含まれており、分析に先立ってデータのクリーニングが必要です。
ChatGPT for Excelを使えば、これらの問題を自動的に検出し修正することができます。
ChatGPTとExcel連携のメリット
Excelでの業務の効率化
ほとんどの企業でExcelが使われており、表計算だけでなく書類作成にも利用できる便利なツールですが、データの処理や分析には手間と時間がかかります。
ChatGPTを利用することで、これらの作業を自動化し、時間を大幅に節約できます。
例えば、データの要約、検索、クリーニングといった繰り返し行う作業をChatGPTが担当することで従業員はよりコア業務に集中できます。
自然言語で直観的にやりたいことを指示できる
通常、Excelで本格的な分析をしようと思うと、VBAなどのマクロのような専門的な知識やスキルが必要です。
しかし、ChatGPTを連携させることで自然言語を使って直感的に指示を出すことができます。
例えば、「このデータセットの要約を作成して」や「特定の条件に合うデータを検索して」といった指示で簡単に実行できます。
Excelを使い慣れていない方でも作業がスムーズになります。
ChatGPT for Excel活用の注意点
最後に「ChatGPT for Excel」の注意点を3つ紹介します。
- プロンプトに機密情報を含めない
- APIの利用料(従量課金)
- 出力結果が正しいか検証する
プロンプトに機密情報を含めない
ChatGPTの利用時には、機密情報や個人情報をプロンプトに含めないことが重要です。
ChatGPTは外部のサーバーと通信してデータを処理します。プロンプトとして入力したデータは、インターネット上で共有される可能性があるため、セキュリティリスクとなります。
安全に利用するために、公開されても問題のない内容のみを入力してください。これにより、情報漏洩を防ぎ、プライバシーを保護することができます。
ChatGPTの漏洩リスクに関して、下記のセミナー動画で詳しく説明しています。
➡必聴!ChatGPT利用に潜む情報漏洩リスクとは?
APIの利用料(従量課金)
ChatGPTの利用にはAPIキーが必要であり、このAPIの利用は従量課金制となっています。
使用量に応じて料金が発生するため、無制限に使用すると高額な利用料が請求される可能性があります。
使用頻度や使用量を定期的にモニタリングし、必要に応じて使用を制限することで、コストを管理することが大切です。予算内での効率的な利用を心がけましょう。
出力結果が正しいか検証する
ChatGPTは非常に高い精度を持つ一方で、全ての出力結果が常に正確であるとは限りません。
ハルシネーションといったAIが実際には存在しない情報や事実を生成する現象があります。
そのため、生成されたデータや分析結果が正しいかどうかを必ず検証し、必要に応じて人間の目でチェックすることが重要です。
特に重要な決定やレポートに利用する場合は自分でもエビデンスを集め、出力結果を検証しましょう。
まとめ
ChatGPTとExcelを連携させることで、データの要約や検索から整形が簡単に行えるようになり、複雑な計算やレポート作成も効率的に処理できます。
またChatGPTのおかげで自然言語で指示を出せるため、Excelを使い慣れていないユーザーでも直感的に操作が可能です。
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